TOWER
劇団伍季風 ~monsoon~
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2007/08/31 (金) ~ 2007/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
愉快なオチが画竜点睛を打つ
過去の3作と作家が変わったものの、テイストは変わらず、内容も比較的タイムリーな上に終盤では自然保護が謳われることに加えて愉快なオチが画竜点睛を打つという感じで満足
THE WINDS OF GOD
傑作を遊ぼう。rorian55?
アイピット目白(東京都)
2007/08/29 (水) ~ 2007/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
結末の変更は一長一短?
エル・カンパニー版を観たことがないというフルヤマモトミによる演出は正攻法ながら結末を変更。キンタを喪ったアニキの喪失感はよく出ており、余韻が残って良いが、神父が分隊長のその後であるというのがわかりにくいデメリットもあり、一長一短?
デスパレート・ブロードウェイ
ダイアックスプロデュース
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2007/08/29 (水) ~ 2007/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
ダンス界内幕的なストーリー
ダンス界内幕的なストーリーは、もしかすると実際にあったエピソードも含まれているのではないか?という感じ。また、ふんだんに取り入れられたダンスシーンが、ヒップホップ、インド風などバリエーションに富みワンパターンにならないのも巧い。
性癖優秀
柿喰う客
新宿シアターモリエール(東京都)
2007/08/29 (水) ~ 2007/09/04 (火)公演終了
満足度★★★★★
「疾走感」
一言で表現すれば「疾走感」、とにかくテンポがイイ。普通の演出なら2時間半にはなろうかというものをマシンガントークのような小気味イイ台詞回しと怒濤のクライマックスによって2時間程度に収めてしまうのはホント、スゴい。
だもんで、リピーター価格800円にて9月2日に再見。
犬神戦記
SOULPROJECT
シアターVアカサカ(東京都)
2007/08/29 (水) ~ 2007/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
戦争の無意味さ・無益さをよく表現
人死にが多すぎるという気がしないでもないが、戦争というものの無意味さ・無益さがよく表現され、権力に心奪われた者の末路なども描いており、シェイクスピア作品なども連想。また、武器デザインとそれを使ったアクション・闘いっぷりもイイ。
また、2回目(9月2日:I列8番)には1度観てストーリーは把握しているので、その場面でメインでない役者の演技や、台詞のディティール及び初回に目を奪われた高倉亜樹のアクションに注目して観る。
リサリサ・バナールと竜のコンパス
colorchild
明石スタジオ(東京都)
2007/08/23 (木) ~ 2007/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
「海洋版ラピュタ」?(笑)
「海洋版・宮崎駿」的な雰囲気とRPGっぽい感覚を持ったワクワクの冒険もの。よく練られてツボを心得たストーリーと、すべて肉体で表現することで人物や場面の瞬時転換を可能ならしめた「惑星ピスタチオ的手法」が見事。
西遊記アンリミテッド
projectMISSLING
シアターブラッツ(東京都)
2007/08/24 (金) ~ 2007/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
西遊記 Re-MIX
原作の登場人物やストーリーにオリジナルのキャラクターやエピソードを加え、さらに仮面ライダーなどヒーローものへのオマージュとギャグもまぶした「西遊記 Re-MIX」。コミカルに見せながらも「力」や「戦うこと」の意味を問うているのがイイ。
また、入場時に筆記用具の有無を問う心遣いも嬉しい。
夢顔 …ソノ花ハ、咲カナイ…
ジェットラグ
新宿シアタートップス(東京都)
2007/08/24 (金) ~ 2007/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
桟敷童子テイストが見え隠れ
東憲司作品には異色なキャストもいる中、それが良い方向に作用して新たな化学反応を生み出したと言うか、基本的には笑いも多く明るく愉快で、しかし時として桟敷童子テイストが見え隠れするのが面白い。
地下室/夏の終り
MK-Box
吉祥寺スターパインズカフェ(東京都)
2007/08/24 (金) ~ 2007/08/24 (金)公演終了
満足度★★★
実験的な公演
MK-Box版『レザボアドッグス』のような『地下室』はともかく、外部作家による『夏の終り』は恋愛系ということもありMK-Boxとしては異色で多少の違和感と収まりの悪さアリ。が、実験的にいろいろ試みるのは面白い。
銭に向け叫ぶ
シャチキス(少年社中×ホチキス)
シアタートラム(東京都)
2007/08/23 (木) ~ 2007/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
「合同ユニット」のメリット最大限に
未見だったホチキスの米山和仁による脚本は併行する複数のエピソードがクライマックスに向けて収束するカタチで面白く、少年社中のメンバーがいつもとは違うキャラクターを演じていたのも新鮮で、「合同ユニット」のメリットが発揮された公演だと思う。
history
劇団偉人舞台
ザ・ポケット(東京都)
2007/09/05 (水) ~ 2007/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
タイムパトロール系
本能寺の変の隠された真相や、歴史の改変とその修復など、第一級の時間ものSFなストーリーにほど良く笑いをまぶして意表を突く結末まで、その見せ方(演技・演出)も良くて飽きさせず大いに満足。
眉村卓原作の劇場用アニメ『時空(とき)の旅人』がお好きな方は万難を排してでも行くべし!
輪廻は斬りつける(再)
芝居流通センターデス電所
駅前劇場(東京都)
2007/08/16 (木) ~ 2007/08/21 (火)公演終了
満足度★★★★
「ありがちな結末」へのアンチテーゼ
終盤で複数のエピソードをまとめる方向に行くかと思わせてどんどんワキ道に逸れて本筋を放置したままという終わり方が「ありがちな結末」へのアンチテーゼになっており斬新。また、前説や休憩もアソビ心たっぷりで楽しい。
また、音楽担当者が舞台下手に常駐してナマでキーボードを弾いていたり、オープニングやエンディングがミュージカルナンバーっぽいのもツボ。
5時には家に帰ろう
トリのマーク(通称)
ザ・スズナリ(東京都)
2007/08/18 (土) ~ 2007/08/19 (日)公演終了
満足度★★★
コラージュというかモザイクというか
ザ・スズナリを思わせる場所を訪れる人々の点描というかスケッチというか、それらによるコラージュというかモザイクというか、とにかく他にあまり類を見ない作品。
時に笑いもあり、観客の想像に委ねたまま最後まで明かされない謎もあり、な中、全体を通してのストーリーは特になし…なので延々と演られるとちょっと参るけれど、約90分というほど良い長さと、個性的なキャラのおかげで楽しく観る。
ロールシャッハ
Oi-SCALE
シアタートラム(東京都)
2007/08/16 (木) ~ 2007/08/19 (日)公演終了
満足度★★★
145分はチト長いか?
いつもながらのトリッキーなツクリだったが、今回はこちらの観劇疲れ(自業自得爆)もあってかやや難解に感じる。終盤で解明のヒントは与えられるが、そこまでの時制が今一つわかりにくい(あのオチならさもありなん?)のが一番の原因?
が、アヴァンがあってタイトルが出た後のシーンが左右対称であるとか、動物園のシーンの見せ方とか、随所にアイデアの光る面白い部分がある上に、04年5月の『ヒミズ』に客演した村田充と05年12月の『サイゴ』、06年6月の『キキチガイ/KIKITIGAI』に客演したさとうやすえが揃い踏みということもあり、それなりに満足。いやしかし、145分はチト長いか?
何んにも伊右衛ん門
劇団阿佐ヶ谷南南京小僧
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2007/08/17 (金) ~ 2007/08/23 (木)公演終了
満足度★★★★
八艘跳びならぬ「発想跳び」
一応四谷怪談(の前半部分)を下敷きにしていながら、連想ゲーム的に思いついたものに食いついてあっちに行ったりこっちに来たりという、八艘跳びならぬ「発想跳び」ってところでしょうか。何でもアリでこの劇団の本領発揮?
その「ハチャメチャさ」ゆえに観る者を選ぶとは思うけれど、個人的には好きだなぁ。
リュウカデンドロン
黒色綺譚カナリア派
ザ・ポケット(東京都)
2007/08/15 (水) ~ 2007/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★
「ライトな桟敷童子」?
昭和の香り、サーカス小屋の持つ独特の雰囲気、「美しき天然」が持つものと同種の華やかさともの哀しさなどがよく出ていて、時流に抗うことができずに押しつぶされる庶民(?)を描いているところなど「ライトな桟敷童子」という感じ
S [複数形]
and Me
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2007/08/16 (木) ~ 2007/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
リアリティのある自然な会話
とある病院の屋上での看護師、食堂のオバちゃん(おねーさん?(笑))、女医、入院患者、見舞い客たちによる会話劇。台詞の量がかなり多いにもかかわらず、説明台詞が一切なく、すべてリアリティのある自然な会話なのが巧い。
会話の中に出てきた「?」な部分は、文章の場合にダッシュで挟んで挿入する説明句のように、演技を挿入して説明するというのが斬新。
これ、そのパートの人物が舞台に登場する時はスローモーション、「挿入演技」の間は本来のパートの人物はストップモーション、照明も変えるという風にキチンと分けて見せてくれるし。しかもこの挿入部分は、後で本来のパートとしてその前後も含めて出てくるワケで、その構造が何とも面白い。
また、昼・夕方・夜をキッチリ見せる照明と蝉や虫の声の音響も見事。
※ 16日の初日と19日の大楽、2回観劇
仕込んでいこう!
円盤ライダー
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2007/08/21 (火) ~ 2007/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
演劇ファン必見!
シアターグリーンでの仕込み当日、2つの劇団がバッティング?な状況から始まるワンシチュエーションのバックステージコメディ。
かつての劇団BOOGIE★WOOGIEの『BACK from BACK』と同様、コメディでありながら後半では舞台に対する作者(そして演者)の愛情がひしひしと感じられて、笑いながらもホロリ。
舞台関係者はもしかすると他人事ではないかも知れないけれど(笑)、芝居好きなら観て損はない…どころか必見!
なお、客席通路や入り口ドアも演技エリアなので、E列やD列のセンターブロックがオススメ(全席自由)
きみは死んでいる/その他短編
MU
OFF OFFシアター(東京都)
2007/08/15 (水) ~ 2007/08/20 (月)公演終了
満足度★★★
Aバージョンのみ鑑賞
「きみは死んでいる」のシュールな感覚やコミューンのブキミさ、「変な穴」の不条理さもさることながら、「×」での各登場人物の関係が次第に明かされつつ収束するという語り口の巧みさが特に印象的
残存エゴイズムクラブ
Not in service
千本桜ホール(東京都)
2007/08/09 (木) ~ 2007/08/19 (日)公演終了
満足度★★
閉塞感と悪夢を見ているような雰囲気
閉塞感と悪夢を見ているような雰囲気が非常によく伝わり暗~い気持ちにさせる上に、ボソボソ言っている台詞がリアルではあるが時として聞き取りにくかったりするのが難点。「Don't think, feeeel!」ってことか?
なお、カレル・チャペックの『RUR』をちょっぴり連想。