満足度★★★★
休憩なしの140分もさほど長さを感じず
水色桔梗紋の旗を再び掲げるべく女を捨て武将の道を選んだ明智光秀を中心とした戦国絵巻。
今まで光秀を主人公としたものを観ていなかったのであれこれ新鮮。
信長に対する危機感を濃が光秀に伝える場面でイスカリオテのユダを思い出したりもする。
後半の光秀が仕掛けた一大トリックも(読めるけれど)虚構として面白く、「斬り落とした手の指が動く」「大きな水色桔梗の旗を羽織って間もなく衣装が変わる」などのイリュージョンもあって休憩なしの140分もさほど長さを感じず。
しかしクライマックス、あそこまでできたのならわざわざ秀吉を立てなくても光秀がそのまま天下を獲って良いのでは?…な気がしないでもない。
いや、父殺し、主君殺しを罪に思って、というか、そういう過去を持つ自分が天下を獲っても反発する者がいる、という判断か?
ところで父親の幻影は沙翁のアレのオマージュ?(笑)
髷や衣裳は本格的で、装置はイントレという舞台美術も効果的と言うか、良かった。