実演鑑賞
3331 Arts Chiyoda(東京都)
2017/08/29 (火) ~ 2017/09/03 (日) 公演終了
上演時間: 約1時間5分(休憩なし)を予定
公式サイト:
http://elegirl.net/jiensha/itsukawa2
期間 | 2017/08/29 (火) ~ 2017/09/03 (日) |
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劇場 | 3331 Arts Chiyoda |
出演 | 片瀬宇海、北村美岬、木村梨恵子、高橋ルネ、坊薗初菜、洪潤梨、由かほる |
脚本 | 山本健介 |
演出 | 山本健介 |
料金(1枚あたり) |
500円 ~ 3,300円 【発売日】 <全席自由> 予約:2800円 当日券:3300円 木曜昼割引:2000円(要予約) 22歳以下割引:2200円(要身分証) 18歳以下割引:500円(要身分証) |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 8月29日(火)19:30 8月30日(水)19:30 8月31日(木)16:30★ / 19:30 9月1日(金)19:30 9月2日(土)13:30 / 16:30 9月3日(日)13:30 / 16:30 ★=木曜昼割引回 |
説明 | あらすじ かぐや姫が月に帰ってしまってからというもの、ここ、ここは、ここの村は急速に人がいなくなってしまった。姫を住まわせていたおじいさんとおばあさんは、どうしていいかわからなかった。おじいさんもおばあさんも30だった。上古の時代の平均死亡年齢からすると、自分らはもういい歳だった。いまさら稲作なんて正規雇用にありつこうということもきっとできない。ここ、ここの、ここは、そういう村だ。 太郎はおばあさんのプロデュースによって「桃から生まれた」という設定をつけられデビューした。「日本一」というキャッチフレーズをつけられ、肩のとんがったサイヤ人戦士みたいな服を着せられ、「桃太郎」として富を独占するあの、あそこの、あそこにある鬼たちの所へ行って財宝をとってくる、という、なんかそういうコンセプトだ。 「桃から生まれたっていうのは、それはどういう……」と、太郎は無理やりつけられた設定になやんでいた。ためしに語尾に「もも」ってつけるのはどうだろうか、と試してみたが、鬼たちは苦笑いをする。「いやね、せっかく君は桃でセンターなんだから、もっとこう、桃を使った退治の仕方があるんじゃないか?」と鬼たちはアドバイスしてくる。内心太郎は「いや、退治される側の人間が、退治されアドバイスするの、どうなんだ?」と思っていたが、犬と猿と雉は素直に「ハイ」と言って、笑っている。鬼たちは桃太郎に退治される列に並ぶ。桃太郎は一鬼一鬼に挨拶をしながら、おもちゃのような刀で切っていく。鬼たちは幸せそうに笑う。太郎は斬っているのにだ。何を言っても、何をされても喜ぶ鬼たち。死んでいく鬼たち。1回退治されるために、この鬼たちは1000円分の買い物をしなくてはならない。鬼たちの中には、太郎に退治されるために会社を転職した者もいた。太郎は斬っていく。切り刻んでいく。鬼たちは笑顔で次から次へと死んでいく。 そのころおじいさんは、去っていった鶴の所へ行っては、また覗きに来ていた。鶴は、おじいさんの所へ押しかけに来た時と同様、美しかったし、白かった。おじいさんは、それ以上は近づかない様に気を付けていた。気をつけないといけない。あれは、鶴だ。人間ではない。だから、僕は覗くだけだ。今考えれば、わざわざこっち、こっちに、こっちへ来て、ハタを織ってくれたのは、鶴として、あるいはおじいさんとして、お互いに一線を越えてしまっていたと思う。 そして鶴もまた、おじいさんが来て、覗いているのを知っている。 「かぐや姫が月に帰ったから、私のところにきたんですか?」と、質問したかった。 「違う」とおじいさんは言いたかった。 鶴とおじいさんは、そこ、そこは、そこでは、無言だった。 帰宅すると、おばあさんは鶴がハタを織り残してくれた反物をすべて破り捨てていた。おばあさんは、おじいさんが「山へ柴狩りに行く」と言って、鶴に会いに行ったのを知っている。おじいさんは羽の散らばる家の床を見て、まるで雪みたいだと思った。「それは私、私、私でした。……それは雪でした」と、何十年も前に別れた女の事を思い出した。あいつは今、どこで、何をしているのか。卒業し、運営の公式情報が途絶えた以上、おじいさんはもう雪女が、いまどこ、どこで、どこへ、いるのか、何をしているのか、知ることはできない。破れた鶴の反物の羽を拾うと、そこには笑顔で泣いて笑う鶴とおじいさんのツーショットが浮かんでいた。ハートマークを沢山手書きでしてもらった羽は、鶴に会いに行き、罠を外すたびに貰ったものだ。罠にかかっていたのは、自分だったのではないか、とおじいさんは今、ふと思う。 おばあさんもそんな羽を見て思い出していたのは、羽衣の事だった。おばあさんはこう見えて天女だった。鶴の作った反物はまるで自分が10代の時着ていた羽衣みたいに薄く、白かった。私はかつて天女だった。今は天女ではなかった。天界に住み、矢口真里のやってるAbemaTVにグループで出て笑われたり、地方FMで月に一度ラジオでパーソナリティをやったり、o-westの楽屋で何十人もの天女たちと共に楽屋の鏡前で今日のステージで歌う歌を口ずさみながら、すり寄ってくる他のグループの天女の写メに気軽に応じてはあしらっていた。 それが、たった一度のミスで、天女は天女でなくなった。下界で水浴びをしている時に置き羽衣を無くしてしまったからだ。ていうか、天女はあの、ああいう、ああいった感じの下界で水浴びをするような女だった。それでいろいろあって羽衣を当時若かったおじいさんに取られ、いろいろあって結婚し天女ではなくなり、そしていろいろあって今反物を引き裂いている。 私は、今でも、羽衣を着れば天女に戻れるのだろうか。この男は私が天女だったから結婚したのだろうか。天女には鶴の残した反物を纏う勇気はなかった。 みたいな話を、マチは聞いていた。マチは、話をしてくれるのを待っていた。マチはただ待っていた。話をしてくれるのを、愛してくれるのを、時が過ぎるのを、ただ待っていた。マチは何かをしたかった。ただ何をすればいいかわからなかった。もし、歌い出したら、歌手になってしまう。演じだしたら、踊りだしたら、俳優に、ダンサーに、何者かに、なってしまう。 それは違うと思った。 そうではない何かになれると、根拠もなく信じながら、マチは自分に夢見てくれる誰かを、そこ、そこに、そこで、待っていたのだ。 |
その他注意事項 | |
スタッフ | 舞台監督:吉成生子 音響:田中亮大 照明:みなみあかり(ACoRD) 衣装:正金彩 総務:吉田麻美 写真:刑部準也 演出助手:黒澤多生 篠原加奈子 制作:水野綾 協力:ECHOES 主催:The end of company ジエン社 助成:公益財団法人 セゾン文化財団 |
初日1週間前から「団体名」と「公演タイトル」を含むツイートを自動表示します。
(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)
ジエン社ありがとうございました。 次は9月15〜24日で伊藤企画に出演します。 ご予約は青年団HPか、お知り合いの方は直メール下さい! 三人姉妹のお話です。よろしくお願いします! https://t.co/OTXz3bNq3b
7年以上前
The end of company ジエン社実験公演「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」を見ました。会話グルーピング時空間の移動が本当に実験公演で櫻井翔ウイダーinゼリーCMとけものになることのスピード感レベルでした。 https://t.co/Bzln435wRy
7年以上前
結局この夏は王者舘もジエン社も行けなかった(どちらもほぼ毎回欠かさず観る団体だったのに)ので、せめてやみ・あがりシアターだけはどうにか間に合わせたい。
7年以上前
昨日、ジエン社「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」於アーツ千代田3331。 横浜桜陽高校演劇部OG・「演劇体験」非常勤講師北村美岬さん出演。... https://t.co/Tf7G73xI3I
7年以上前
ジエン社終演から間もなくではありますが、主宰する劇団の公演、予約を開始しました! 11月4、5日、下北沢にて。 どうぞよろしくお願いします。 https://t.co/UB5qKXwnOV
7年以上前
ジエン社『いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに』、無事終演しました。色んな人に、ありがとうございました。ちゃんとします。がんばります。たのしかった。
7年以上前
ジエン社実験公演『いつそこ』。昨日終わりまして、この時間までなにもせず、ただなにもせず、呆然としていました。本当に皆さんありがとうございました。明日は各所に入金や振り込みをするという残作業を頑張りつつ、アイデアの発想本になったアイドルのライブを見に行きながら、次へ、次へ……。
7年以上前
【ジエン社「いつそこ」】無事全日程終了いたしました。ご来場いただいた皆様、遠くから応援してくださった皆様、ありがとうございました。ジエン社次回公演は来年2018年2月を予定しています。またぜひご来場くださいませ。撮影:刑部準也 https://t.co/M2G7eP8sYK
7年以上前
土日はニブロールとジエン社とナカゴーを観てそれぞれおもしろかったのだが疲れた。3カンパニーとも多作…というか本来寡作な印象のジエン社が『夜組』から早くも濃密ソリッドな新作をぶち込んできたことに一番驚かされました。
7年以上前
@doudemo11 ジエン社前から好きで俺も週末行った!! 昔話とアイドルとの重ね合わせ方がはちゃめちゃだけど噛み合っててすごく面白かったね、
7年以上前
「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」全ての公演が終了しました。写りたくない!と写らなかったスタッフ(!)も含めて多くの方の力で作られたステージがなくなることと、おばあさんの「ババアだもん!」がリンクして感傷的… https://t.co/X6TQYVRjfv #ジエン社
7年以上前
ジエン社「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」 本日終了いたしました。 本当に、本当にありがとうございました。 関わった人たちみんなが愛しくて仕方ないです えっ?淋しい。 ほんとにもう無いの⁉︎ 私、明日も空いてるよー!… https://t.co/fJJzWQrAub
7年以上前
そんな訳でジエン社、終演しました。 たくさんの大好きなセリフと、それぞれのキャラたちの生き様、苦悩を、大事に心にしまいます。大好きな作品でした、そして、大好きな作品に関われて幸せでした。関わってくださったすべての皆様、ありがとうございました。
7年以上前
ジエン社。本当に 由かほるは おじいさんだった。最後、男女のちょい修羅場のシーンでもおじいさんとしての関係でセリフを投げつけて。。。今、終演して、本人をみてみると、ふんわりボディの可愛い女性なのに、なんで私、この人のことおじいさんだと思ってたのだろうと、いう 不思議。
7年以上前
ジエン社「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」を観た。 いい脚本とは、先人の残したいいものを噛み砕いてうまく取り入れて新しい解釈を見せるもの、的なことを聞いたことがあるけど、これはまさしくその点ですごくいいお話だった。見せ方もとても上手であらゆることが合理的、すごかった!
7年以上前
ジエン社、無事に終演しました。 感謝してることが沢山あるけど、それは直接言うことにして、まずは観に来てくださった方々、本当にありがとうございました。目と目が合って嬉しかったです。次は伊藤企画。これまた強豪揃いの現場です。 写真は開… https://t.co/c8SRp5rICU
7年以上前
ジエン社、全てのステージが終演いたしました。 ご来場いただきましたお客さまありがとうございました。 心より感謝申し上げます。 写真は打ち上げにて、釜飯をたべるミサミサです。その表情は真剣そのもの… https://t.co/yd3wOC1zkB
7年以上前
ジエン社「いつか私たち きっとそこきっとそこで、そこに」 おわっちゃった。 うまく言葉にできないけれど、演出助手として囲まれた空気を貰った感じでした。
7年以上前
【ありがとうございました🐯】 千秋楽無事終了いたしました。 全てありがとうございました。 好きな人に観てもらえてホンユニ幸せです。アーツ千代田3331の白最高です。 私… https://t.co/R69BmXU1gf #ジエン社
7年以上前
ジエン社今週だったの… 知らなんだ…
7年以上前
ジエン社終わりました
7年以上前
ジエン社公演『いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに』。こどものころからの、自分と座布団との関わりについて、はじまりからおわりまで考えてた。
7年以上前
ジエン社「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」、ちゃんと考えたいんだけど耐えられないからミーハーなこと言います、みさきちゃん、とんでもなく色っぽくてドキドキしちゃった。目つきが、いいよね。目つきと骨格だけでひとを好きになってしまうことあるのであんなひといたらたいへん。
7年以上前
ジエン社の英語表記も「The end of company」だし、それにかけた選曲だったのかなあ……
7年以上前
ジエン社「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」昔話とアイドルと。ある種現代能。おばあさん役の坊薗さんの語りがすごい説得力あった。昔になっていく物語たちへの切なさ。所々挟まるドルヲタあるあると相まってここ1年のことが思い出されて胃が痛くなった。会えない人には会えないんだよ。
7年以上前
ジエン社『いつか私たち きっとそこきっとそこで、そこに』観てきた。観ていて存在/不在が時制を超越して同時に成立する、と感じて、それがやっぱ、演劇を観ていて、1つ自分の『ツボ』なんだな、と。それを「アイドル」と「昔話」という、今ここにはないモノで構成していくの、どストライクだった。
7年以上前
ジエン社「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」観劇。なぜアイドルなのか、観終わったらしっくりきた。良かった。
7年以上前
ジエン社の『いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに』見てきた。 「条理や秩序を超えた「語り」を詰め込んだ戯曲」ってチラシに書いてある通り、はっきり要約できるような筋はなかったけど、だからこそ時間の複数性というか、物語られたこと… https://t.co/dbWROGZEr2
7年以上前
@3331ArtsChiyoda でジエン社を初体験。 女優が演じる少年・青年に惹かれるのはなんでだろう。今日だと北村美岬さん。鵺的で観た小崎愛美理さんとか、SPACのグスコーブドリの伝記とか。
7年以上前
ジエン社の公演を思い立って観てきた。脚本とCDも買ってしまった。
7年以上前
ジエン社実験公演「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」 アートなお店が入っている素敵な場所で、真近で、もう昔である今とこれまでとそこにいる彼彼女たちの物語を聞けてよかった。
7年以上前
末広町で、ジエン社「いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに」。アイドルの楽屋(あるいはオーディション会場)で語られる昔話は、夢オチならぬ夢マチ。
7年以上前
ジエン社のびゅんびゅん飛ばされていくような感じ。いつもそうなのだと思うけど、深い響きがある声が好きだということに改めて気づいた。いい声だなーて思う。わたしはメンタリティ的にはおばあさんよりなので、おじいさん可哀想と思いつつもおばあさんに深く同意。
7年以上前
ジエン社、あの羽衣は、廓文章の紙衣みたい、とちょーお恥ずかし俄キノカブカブレな感想
7年以上前
ジエン社公演。全然理解できてないですが、時間の流れが重層的に感じられるとこが脳に気持ち良かったです。 遊園地再生事業団の旗揚げもこんな気持ち良さあったような?気も。。
7年以上前
@natsukohori あ!それだ! 俺もジエン社観に行った時に「ここ来た事あるなー」って思ってて…大友克洋展だ!ありがとう(笑)
7年以上前
ジエン社 見てきました。 稽古のツイートからドルオタの話?→ちょっと見たい→ゼアゼアゼアーズ見てるの?良いね→あ、宮沢さん?みたいな流れです。
7年以上前
ジエン社 初日、2日目、3日目、4日目、5日目が終わって、今日は6日目。ってことは最終日だ! 予約は完売したけど、作演出曰く、この小屋は無限に入るそう。 当日券もあるのですよ。 是非に!是非に!!!
7年以上前
The end of company ジエン社『実験公演 いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに』実験公演と銘打つだけあって結構難解。ただ、今まで観たジエン社の中で、一番内容が追えた気がするのは何でだwベースに昔噺があるからか… https://t.co/KhBsAAbqLz
7年以上前
ジエン社観てきた。まあとりあえず、ベルハー聴きながら帰るよね。
7年以上前
今読み返したらタイトル間違えてる…。『いつか私たちきっとそこきっとそこで、そこに』だ…。もう難しいよ最近の公演タイトル…。
7年以上前
【本日千秋楽🐯♥️】 ◉ 13:30~ 16:30~ ◉ 待ってるっ! ♡ https://t.co/Y2AfGHnsDW https://t.co/c949YuQrlX #ジエン社 #いつそこ
7年以上前
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かぐや姫が月に帰ってしまってからというもの、ここ、ここは、ここの村は急速に人がいなくなってしまった。姫を住まわせていたおじいさんとおばあさんは、どうしていいかわからなかった。おじいさんもおばあさんも30だった。上古の時代の平均死亡年齢からすると、自分らはもういい歳だった。いまさら...
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