じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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かりそめ/てんじく

かりそめ/てんじく

EgofiLter

RAFT(東京都)

2018/02/03 (土) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/04 (日) 14:00

価格2,300円

タイトルからも判るように大きな流れが二つあり、序盤は複数の場が提示されるのでそれらの関連など推察しながら観ていたが、物語が進むにつれて少しずつ孤独な女性のあれこれが浮かび上がりその哀しみ(?)がじわじわと迫ってくるツクリが巧み。
そうして割と最近あった事件を思わせる部分も含めた全貌が明かされての幕切れは昭和末期の松竹映画(野村芳太郎監督作)かNHKの「ドラマ・人間模様(特に早坂暁の事件シリーズ)」か、な味わいで、どこか懐かしさも感じる。
そうして観終えればいかにも EgofiLter らしいなぁ、と。
それにしても会場の使い方、恐れ入りました。(笑)

まるでデジャヴな眠り姫

まるでデジャヴな眠り姫

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2018/01/18 (木) ~ 2018/01/25 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/21 (日) 14:00

価格2,500円

タイトルに微かな記憶があり、設定も大枠だけ記憶にあった。そうか、「さしすせそ」はこれで聞いたのだったか。
BASEプロデュースのBAR公演って本作に限らず鍵盤ハーモニカ(一般名詞で言ってみた)による軽妙かつ温もりを感じさせる音楽も魅力の1つだなと改めて感じたりもして。

楽園の怪人

楽園の怪人

トツゲキ倶楽部

小劇場 楽園(東京都)

2018/01/24 (水) ~ 2018/01/29 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/24 (水) 19:30

価格3,800円

原作は書かれた時節柄、戦意高揚の色合いがあったそうだが、先端技術の軍事利用に関しての批判などむしろ反戦のメッセージが織り込まれ、さらにレイシズムにも触れる内容で「だから今なんだ」と感じた。
そんなことから根底に流れるものとして井上ひさし作品に通ずるものがあるようにも思えた。

配役関連では過去パートの特異性(しかしちゃんと内容的に活きている)、SUMIOさんの「どちらかと言えばその見かけは……」からのラストでの納得、高橋(亮)さんのコメディリリーフぶり、中澤さんの小澤征悦(@「もみ消して冬」)っぽさ(笑)が印象的。

【余談気味】
小劇場「楽園」での公演なので「楽園の怪人」だとすると、d-倉庫だったらタイトルは「倉庫の怪人」? 今ひとつな感じ。(笑)
以下、いくつかの劇場を想定すると……
駅前劇場→「駅前の怪人」:森繁、伴淳、フランキー?(爆)
ザ・スズナリ→「スズナリの怪人」:怪人が沢山いるような
シアターグリーン→「緑の怪人」:乱歩の「緑衣の鬼」に通ずるか
ザ・ポケット→「ポケットの怪人」:コロポックルかよ(笑)
小劇場B1→「B1の怪人」:オペラ座の怪人風
スタジオ空洞→「空洞の怪人」:なんとなくそれっぽい?
シアターKASSAI→「喝采の怪人」:芝居興行的に良さそう

ハラカラ・コエダス・レクイエム

ハラカラ・コエダス・レクイエム

GAIA_crew

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/01/25 (木) ~ 2018/01/29 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/25 (木) 19:00

急逝した女性の魂と遺族、弔問客、葬儀屋らによる通夜の物語。「橋渡し役」の「覚醒」が急過ぎる気もするがドタバタ気味の前半から「故人を偲ぶとは?」な方向にシフトして行くのがイイし締め括り方も巧い。
堤泰之の「煙が目にしみる」に通ずると言うか考えようによってはアレの裏返し的な部分もあるので、あちらを知っていると、より楽しめるかも?

千に晴れる

千に晴れる

制作「山口ちはる」プロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/24 (水) 14:00

価格3,000円

演劇にハマり込んだ女性・山口千晴の波瀾万丈の半生記。(どこまで事実でどこから創作なのか聞くのはヤボでしょうね)
少女期から高校・大学・社会人といくつかの時制をしょっちゅう往き来するのに転移してすぐにそれがいつ頃のことかすぐワカるので観ていて混乱しないのが上手いし、劇中人物が口にした出来事あるいは結果だけ見せた出来事をその前に遡って再現するループを多用し実は全体の構成もそうなっているのも巧み。
ところで最近、3作に「山口ちはる(役)」が出てきているが、まさか今後ずっとそうなるのでは……(笑)

そこのこと

そこのこと

空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/01/18 (木) 14:00

座席G列17番

価格5,500円

1足の白いスニーカーの眼(?)を通して描く歴代持ち主たちの人生……で進行しつつ、メタな部分やキ上でも描いた「あのこと」などを経て浮かび上がる更なるストーリー。

中盤あたりから展開される劇団内幕的/バックステージ的な部分(偏見や思い込みから「ありそー!」と思いがち(笑))は、自虐的(と言うよりはむしろ反語的?)な笑いも交えながら作家論・役者論……と言うか作家・役者の姿勢/心構えなども語っており、今を踏まえた上での今後への決意表明とも思える。

そんなこんなで確かに現時点での集大成であり、「ここまで来たか!」との想いもあるが、さらにこの先への大きな期待を抱く。

しょうちゃんの一日

しょうちゃんの一日

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/08/16 (水) 19:00

価格3,500円

作家の想像力(むしろ妄想力?)のコワさに舌を巻いた。当日パンフレットから罠(思考誘導?)を仕掛けているし(謎)。
で、秘密を持つ二組の家族を中心に据えて対比させつつ、時節柄(?)戦争のイヤな部分をワサビのように効かせて2時間超は感じず。
本作や横溝正史の「犬神家の一族」など、昭和40年代あたりまでが時代背景の物語は内容や登場人物に太平洋戦争が影を落としているものが少なくない。それに対して現代の物語は当然の如く戦争の影響はなく、それはそれで喜ばしいことではあるけれど、戦争の害悪は忘れてはいけない、伝えていかなくてはならないのではないか、などとも思う。

1万円の使いみち

1万円の使いみち

monophonic orchestra

Geki地下Liberty(東京都)

2018/01/13 (土) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/13 (土) 19:00

価格3,500円

新宿眼科画廊の初演版を膨らませて、各人物の背景/ドラマと笑いが(劇中の経過期間も)増えて「劇場版」な感じ。一方で「あー、そうだったそうだった♪」な部分もあり(バッテリーを忘れて取りに戻るとか)、それぞれに良さがある、的な。
なお、箱庭的、と言うか、街なかのあれこれが取り入れられた舞台美術はピヨレボ「リバース、リバース、リバース!」の方と伺い、テイストの共通性になるほど納得。

齢、8歳のアンティゴネ

齢、8歳のアンティゴネ

Ahwooo

新宿眼科画廊(東京都)

2018/01/19 (金) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/01/23 (火) 15:00

価格2,700円

バンギャとかつて行動を共にしていた元バンギャの主婦、解散したビジュアル系バンドのボーカルと妹たち、そのバンド再結成にボーカルとして迎えられた多才な男とマネージャー、翻訳家カップル、とそれぞれ関連した4組の会話場面を積み重ねてゆきやがて……なスタイル。
各グループの会話は「ありそー!」と笑えたり、内幕もの風だったり、思想的・哲学的であったり、とタイプは違うもののそれぞれ緻密。(ゆえに時として理屈っぽかったりもするが(笑))
そんな会話を積み重ねることで世界観が確立されるのか、ラストで明かされる「驚愕の事実」が説得力を持つというか、「確かに【そういうもの】が実在して【そんな風に現れる】こともある」、あるいは「この世界(劇中世界)はそういうものなのだ」と納得できてしまうのが不思議であり快感でもある。
「特殊な世界」にしばらく滞在していたような独特な感覚が残った。

シェイクスピアの何か

シェイクスピアの何か

日本コメディ協会

小劇場 楽園(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/18 (木) 19:30

価格3,000円

1編目「最後の夏の夜の夢」は後日譚(パックがあれからずっと似たようなことを繰り返していたというのが可笑しい)にして人情噺的に落とす本歌取りなのが愉しい。
2編目「Romeo」は原典の台詞を抜粋し並べ替えて違う物語を生み出す奇策で、台詞が全て尻取りだったり使える文字を1つずつ減らしていったりした往年のLast Brandの作劇を想起。
3編目「除夜」は(人物構成は「リア王」に近い?)元ネタとしている「十二夜」を刺身のツマ程度にしか使わないが、父と娘たちの和解(?)を描いてドラマ性は一番。
それぞれ異なったアプローチなのが興味深かった。このパターンで「〇〇の何か」第二弾、第三弾とシリーズ化というのもイイんでないかい?

エンれぱ!Vol.3

エンれぱ!Vol.3

しむじゃっく

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2018/01/04 (木) ~ 2018/01/08 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/08 (月) 13:00

価格2,000円

鶴さんチーム千穐楽を観劇。1編目「ファンシーゲリラ」は職場で組むこととなった真逆なタイプの二人の対比からの相互理解・融合(?)を経ての前進が心地好く2編目「Lie Phone 4s」は次第に加速し混乱の度合いが増すのがいかにも冨坂作品(初演を思い出しつつ観た)3編目「女生徒」はテキストの区切り方・割り振り方・見せ方とちょっとした現代アレンジが見事。各編それぞれ面白かった♪

非国民的演劇

非国民的演劇

しあわせ学級崩壊

王子小劇場(東京都)

2018/01/11 (木) ~ 2018/01/14 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/01/11 (木) 19:30

クラブハウスサンドウィッチの如く何層も「アレ」で「具」を挟んだ構造が独特。厚みゆえ「食べにくい」欠点もある、的な? そう言えば開場から開演までの大音響もクラブっぽい。あと、額縁と銀のテープが印象的な美術も含めて画的に美しい(ちょっと違うか)。
ちょくちょく入るマイク・パフォーマンスもユニークで、やはりクラブ的なイメージか? そんな所も含めて演劇は音楽や美術も包括した総合芸術だな、とも。

おれたちにあすはないっすネ

おれたちにあすはないっすネ

なかないで、毒きのこちゃん

駅前劇場(東京都)

2017/07/10 (月) ~ 2017/07/11 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/10 (月) 18:30

価格2,300円

事前情報から予想したものと大きくは違わない「ザッピング演劇」、伝説の(笑)「新宿眼科画廊受付事件(爆)」や堤泰之作品「ダブルブッキング」、それに以前OFF・OFFシアターと駅前劇場を使って上演された観客移動型芝居(未見)などを知っていると「あ、なるほど」という感じ(微笑)

で、そんな予想から客席の入口に近い位置に陣取ったので本来の舞台上、オペブース、ロビーでの出来事(騒動?)を観ることができてほぼ正解。(最大公約数的ポジションはロビーと客席の間あたりでの立ち見?)
なお、受付の向かい側の壁に「ここで演技します」な図が掲示されていたが「まさかのあそこ」はなかったんじゃないか?(笑)

ところでお客さんたち、もっと楽しそうな顔をして、クラッピングなどもすればイイのに(謎)。

シンクロニシティ2018∞

シンクロニシティ2018∞

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2018/01/05 (金) ~ 2018/01/09 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/01/08 (月) 18:00

座席D列3番

1998年12月、シアターVアカサカでの初演が滅法面白かっただけに2000年2月のシアターTOPSの再演でラストの変更が残念だったが、18年ぶりに雪辱?(笑)
初演時のワクワク感が甦った、と言うか「あー、そうだったそうだった!」と当時の感覚を思い出しながらなのでダブルのワクワク? そして改めて知的好奇心をくすぐる作品だなと。さらにラストで「だから今なんだ!」と納得。
いやぁ、長生きはするもんだ。

床這う君へ

床這う君へ

牡丹茶房

ギャラリーしあん(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/01/13 (土) 19:00

価格3,500円

江戸川乱歩の「芋虫」を原作に……と謳っているが、むしろ原案として換骨奪胎した新たな物語。(イマの仮面ライダーが「原作・石ノ森章太郎」としていることを想起(笑))

元ネタを読んだのは遥か昔で全くと言っていいほど覚えていないが、頽廃的(?)な味わいが乱歩っぽいな、と。そして哀しい夫婦愛の物語であり悲劇であり、さらにはイマの世相に一脈(どころではないかも?)通ずるのではないか?……などと思いながら帰って調べてビックリ。
元ネタは「ジョニーは戦場に行った」っぽかったような、というおぼろげな記憶が正しかったとは!
なので本作のように昇華させた烏丸棗さんの発想に改めて感心。

また、Gallery&Space しあん にはやはり独特なナニカが憑いており、そしてそれを使用団体が上手く活かすようだ。(逆に団体がそのナニカに使われていたりして(笑))
本作でも「イマの東京の一角」ではない「イツカのドコカ」に連れ去られていたしな。

ネタバレBOX

由紀久の状態は介護疲れ/看護疲れから対象者に暴力的になる典型的なパターンではないか、そんなところはまさに世相の反映。
また、ラストに谷崎潤一郎の「春琴抄」を連想。
山の声

山の声

温泉ドラゴン

「劇」小劇場(東京都)

2018/01/06 (土) ~ 2018/01/08 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/04 (木) 14:00

価格3,500円

昭和4年1月1日未明、山小屋に退避した二人の山男の会話劇。時折1ヶ所で舞う雪や照明・音響で「雪山感」を漂わせるのは「ザ・演劇」。
冒頭の九死に一生っぽさから「ひかりごけ」的な緊迫した状況を予期したが、その後の会話は穏やか。そう言えば冒頭は一人だけ転げ込んできていたので、あれはすべて幻想だったのでは?
あと、終盤で舞い散る雪は桟敷童子級?(笑)
複数ステージのある日など特に終演後のリセットが大変だったろうなぁ。

光、さえも

光、さえも

Ammo

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2017/09/15 (金) ~ 2017/09/20 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/09/19 (火) 14:00

価格3,200円

美とは何かについて哲学から屁理屈まで駆使しての論争劇、某傑作会議劇やら何やらと勝手に関連付けて観たので愉しさが割増し=例えばあの中にナイゲンのアイスクリースマスみたいな人物がいたらどうだったろう?などと考えて頬を弛ませていたのだった。
また、創作とは何か?という議論になった時に「既存のものが大半であっても、それに手を加えて新たな価値を附加すれば創作である」(大意)という意見が出て「あれ?これって聞き覚えのある理屈では?」とナイゲン終盤の理屈も想起。

キャスティングも的確な中、ピヨレボmacoさんの「フラッパー」ぶりが特にハマっていたかな、とも。史実上のジョージアのポジションが今回の座組の中のmacoさんのようなものだったのでは?などと妄想したりもして。

「12人の怒れる男」では老人が証言通りの時間て戸口まで行けたか試すことで、「ナイゲン」では疑惑の2ショットの再現をすることで座って議論するだけの状況にブレイクをもたらしたけれど、これではどうするんだろう?と思っていたらまさかのダンス、ってのにヤラれた。(笑)

あと、ヴォルテールの「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」に通ずる台詞にニヤリ。

カーテン

カーテン

日本のラジオ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2017/09/30 (土) ~ 2017/10/09 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/04 (水) 14:00

価格2,200円

一言で表現すれば「玉虫色の会話劇」。ある手法により次々にクローズアップされる会話は深読み・誤読の余地が大きく観客毎に解釈が変わりそう。設定が少なくとも今の日本ではないことでより抽象性が増しているかも。また、状況とは裏腹にどこかのどかな味わいなのも愉しい。
あと、観ながら「神経衰弱」ができたりも。(謎笑)
ああいう設定だけに始まり方と序盤で出てくる「劇場(客席?)では……」という台詞が個人的なツボ。あと翻訳ネタかな。

ちなみに会場の使い方にbird's-eye view「girl girl boy girl boy」(2004年4月)を思い出したが、内容は「OCCUPY ~三鷹市芸術文化センター星のホールを占拠せよ~」ではなかったね、当然のことながら……(笑)

実験公演『いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに』

実験公演『いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに』

The end of company ジエン社

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2017/08/29 (火) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/08/31 (木) 16:30

価格2,000円

昔話と(地下?)アイドルネタが「手術台の上のミシンと蝙蝠傘」の如く邂逅しM.C.エッシャーの「メタモルフォーセス」の如くシームレスに変容・融合し、それをそこに繋げますか!?なのが愉しい。

アベサダ:リローデッド

アベサダ:リローデッド

美貴ヲの劇

OFF OFFシアター(東京都)

2018/01/10 (水) ~ 2018/01/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/01/10 (水) 19:30

価格2,800円

巧みな脚本に感心。が、詳しくはネタバレBOXに記し、ここでは「遺伝子(譬喩)」「真空パック」「聖書(の一説)」とキーワードだけ。

ネタバレBOX

妻帯者であるとは知らず交際していた相手の妻から電話があり二度と逢わないことを誓わされた女性3人がかつて使ったラブホテルの一室に会して「通夜」を執り行う話を中心に、阿部定と吉蔵の日々、阿部定がテーマの芝居を上演しようとしている高校演劇部男女の話が併走する構成。

「通夜三人組」の愛し方や女子高生のひたむきさ(?)に漠然と「阿部定の遺伝子(譬喩)」を感じ、それだけでもなかなか面白かったが、序盤では正妻の台詞だけだった電話シーンを、その相手である相席屋の受け答えも加えて見せる場面を皮切りに、相席屋の付き合いが6ヶ月でないどころか中高生時代(=演劇部男女パート)からのものと明かし、「阿部定事件ふたたび」となる終盤は見事。

そこに差し挟まれる女子高生マリアがシスターから聞かされたマタイによる福音書の一説に対して抱いた疑問・考察は後の相席屋の行動の伏線だろうし、「その直前」の相席屋の「真空パック発言」は定の心境そのものだろうし、そうやって3つの流れが一体化するのは圧巻!

で、あとからつらつら考えてみたら阿部定の愛し方って、歪な部分もあるけれど、本質的には純粋なものなのではないか? という気も。

ちなみにこの少し前に観たSun-mallstudio produce「シンクロニシティ2018∞」でも劇中でJアラートが鳴り、聖書の一説(アチラはヨハネによる黙示録だが)が朗されるという「小劇場シンクロニシティ」。

なお、阿部定を演じたあべあゆみ嬢、基本はオフィス再生ver.ながらミナトの母で登場した時はノーコンタクツver.(メガネもかけているし)、さらに吉蔵を縊る時は有末ver.であったかと……(笑)

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