タオの観てきた!クチコミ一覧

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腐れ愛しい

腐れ愛しい

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2011/12/23 (金) ~ 2011/12/26 (月)公演終了

満足度★★★★★

流石
素敵なクリスマスイブを過ごさせていただきました。

まず装置、というか空間がいい。
小さな教室にどかんと舞台が作られていて、その回りを客席が囲む。客席は高さがあり、すぐ下の通路は役者の舞台空間になった。自分の足元から役者が出てくるのは今までにない新鮮さがあった。まさに空間全部が芝居の空気で充満していて、とてもうきうきしながら見れました。

役者もなかなか個性が強く、特に高木健さんの「お馴染み感」はとても凄かった。多分初めて観た人でもそんな感じがすると思う。他の役者も皆はっちゃけていた。クリスマスイブになにやってんだろうとか思ってたのだろうか……

正直ラストの無理やり締める感じは好みではないのだが、それでもスカッとするようなパワーがあったのでとても満足でした。


自分の観た回はなにやらトラブルが多かったみたいですが、なかなか機転が効いていたと思います。

ある女

ある女

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/01/18 (水) ~ 2012/02/01 (水)公演終了

満足度★★★★

初見
岩井さんの演技ばかり観たことがあったので、果たしてハイバイとはどんな感じなのだろうかと思ったら、岩井さん通りの劇団でした。

主役がWキャストなのは盲点でした。
映像も二通りあるということでしょうか?

映像はとても面白くってよかったんですけど、せっかく芝居を観に来たのだから生の演技を見たかったというのが率直な感想です。

平成演劇デモクラシー ~高校生文明開化の乱~

平成演劇デモクラシー ~高校生文明開化の乱~

平成演劇デモクラシー実行委員会

ライブハウス・国立リバプール(東京都)

2012/03/20 (火) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★

高校演劇の可能性

この公演は今までの高校演劇の概念を取っ払ってくれた。
まずライブハウスという特異な狭い場所で行うこと。そこで夜に公演を行うこと。それを生徒だけで行うこと。
高校演劇より小劇場演劇である。

一番脅威を感じたのはそれをやりとおす実行力である。高校演劇はこれくらい自由でないと。しかし残念ながらこの革命家たちは卒業してしまう。この意思を未来まで託して欲しい。

ネタバレBOX


まず最初にビビったのは、一般客の自分を会場係が行く手を阻んだことである。なんだか心を鷲掴みにされてしまった。


中に入ってみるとそのままライブハウス。黒幕や舞台装置は一切なく、潔さが感じられた。ただひとつ残念なのは椅子の高さに差がなく、後方の席がとても見にくかった。平台等で高さをつけるか、前のほうをゴザ席にするか、舞台の高さを上げるなりの工夫が欲しかった。それがあれば100点満点だった。

芝居は三者三様で面白かった。もんたげは青春高校演劇正統派、せたそーは最新演劇、そして第六本木帝国歌劇団は今まで観たことのない馬鹿さ加減だった。

もんたげの二人の役者は十分に巧く、それもあって脚本が役不足に感じられた。高校三年生にしかだせない、甘酸っぱいやら苦いやら色んな思いの旨みが充分に乗っていて、清々しかった。

せたそーのあゆみはあゆみをやりたい事は伝わってきたが、あゆみを通して何をしたいのか、どんなあゆみを作りたいのか、そういったオリジナリティに欠けていた気もする。しかしこの難しい演出をやりとげた事にまず拍手。

第六本木帝国歌劇団は度肝を抜かれた。高校生にここまで馬鹿な事を出来る奴がいたのかと。チャーリーズエンジェルたちは美人なのに、舞台の上では笑いの権化でしかない。その歌唱力でさえ笑いに変換されてしまう。全国の高校生がこの様を観れたなら、きっと高校演劇事情は変わると思う。強いていうなれば他の二校に比べ台詞が聞き取りづらかった(他のが聞き取りやすすぎた)。しかしそんなことはどうでもいい。


とにかくとても密な2時間半だった。
これから先、このような公演が発展する事を願う。
あしたもしぬほどいい天気

あしたもしぬほどいい天気

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

テーマは大好物だった
テーマは大好物だった、けれど、「俺は大器晩成、」「腐れ愛しい」に続いた三回目のエンクラ観劇はなんだか物足りなさを感じた。主人公がどん底のどん底に落とされていないからか…



けどダンスは大満足。今まで沢山ダンスを観たけど、エンクラの振り付けが一番好き。

ネタバレBOX

テーマは「普通じゃない人」と「普通な人」の深い谷について。このテーマは物凄く好みでした。自身が経験しているし「不幸になりたい」とか「傷を負いたい」とかなんだか訳解らない感情はネガティブ思考の隠しキャラだと思います。

ただ、それを表現しきるには何かが足りなかったようで、
例えば主人公ミキの存在感だとか、
あのエンクラ特有のどうしようもならなさとか、
「普通な人」が傷を負ってない事を軽蔑される不条理さだとか、


何か心にくるような衝撃がなかったかなぁと。
ただでさえテーマを聞くだけで心が締め付けられそうになるんだから、それに追い討ちをかけるものが欲しかったです。

キャストが一人減ったと聞きますが、そのことが大きく影響してるのでしょうか……

それとも「大器晩成」と「腐れ愛しい」がこってり過ぎたのでしょうか……


しかし割と役者力、スタッフ力ともに高かったので、

次はこってりを期待してます。
サスペンデッドアワー

サスペンデッドアワー

東京ジャンクZ

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2014/11/14 (金) ~ 2014/11/20 (木)公演終了

いつまでも観に来たい劇団
東京ジャンクZ「サスペンデッドアワー」
毎回、この劇団は行くようにしている。人に勧めたい芝居ではなく、自分だけが知っている密かな楽しみだ。この劇団はまずチラシが良い。かっこいい。でも、このチラシそのままのイメージで見に行くと痛い目を見る。俺はこの劇団を期待しないで見に行く。そのくらいの気の持ちで見に行くとちょうどいい。
 開演前、劇場の外で威勢のいい声が呼び込みをしているのでわくわくする。中に入ってみると、豪華な舞台がたっている。ここの美術は毎回すばらしいと思う。そう、この劇団はスタッフワークにプロの方をよんでいるので、スタッフだけでもかなりの見応えある舞台を作る事が出来ている。
 ぶっちゃけた話をすると、俳優はそれほど上手くはない。早稲田劇研だけあって声も出てるし身体も良く動くが、間の取り方がどうにも上手くいっていない。それならそれで間の一切ない、バリバリエンターテイメントみたいな芝居をやればいいのだが、わりと作風は会話劇とエンタメの間の子の感じなので、妙な違和感がある。会話が上手くいってないように見える。
それと、ギャグの使い方がとても雑である。特にギャグの後の処理というか、滑らなければその勢いで先に進めるけど、滑った時の安全策を考えてないというか、頭からヘッドスライディングしてくるギャグなのである。
 ギャグがコテコテだったりするので多分役者は相当苦労してるんだと思う。この手のものは相当な技術力が無いと笑わせられない。ヤクザ兄弟は力があるようで、個人のギャグやその二人でのギャグは成立していた。けれど、他の人たちはコンビネーションでの笑いに苦労しているように見えた。
 それでもこの劇団にはB級的なすばらしい魅力がある
。B級というものは、本人たちが本気になってやっていなければB級とはいえない。でもこの劇団は本気だろう。スタッフワークもすばらしいし、話は長いが見てられないような内容では無いので、ずっとニヤニヤしながらみてしまう。なぜかお客さんを楽しませるエンターテイメント性はしっかり押さえてる。詰めのあまい箇所に愛おしさを感じさせてくれる。「次はきっと面白いだろう!」という気分にさせられる。でも多分次回もそんなことを思うんだろうな。
 この劇団にはいつまでもがんばってほしい。

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