
ホスピタルビルド
TUFF STUFF
SPACE107(東京都)
2008/03/18 (火) ~ 2008/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★
満足度高し
人命や医療という正解なんてない命題に各キャラクターがそれぞれ向き合いそれゆえにぶつかり合うという脚本と、そのキャラクターをキチンと体現するキャスト、そしてそれらをまとめあげた演出が見事なまでに噛み合って創り上げられた作品は満足度高し。

心は孤独なアトム
“STRAYDOG”
シアターアプル(東京都)
2008/03/20 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了
満足度★★
妙に納得
02年の初演を観ていたとは言え、かなり記憶が薄れており、客席に入って装置を見たら多少思い出せたものの、ディテールは「曖昧」どころか「あやふや」、観ているうちに先の展開を思い出すこともなく…(爆)
だもんで、本筋との関連がなかなか見出せないまま併行して描かれるエピソードも最後につながりが明かされるまでじれったく(=初見とほぼ同じ状態)、なるほどこれじゃあ初演の時にストーリーが印象に残らなかったハズだ、と妙に納得。(笑)

かるてと
SHAFT
荻窪メガバックスシアター(東京都)
2008/03/20 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★
「謎の悲鳴」という共通項
病院を舞台にした5話オムニバスで、それぞれ作家を異にしながらも「謎の悲鳴」という共通項で関連付けて最後にその共通項のネタを明かすというシカケ。第2話、第3話が面白く、それまでのエピソードをまとめてブラックなオチをつける第5話は秀逸。

葦ノ籠~アシノカゴ~
黒色綺譚カナリア派
青山円形劇場(東京都)
2008/03/19 (水) ~ 2008/03/23 (日)公演終了
満足度★★★
昔話の裏に隠された残酷さ?
わが子を喪った父の哀しみ(狂気?)もさることながら、お伽噺や昔話の裏に隠された残酷さを白日の下にさらけ出したようなコワさがあり、そう言えば、途中までなら描き方を変えれば亡くした子や去った妻と再会できてあら嬉しや的なお伽噺にもなりそうだな、と。
ただ、「婆さんズ」が当日パンフにそのキャラまでキチンと書いてあるほどには劇中で描き分けられていなかったのは惜しい。
それにしても、こういった内容なのにオープニングとエンディングにヘヴィメタを使って、またそれが妙に似合ってしまうのは不思議。

箱
メタリック農家
ギャラリーLE DECO(東京都)
2008/03/18 (火) ~ 2008/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★
好みの構造
プロローグ的なものに導かれ3編のエピソードが提示されて、3編目では1編目と2編目の登場人物も出てきて関連性が明かされ話がまとまり、冒頭と対を成すエピローグ的なパートは後日譚になっているという好みの構造。
1つのエピソードでオンラインRPGでのチャットをナマの芝居で見せ、逆にその後のリアルでのデートシーンをRPGのゲーム画面風に見せるのが面白い。

東京
赤坂RED/THEATER
赤坂RED/THEATER(東京都)
2008/03/13 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了
満足度★★★
東京に対するコンプレックスや羨望(?)
和歌山から「サクセス」を目指して上京した3人の若者と郷里の同級生それに東京で出会った人々が織り成す物語で、基本的には東京で生まれ育った身として感じたことのない、地方からの東京に対するコンプレックスや羨望(?)が色濃く表れて「あぁ、そういう感覚もアリかもね」みたいな。
全体的にホロ苦いどころか、時として心がイタいほどだが、終盤、主人公が8年以上のココロの蟄居状態から自らを解放するシーンがイイ。
さらにその表現として冒頭の高校生時代のシーンの再現かと思わせつつも古川がとりたかった行動に出るという、「過去を変えたために現在が少し好転している」というタイムスリップものの逆のようなエンディングも面白い。

中野ブロンディーズ
ネルケプランニング
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2008/03/12 (水) ~ 2008/03/20 (木)公演終了
満足度★★★★★
予想外に(失礼!)上出来で大満足
仲間が集まる過程、何度か訪れるピンチとそれを乗り越える力など基本的にはお約束通りの展開ではあるが、言い方を変えればそれは「基本に忠実」なワケで、それどころかホロリとさせる名台詞までいくつかある上に、練習中の場面でキチンとできているヤツとできていないヤツ(しかもそれぞれのキャラに合わせたできなさぶり)をキッチリ見せたりもして見事。
最悪でもナマの杉本有美が見られるし、ラストのチアリーディングシーンが見ものらしいので…程度の期待で観に行ったら予想外に(失礼!)上出来で大満足。

イノチトリなゲーム
サンモールスタジオ
サンモールスタジオ(東京都)
2008/03/11 (火) ~ 2008/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★
ほど良い緊張感で観終える
全体的には緊張感が漂いっ放しながら、時折黒い(どころか「ドス黒い」とか「漆黒の」というレベルの?)笑いもまぶされて…。
本人たちは生き延びるために必死なのだろうが、傍観者である観客の目からすれば滑稽に見えたりして。
醜いエゴがむき出しになったりすることもなく、設定通り1時間のリアルタイム(舞台上のモニターと壁に残り時間が表示されている)というコンパクトな長さということもあって、ほど良い緊張感(と疲労感?)で観終える。
なお、12日のAチームと13日のBチームを続けて観劇。

舞台版『心霊探偵八雲』
オフィス・REN
青山円形劇場(東京都)
2008/03/06 (木) ~ 2008/03/13 (木)公演終了
満足度★★★
3女優見物に専念?
冒頭に救いようがないほど違和感のあるベタなギャグはあるわ、シロウトでも変だと気付くほど初歩的な目撃者の証言の疑問点に先輩刑事が気付かないわ(後輩刑事が気付く)で一気にハードルが下がって3女優見物に専念しようと決めたのが幸いしたか、以降のストーリーはまずまず…どころか逆に面白く。
さらに、もしもこんな事件が実際に起きたらどう裁かれるのか?という好奇心に対してエピローグでキチンと回答してくれたのでポイントアップ。

SLeeVe-RefRain
DMF
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2008/03/06 (木) ~ 2008/03/10 (月)公演終了
満足度★★★
物語の奥行きもより深まる
前作はそれぞれ悩みを持っていた参加者が百鬼夜行を通じて成長する姿を描いてさわやかだったのに対して、今回の参加者は悩みというより「心の闇(あるいは「心に病み」?)」を抱えており、命を落とす人数も多い分、いささかヘヴィーでダーク。
それだけに「1人を殺しただけで人の心は張り裂けてしまう」という台詞に象徴されるように、「殺す」という罪の深さが強調されていて。
また、百鬼夜行への参加経験があり、今回は無益な殺生をやめさせるために参加したというメンバーがいたり、虚像と自分自身のギャップに悩むアイドルや話し合いによって解決しようとするシスターなどもいて、参加者のバリエーションが増え、百鬼夜行には参加せずにあくまで客観的な立場で関わる人物までいるという具合に進化。
さらにこの登場人物たちがそれぞれ多面的に(善悪両方を持ち合わせる、という単純なものではなくて)描かれており、物語の奥行きもより深まった感じ。
なお、マチネの朧はI列6番、ソワレの霞はI列18番にて観劇。

眠りのともだち
イキウメ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2008/02/27 (水) ~ 2008/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★
優しい余韻が残る
いつものSF系スリラーとは趣を異にしたハートウォーミング系ファンタジー。
「夢の世界は実はつながっていて、自分が見た夢の中で誰かに出会った場合、その相手の夢に自分も登場していたのではないか?」などと考えたことがある身にとって非常によくわかり、なおかつ似た発想をする人がいたことが嬉しい。
しかし、夢の中で覚醒するとか、夢にも層(劇中用語でレイヤー)があるとか、その発想を発展・昇華させるあたりはやはりプロの技というものか。
さらに、別居していた夫婦をメインに置いて、終盤、夢の中で互いに心情を吐露することで良い方向へ向かうという持って行き方もあたたかく、珍しく(?)優しい余韻が残る。

きみがいた時間 ぼくのいく時間
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2008/02/28 (木) ~ 2008/04/07 (月)公演終了
満足度★★★★
特に後半は上手くできていて満足度高し
『クロノス』三部作の「続編」かと思いきや「姉妹編」だったが、根底に流れるものは共通。
(中間部はネタバレパートに…)
しかしなんだかんだ言いながらも、特に後半は上手くできていて満足度高し。
キャラメル史上初の二幕もの、第一幕は主人公が過去に向け旅立つまで、第二幕はその過去(+α)の物語と分けられており、この構成もナイス。

最後のタマゴ 最初のキオク
One on One
萬劇場(東京都)
2008/03/05 (水) ~ 2008/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★
表向きは寓話的なSFファンタジー
棲息地である森の火災により絶滅の危機に瀕した有翼の亜人類とその保護にあたる人々の物語。種の絶滅とか環境破壊とかシリアスなテーマも内包していながら、表向きは寓話的なSFファンタジーというとっつき易いスタイルで娯楽性もたっぷりなところがイイ。

雷電甲子園
雷電
シアターサンモール(東京都)
2008/03/05 (水) ~ 2008/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★
オールスター戦?
終盤にちょっとイイ話がある同じ時間軸内のショートストーリー(基本的にはコメディ)3編、異なる作家が書いたにもかかわらずそれぞれリンクしているのみならず、3編目ではそれまでに出たネタも使ってキチンとオチを付けるなんてところが見事。
また、大所帯ユニットなので今まで別々の舞台で見たことのある方々が同じ舞台で台詞のやり取りをするのがオールスターゲームっぽくてワクワク。

ぶつける。
かやくごはん
「劇」小劇場(東京都)
2008/02/26 (火) ~ 2008/03/02 (日)公演終了
満足度★★★
終盤はなかなか
前半は地域FM局の内幕系、後半は心労から一時的に記憶を失ったディレクターとパーソナリティであるその妻の関係に重点が置かれ、という構造なので途中から軸がブレたような感もありつつ、タイトルの意図するものが表出する終盤はなかなか。
あと、作者と世代が近いのか、世代限定ネタと、客入れ時の「いかにもFMで流れそうな曲」のラインナップにウケる。

お前がダメな理由
箱庭円舞曲
サンモールスタジオ(東京都)
2008/02/27 (水) ~ 2008/03/03 (月)公演終了
満足度★★★★
非常にリアル
基本的にはユーモラスでありながら、時には辛辣で心にグサリと刺さり、時には逆に奥に優しさが秘められていたりもするという会話だけでなく、登場人物もステロタイプでなくイイ面とヤな面を併せ持って描かれていて、その相乗効果で非常にリアル。

秘密と嘘
PADETRE
Studio twl(東京都)
2008/02/23 (土) ~ 2008/02/23 (土)公演終了
満足度★★★
映像2本とコント5本
楽天舞隊主宰の待田堂子が新たに立ち上げた「スタイリッシュコメディユニット」の1stライブで、映像2本とコント5本のオムニバス。
オープニング映像は出演者紹介であるだけでなく、ある出来事に遭遇したメンバーの1人が他のメンバーを呼び寄せて、というストーリー仕立てで、マルチスクリーンなども使いながら確かにスタイリッシュ。
また、5本のコントはそれぞれスタイルが違って、まさに試行錯誤中という感じながらそれぞれ面白い。特に「モテ男の法則」はガンダムが染み付いている身としてツボを突かれ、「劇的な展開」のオチにはウケる。

本能寺オテロ
K.B.S.Project
ブディストホール(東京都)
2008/02/14 (木) ~ 2008/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★
予習の効果アリ
本能寺の変に「オセロー」を絡ませ、しかも篠笛・能管、和太鼓、薩摩琵琶の生演奏が加わるというハイブリッド演劇。
『オセロー』はキチンと観たことがなく、本能寺の変についてもアバウトな知識しかなかったので、事前に予習しておいたら劇中の事象が悉く手に取るようによくわかり、その両者を融合させるとこうなるのね、と頬が緩みっ放し。
軍勢を率いることなくイアーゴー的策略によって信長を切腹させる光秀という全体の流れからハンカチを扇に置き換えるというディテールの翻案まで、なかなか見事。

愛にキて
アマヤドリ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2008/02/15 (金) ~ 2008/02/24 (日)公演終了
満足度★★★
真綿でくるんだナイフ
一言で表現すれば「真綿でくるんだナイフ」。真綿はタテ軸となる離婚の危機に瀕した夫婦の物語、ナイフはヨコ軸の「ライトダウン計画」。
なんだかんだありながら結局元の鞘に納まる根津夫妻に「夫婦のあり方」のようなものを感じさせつつ、ラスト前の夫の台詞は露骨なまでに「オトコの身勝手な言い分」だし、エピローグで所詮男と女なんてスレ違いっ放しなのさ、的なところを見せて終わるあたり、奥が深い。
一方、ライトダウンの理由としてマコトの心の闇が語られるあたりは私刑の陰惨さのようなものが伝わり鋭いナイフを突き付けられたようにヒヤリとする。

人間合格
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2008/02/10 (日) ~ 2008/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★
実に16年ぶり
初演(89年)と再演(92年)は観ていたものの、三演(98年)、四演(03年)は観なかったので実に16年ぶり。
なので、具体的にはほとんど覚えていなかったとはいえ、観ながら「そうそう、これって風間壮夫だったり渡辺いっけいだったりしたんだよなぁ」「すまけいとは明らかに違うアプローチだけれど、辻萬長の中北芳吉もハマってるなぁ」などとかつてのキャストと比べたりしながら思い出す。
で、今回は6人中4人がこまつ座初出演ながら、それぞれ役にハマっているのも良かった