グレーな十人の娘
劇団競泳水着
新宿シアタートップス(東京都)
2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/04/24 (日) 13:00
上手く騙されたし概ね理解できたと思うが「そういうコト」に「そういうヒト」が関わってイイのか?という疑問が残った(あれも嘘なの?)
リディキュラブ
南京豆NAMENAME
王子小劇場(東京都)
2022/04/15 (金) ~ 2022/04/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/16 (土) 14:00
郷里で交際していたが男の上京により中断しその後東京で再会した男女と彼らに関係した人々のあれこれの顛末。
複数の登場人物はエキセントリックだし、出来事も日常をちょっとハミ出したことなのに白けたりせずむしろ共感して観てしまうのは、それらが「芝居のウソ」の範囲内にとどまっていることはもちろんだが、タイトルにもあるように恋愛における愚かさや「したいと思っても理性でガマンしていること」が描かれているからではあるまいか?
そんな匙加減が巧いんだなぁ。
あしたばのおひたし
オカムラ企画
雑遊(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/23 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/23 (土) 14:00
長野の旧家(?)に嫁いだ若い女性とその家の関係者による会話劇。奇しくも公演時期が被る劇団普通「秘密」と共通する部分もありつつ表現が真逆に近いのが演劇の面白さ。
また、従来の南慎介作品とはかなりテイストが異なるので「成立過程」が気になる。
それにしても終盤で「あること」が明かされてからは観ていてしんどい。もうどうなることかと心配で心配で。ラストに救いの光は見えるものの、それでもあれこれ考えるとこのあとの心配はつきない。
なお、劇中ではどの地が舞台なのか語られず、劇中に出てきた五平餅と語尾の特徴から静岡か?と推察したが、関係者さんから長野と知らされて「あ、そっちか」と思ったのだった。
なんとなく幸せだった2022
かるがも団地
北とぴあ カナリアホール(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/04/03 (日) 13:00
高校の同級生たち(+α)の高校時代と社会に出てからを描く二部構成の「青春もの」。
「そういえばそんなようなこともあったなぁ」という共感/郷愁を呼び起こす出来事満載な上に台詞などがいたって自然で無理がなく(私見)、抜群に巧い場の創り方と繋ぎ方、それに歌の使い方によっておよそ「一般的な劇場の舞台」とは異なる多目的ホールでの上演であることなどいつの間にか忘れてしまうほど没入できた。
画廊にて 他3篇
日本のラジオ
新宿眼科画廊(東京都)
2022/04/22 (金) ~ 2022/04/26 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/22 (金) 15:00
従来とは異なるパターンで「日本のラジオ流コント集」なオモムキ。
それでいながら4篇中2篇がSFテイストで他の2篇も未来の話っぽかったりして「異世界っぽい」のが日本のラジオらしさか?
こういう路線もまたいつか観たいと思う。
春夏秋冬
世田谷シルク
座・高円寺1(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/21 (木) 14:00
3年前の横浜版より広く天井も高い会場になったことで投影用スクリーンが巨大になり迫力増(笑)。それだけでなく横浜ではただの(?)白いパネルだったものが厚みがあり障子戸の付いた装置になったりとグレードアップしていわばデッサンとそれを元にした油絵、的な?
個人的には抽象表現で「想像の糊しろ」が大きい横浜版の方が好みだが今回のコレもアリ、みたいな。
また、終盤の「アレ」に女性の生涯を描いた他の芝居を想起。
秘密
劇団普通
王子小劇場(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/20 (水) 19:00
特に大きな動きがあるわけではなく、ある家族(と近しい一部の人々)の「ほぼ日常」を描いている「だけ」(かつ装置もテーブル1つに椅子4脚のみ)なのに約2時間を飽きさせないのは「物語を見せる」のではなく「演技を見せる」あるいは「演技 で 見せる」作品だからではないか?と。
また、北関東の訛りと一般市民の話ということに立松和平作品を想起。
今まで何度も観ている団体ではあるが、今回改めてそんなことを考えた。
DGURA MAGRA
PSYCHOSIS
新宿スターフィールド(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
高取英脚本の月蝕版は未見だが、月蝕テイストに森永理科演出による「新たなモノ」が加わって化学反応が起きた、的な?
そして楽屋落ちもありつつけっこう忠実に描きながらも95分に収めたのはアッパレ。
あと「やたらに濃い」遊佐さんにニヤリ。
#15『朱の人』
キ上の空論
本多劇場(東京都)
2022/04/13 (水) ~ 2022/04/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/15 (金) 14:00
高校時代に「不純な動機」で演劇部に入ったことをキッカケに演劇の道に進んだ兄について語る弟、という形式で進む小劇場界内幕系。説明文には「「演劇」の話ではなく」「「人間」の話で」とあり、確かにそうでもあるが、演劇に憑かれた男を描くことで反面的/逆説的な(=裏返しの?)「演劇讃歌」になっているのではないか?そしてそれは中島主宰の信条表明的なものであるのではないか?と感じた。
1981年のグッドバイ
成井硝子店
新宿スターフィールド(東京都)
2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/04/02 (土) 13:00
1980年、大学入学後すぐに演劇サークル/劇団に入団した主人公の1年間……という脚本の成井さんの自伝的な物語。
登場人物や彼らの劇団名は多少変えてあるが、台詞で出てくる劇団・作品・人名は実在のもので「あぁ、あの頃か」などと身近に感じつつ楽しんだ。
また、アフタートークで登場人物全員のモデルが明かされ、うちお二方はよく存じていたので大いに納得。
「流れる」と「光環(コロナ)」
劇団あはひ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/04/03 (日) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/10 (日) 14:00
座席J列6番
【光環(コロナ)(「Letters」改題)】
昨年11月の「試演版」と65分の尺は変わらないがあれこれ削ぎ落して(とはいえ出演者の数は1人増えた)様式美にまで昇華させた「現代能(未来能?)」な趣き。
それでいて終盤の日蝕のスペクタクルと言って過言ではないダイナミックな表現たるや。試演版の表現も優れたものだったがまた別のアプローチで圧巻!(試演版では照明で表現していた「波打ち際」を本水で表現するとは……(!))
「流れる」と「光環(コロナ)」
劇団あはひ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/04/03 (日) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/04/09 (土) 14:00
【流れる】
能の「隅田川」に「子を喪った親」という共通項で天馬博士とアトムを加え、狂言回し的に芭蕉・曽良のコンビを配するクロスオーバーぶり。
「隅田川」を予習して臨んだので確かに下敷きになっていると思いつつ「一筋縄では行かない(私見)」あはひのこと、もしかして「女」は実在していないのでは?とか盛大に誤読(なのか?)して楽しむ。
なお、この回のアフタートークでライター・編集者の九龍ジョーさんが「観ながらあれこれ関連付けたり想像したり」とおっしゃっており「わが意を得る」(笑)。
明日のハナコ
なかったことにされた高校生の2人芝居がきっちり面白かったので自分たちでさくっとやってみる会
梅ヶ丘BOX(東京都)
2022/04/08 (金) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/04/08 (金) 15:00
とある演劇部員が通りかかった元部員と次回作の構想を実演してみて……な二人芝居。劇中劇は福井地震からの復興から原発の建設までたどり、さらに遠い未来まで語って問題を提起するのが実に巧みかつ面白い。
そして既にある問題を提起するだけでなく、それに対して自分たちには何ができるか?と観客に問いかける内容なのに「なかったことにした」側は何を危惧したのか、が結果的に新たな疑問となるのが痛烈な皮肉に感じられる。
演劇史の貴重な1ページかも?
イン・ザ・ナイトプール
コンプソンズ
王子小劇場(東京都)
2022/04/05 (火) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/07 (木) 14:00
座席D列8番
劇団員4人それぞれの作・演出による短編集。シリアス、コミカル、SF、実録もの(ホントか?)とタイプは全く異なるが3編目までは幕切れの切れ味が鮮やか。4編目はσ(^-^) が思うコンプソンズらしさ満載(笑)だが盛り込み過ぎてモタついた感があるのが惜しい。
ちろうに検診
Peachboys
サンモールスタジオ(東京都)
2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/01 (金) 14:00
毎度お馴染みパロディ満載の艶笑芝居。ここまで振り切った内容を全力で演ずるのは尊く(?)昨今の厳しい現実からの逃避に絶好♪ また、この会場だからできる「アレ」も見事。
ところで今回は従来以上にメタな部分が多かったような。
さらに、パロディの元ネタも新旧の幅が大きく時事ネタや自虐ネタも増量気味? そんな中に時折現状についての悲鳴的なものもあってヒヤリとしたとかとなかったとか。
あと、毎度ながらチープなものも含めて衣装や小道具も楽しい。
下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー
第27班
王子小劇場(東京都)
2022/03/24 (木) ~ 2022/03/28 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/26 (土) 14:00
突飛な設定もありつつ、それを絵空事ではなくそれなりに「あるかも?」と思わせる(笑)のが見事。そしてその設定を最大限に活かしてカフェの常連客とその周辺の人物が縦糸・横糸となって織り上げる恋愛系物語……コミカルな中にハッとする/刺さる部分を織り込んで巧み。
そう感じたのは登場人物名が一般的な名前でなく物語などのタイトルであることから。それぞれの「ドラマ」を無意識的に読み取っていたことによるのかも。
白片つぐつぐ
アナログスイッチ
駅前劇場(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/22 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/03/21 (月) 13:30
大正時代、朝鮮半島に渡り植林事業を行う傍ら朝鮮半島の陶磁器と木工を研究紹介した浅川巧を主人公に据えて当時の日本人(一部?大半?)の朝鮮人に対する意識を描いているが、昨今のレイシズム批判になっており、真摯なテーマをユーモアを交えて描く作風に井上ひさし作品を連想。今の世にも通ずる秀作、感服!
2番目でもいいの♡
劇団ズッキュン娘
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/03/25 (金) 19:00
座席D1列05番
2014年の初演両キャスト、2015年の再演に続き通算4度目となるが待子が身勝手に感じられなかったのは改訂のためかこちらの意識が変わったためか?
クライマックスの論戦は妻・不倫相手としてのそれぞれの愛に説得力がありどちらも悪くないように感じてしまう。
そしてそれはつまり不倫をしたシゲちゃんが悪いということで、男性観客として居心地が悪いったら……(笑)
また、この会場・この料金ゆえのキャスト・衣装・装置・照明効果なども見事。ただ、小劇場系観客はもちろん、アイドル系出演者のファンにとっても8000円という価格はハードルが高かったようで空席が目についたのは残念。
石を投げる女がいて
ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/25 (金) 14:00
座席8列5番
あらすじに暗示されているように不穏な方向に向かうが一難去る。しかし真髄はその後ではないか?
実際にあった事件等を想起させる出来事が次々に起こりしかもそれまでのトラブルのように単純でなく真相も藪の中。ある共同体が壊れてゆく過程を見せられているようで居心地が悪かったなぁ(褒めてる)。これ、堤さんのダークサイドなのでは?(笑)
なお、ラストシーンで星新一の「おーいでてこーい」を想起したりも……(爆)
粗末な人たち 新宿編
モミジノハナ
雑遊(東京都)
2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/24 (木) 14:00
あくまで喩えだが、舞台上方に大きく厚いガラス板が吊り下げられていて、人物が台詞を発する度にピシッとかミシリとか音をたててヒビが入ってゆき終盤でついにヒビと重さにより大音響とともに砕け散る、みたいな。
しかもその後ある人物の台詞によって破片が地吹雪の如く舞い上がりトゲとなって台詞が向けられた人物に刺さってゆく、的な。よって傍目に見る分にはカタルシスさえある(!)が、そんな状況下に身を置いたらさぞかし怖かろう……(笑)
また、前の場の状況や台詞の一部をそのまま取り込んで次の場に移転する演劇的手法、好きなんだなぁ。さらにそれぞれタイプが異なる4女優の「競演」、眼福でもあった。