「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」
マチルダアパルトマン
すむぞう外苑前スタジオ(東京都)
2019/04/12 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/14 (日) 18:00
【舞い上がれ、レジャーシート】
執筆が滞りがちなラノベ作家と担当編集者、作家をピクニックに誘う友人たちが織り成す65分。
どこかちょっと踏み外したような人物たちが交わす会話がいかにも「池亀三太節」なことに加えてピクニックやレジャーシートが何かの隠喩で実はもっともらしい、あるいは哲学的なことを言っているように錯覚させる(爆)のが愉しい。
しかもラストに清々しさ・爽やかさ(?)まで漂うんだもの、好きだな、これ。
フラッシュバック
チタキヨ
恵比寿天窓.switch(東京都)
2019/04/11 (木) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/13 (土) 18:30
かつてのアイドルトリオが「あの人は今」なテレビ番組で取材されることになり広がる波紋。
ヨナさんの脚本だけに「懐かしきあの頃の輝き今一度」的な甘ったるい青春回顧系になる筈もなく(偏見?)業界裏方・主婦・女優とそれぞれの道を選んだメンバー3人の現在をビター気味に描いてしみじみ。
それでいて「いくつになったって、何でもできるよ」というこれから先へのエールで締めるのが巧み。
しかし今後、現実でかつてのアイドルの今を紹介する番組など見たら「裏はあんな風なのかな……」などと勝手に想像してしまいそう。(笑)
有末剛緊縛夜話第十九夜
有末剛 緊縛夜話
ザムザ阿佐谷(東京都)
2019/04/12 (金) ~ 2019/04/13 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/12 (金) 19:00
価格3,000円
今まで観てきた中では一番物語性が薄く、生の長唄を聴きながら(きちんと長唄を聴くのは初めて)緊縛を観るという趣向。その意味ではライブペインティングやその場で花を活けるパフォーマンスに近い趣き。
そう言えば後半で、宙吊りの女性2人とその間に座った男性を赤い綱で結ぶ「赤い逆三角形」を1つの完成形として示した後に女性を下ろして男性に寄り添うように横たわらせた「もう1つの完成形」として見せたのもライブペインティングに通ずるか?
また、最初に1つだけだった蝋燭を1つずつ増やしてゆく演出に万燈会を想起し、やがて炎のゆらめきからかそれらが水に浮かべられているように、あるいは洞窟内にいるように幻視したりも。
ピール・スロウリー(アンド・シー)
サムゴーギャットモンテイプ
スタジオ空洞(東京都)
2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/12 (金) 14:00
価格2,100円
楽日2ステージを残すのみとなった現時点では遅きに失した感があるがまず最初に……
時事ネタがあるので今が旬と言うか、このままの形での再演はないであろうから、観ようか迷っている方は是非とも!(似た事例はまたあるかもだけれど(毒))
では本編。
一言で言えば「ゲス&クズ見本市(爆)」。
若手実業家がクルーズ船の1フロアを借りきって開いたパーティーでの人間模様、成功者(成金?)あるあるで既視感のあるキャラたちが既視感のある行動をとる「王道」で、各演者の成りきり具合と全ては語らぬ切り方が見もの。
その王道ぶり(笑)では題材こそ違うが劇団鋼鉄村松「息つぎがうまくできない。」と相通ずるものがあり、いずれも「この団体・作家・演者がそういうのを演るのか」的な意外性(?)があり、その上で上々の出来具合なのがイイ。(あ、笑いもふんだんにあるというのも共通項か)
そう言えばサムゴーのソリッド公演って、第一弾のゾンビ的な騒動が起きている東京から少し離れた山村(?)の話も第二弾の日本家屋を舞台にしたホラーも今回の成功者パーティーも皆いくつもの「お約束(あるあるネタ)」に則っているのね。
第四弾のネタは何だろう?(早くも期待)
息つぎがうまくできない。
劇団鋼鉄村松
テアトルBONBON(東京都)
2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/10 (水) 19:30
座席H列12番
価格3,500円
若ハゲで恋愛から遠のいていた主人公(身体的なコンプレックスを持っているのは「シラノ・ド・ベルジュラック」に通ずる?)が上司に連れられてキャバクラに行ったことから始まる恋の顛末。
ベタで既視感満載、周囲の人々が主人公を応援し過ぎ、そもそも登場人物がみんなイイ人(一見そうでなくとも実は……も含む)、などの問題(?)はあるがそれらの要素に無理がなく御都合主義的な展開ではないし、そもそも王道とはそういうモノだろ、と思うのは「どうせ作り事なんだから幸せな気分にさせてくれよ」主義のσ(^-^) だからか?(反語)
喩えばロブ・ライナー監督がトム・ハンクスを主演に迎えて撮った映画(バブルさんの狙いとしては月9ドラマとのこと)のような味わい、とある名作を引用した比喩的表現、タイトルが意味するもの、登場人物それぞれの見せ場、モノローグの詩的な美しい言葉遣いなどあれこれ巧みだし、敢えて言おう「傑作である」と。
この夜の外は真冬に戻ったような寒さだったが、心がほっこりあたたまったわ。(秘技・ベタ返し!(爆))
1つの部屋のいくつかの生活
オフィス上の空
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/09 (火) 19:00
座席E列16番
【黄】3ステージ目
Aga-risk Entertainment「エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)」
いわば2段ロケット。定番ファルス的な前半が1段目でホイッスルによる中断で第2段に点火、ブーストして勢いがさらに増して行く感じ。(1段目が置き去りになるところも似ているか?(爆))
また、「こういう役どころはこの人」なスターシステム的な的確な配役もさすが。
あと、「あのアイテム」で以前から観続けてきた観客に目くばせをするのもイイ。(笑)
それにしてもよくまあこんなことを思いつくもんだ。次はどんな奇策で来るんだろう?
なお、事前に(ネタバレではない)感想や紹介を見ていたので「あ、このことか」と納得したり、それらから想像した以上のものであったり、さらには2連勝のディフェンディングチャンピオンの敗北を目の当たりにしたりと楽しさが増したように思う。
Straw&Berry「サイケデリック」
観ながら「あぁ、河西さんだなぁ」と納得するほど河西戯曲のド真ん中。
題材が誰しも似た経験があったり「あんなだったら良かったのに(?)」だと思ったりで共感し易いものである上に小道具や台詞に出てくるものなどで場の「時代」を……いや、時だけでなく台詞にヒントを潜ませておき「作品構造」もさり気なく伝えるのが巧み。
劇中では描かれていない期間の彼らの物語をあれこれ想像する楽しみもあった。
1つの部屋のいくつかの生活
オフィス上の空
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/08 (月) 19:00
座席D列14番
【青】2ステージ目
鵺的「修羅」
小劇場ネタで笑いをとっておいての本筋はタイトル通り修羅場。その修羅場ぶりは鵺的っぽいが、あまりにも極端な事態であることや一部人物の反応が可笑しく「鵺的流コメディ」のような感覚。従来の鵺的を知っているとより笑える?
小西耕一さんが「小西耕一ひとり芝居」で演ずるキャラそのまんまのようなので、そちらも知っているとさらにニヤリかも。
旧家の姉妹とその配偶者が広い日本間に集まっての親族会議、という構図に高木主宰がお好きだという横溝正史の世界を想起したりも。
かわいいコンビニ店員飯田さん「我がために夜は明けぬ」
登場人物が多く雑然としている上に「実は……」という舞台設定の発想は面白いがそれがさほど物語に活かされていず、二重の意味で「もったいない」。
1つの部屋のいくつかの生活
オフィス上の空
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/08 (月) 15:00
座席H列15番
価格4,200円
【赤】2ステージ目
シンクロ少女「メグ The Monster」
古い家を舞台にした男女のエピソードが2つ併走し後半でその関係を明かすというお得意のスタイル。
内容的には従来作品ほどシビアー/ビターでなく、むしろ軽やかな感じは「LOVE」シリーズに近い。その意味で「シンクロ少女・入門編」と言えるのではないか?
mizhen「小町花伝」
4編の短編によって1人の女性・小町の生涯(の断片?)を浮き彫りにする構成。小町本人が登場しないものもあるのがまた巧み。
各短編のタイプがそれぞれ異なることに黒澤明監督「夢」を想起したりも。
1編だけ小町との関連がワカらなかったが終演後に関係者に伺って納得。
なお、4編の内容はネタバレBOXへ。
アイドル♂怪盗レオノワール
レティクル東京座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/02/22 (水) ~ 2017/02/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/02/26 (日) 12:00
座席I列12番
独裁的な街の支配者によりアイドル活動が規制されたネオ・ナリマスシティで宇宙生命体ファントムの力を借りアイドル怪盗に変身して抵抗する高校生とその周辺の人々……一言で言えば「ラブコメ配合和製アメリカン・コミックス」?
なるほどこれが「L<ライト>エンタメ公演」のノリなのか、娯楽に徹していてイイなぁ。
で、初めて観た「アンテナ(略称)」の時も思ったがレティクル東京座の作品は話の中に大衆演劇っぽいところが時々あると思う。
なお、ラストシーンで音楽が流れ始める前の静寂の間(の絶妙な長さ)が特に良かった。
【勝手にキャッチコピー】「あれ?シアターグリーンBIG TREE THEATERの舞台が狭いぞ?」
乱
チームジャックちゃん
シアター風姿花伝(東京都)
2019/04/03 (水) ~ 2019/04/08 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/06 (土) 13:30
価格4,000円
当日パンフレットにもあるように史実を基にしていながら史実と異なる部分もあるといういわば「パラレルワールドの」新選組の末期。
オール女性キャストの【乱れ髪】版を観たが、驚くほど違和感も「宝塚っぽさ(?)」もなく、ごく自然に滅びの美学・様式美的なものを受け取る。
また、障子戸2枚を蝶番で繋げたような2組の可動式装置のギミックや照明に「Voyantroupeの血筋」も感じる。
単純明快なラブストーリー
制作「山口ちはる」プロデュース
小劇場 楽園(東京都)
2019/04/03 (水) ~ 2019/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/04 (木) 19:00
価格3,500円
2014年4月の浮間ベースプロジェクトによる初演、2017年2月の「ちはる塾」版それぞれの印象的な部分が脳内に蘇ったりもしながら観ていたが、会場・演出の違いもさることながら主役の春のキャラの違い(前年は真面目、今年はくだけた感じ)でこんなにも印象が変わるのか!?というオドロキ。
また、過去2回と較べて手狭というか「直線コース」がないこの会場でも○○○を使ったこともオドロキ。(笑)
なお、この日の昼に観たものもこれも出演者(男女とも)が生歌を披露し、男性はギターも弾く、そして欧陽菲菲の楽曲が歌われるという小劇場シンクロニシティもあり。
ところで2014年7月の浮間ベースプロジェクト「ラブストーリー2」(未見)で上演されたのは再演ではなく書き下ろしだったらしい。
これも山口Pで観たいぞぉ!!!
ハイライト
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/04/03 (水) ~ 2019/04/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/04 (木) 15:00
2014年12月に観た「空想科学」と同様、「Don't think, feeeeeel!」系。よって起承転結がはっきりした「物語」を期待するムキには「何じゃこりゃ?」「意味ワカんなーい」かも知れないが(よって万人にオススメとは言えない)、深読み・誤読が得意(爆)な身にはあれこれ推し測りながら観るのが愉しい。
冒頭からブッ跳んだ設定だし、それ以降も飛(翔)びまくる展開に振り落とされないようしがみつきながら(爆)観る感覚は「ロデオ演劇」かもなぁ。(笑)
あるいは「夢のような芝居」。(謎)
(以下、これからご覧になる方に先入観を与えるおそれがあるのでネタバレBOXへ)
時をかける稽古場2.0
Aga-risk Entertainment
駅前劇場(東京都)
2017/03/22 (水) ~ 2017/03/28 (火)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/27 (月) 14:00
3月1日の試演会後に終盤を更に書き直したそうでプロトタイプから実戦仕様に進化。ある場面以降、演劇愛がてんこ盛りで何度か目が潤んだ。
で、試演会で観ていたので伏線もよくワカったし♪
また、
起:時間SF
承:「ある系統」のSFサスペンス
転・結:演劇愛+(特定2ジャンルの)SF論
な構成が鮮やか。
もう少し詳しく言えば、この作品、実は時間SFを導入に使ったバックステージもの、というのが正体ではなかろうか。「バックステージもの」の個人的定義は、表見的には「進行中の芝居あるいは予定されている公演などが見舞われたピンチを関係者が何とか切り抜けようとする様子を描くもの」で、内面に「現実の作家・スタッフ・出演者たちの演劇愛をたっぷり盛り込んだもの」と思う。
そうして、「ナイゲン」では冨坂さんの母校愛がダダ漏れだったが、本作は演劇愛がダダ漏れ、という感じ。
思い返すとやはりかなり理屈っぽい部分もあるのだが、それをあれだけ楽しく見せて、今までもやもやっとしていた時間移動と並行世界の関係性を明解かつワカり易く説明しているのも巧い。
あと、初演から言えることだが、「違う同一人物」の演じ分け/スイッチも見事。
他に個人的な坪は
・2022年のクマガイの熱弁(途中から誰も聞いていない)
・クマガイとハマカワの友情
・ハマカワの主張とアサコシの論破
かな。
さて、この版の再演はあるのか?あるいはさらに進化した3.0か???
とはいうものの。
なかないで、毒きのこちゃん
駅前劇場(東京都)
2019/04/02 (火) ~ 2019/04/04 (木)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/02 (火)
価格3,300円
普段は大リーグボール級を含む変化球やヘタをするとビーンボールな際どい球が主体の投球ではあるが、その気になれば直球も投げることができますよ、と言わんばかり(笑)の正統派ドラマ。その意味では2016年5月の「やさしいムスコ」に近い感覚か。
がしかし、物語もどちらかと言えばシリアスながら随所にくすぐりがあるし、会場の使い方もただの対面客席でなく……なところはいかにも毒きのこちゃん。
こういうのもできるんだぁ、というか、忘れた頃にまた演って欲しいな。
硝子細工のイヴ
ウテン結構
d-倉庫(東京都)
2019/03/22 (金) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/03/22 (金) 19:30
価格3,500円
開演直前なのに……な演劇公演の楽屋での会話をプロローグに始まる本編はサイボーグ技術が確立された未来世界を発端として複数の「層」を為す構造。出だしの設定と相俟ってしばしば「今はどの層?」と翻弄される。
それに加えてSF的設定もありながらあまりSF臭がしないことやオープニングテーマが5分くらいあることもあって、まさしく「楽園王の血筋」(笑)。
いやしかしこのパターンで2時間を超えるとちょっとしんどいかもなぁ……
第27班 本公演9つめ『蛍』
オフィス上の空
萬劇場(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/21 (木)
21日に14時の【B】と19時の【A】を続けて観劇。
スケッチ集のように次々に見せた場はやがて4つの流れにまとまり、全体の三分の一あたり(推定)でそのうちの2つの関係が判明、さらに三分の二あたり(推定)で残り2つの関係も判明、そしてやがて……というトリッキーな構造は好みのパターンの1つ。
なので1回目はそれらの関係を推し測りながら観て、2回目は知った上で観ることになり、見えてくるものも違ったり違わなかったり。(Bを観ながらAに出演するよく存じている方々の役を推測するのも面白かった)
また、短い場を次々にテンポを損なわず見せる複数の場を同居させた装置や、現在と過去の同じ人物を舞台に登場させて台詞をユニゾンや分担で言わせる手法、ラストで舞台上の2人に視線を集中させておいて照明を落とすことで観客に残像を見せる演出など、「演劇ならでは」のテクニックがふんだんにちりばめられているのもイイ。
構成、演出とも第27班らしいもので大いに満足。
伯爵のおるすばん
Mrs.fictions
吉祥寺シアター(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/25 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/25 (月) 15:00
座席G列9番
価格4,000円
2013年10月にサンモールスタジオで上演した「伯爵クロニクル」の増補改訂版、的な。
休憩前の2場が「過去編」、休憩後の3場が「未来編」という構成だが、順に「基本」「王道」「変化球」「終わりの準備」「完結」と言えるのではあるまいか?そして全体できちんと起承転結になっているのが実に見事。
また、演者の使い方にしても装置・衣装・メイクなど舞台美術にしても「さりげなく贅沢」で、観ていてゴージャスな雰囲気に浸る。
ひびのばら
キ上の空論
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2019/03/27 (水) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/28 (木) 19:00
座席H列18番
序盤では比較的短めの場をスケッチ集のようにスピーディーに積み重ねて人間関係などを提示した上で本筋に入ってゆくスタイルで語るのはキ上の空論には珍しい「どストレート」な恋愛物語。
珍しいと言えば前後する時制とか、似て非なる場面の繰り返しとかのトリッキーさがほとんどなくオーソドックスとさえ感じるのも珍しい。
(以下ネタバレBOXへ)
ナイゲン【劇団ミックスドッグス】
劇団ミックスドッグス
ひつじ座(東京都)
2019/03/26 (火) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/26 (火) 19:00
会議劇ハシゴの後半戦。
どちらも「学内での会議」という設定、観客に劇中で使われる資料が配布されるという点が共通な一方、「オトナな大学生」と「まだガキ(笑)な高校生」、「地方自治に関する議題」と「自クラスの演し物の存否」という点が対照的で、後者の方が良くも悪くも「白熱する」というのが丸わかり。
そんな「ミクドクナイゲン」、かなり早い段階から早口で、若さ(劇中設定に加えて演者もおそらく今まで観た中で一番若い?)を感じる一方、知っている身には良いけれど初見のお客さんには聞き取りづらいのではないか?とちょっと気になる。
出だしのあたり、それに議論が白熱してからも「流れの中で重要な台詞」はもう少しスローダウンした方が良くはあるまいか?
キャスティングに関しては当日パンフレットを見て「あの人はそっちの役なんだ」と思った部分もありつつ、いざ始まってみれば極めて的確、それでいてこの座組としての個性もちゃんと出ていて申し分なし。
今後もいろんな座組・演出で観てみたい作品である。
あと、この日ハシゴした2作品(や「未開の議場」)は会議の結果が参加者に直接影響を及ぼすものだが、会議劇の原点とも言える(私見)「12人の怒れる男」を筆頭とする陪審員/裁判員ものは結論が参加者に影響を及ぼすことはほとんどない、ということに気が付いた。
R.U.R.
ハツビロコウ
小劇場 楽園(東京都)
2019/03/26 (火) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/27 (水) 19:00
価格3,000円
本作を初めて観たのは1999年5月、俳優座の「ロボット」で、休憩を挟んだ二幕、2時間を超えていたように思う。(うろ覚え)
それを95分弱とコンパクトに刈り込んで、観易い。
一方、2012年12月の演劇集団 砂地版(上演時間については記憶がないが俳優座より短かったと思う)の自「観てきた!」コメントを読んで「これは今回感じなかったな」と思ったりするのも刈り込みゆえか?
これ、もっといろんな団体のアレンジも観てみたい。