じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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フタリニミエタ

フタリニミエタ

Oi-SCALE

駅前劇場(東京都)

2014/12/10 (水) ~ 2014/12/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

「よく晴れた真冬の午前2時頃のような澄んだ空気感」は健在
同じ夜に起きた3つの出来事…バラバラに思えたそれぞれの流れが次第に関連付いてゆく後半は完成に近付くジグソーパズルの如し。
映像や朗読を併用した演出も効果的でラストの鮮やかな「仕掛け」にはまんまとしてやられる。
ただ、(それぞれの流れが断片的に示される前半は特に)物語性よりも「様々な人の想いを感じる」Don't think,feeeeel!的タイプにつき、好みは分かれるかも?
ちなみに個人的には Oi-SCALE の「よく晴れた真冬の午前2時頃のような澄んだ空気感」が大好き。
ピュアな雰囲気と言おうか、色で喩えれば限りなく透明に近いブルーと言おうか。
林さんが(やや強面のおっさん然とした見かけとは裏腹に(爆))ピュアな人だからだろうなぁ。

美女木ジャンクション、他

美女木ジャンクション、他

santacreep

RAFT(東京都)

2014/12/02 (火) ~ 2014/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★

晴れ、ときどき束縛、のち解放
大胆なコトをしたもののそこから先をどうして良いやら…な主人公姉妹(だけでなく当事者全員か)の事態の持て余しぶりがマヌケと言おうかのどかと言おうか、ユーモラスなのは初演そのまま。
そこに新キャストの持ち味と初演キャストの口ぶりなど(あて書きだったのかな?)“面影”が加わって面白さ倍増、的な?

『海の夫人』/『水』

『海の夫人』/『水』

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/12/04 (木) ~ 2014/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

「水」…ハッピー?ビター?それが問題だ
死を受け入れることと死に急ぐことと…。
シトラについてはあれでハッピーと思うけれど、ヒソップにとってはあれで幸せなのかしら?
端からは苦悩(というより哀しみ)からの逃避にも見えるのだよなぁ。
それをファンタジックな純愛物語風に、「彼女は王子さまと幸せに暮らしました」的(性別が逆だけれど)に締め括られてもねぇ…。
以前観た時(再演)の印象が薄いのはそのあたりが納得できなかったからではないか?(笑)
そんなところからロミオやジュリエットは幸せだったか?的なことも考えたり…。
また、ヒバリと猫に宮沢賢治を連想したり、さらにシトラの心境とヒソップの行動に最近観た2本の芝居を思い出したりも。

美女木ジャンクション、他

美女木ジャンクション、他

santacreep

RAFT(東京都)

2014/12/02 (火) ~ 2014/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

美女木ジャンクション
おもしろうてやがて哀しき何とやら…ではないが、そこはかとなく可笑しくてそこはかとなく切なくて最後は感動的ですらある。
その感動的なオチに到る前のいろんな想いが錯綜しているであろうところもイイ。←ラストの感動の起爆剤になってもいるし。
あーこれ大好きだ。

ネタバレBOX

ま、ケーキはあんなになる前、持って来た時点でワカると思うが「物語のウソ」として容認。
それよりも、反抗期的な14歳の妹の31歳を迎えた兄に対するアンビバレンツな想いがいかにも…な感じでイイ。
また、「大きくなったらお兄ちゃんと結婚するの」を後輩たちにまで言わせるのが可笑しい。
おもひそむ

おもひそむ

劇団SHOW&GO FESTIVAL

「劇」小劇場(東京都)

2014/12/02 (火) ~ 2014/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

王道コメディからハートウォーミングへ
嘘でごまかそうとしてドツボにハマる王道コメディから前夜の様子を挟んでハートウォーミングな結末を見せる構成が鮮やか。
ここを観るのはこれで4作品目となるが、今までの3作(「ひみつきち(初演・再演)」「今宵見上げし…」「まんが×青春!!」)がコミカルな部分はあれ「コメディ」と言うよりは「一般作」に近かったので今回初めてコメディらしいコメディを観た感じ、こういうのもアリなんだ。← 今までに観た3作が良くなかったということではない(為念)

夜よ、水際に揺らぐノートルダムの夜よ

夜よ、水際に揺らぐノートルダムの夜よ

天幕旅団

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/11/28 (金) ~ 2014/12/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

天幕旅団的美学の真骨頂
かなりビターな原作のパーツを使って新たな寓話を編み上げた感じ。
原作よりもマイルドではあるものの悲劇は悲劇で、しかし優しさと美しさを備えたところがいかにもここらしく、「格調」や「風格」……は言い過ぎにせよ、「天幕旅団的美学」を感じる。
また、この会場の特質である地下通路(?)の活かし方や鐘を撞くギミックなども◎。

『由々しきララバイ』『哀しきランデヴー』

『由々しきララバイ』『哀しきランデヴー』

ワルモノ見参

APOCシアター(東京都)

2014/11/26 (水) ~ 2014/11/30 (日)公演終了

満足度★★★

哀しきランデヴー
女性を事故から守ろうとして命を落とした男の前に「やり直しますか?」と問う女性が現れて…な物語。
が、何度かやり直して幸福な結末に至るありきたりなパターンではなく、ビターエンド気味なのがユニーク。
その日その時までの主人公の軌跡を見せる狙いは悪くないが、最初の「やり直し」で「どこまで遡ったの?」と勘違いさせてしまうのと、演じられる場の「時」がすぐには察しにくいのがやや惜しい。

「葉桜/命を弄ぶ男ふたり/驟雨」

「葉桜/命を弄ぶ男ふたり/驟雨」

コマイぬ

Gallery & Space しあん(東京都)

2014/11/27 (木) ~ 2014/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

使われている言葉の美しさ
縁談について話す母娘、自殺しようとする男二人、姉夫婦に新婚旅行での夫について愚痴る妹…な3編。
岸田作品を観るのは10回目近くになるが、今回初めて「使われている言葉の美しさ」に気付く。
カタいのとはまた別で、スクエアというか折目正しいというか、昨今はなかなか耳にしない会話が心地好い。
7度(←ユニット名)の現代風にアレンジしても岸田は岸田、な公演を観た後だったことも関係していようか?(もちろん会場の雰囲気も)

バイセコ

バイセコ

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2014/12/03 (水) ~ 2014/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

長編群像コント…的な
シュール、不条理、ナンセンスと各種取り揃えた上で基本的には投げっぱ(笑)な長編「群像コント」。
あは、あは、あは、と笑うもよし何かの隠喩かと勘ぐるもよし、な感じ? で、ラストはちょっと不気味…みたいな。
他に類を見ない独特な味わいの80分。
冒頭場面の早替えによる多数の通行人たちも見もの。

ネタバレBOX

舞台上に自転車が増えてゆくにつれて、各人物が追い込まれてゆくのが昨今の世相を暗示しているようで不安感を煽る。
喜劇王暗殺

喜劇王暗殺

トツゲキ倶楽部

d-倉庫(東京都)

2014/12/03 (水) ~ 2014/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

心温まるファンタジー+α
ありふれた表現になってしまうが「心温まるファンタジー」。
当世の大スタア(と言おうか世界の喜劇王と言おうか)がお忍びで来訪することで嬉しさに舞い上がる“庶民”の気持ちがガンガン伝わってくるし、カタコトながら次第に触れ合いが深まってゆく様子も良いし…で、漠然とした幸福感に包まれる。
そんな中に(多少類型的ではあれ)「戦争がもたらす哀しみ」をさらりと織り込むところは井上ひさし作品を連想。
また、ちゅうサンさんのマイムは「反則ワザ」的にステキ。(冒頭のパフォーマンスも、後半で皆がわいわい騒いでいるバックで身振り手振りをしているのも)

下衆な回遊魚

下衆な回遊魚

はぶ談戯

劇場MOMO(東京都)

2014/12/02 (火) ~ 2014/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

一粒で二度おいしいツクリ
60年代の日活の歌謡映画路線のようなヴィジュアルで昭和の松竹映画的な「ネオ・人情噺」を語る前半と、キレイゴトを排し人の弱さを描いてペーソスが漂う後半の二段構えで「一粒で二度おいしい」。
前半のクライマックスと全体の幕切れで味わいが異なるが、それぞれにステキ。

ヒトヒトヒト

ヒトヒトヒト

キリンバズウカ

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2014/11/23 (日) ~ 2014/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

ありがちなコミュニティ崩壊劇と思いきや
シェアハウスに住人の兄が転がり込んだことで起こる波紋。
円滑だった住人たちの関係が徐々に揺らいで行くさまは、不安定なタワー型のものに順に物をのせてゆくゲームの如し。
「そこまで行くの!?」な展開の後、時を遡り「種明かし」よろしくその前に見せたいくつかの場面を別の視点で見せるアイデアが面白く、最後に残された「再生の兆し」が優しい。

ミラージュ・イン・スチームパンク

ミラージュ・イン・スチームパンク

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2014/11/27 (木) ~ 2014/12/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

もはや「新・様式美」
冒頭の「空中戦」を筆頭とした流れるような動きが美しい、本気の擬闘で躍動する肉体が美しい、どことなく野田を思わせる台詞の響きが美しい、物語全体の構成が美しい…もはや「新・様式美」では?

ネタバレBOX

荻窪さんの「花子とアン」には決して出てこない「あんな甲州弁」や、ホチキスでは決して見ることがなかった小玉さんの立ち回り(カコイイ!)にはオドロキ!
夜行万葉録・辰

夜行万葉録・辰

Jungle Bell Theater

ART SPOT LADO(東京都)

2014/11/22 (土) ~ 2014/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

充実の75分
民俗学ネタの新シリーズ、今回はコメディ編、怪談編、感動編という構成の妙に加えて連作3話を貫くパートを通じて語る内容も深いという充実の75分。
いやぁ、堪能しましたぁ。
「人形」の使い方と言うか表現と言うか、それも良かった。

【全ステージ終了しました。ご観劇頂いた皆様ありがとうございました。】わるぐち全集

【全ステージ終了しました。ご観劇頂いた皆様ありがとうございました。】わるぐち全集

なかないで、毒きのこちゃん

@Fizz(東京都)

2014/11/22 (土) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★

陰湿になりかねないネタを笑いに昇華
古着屋の雇われ店長と店員が愚痴ったり陰口を言ったりの序盤は「ハロー!新宿ちゃん」の1編目を想起させるが、空気を読まない歳嵩の新人バイトの登場により新展開。
ともすれば陰湿なイジメ、イビりになりかねないところを飛び道具的に(笑)極端な人物(新人バイトとその交際相手)を配することで笑いに昇華させるのが巧妙。

.01秒を歩くスイミーの祭典

.01秒を歩くスイミーの祭典

第27班

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2014/11/19 (水) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★

個々のパーツは良いが全体としては不完全燃焼、改訂版を望む
東京オリンピックと学生志願兵と…。
題材の選定とそれに対する考察・主張、1本通った縦軸(と言うより「繋ぎとなるパーツ」?)の周囲に複数の流れを配する構造、見せ方の工夫、仕掛けた罠、共通の「モノ」をキッカケに一気にたたみかけるクライマックス、ブラックユーモアに切なさや虚しさを加えた幕切れなど、個々に見る分にはそれぞれ良いのだが全体として組み上がったものは掛け違いやら不協和音やらが感じられて「不発感」あるいは「不完全燃焼感」があるのが何とも惜しい。
思うに要素を盛り込み過ぎたのではあるまいか?
その結果、併走する複数の流れの接点がなかなか見えず「長すぎる導火線」状態に陥ってしまったのではないかと。
もう少し絞り込んでスリム化した改訂版を観てみたいモンだ。
事前にベタ褒めと批判的な評をそれぞれ目にしていたが、観ながら批判側の言わんとしていたことがよくワカったりもして…。

Rumbling March

Rumbling March

Performing unit colors7~C7

サブテレニアン(東京都)

2014/08/06 (水) ~ 2014/08/10 (日)公演終了

満足度★★★

様々なスタイル8編の短編集
ダンス寄りの身体パフォーマンスも含む前半5編は短め、後半3編は長めという構成の短編オムニバス。
前半は一部投げっ放しあるいは素材そのままなものがあった感無きにしも非ずだが、後半はいずれも好み。
ただ、ビターエンドが多く、欲を言えばビター1、ハッピー2くらいにして欲しかった。

言の葉の散りぬるを

言の葉の散りぬるを

wordleafproject

高田馬場ラビネスト(東京都)

2014/11/21 (金) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★

瑕もあるが基本は珠の伝奇的世界
“言霊遣い”や“人ならぬ者”がいる架空世界の伝奇的物語。
細部(特に人死に関連)に杜撰な感が無きにしも非ずではあるが、世界観は好きだし終盤のどんでん返しの連続など総じてよくできている。
「言霊を遣う力」を、もっと一般的な力(能力とか権力とか)の比喩として観るとまた面白い。
また、ある場面でのS.E.の使い方や、撃つ直前までフレームに指を添わせてトリガーに指をかけない演技もイイ。

ネタバレBOX

アキが自害するのは唐突な感があるし、セツ(だっけ?)にしたって死ぬ(デスノートのLを連想)ことはなかろうと。
ま、あの尺に収めるには仕方ないのかも知れないが…。
空は青くて

空は青くて

ソラトビヨリst.

王子小劇場(東京都)

2014/11/20 (木) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★

イマに対する皮肉・警鐘に満ちたダークな未来図
80年代後半あたりのアメリカ映画(?)にあったようなダークな未来図。
没個性をよしとする画一化教育や、(一部の)感情の喪失、「死」に関する感覚の麻痺などイマの世相・風潮に対する皮肉や警鐘を盛り込み、ビターな仕上がりに。
前半はピリリと辛口だったり多少の苦味が感じられたりな部分があるも基本的にはコミカルで口当たりが良いが次第にビターテイストに転じ、結末もかなりビターながら娯楽性を損なわない(私見)のは巧み。

Three Piece Moratorium

Three Piece Moratorium

劇団→ヤコウバス

百想(re:tail別館)(東京都)

2014/11/11 (火) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★★

「もう1本のヤコウバス」を通して描くヤコウバス自身
「もしもあの時…」な仮想現実を通して描くヤコウバスの過去と現在(と近未来展望?)。
「3人いてこそのヤコウバス」な部分と劇中劇として見せる仕上がった芝居のダイジェストからのオチが特に巧い。

ネタバレBOX

1人が芝居をやめると言い出した時の緊迫感や口論する場面の真に迫った感覚が見事だったし、終盤で見せるダイジェストが本編序盤よりグレードアップしているのは愉快で、その後のオチも見事。

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