トロイラスとクレシダ
劇団山の手事情社
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
素晴らしいお芝居には違いないが
お芝居自体が微妙な台本
シェークスピアの中でも問題劇と言われるだけあって
落ちがなく、妙なところで終わるので
消化しづらいところがある。
それでも役者さんの動きは素晴らしく
特にカラスで演じられるギリシャ側がかっこ良くて
萌える
しかししかし、最後が終わったかどうかわからなくて
ええ!?今終わったのってなってしまった
戯曲自体が尻切れとんぼかんがあるから
最後は音楽等も使って
もうすこし最後雰囲気がでなかったもんだろうか
もう一つは、所作
山の手はある動作を解体してしまって
別の動作で表現するという手法をとる事が多いのだが
今回はハグやキスはそのまま表現された
またクレシダがトロイラスにもらった袖をギリシャのひとにあげちゃうとかも
ホントに袖だったり、ホントにあげたりしていたので
むしろ意外に感じた
これはテーマの人間っていうのは情欲(セックス)を情動として
動くしかたのない生き物というところ
ある意味直接あらわしていたのか
何かすっきりしないところがあった。
ちょっとシェークスピア読んでみようかな・・・
おもいのまま
トライアングルCプロジェクト
あうるすぽっと(東京都)
2011/06/30 (木) ~ 2011/07/13 (水)公演終了
満足度★★★
佐野史郎さん石田えりさんは凄いに決まってるし、生で見れてうれしかった。
公演期間の長いお芝居だったので、友人がみ終わってから投下
池袋第2の劇場あうるすぽっとに初上陸です。
ソワレ 前から3列目
高級住宅街で優雅な暮らしを送る夫婦の元に、ある日二人の雑誌記者が訪ねてくる。実は街で起きている連続強盗殺人の犯人がこの夫婦ではないかとにらみ、さらにはスクープのために強盗殺人に見せかけて夫婦を殺そうと企んでいるのだった。極限状況の中で露呈してくるお互いの秘密。果たして夫婦はお互いを信じ、真実にたどり着けるのか。
全然違う!事前のチラシはこんな感じでしたが、実は全く違います。
人の思いの力は強くて、思いが強ければ運命が変わってゆく。
お芝居で許される「不条理」の不自然を暴く。
お芝居は何にも分類されない感じ、されたくないかんじ
しかし見る方はサスペンスなのかサイコなのか不条理なのかホラーなのかある程度はっきりしてほしい。
前半の不条理パートは、あえてありがちな感じで進むので客もこれにのっていいのかわからない感じ、また後半の想いパートでは、前半と雑誌記者のキャラが完全ならともかく微妙に逆になっているのでいわかんが・・・
最初の方に見に行ったので後半さらに変わっていないだろうか。
舞台の始まる時、雑誌記者が逃げている声が流れていたがあの時
雑誌記者はなにから逃げていたのか?「あの目…」といっていることからも警察じゃない
でもそれは本編にでてきてない。
舞台装置は、作り込みすぎず、品よく想像力をかき立てる仕上がり、最近とってもよく出来すぎている装置が多かったけど、とてもよかった。しかしその中で火災報知器が目立っているのが、もったいない。ぜったいなにかあるって思っちゃう。
オトオさんは素晴らしく好演されていたけど、産みの苦しみも味わわれている気がした。
降りそそぐ百万粒の雨さえも
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2011/08/06 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★
嫌な大人になったもんです
よくも悪くもまっすぐな作品だったが、
どうしても時代が新撰組の最後なので
近藤なんかでないで死んでるし
沖田は最初から労咳で弱ってるし
土方は焦ってるし
時代逆行しているしで
全体的に暗い
そしてまっすぐの悪い面は、もう全くひねりがない事。
3部作の最後だからこれからひねりようがなかったのはわかる
にしてもタイムラインがまっすぐすぎる。
おかげで私の頭のなかでは
LOOSERの補足としてしか見られなかった。
しかし、キャラメルの至れり尽くせり感、
育ちの良さ感はとても癒された。
前説、物販、エンディングの皆殺しに近いくらい悲しい話なのに
笑顔で終わる清々しさ、
一生懸命生きる事を推奨する事
これでも昔キャラメルボックスのファンクラブに入って赤い旗を振ってたんだ
ノミコムオンナ
鈴木製作所
新宿シアターモリエール(東京都)
2011/08/31 (水) ~ 2011/09/05 (月)公演終了
満足度★★★★★
あり地獄はじっと待っている。
全く趣旨を理解せずに見に行き、そのダンスの表現に圧倒された。
ダンスというのはせりふ以上に物を言うのだ。というのがわかった。
しかし、ダンスだけだとどうだろう、やっぱり飽きてしまうのだが
ドラマパートが癒しになる。
お話はせりふで説明したら陳腐な物だったかもしれない。
がそれがちょうど良い。
ダンスが凄く上手な人と、下手な人
芝居が凄くうまい人と、下手な人があったが
一シーン一シーンそのバランスが非常にうまく取れていて
下手さにイライラする事がないのも凄いと思う。
陽月華さんは思えばウルトラピュアのときは「・・・美人だね」という感想しか持てなかったが、美しさと魔をちゃんと持っていた方だった。
余談だが、何かを表現する事を極めた方は、その方向で頑張ればいいと思う、無理にテレビとかせりふ劇とかやん無くて
ミュージカルではなく、ダンス劇でもなく、
新しいジャンルだと思う
また瀧川英次さんが子犬が転げ回るように踊っていたのが・・・・とても面白かった。
大泉ワンマンショー
TEAM NACS
サンシャイン劇場(東京都)
2011/09/29 (木) ~ 2011/10/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
これは本当に凄いイベント!
まさに大泉洋の子猫ちゃんの為のイベント!
わかる人にしかわからないネタ!
しかしわかる人にはたまらないネタの応酬!
他のどのイベントよりハードルは高く、うかつなファンを連れて行く事は出来ない。もしこの取りにくいチケットを間違って取ってしまい見てしまった方は
訳が分からなかっただろうし、もったいない。
見る人を選ぶ?いやいや「ワンマンショー」なんだから仕方ない。
子猫ちゃん達がサイリウムをふり、ホイッスルを吹き、
キャーキャー言ってうるさい!としかられて喜び
ヒゲのVにしびれ
新曲に酔いしれる
みっちゃんの物まねに感動し
落語にぐっとくる。
そしてタキシードの立ち姿・・・・
熾烈なチケット戦に勝ち抜いた満場のお客さん、いや子猫ちゃんは
満腹で帰宅。
呆れられようとも
御存知大泉洋の独壇場を
ご堪能下さい。
いや☆5つではたりないね
スマートモテリーマン講座VOL.2
avex live creative
天王洲 銀河劇場(東京都)
2011/10/11 (火) ~ 2011/10/19 (水)公演終了
満足度★★★★★
モテリーマンのテーマが終始私の頭をぐるぐる回る
とにかくこのお芝居は、ばかばかしく、考えなくてよく
素敵なお芝居。
マチネは3階席から。ソワレは一階席だが上手ギリギリから拝見
ほんとに大好きで、前回の草月ホール版がはやくDVDにならないかと
熱望していたのにならず、
しかし、その理由が今日わかった。
ネタの鮮度がありすぎ、版権ネタがありすぎるからだ!と/
途中で突然ライオンギングが始まったり
もう怒られるぞ!と抱腹絶倒しながら思う。
安田さんの生屁を聞けたのも感動の出来事だった
あーくそ楽しいな・・・
2回見に行って正解。
聖ひばり御殿
花組芝居
博品館劇場(東京都)
2011/10/14 (金) ~ 2011/10/23 (日)公演終了
スペース・ファンタジー 『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』
宝塚歌劇団
宝塚大劇場(兵庫県)
2012/08/31 (金) ~ 2012/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
びっくりした・・・
とてもすばらしかった
宝塚自体のルールをわきまえていなかったので
エンディングや歌にびっくりしてどっと汗をかいたが
衣装、歌、ダンスどれをとっても一流の芸能で
楽しめた
満腹
原作のかいつまみ方も
考えて考えてこうされたんだろうというところで
違和感がない
終わるところも適切
20年前と違うところはやっぱり装置だろう
もうよどみなく映像、セットを駆使し場面が転換
それからもう衣装がいちいち完璧
あと20年前から活躍される皆さんが
渋く脇役を固めていて
曲も良く
アルバム欲しいくらい
一緒に行った男性陣は
泣いちゃう&ビジュアルの完璧さにノックダウンでした
ヤンとかヒルダとか、歌がうまくてホレボレ(しない人が少ない)
あー宝塚凄いわ・・・
樹海 -SEA of THE TREE-
ナッポス・ユナイテッド
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2012/10/06 (土) ~ 2012/10/11 (木)公演終了
満足度★★★★
自殺否定
徹底的に自殺否定
同情はしない
でも止める事も難しい
でも話をするだけで
楽になるんだという事を
まだお芝居を見れている元気なうちに
心に残しておいて欲しい
とにかく井之上さんのお芝居が素晴らしかった
道成寺
劇団山の手事情社
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
やっぱり山の手事情社は凄い。
肉体が、せりふが、凄い。
もう全く別ジャンルの唯一無二の「山の手事情社」のパフォーマンスはほんとなんでこんな皆知らないのかな〜と思ってしまうほど。
先週の傾城反魂香も予約していたのだが、突然入院する事になってしまい、しかし「道成寺」はみたい!ので退院したその足で浅草へ。
万全の体調ではなかったので、そのエネルギッシュな舞台に見るだけでへとへとになると言う・・・
でも見られてよかった!
会場に入るとあっ!いつもと会場の使い方が違うと騒いで
会場のお姉さんに「そうですよね〜」と言われてしまう。
(余談だけど、山の手のお姉さんはとても優しい。マスクしてたら帰りに「お風邪ですか?」と声をかけられてしまった)
去年の9月の「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」も今回と同じアサヒ・アートスクエアだけど、会場の使い方が違う。今まで長方形の部屋の長い辺に舞台を置いて大きくとっていたのに対し、短辺に舞台を置くこっちの方が多分オーソドックスな作りに。
道成寺は多分4回上演されていると思うんだけど、初演は横だった、DVDにもこのバージョンが収録されている。
これによってどう違うかと言うと、蛇の蛇行が短かくなったという点と桜の花びらが舞うかどうか。
女性が蛇の身体になるシーンが2回あるのだけど
清姫の蛇の移動距離が短かったような・・・それとも初演ではあまりの恐ろしさに
自分が巻かれるような錯覚に陥ったのだろうか?
またエンディングに降り注ぐ黒い桜の花びらが。客席にもがんがん降り注いで、自分自身もそのもの語りのなかに入り込んでしまったかのような錯覚になったものだった。
初演は泣きながらスタンディングオベーションした。外人の人が「ブラボー!」と叫んでいて
うらやましかった物だ。(日本人はどうしていいかわからないから)
違いといえば、
最後に「お前に人の魂が残っていると思うのか」というせりふがあるが
この役柄を演じる女性が背の高い女性だった事。今回は清姫の人が演じていたので小柄感が
あったのだが、ここは前の方が怖かった。しかし、鐘作りの女の後ろから出てくるところは
リアルに(・д・ノ)ノビクッ こうなった。
あと、一緒に行った旦那様は「シールのシーンが変わってた、シールが鱗みたいだったのに」
ともいっていた。
だからといって全然悪かった訳ではない。落ち着いてみれたと言うか。
よくも悪くも複数回みているからそういう細かいところに目がいくようになり
落ち着いてみられるようになっているのだ。それはもう伝統芸術に近い。
歌舞伎とか忠臣蔵何回もみたから飽きるってことはないでしょ。
そういう風に少しづつ代わりながら演じられている道成寺、
しかし私はやっぱり苦しくて悲しい物語にもうならされてしまう。
今昔物語のところで「人を好きになることはいけないことでしょうか」それに理由がいるでしょうか
と詰め寄る女。私ははっとしてむねをつかれていると隣でお客様のなかで男性の方がちょっとわらっていらした。確かに滑稽かもしれない。でも何がいけなかったんだろう。
最後に女が「だから女は修行の妨げになるのでさわってもいけない」といって立ち去る後ろ姿。
山の手事情社のお芝居に置いて舞台上の演技スペースから外れると役者さんは憑き物が落ちたようにスッとシーンから離脱するが、女は見切れるまで女のままだったように想い。
私はぐっと来ていた。
山の手は古典の部分と踊りの部分とシュールな現代劇の側面を持っていて
道成寺はその全部が凄くバランスがいい。
タイタスアンドロニカスやオイディプスだと踊り見足りないし全部が古典で
疲れてしまうかもしれない。そういう意味でも私は道成寺は一番好きだな〜と思う。
もちろん女の蛇体なるその表現も、キャスリーヌも好きだ。
見終わってすぐでなんだが。将来もう一度みられるならまた見たい。
2004.5 AsahiスクエアA 初演?
2004.11 大隈記念講堂
2007.10 赤坂RED/THEATER///見逃し
2012.12 アサヒアートスクエア←今回
WARRIOR~唄い続ける侍ロマン
TEAM NACS
赤坂ACTシアター(東京都)
2012/05/30 (水) ~ 2012/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
まちにまったオリャー初参戦。
実は、翌日も見に行ける事になっていて
心置きなく、余裕を持って観劇しました
とにかく、まずは、ここに5人いるってことがうれしくて
物語どころじゃないと言う・・・
お話は宇田さんが入ったおかげでごちゃごちゃしていなくて
史実じゃないにもほどがあるのにもかかわらず
何だか納得してしまう。
家康の物語りながら、御館様存在感、
そして秀吉のあの子気味いい悪ものっぷり
勝家の豪傑ぶり・・・
明日の最終回が終わったら、また追記したいと思います。
席は後ろの方でしたが十分堪能しました。
WARRIOR~唄い続ける侍ロマン
TEAM NACS
赤坂ACTシアター(東京都)
2012/05/30 (水) ~ 2012/06/10 (日)公演終了
Goodnight
劇団競泳水着
王子小劇場(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了
満足度★★★★
友人に誘われて突然見に行ったが、
思いのほか面白く楽しく拝見した
90分くらい
王子の街に始めて行ったが、なかなか独特な雰囲気のところで
一寸呑まれかけた・・・正直若干引きつつ
劇場へ。
100名程度の劇場で既にほぼ満席
小さな劇場のなかにかなりセンスの良い
レストランが完全に出来上がっていた。
完全に暗転になるのが気持ちいい。
御芝居でレストランが舞台で、経営している人達と通ってくる客
などのの悲喜こもごもと言う
のはめっちゃあるあるシュチュエーションだと思うが
笑え、泣け、ほっこりした。
今自分で良くあるシュチュエーションだといったけど
こんなものは、ドラマや映画では出来ない。
あるトラブルフルな一夜が運命の一夜になって行く瞬間・・・
偶然に居合わせた人達が、その晩必要な人だったっていうのは
一寸ジーンとする。
が、登場人物は多すぎたなとはおもった。もう一人くらい削っても良かったかもしれない
が、全員いい味出していたので削れと言われても困る。
もう女性陣がおかしくてね、過剰なのに居そうな人々!
共感してしまいつつ「ないない」
主人公兄弟が三人で兄弟にはみえづらいっていうのが難かな、
特に妹さんがさいしょ弟の彼女かと思ったのだが、
それだったらドロドロしすぎるところ。
はすっぱな妹が意外に兄弟の事考えてるっていうのが
面白いのかもしれない。
どうしていいかわかんなかったって、最後に弟がいってるところは
本と一寸泣けたんだ。
結局このみせにみんなは戻ってくるのか、わからないけど
妹が「あのあと何のかんのと大変だったのよ〜」とタバコを吹かしながら
超ショートカットして話し始める続編が想像つくから
この御芝居は良かったと思う。