平成演劇デモクラシー ~高校生文明開化の乱~ 公演情報 平成演劇デモクラシー実行委員会「平成演劇デモクラシー ~高校生文明開化の乱~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    高校演劇の可能性

    この公演は今までの高校演劇の概念を取っ払ってくれた。
    まずライブハウスという特異な狭い場所で行うこと。そこで夜に公演を行うこと。それを生徒だけで行うこと。
    高校演劇より小劇場演劇である。

    一番脅威を感じたのはそれをやりとおす実行力である。高校演劇はこれくらい自由でないと。しかし残念ながらこの革命家たちは卒業してしまう。この意思を未来まで託して欲しい。

    ネタバレBOX


    まず最初にビビったのは、一般客の自分を会場係が行く手を阻んだことである。なんだか心を鷲掴みにされてしまった。


    中に入ってみるとそのままライブハウス。黒幕や舞台装置は一切なく、潔さが感じられた。ただひとつ残念なのは椅子の高さに差がなく、後方の席がとても見にくかった。平台等で高さをつけるか、前のほうをゴザ席にするか、舞台の高さを上げるなりの工夫が欲しかった。それがあれば100点満点だった。

    芝居は三者三様で面白かった。もんたげは青春高校演劇正統派、せたそーは最新演劇、そして第六本木帝国歌劇団は今まで観たことのない馬鹿さ加減だった。

    もんたげの二人の役者は十分に巧く、それもあって脚本が役不足に感じられた。高校三年生にしかだせない、甘酸っぱいやら苦いやら色んな思いの旨みが充分に乗っていて、清々しかった。

    せたそーのあゆみはあゆみをやりたい事は伝わってきたが、あゆみを通して何をしたいのか、どんなあゆみを作りたいのか、そういったオリジナリティに欠けていた気もする。しかしこの難しい演出をやりとげた事にまず拍手。

    第六本木帝国歌劇団は度肝を抜かれた。高校生にここまで馬鹿な事を出来る奴がいたのかと。チャーリーズエンジェルたちは美人なのに、舞台の上では笑いの権化でしかない。その歌唱力でさえ笑いに変換されてしまう。全国の高校生がこの様を観れたなら、きっと高校演劇事情は変わると思う。強いていうなれば他の二校に比べ台詞が聞き取りづらかった(他のが聞き取りやすすぎた)。しかしそんなことはどうでもいい。


    とにかくとても密な2時間半だった。
    これから先、このような公演が発展する事を願う。

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    2012/03/23 09:29

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