【閉幕】自作歌謡音楽劇 髑髏沼の女【ありがとうございました!!】
駄目なダーウィン舎
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2014/02/20 (木) ~ 2014/02/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
これぞエンタメ
「ぷち帝都物語」的な無駄にデカいスケール+サイキックウォーなハナシをバラエティに富んでいる上にクオリティの高い楽曲と敢えてのわざとらしい演出(メイク含む)でコーティングして、これぞエンタメ!(笑)
secret
劇団伍季風 ~monsoon~
小劇場 楽園(東京都)
2014/03/07 (金) ~ 2014/03/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
「戦争」に関して考えさせられる息詰まる70分
全地球的に南北に分かれての戦争が100年も続いている未来、ある場所の調査に来た北軍兵士3人が南軍兵士3人と遭遇し…な物語。
戦争の原因と終わらせ方、戦時下教育などに関して考えさせられる。
息詰まる…と言うより息苦しいほどのやり取りが続くので70分の上演時間も妥当。
想稿 銀河鉄道の夜
空かると
アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)
2014/02/27 (木) ~ 2014/03/02 (日)公演終了
満足度★★★★
原作を知っているとより楽しめる
作品初見。
原作よりも二人の「別れ」を明確化するなど、元ネタを知っているとより楽しめる感じ。
また、灯りや紙吹雪、シャボン玉などが美しい演出も堪能。
なお、ジョバンニ役の菅野友美嬢のかなり早口ながら細部まできちんと聞き取らせる滑舌・声質に驚愕。
なお、選曲がキャラメルボックス風味(私見)なことにニヤリ。
イエドロの落語 其の壱
イエロー・ドロップス
新宿カールモール(東京都)
2014/03/08 (土) ~ 2014/04/11 (金)公演終了
満足度★★★★
機動力増
古典落語3編をアレンジしイントロとアウトロを付けて1つのストーリーに仕立てる新手法により全体的なまとまりが出てきた感じ。
二人芝居となり以前より身軽になったことから地方も含めて、イベントの出し物や老人ホーム慰問など、いろんな所での公演が可能なのではないか?とも思う。
『恋煩いのなおし方』『紙風船』
トレモロ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2014/03/08 (土) ~ 2014/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★
岸田作品で「まさかのアレ」
1編目(「恋煩い…」)がトレモロにしては極めてオーソドックスで「ありゃりゃ?」と思っていたら、まさかの岸田で「アレ」を…。(笑)
しかし考えてみるとメインの人物2人が普通に芝居をしている中、1場面専属の3人がバックグラウンド的に「アレ」を演るという新手法、本編の状況に適合して鮮やか。確かに走り出した列車感があったもんなぁ。
ある冬の朝、Kは
タテヨコ企画
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2014/02/26 (水) ~ 2014/03/10 (月)公演終了
満足度★★★
八百屋丸見えの位置で観劇
大学時代のテニスサークルのメンバーの死によって集まる当時の仲間たち…な物語。
抽象舞台が瞬時に具象に換わる(場所設定も含む)鮮やかな冒頭でツカミはオッケー、以降、現在と学生時代を往き来する展開に引き込まれる。
後半にやや中弛み感もあるが、最後に主人公が復縁した妻に言う「時々“貴方は生きている”と言って欲しい。自分も言うから」という台詞(大意)が胸を打つ。
しかし三方客席のうち、横から観る位置にしたら八百屋で演ずる役者がモロ見えで、その苦労が偲ばれたのは良かったような良くなかったような…。
ゴーストライターズ!!
企画演劇集団ボクラ団義
SPACE107(東京都)
2014/02/28 (金) ~ 2014/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★
傑作ふたたび
笑いとハラハラドキドキの配分が絶妙。
また、一件落着の後にもう一波乱ある…と言うよりむしろそちらがキモで、実はそれまでは入念に伏線をはっていた、な構造が鮮やか。
ボクラ団義を初めて観たのが本作(の初演)ということによる刷り込みもあり、今まで観た中で一番好きな作品かもなぁ。
最 終 回
麻生夢想
荻窪小劇場(東京都)
2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了
満足度★★★★
最終公演とは勿体ない
今は便利屋的な仕事をしているかつてのヒーロー達の物語。
出だしはコミカルながら中盤以降は熱血系に転じる展開はさすがきだつよし氏の直系の後輩。
ストーリーテリングも巧みだしキャスティングも的確だし、これが最終公演とは勿体ない。
が、クライマックスで音楽の音量は大きいわ、怒鳴り気味だわで台詞が聞き取りにくい…どころかほとんど聞き取れないのは惜しい。盛り上げたい気持ちはよくワカるんだけれどね。
なお、「あれだけ闘ったのに次のシリーズが始まればこんな扱い…」というヒーロー達の言い分に「ランボー(1作目限定)」を思い出す。
糸、巡礼、失うこと
アムリタ
北品川フリースペース楽間(東京都)
2014/02/21 (金) ~ 2014/02/26 (水)公演終了
満足度★★★★
マイルドな「ドグラ・マグラ」?
一言で表現すれば「マイルドなドグラ・マグラ」?(私見)
生まれ出ずる前に双子の妹と描く人生(胎児の夢)、死ぬ前に見る人生の走馬灯、一族の女性のDNAに刻み込まれた記憶などが渾然一体となった世界として観る。
ズームイン、ズームアウトするように子供から老人まで自在に変わったり、各世代の同一人物が居合わせたり…な「時空のねじれ・交差」的な表現も面白く、と言うか好みで脳内であれこれ想像・補完して楽しんだ。(「2001年宇宙の旅」を連想したりも)
ねこのすむ町
ストーリーテラーズ
竹林閣(東京都)
2014/02/22 (土) ~ 2014/02/24 (月)公演終了
満足度★★★★
新ワザもアリ
児童文学ど真ん中、な作品を工夫して見せて毎度ながら楽しい。
あ、今回は導入部があるのが新しいか。
2編目は宮沢賢治作品に通ずるモノもあったな。
ピノキオショー
CAPTAIN CHIMPANZEE
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/02/20 (木) ~ 2014/02/24 (月)公演終了
満足度★★★★
キャプチン・マジック
感情を抱くロボット、殺人ロボットなどハードSFの題材を児童文学タッチのマイルドな衣でくるんだ上に時事ネタから芸術論までさらっと…いや、しれっと盛り込む欲張りよう(笑)。
なのでSF的な部分や時事ネタ(兵器輸出とか)、芸術論(そのまま描くのでなく、想いがプラスされて初めて「芸術」とか)なんかワカらない子供でもキャラクターや物語の流れで十分に楽しめるだろうし、大人は大人でテーマなども含めて楽しめるという。
さらにロボの霊、刑事の勘、誰も逆らえない女などいくつかの反則ワザ(笑)まで使っていながら全体としては成立してしまうキャプチン・マジック、参った!
あと、鉄腕アトムを想起させるところも複数あってニヤリ。
「彼の地」
北九州芸術劇場
あうるすぽっと(東京都)
2014/03/07 (金) ~ 2014/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
縒り合わせられる糸のように次第にまとまってゆく挿話たち
友人の結婚で北九州を訪れた女性、定年退職を目前にした技術者、地元民などが織り成す人間模様。
最初は個別かと思われた挿話が、糸が撚り合わせられるようにまとまってゆき「居場所」という共通のキーワードに収束する一方、人々の心のしこりは逆にほどけてゆくツクリが巧み。
全体に「あたたかさ」も漂い135分の上演時間を感じさせないのはさすが。
かつて北九州市で4年間暮らした身には旦過橋や皿倉山などの地名が懐かしくもあった。
絵空ノート
演劇ユニット「クロ・クロ」
テアトルBONBON(東京都)
2014/03/05 (水) ~ 2014/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★
二重のメタフィクション構造が好み
タイプの異なる歴史小説家2人が紡ぎ出す幕末と明治の出来事。
大河ドラマ3-4本分の内容(笑)に、各時代における女性の立場(地位?)を織り込んだかと思えば後半では作家と作品の関係なども浮上して飽きさせない。
また、役者がモブを演じる時に羽織る黒いマントの「もう一つの使い方(=劇中劇内での“死”の暗示)」も妙案だし、劇中と現実の二重のメタフィクションという構造が好み。
見て見ぬ三日月
劇団ヨロタミ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2014/02/19 (水) ~ 2014/02/23 (日)公演終了
満足度★★★
その19年間はどんなものか?
ある事件からの19年間。
罪の意識に苛まされたりや介護に費やしたりの19年とはいかばかりか?と考えさせられる。
が、重さを緩和するためのコミカルな部分が、確かに効果はあるが時として全体をチグハグな印象にしかねないようで微妙?
コヒモトメム
演劇ユニット 金の蜥蜴
ブディストホール(東京都)
2014/02/12 (水) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★
従来比で芝居寄り?
能「求塚」をベースにしていながらその中心部分である三角関係を抽出し、他のカップルも織り込む。
どちらかと言えば平民側の物語なため衣装がおとなしめだし、様式美的なものは控えめで従来よりも「芝居寄り」か?
冒頭、一部の人物だけをモノトーン風に見せた照明はお見事かつ効果的。
あて先をなくした手紙のゆくえ
劇団 俵屋総本店
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了
満足度★★★
「HeartにS」風スタイル
4本から成る短編オムニバス。
1本目は不条理系で2本目はハートウォーミングストーリーながら、3本目で両編が関連付けられるという往年の深夜ドラマ「HeartにS」風なスタイル。
そうして創設メンバーによるエピローグ的な二人芝居で締め括るという構成が◎。
乾杯の戦士
ホチキス
エビス駅前バー(東京都)
2014/02/04 (火) ~ 2014/02/09 (日)公演終了
満足度★★★★
「踊り場もの」あるいは「待合室もの」
主人公と3人の相手を描く3話連作短編形式の「踊り場もの」あるいは「待合室もの」。
各話それぞれ特徴があり、笑わせたりホロリとさせたりと巧みなツクリ。
なお、「アレ」の「劇場版」きぼんぬ。(笑)
第二の心臓
BLUE HIPS
上野ストアハウス(東京都)
2014/02/13 (木) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★
「一人ラフカット」状態(笑)
4本の短編を10分間の休憩を挟んで上演時間130分というまるで「一人ラフカット」状態。(実際、ラフカットで上演したもの3本と既発表作品(KAKUTA用?)1本とのこと)
いかにも堤泰之、な各編はそれぞれ楽しくかつ巧みだが、欲を言えば前半の2本はパンチライン的なモノで締めて欲しかったか気も。
それはそうと、劇団火打石の「賽の河原の石つぶて」、観てみたいモンだ。
Girls, be a mother【アンケート即日公開】
劇団バッコスの祭
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2014/02/05 (水) ~ 2014/02/11 (火)公演終了
満足度★★★★
エンタメ性もたっぷりな力作
欲張り過ぎな感がないでもない(※)が、女性と仕事・結婚生活やパワハラ、セクハラなど現代社会の問題を盛り込みつつ、ワカり易い「悪役」、胸のすく場面などでエンタメ性もたっぷりな力作。
※「シェフのお勧めコース」を頼んだら、いろんなものが出てきてどの料理も美味しくかつ量も過不足なく「あの皿はなくても良かったな」ということもなく値段もリーゾナブルだったのだけれど、おナカが一杯になり過ぎた、みたいな…
また、ツートンカラーの床はデザインのみならず、終盤で議論になった時のそれぞれの「陣地」を表現する機能もあることに感心。
ただ、与謝野晶子に関してきちんと予習して臨まなかったのは失策。知っていたらもっと楽しめたんじゃないかな?
あと、キャラメル風味を感じたり、井上ひさしの「頭痛肩こり樋口一葉」を連想したりも。
なお、観劇当日は大雪だったので、終演後すぐにスタッフさんがその時点で運転を見合わせている鉄道路線を知らせてくれて、さらにロビーのPCを使って帰路の検索をさせてくれるというサービスもアリ。
こういうの、他団体もどしどし取り入れて頂きたい。
『武器と羽』
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/10/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
特徴的な「26時的な空気」、好きだなぁ
深かったぁ。冒頭に字幕で「すべての登場人物が嘘をついている」と示されるものの、嘘をついているように思えない人物もいて、内容とも相俟って「嘘とは何か?真実とは何か?」と問うているようで。
さらに会話には神なども出てきて、哲学気味?(笑)
一方、笑える部分や泣ける部分も挟み、得意の時制ズラしの構成、そして特徴的な「26時的な空気」(←勝手に命名)もあって135分(=前説5分を除いた正味)の上演時間もその長さを感じず。
やっぱりここの芝居、好きだわ♪♪♪