ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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緑の指

緑の指

世田谷シルク

シアター711(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

台本
買ってみました・・。

いま読んでいるところです。

【13日(月)14:00追加公演ございます】父母姉僕弟君

【13日(月)14:00追加公演ございます】父母姉僕弟君

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/08/05 (日) ~ 2012/08/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

直球
猪突猛進?型の直球ではなかった分だけ入り込みやすかったのかも。

音楽との絡め方がとても良い。

ロードムービー的場面の向かう先が
草原のようで果てしない感じがして素敵だった(笑

ちょっと雰囲気をみていると
昔見た「みんなボブ(ベビーピー)」なんかをちょっと思い出したりした。

自分は詰め込み過ぎだとは思わなかった。

・・むしろ詰め込めるだけ詰め込んだ方が良いと思う。

整理するために中身を抜くのは、
年とって頭から何も湧き出なくなってからで良いんじゃないかと思う。
誰にでも分かりやすく整理してカッコつけて後悔するより、
不格好でもありのままに思いのたけをぶつけるほうが、
清々しくて自分は好きだ(もっともやりたいことは良く分かったと思うし、構成もとても考えられていたように思う

・・まいったな、
今回の佐吉祭は、気のせいか
それぞれの劇団が非常に高度な変化球を繰り出してくる。

今のところどこも非常に挑戦的だ。

この夏の東京の演劇は、どうも王子を中心に(アゴラではなく)進んでいると考えて
間違いないように感じられます。

奥歯に物が挟まったような言い方ばかりの
批評家の方々が、
今回の演劇祭に参加した作品群に込められた意欲に気づくのは
だいぶ先のように思われるので、
元気な若い人たちは早めにこれらの作品にかぶり付くのが
良いように思われました。

り・ぼん

り・ぼん

テニスコート

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/10 (金) ~ 2012/08/13 (月)公演終了

満足度★★★

なんか
面白かったよ。

・・でも、危うくあぶれそうになってたけど、人気なんですね・・(汗

ニアニアフューチャ

ニアニアフューチャ

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/07 (火)公演終了

満足度★★★★★

戦争シーンのほとんど出てこない戦争映画みたいな・・
このアパート・・?
と町の不思議な広がりが感じられて、
とても面白いです。

こどもの頃、
消しゴムを並べて空想の街を思い浮かべてたことを
思い出したりしてました(笑

こういう、
舞台は一つの部屋だけだけど、
その扉の向こうに、ず~っと町の広がりを感じる舞台は、とても好きです。

ネタバレBOX

隣にギャング的な住人が住んでいて、
しょっちゅう夕ご飯をたかりに来る、
という設定もステキだな・・(笑

「組織」に狙われたあと、あの人どこに逃げてったんだろ・・?

さりげなくもらい損ねた百万円が惜しかったり、
その百万もらってたら登場人物も危なかったんじゃないかとか思ったり。

あと、異議田さんの顔芸が素晴らしい!(笑

・・ちなみにブログサービスのボールペンはもらってません・・。
非実在少女のるてちゃん

非実在少女のるてちゃん

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

自転車
アフタートークの宮台先生が自転車で劇場に乗りつけていたらしく
カッコ良かった(笑

自分も学生の頃にはこの前の道をしょっちゅう乗り回していたのに・・
自分より年上の先生がこの暑さの中で自転車に乗っていることに
凄いな、と、思ったり。

作品も色々ブラッシュアップされていて、どんどん良くなっている感じがした。

アフタートークにもいろいろ教えられることが多かった。

フェスティンガーなどの名前を聴いて、
帰りに何か無いかと思って古本屋に寄ったら、
ついサァディーの「薔薇園」(←(注)BLとはまったく関係ありません(笑
を見つけて買ってしまった。

自分は、心理学につぎ込む金があったら、
異国の文学につぎ込んでしまうタイプのようだなぁ・・。

いつも思うのだけど、笑いの内閣は、
誠実にいろんな問題に向き合っていて素晴らしい。

結局舞台と言うのはそういう心の態度の問題でもあるようでもあり。


8/5追記~
ちなみに、宮台先生のいろんな意見に、
自分が同意できるのかっていうと、
たぶん同意できないものの方が多いんじゃないかと思う(苦笑
それは、笑いの内閣が呼ぶ種々雑多なゲストにも言えることだと思う(なんか怖いな、この人、って人も中にはいる

・・でも、自分と違う意見の人だからこそ、
傾聴し、自分に足りないものがあれば取り入れ、
でも、時間は有限だから不要だと思えばスルーし(あえて反対は勿論しない
いろんな意見(それらは勿論感情的であってはならないと思う)
が存在することを理解し、
この世界がかくも複雑でありながらも、
その複雑さの多くは大人の「認知性不協和」によるものなのかもしれないな・・
などと考えながら。

--------------------------------------------------
いつも思うのだけれど、
仮にいくら不快であったとしても、
意見の違う人の意見を聞けない男子は格好悪いと思う。
(最初の1分で言いたいことが全て分かって聴く気をなくす場合もあるけれど

男子は1たす1も分からない位アホでも良いと思う。
その代わり、「わけわからないけど、コイツ面白いな!」
と、思える心があるかどうかで、
生きるエネルギーはまったく違うと思う。

その時代に勢いのあるジャンル、
あるいは貧しくても生きてるだけで素晴らしいと思う雰囲気。

そういったものは、
どれだけその瞬間にそういった元気野郎どもが集まるかで決まるように思う。

天才の数で決まるものではないということは断言できる
(自分は大昔天才ばかりの学校の屋上で授業中に日光浴をしていたのでよく分かるが
--------------------------------------------------

日本社会に必要な活力、あるいは他者への想像力、寛容性・・。

そんなものを笑いの内閣の公演からは感じられる気がして、
自分はとても好きです(笑

結論がひとつだけだなんてつまらなさすぎる。

明日になったら、また別の結論が出るかもしれない。

でも、きょうを一生懸命生きて、
きょうはきょうの回答を出そう。

一生懸命苦しんで出した回答なら、きっと後悔しない。

・・その答えは、誰かを傷つけたりはしないだろうか?

もし傷つけたとしても、それは
その人にとって必要なものだろうか?

もし、必要なものだとしたら、
最小限にとどめて、何年かあとにひょっとしたら気づく位にしておこうか・・
(そんな風にしても鋭すぎると大昔は言われたような・・無言で笑いながら踊ってるほうが自分には合ってるな・・

そんな風にできるようになろうと。

まぁ、難しいことも多いけど、
力の限りやろうと。

笑いの内閣からも、
そんな似た前向きのパワーを感じて、素直に素晴らしいと思う。

大変なことも多いけれど、頑張ってほしいなと思う。

・・まぁ、これは感想でなくてエールかもしれないけれど、
演劇にはすべからく、こういった前向きのパワーが
必要不可欠だと、自分は思う(東京の劇団にはこれが無いところがわりと多い気がする。カオスラウンジにいたっては切り刻むばかりで愛も対話も無い。下手で自己満足のDJを聴くようなものだな・・眠

ちなみに自分はロリコンでも同性愛者でもないですが・・
(猫はだいぶ好きだけど(笑

SUMMER ONIC 2012

SUMMER ONIC 2012

男肉 du Soleil

元・立誠小学校(京都府)

2012/07/29 (日) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

瀕死
・・でも悔いはない。

あまりの暑さに休憩時間中に何度か逃げようかとも思ったが挫けなかった。

念のために持って行った胡瓜が熱さましに役立ったかもしれない。

立誠小学校の中庭で瀕死で胡瓜を齧る男性を見るなら、
人は賀茂川から灼熱の野に上がった河童を思い浮かべるかもしれない。

無邪気なちびっ子たちに狩られなくて本当に良かった(笑

なお、おススメというのは、
「体力にムダに自信があり、かつ舞台を初めて観る方に」
という意味だと勝手に解釈していただければ幸いです。

それと、夏の京都は人の住む所じゃありません。

翌日登った高野山はわりと涼しかったです。


・・・サマオニで体を慣らしたから、
今年こそはサマソニ行けるかもしれない・・
(エキストラでFoster The Peopleだけ観ようなんて考えに陥らずに済むかもしれない

国民の生活

国民の生活

ミナモザ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/06 (月)公演終了

満足度★★★

言いたいことは分かる気がするけど・・
エモーショナル・レイバーの時も思ったけど、
ひとつひとつのシークエンスの描き方は、
非常に端的で素晴らしい(多くの女性の演出家の特徴でもある

・・ただ、その骨になるものが、
弱いんじゃないかな、とも思ったり。

役者さん達の演技が素晴らしいのは間違いないんだけどな・・。

笑いの内閣くらいしっかりと考え、描いて、スリリングだったらな・・と、
ちょっと思ってしまった(スミマセン(汗

ポレシュなどを引き合いに出すことはしません。国が違うから。
(でも「餌食としての都市」は面白いな・・あの中にはリアルなやり取りは皆無だけれど、凄い戯曲だと思う。世界の流れはリアルとは逆にあるように思う。

きっと、物語を、人と人とのやり取りを
ソツなくまとめることは簡単にできるんだと思います。

・・でも、前の人も言っている通り、
それだけでは先に進めないんですよね・・(汗

目立たなくとも、報われなくても、
何年も何年も、一生懸命悩んで苦しんで分析して・・
出来れば資本主義の発達したイギリスやアメリカの歴史まで調べて・・・
それで、また今度はもっと
心にグサリと来るような戯曲を生み出してほしいです。

だって、現実の社会や政治や世論のほうが、
ずっと無慈悲で想像力が欠け、不寛容のように思われるので・・。

ネタバレBOX

あと、女性の演出家の作品全般に言えることなんだけど、
(自分から見ても)カッコイイと素直に思える男子(役柄として)が一人もいないと、
観劇後に持って帰れるものが無いし
(作品を通して、人がカッコいいと思うものを勉強したいという節もあるので(苦笑
自分も居心地が悪い。

男性演出家が魅力的な男性キャラを登場させないのには
さほど抵抗は無いんだけど、
女性演出家が魅力的な男性キャラを登場させないと・・
なんだか、閉じてる気がして、
いくら優れた作品でも(正直な所
下生しさらせ右に左に弥勒で上に

下生しさらせ右に左に弥勒で上に

リクウズルーム

アトリエ春風舎(東京都)

2012/07/27 (金) ~ 2012/07/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

イケるクチ
自分は死ぬほど寝不足
(昨日も高野山登って夜行バス帰りでそのまま仕事でフラフラ)
だったけど、凄く面白かった。

前回の公演で慣れてきたせいもあるのかな・・?

ちなみに前回公演に比べると遥かに分かりやすくなってきた気も・・。

別にまったく集中してたつもりも無かったけど、
たぶんほとんど理解できた。

これは、脳みその問題ではなく、どうやら慣れの問題かと・・(汗

56億7000万年後バージョン(だっけ?)も観てみたかったな・・(笑

とても面白かったです。

ちなみに役者・演出などなどに身内はまったくおりません・・(念のため(苦笑

まぁ、中途半端に面白かったような面白くなかったような・・みたいな舞台は
時間の無駄っぽくてまったく見る気がしないけど(苦笑
今回みたいに、横では爆睡してる客もいれば、
その隣では爆笑してる客もいる、
位の読解力のまとまりのなさ?
の方が、ライブの舞台っぽくて自分は好きだな・・。

軒並み☆2クラスで安心しました(笑

・・まぁ、自分の☆5つにまったくブレはないんですけど(余裕です♨

ネタバレBOX

ちなみにチラシの一番奥にいる役者さんの
身のこなしがとても良かった。

ファンになりました!
シニガミと蝋燭

シニガミと蝋燭

ミジンコターボ

ABCホール (大阪府)

2012/07/27 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

完璧
・・今回は特に好きかも(笑

作者の想い、ちびっ子たちの笑顔・・。

自分が舞台の上で特に見たい、と、思ってるもの全てがあった。

人生生きていると(笑
面と向かって伝えられない事だらけ(苦笑

でも、そういうのを面と向かって伝えられるのが
舞台の素晴らしいところであり、魔法だと思う。

正直、ブレヒトやベケットも好きだけど、
舞台の上で子供たちが楽しそうに踊るのを見るのがもっと好きだ(笑

・・・だって、自分も生きてるんだしね。

死んだ天才たちにも憧れはするけれど、
今生まれてきたばかりみたいなカオをして躍動する少年少女たちを見ると、
舞台の上に色とりどりの息吹が流れているのを感じて、
素直に生きている喜びをかみしめてみる(笑

死人の言葉というのは、
人生を暗くし、悩ませるためではなく、
もっと素直に人生を見つめ、
言えなかった言葉を伝え、
舞台の上を飛び跳ねる力を与えてくれるのもであるはずだと思う。

自分は素直に言葉に共感した。

飛び跳ねる子供たちに、
人生の終わり(エンド)ではなく、
始まり(ビギン)を感じた(笑

自分はこの物語がとても好きだと思った。

そして最後に、片岡氏(と山浦氏)はやはりとても素晴らしい役者でした(笑

もし東京で明日観る舞台に迷っているというなら、
素直に大阪来たほうがいいと思う(笑

黛(まゆずみ)さん、現る!

黛(まゆずみ)さん、現る!

ナカゴー

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

らふとで観て面白かったという人は・・
今回もきっと気に入るんじゃないカナ・・と。

ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン

ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/07/18 (水) ~ 2012/08/01 (水)公演終了

満足度★★★★★

荒川と千葉
前売りチケットが無かったので、
これを逃すと千秋楽あたりまで時間が無い・・
と思って、
内心、イガグリ千葉さん(知り合いではなく、敬称です・・)
のソロツアーを渋谷に観に行こうかとも思ってたのだけれど、
黒田氏から荒川氏へと引き継がれた半ズボンの系譜を、
(心の)半ズボニスタを(勝手に)自負する自分としては、
是非この目で確かめたいと思い・・・

荒川vs千葉・・なんていうと、
一見パッとしないネーミングではあるが(今多くの人を敵に回してしまった・・
心の中でわりと最高峰(高尾山なみの)を決める激戦の末・・
ハイバイに行くことにした・・。

・・・結果、面白かった!(それで十分
やっぱりミシシッピー殺人事件よりたけしの挑戦状だよ・・とか言うと、
底辺を決める戦いのようで悪いんだけど(苦笑

P.S.ちなみにリアル荒川はステキな川です。タヌキもいるし・・。千葉県は、何度行ってもよく分かりません(苦笑

少女教育

少女教育

シンクロ少女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★

なんだかずいぶんと洗練されてきたような・・
嫌さとかそういうのはなくなっていて、
すごくスマートにきちんと二者二様の生き方で、
同じ言葉の呪縛から抜け出るさまが描かれていて
(それは多くの女性に共通する呪縛かもしれないけれど)
ここ何作かを通じての成長ぶりを感じ、
目を見張ったりしてました(笑

・・・ちなみに、今回の演劇祭はみんな負けじと
構成をブラッシュアップさせてのぞんできてるように感じました。

登米氏あたりが提示した
小さな画面の劇場ならではの目を見張るような構成の緻密さが
王子のカラーとして定着しつつあるのを
再認識してしまうような・・(気のせい?

どれも力作ばかりだけど、
こうしてみると、トップバッターの競泳水着は
順番的にちょっと不利・・?(苦笑

ネタバレBOX

「いちばん好きな人とは一緒になれない」
という、親
(これも、生まれの母親と父親は全く同じだけれど、
育ての母親と父親はそれぞれ異なる
(片方だけ生まれの母親と育ての母親が一致する)
の言葉を聞かされて育った双子の姉妹の、
二者二様の、
「素直に好きと言えるようになるまでの軌跡」
を鮮やかに描いている。

奔放な女の子の方が実は子供のままで、
根暗な文学少女の方が実は母親的(一方の男が実は子供であることからそれが伺われる)である、
という描写が、
最初のシーンで二人無意識に着ていた
全くそろいのシャツの印象的なシーンから始まって
(最後の場面で双子であることが示されることを、最初の段階で暗示している)
鮮やかに描きわけられ、対比されている。

そして二人の育ての母親の、それぞれの対照的な生き方。

また、それら4人の女性の周りの男性たちの特徴的な描き別れ方。

それぞれが全く別々のものでありながら、
最後には二人の女性の人生を軸に鮮やかに
まとまっていく様子が美しい。

ストーリーテリングというよりは、
構成で饒舌に語っているという感じがして、
視覚的にみても素晴らしい作品だったように思います。
東京ノート

東京ノート

青年団

東京都美術館 講堂ロビー(東京都)

2012/07/15 (日) ~ 2012/07/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

荒野
静謐で美しく見える美術館にも、影では権謀が渦巻いているようでもある。
同様に、美術館の外にも混沌が広がっているようでもある。
そしてまた日本の外にも、暴力と不寛容が湧き立っているようでもある。

次々と入れ子構造のようにして、
光と影の構造が広がっているようでもある。

ネタバレBOX

その中で、戦争とは直接関係ないようにも見えるが、
もうじき離婚する夫婦もある。

奥さんには、特に問題はなく、家族を愛していたようにも見える。

夫が一方的に別れを切り出しただけにも見える。

他の人たちに比べると、
戦争の影が薄いようにも見える二人だが、
よく考えてみると、最も戦争の影響を受けているのは
この夫婦なのかもしれないなとも思う。

他の夫婦・男女が、
戦争によって絆を取り戻しつつあったり、
対話を模索しつつあるのに比べ、
この夫婦は別れの道を選ぶ。

戦争は、絆を強くすることもあるかわりに、
偽りで形だけの愛(あくまで推測ですが・・)
を容赦なく引き裂くこともあるのだと思う。

ハッキリとは描かれていないが、
殺し合いとは別の、
また別の形の戦争の残酷さを描いているようにも見え
やはり奥深い作品だな、と思ったりしました。
東京アメリカ

東京アメリカ

範宙遊泳

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/07/08 (日) ~ 2012/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
高木氏はやっぱり元気で良いですね・・。

ああいう感じの人がひとりいるだけでだいぶ雰囲気が変わって
面白くなる気がする。

全員あんなだと・・使いこなせるのは
奥山氏くらい・・?

 ふすまとぐち

ふすまとぐち

劇団野の上

プロト・シアター(東京都)

2012/07/14 (土) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

何気ないシンプルな話なんだけど・・
こんなにも音色豊かで、
悲劇なのだけどそれをさほど感じさせず、
救いようもないようでいて少しほっとする舞台に仕上げるのは
やっぱり素晴らしいと思う。

自分は、舞台の上にそれほど複雑さを求めていない。
盛り上げるためにムリに絶望的な悲劇を用意する必要性も考えていない。
ブレヒトのような奇妙な雰囲気は、
そこへの方向性を持って彼が生まれたもので、
わざわざ性に合わないのに、
技術を示すために無理に再現することも正直、空虚だと思う。
(先人たちのように奇想天外な才人がこの世に生きていたら、
過去の自分の後追いなどせず、
その時もっとも勢いのある表現形態で(音楽なり映画なりゲームなり・・
全く別の表現に(瞬時に)辿り着くのは必然のように自分には思われるのだけれど。
そういった作品をトレースするのは、
過去の先人の息吹を感じ、
新たに奇想天外な舞台を生み出す練習のために行うものだと思う。
いつまで待っても何の奇想も生み出されないなら、
何のための上演かと思ったりするのだけれど・・


人生を描くときにはシンプルで良いと思う。
日常のそこここに潜んでいる
何気ない絶望、どこにでもある悲劇を積み重ねていけば
(その積み重ね方に手腕が表れてくるのだけれど・・
そしてそれらが物語の中で明確に解決されなくとも、
ほんのちょっとした光が、
描かれていれば十分だと思う。

何のためにその構成があるのか?
人生の描写のために、そんなに多数の登場人物が必要なのか?
会話の錯綜はどこを目指して配置されたのか?

舞台の上に不要なものが配置されることがあまりに多い。

本来であれば、
稽古のすべてを舞台の上にのせるのではなくて、
稽古した会話の中からごく一部を抜粋して舞台の上にのせるのが
適切であるように思う。

役者が理解できないものは省き、
理解できたところだけを演じて欲しいように思う。

この舞台はシンプルだけど、
地方の劇団によくあることだけど、
薄くないし
(東京の劇団は複雑で技巧的だが、どちらかといえば逆に薄いと思う・・
現実の悲劇をきっちり描きながら、
リアルなだけではなく、
とてもユーモラスに描かれている・・
(リアルリアルともてはやされているけれども、
歴史的にみると、リアルより抽象、ユーモア、エスプリのほうが
文化としては先にあるように思われるのだけれど・・
そして何より、
表に出すことが不器用なだけで、
愛に溢れた一家が描かれているように思う。

そこがとても素晴らしいと思う。

地方の劇団は、
東京に比べて批評する人が極端に少ないだけで、
空気の色なども含めて
非常に豊饒な気品を持ち合わせていることが多いように自分は思います。

はだしのこどもはにわとりだ

はだしのこどもはにわとりだ

甘もの会

ゆうど(東京都)

2012/07/13 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

新巻鮭をもって町に出よう
新巻鮭と茹でた饂飩の化学反応で
どんな音が奏でられるのか・・?

とりあえず初日の円盤夏祭りには
新巻鮭をもったバンドは登場してこなかったな・・。

7/15追記

ちなみに円盤夏祭り(以前は円盤ジャンボリーといっていたので、舞台に出てくるフェス“ジャンボリー”の元ネタではないかと勘繰っているのだが・・?
の2日目には犬小屋をたたいているバンド(紙コップスという)をみました。
イイ音出してました(これはホント(笑

・・・このバンドが売れて、
頭に紙コップのせて歌うのが流行ったら良いなぁ・・・(気付くとなんかまた下らないこと考えてる・・(苦笑

ネタバレBOX

ラストの方のおじいちゃんの思い出話で、
戦前の満州では、
河に鮭があふれんばかりにのぼってきて
好きなだけ手づかみできたんだよ・・・
という話で、
何気なくこのバンドの奏でる音
(実際にはもちろん新巻鮭から音は出ないんだけど(笑
と昔の記憶とが
・・ふっ、とつながった感じがするところとか、
古民家公演に相応しくて、
でもヘンテコバンドの風変りさも相まって
決してしんみりとはせず、
なかなか趣き深い気がして
面白かったです。

ゆる~~~く始まって、
ふわふわして、
昔と今と未来がつながったりはなれたりして、
あれれ・・?
と思ってる間になんだか夢から醒めるみたく終わっていて、
あとで考えてみると、
あれってこんなことだったんかな?
と思い出したりしてみる。

暑い日に相応しく
なかなか面白い公演でした。

ちなみに、
壊れかけのテープレコーダーズというバンドとは
まったく関係ないようです・・(でもBGMとしてはいけるような(苦笑
忘れな草

忘れな草

柴崎正道プロジェクト

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/06/26 (火) ~ 2012/06/29 (金)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり岸田理生作品は素晴らしい・・
戯曲、役者とも素晴らしかったように思いました。

瑠々と言うと・・・・
自分は、ヴェデキント云々というよりかは、
森茉莉の「マドゥモァゼル・ルウルウ」
(少女趣味な感じがして自分はこの人の作品をほとんど持ってないのですが、
この宇野亜喜良画の薔薇十字社版を底本とした河出の本だけは、
凝った装丁が面白かったこともあり、持っているので
を思い出すのですが、
こういった岸田理生作品の天衣無縫で幻想的なファム・ファタル像は、
やはり時代を経てもなお素晴らしいと思います・・。

この作品の上演は26年間まったく無いこともあり(自分も初演を観てません
今回の公演はかなり貴重な機会なのではないかな、と。

Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

catenaccio
洗練された舞台でした・・。

詳しくはネタバレへ・・

ネタバレBOX

会場に入ると、扉に
「TRATTORIA IL FUTURO」の文字。

未来派とかが好きな自分には、わりと馴染み深い言葉だったりするので、
すぐわかって・・ああ、これは明るい話なのかな、と思って。

イタリア料理店の話は、
わりと昔から聞くことが多かった
(父親の友達で料理の鉄人の人とかもいたりしたので・・)
せいか、結構すんなりと理解できたり。

観終わっての感想としては、
「凄く洗練された舞台を作ったなぁ」
ということで。

舞台のセットの線型性を凄く巧く使っている、という気がしました。

偶然かもしれないけれど、
何気ない人の配置が、
「これはこの3人の関係(三角関係とか)を示してるんじゃ?」
と思わせたり、
店の中と外での会話が、
平田オリザ氏の作品のように
同時多発的に行われそうで、
きちんと分かれて整理されていたり・・。

その整然とした人物の流れは、
まさに組織化された現代サッカーのようで・・
(別に今ユーロやってるからって訳でもないですが(苦笑

ただ、そのカテナチオ(イタリアだけに
に唯一組み込まれないトレクアトリスタを、
演出家はどうやら一人配置しているようでした(少なくとも自分にはそう見えたので

それが、主人公の男兄弟の妹役の岡田あがさ氏なのかな、と
(自分が先日四谷で一人芝居を観た印象が強かったせいかもしれないけれど・・ちなみにこの妹が劇中で言ってるみたいに、自分の兄が松田龍平と翔太だったら良いって思ってる子って多いんじゃ(笑

それは、最後の方のシーンで、
ほとんど登場人物が去ってしまい、
店の外に岡田あがさ氏と川村紗也氏、
店の中に黒木絵美花氏と篠原彩氏・・・
女性二人ずつのシーンが同時に展開していく場面をみていると分かるような気がする・・。

それまで、
舞台はほとんど男性を中心に物語が展開していくようである。

登場する女性は、
岡田あがさ氏以外は、銀行員の女性と、
飲まないと初対面の人とまともに話せない女性に象徴されるように
受け身で脆い存在のように見える。

ところが、
その二人と、物語を途中まで引っ張っていた男性たちが舞台を去ると、
岡田さんが川村さんを、
黒木さんが篠原さんを
それぞれ引っ張るようにして、
自由に・・それまでの男性中心の物語の流れからすると
若干不可解にも見える女性同士のやり取り(それは女性の目から見るとすごく自然なことなんだろうけど)に移行する・・。

それが非常にスムーズで、
あたかも裏表のない岡田さんを先導役にして、
女性それぞれが自分たちの花を舞台の上にぱっと咲かせているように見え、
それが派手派手しくなく、
それでいて非常に見事に咲き誇っているので、
演出家の見事な手腕を
自分も舞台の上に認めたりするのです(笑

ちなみに、
自分が☆5つではなく
ひとつ☆を減らしたのは、
本来であれば、力のある役者さんたちに囲まれて、
トレクアトリスタである(自分がそう思っただけですけど・・
岡田さんが、もっと伸び伸びと野放図に演じた方が、
完全に線型性の保たれたように見える舞台を
良い意味で破壊してくれて
刺激的ではなかったのかな、
と言うのがちょっと物足りなかった(苦笑
のと、
さきほど書いた
女性4人のやり取り(自分にとって物語の山場はここだったんじゃないかと思われるのですが・・
を考えるならば、
黒木さんに物語の途中で
ラストの伸び伸びとした雰囲気を彷彿とさせるようなシーンが
男性のいる前でもう少しあっても良かったんじゃないかな・・
(そうでないと、凄く我慢強い人みたくなって女性の観客も感情移入できないんじゃないカナ・・などと、男性ながら自分はちょっと想像してしまうのですが・・まぁ、取り越し苦労なのかもしれないですけど・・(苦笑
と思ったりもしたわけで。


いろいろ好きに書いてみましたが、
正直、今回は思った以上に複雑で、
自分自身モンハンやジャンプに親しんだ男子
(この物語で言うとどっちかっていうとハカセに近いなぁ・・(笑
でもあり、
女性の心理はあんまり良く分かってないのは十分自覚した中で
理詰めで分析(男性の特技のひとつ)しながら
結局は勢いで書いてみたもので(勢いつけないと、今回は何も書けないな・・(苦笑
かなり見落としてる部分はあるだろうな、
ということは承知の上で恥を忍んで書いてみました。

もう一度見れればいいのですが、
何分ちょっと難しく・・週末また関西行こうとしてるので・・すみません(汗

とりあえず、多少でも何かの参考になれば幸いです。

なお、今回は役者さんたちを一人ひとり挙げることが多く、
途中から敬称抜きで全て「~さん」づけしてしまいましたが、
別に面識があるわけではなく、
わざわざネタバレまで読んでくれている方々に
見やすいようにしようとそのように記入しただけですので、
ご了承いただければ幸いです(汗
ネジ工場

ネジ工場

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2012/06/20 (水) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★

当日券
結構面白かったけど・・
そろそろまたボクコネみたいなのが観たいなぁ・・。

ネタバレBOX

気のせいか、三兄弟を可愛らしく描きすぎているんじゃないかな、と
思ってみたり・・。

評価としては難しいなぁ・・(汗

途中(運び屋が名刺を配るシーンと、権利書が勉に渡るシーンあたり)から
ストーリーがほとんど分かってしまった。

板倉氏の怪演によってテンションが下がることは無かったけれど、
本音を言うと、そこからのもう一ひねりが欲しかったなぁ。

ガチャポンの中身を開けるシーンと
運び屋がボコボコにした勉を箱から開けるシーンが
引っ掛けてある(たぶん)ところなどは、
趣味として良いかはともかくとして
物語の見せ場だったけれど、
ちょっと刺激的だったせいか
うまく客席に伝わってなかったかも・・(自分もちょっとアレかなぁ・・

長男がイケメン君に対してやたら親身だったので、
実は自称妹とイケメン君が兄妹なんじゃないかと勘繰ってみたけれど、
半分当たった(良く考えればイケメン君と自称妹で結婚とか長男言ってたしな・・

普段は先が読めることに対してそんなに言わないけれど、
今回はもう一ひねり二ひねりできれば・・
(特に三兄弟や押しかけてくる自称妹カップルなど)
面白くなる余地がたくさんあったんではないカナ、と思ったりもして。

・・・いや、タカハ劇団好きなんですよ、
どらま館のころから観てるし。

今書いたところ以外の良さ
(特にラストシーンにオカルト的で奇妙なシーンを
挟み込んでくるところとか、
タカハ劇団ならでは、というか、
他の劇団では真似できない雰囲気というか・・)
もありますし。

役者さんたちの演技も素晴らしかったですし。

だから余計、脚本の練り込みが今回はちょっとだけ甘かったんじゃ
ないカナ、というのが残念だったりもして(苦笑
いないかもしれない 動ver.

いないかもしれない 動ver.

青年団若手自主企画 大池企画

アトリエ春風舎(東京都)

2012/06/16 (土) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

観たけど・・
仕事が立て込んだりバスが遅れたりして後半2~30分くらいしか観てません・・。
なので、以下の感想・評価は参考程度に(汗
(・・でも、いつも思うのだけれど春風舎で平日7時開演はキツイなぁ。
公演時間1時間なら8時開演でちょうど良いような気が)

自分は「いないかもしれない静ver」の内容を覚えていたので、
観たのは後半部分だけでしたが(汗
やりたいことはよく分かったように思います・・。

鑑賞という点ではちょっと厳しかったですが、
静verと照らし合わせて確認するには十分だった気がしました。

前半観てないので
確実にそうだったとは言えなくて申し訳ないんですが・・。


動くことによって息が切れたり、
激しい音がしたりといった効果を
舞台の中にうまく取り込んでいて面白かったです。

ちなみに春風舎の公演、面白そうでも予定が合わない人が結構多いと思うんですけど、
公演時間1時間だったら
夜10時開演とか午前11時開演とかもあると予定が付きやすいんだけどな・・。

まぁ負荷が大きいと言ってしまえばそれまでなんですけど、
先日90分一人芝居で1日3回公演を観てきたばかりだと
そんな感想も抱いてしまったり・・
(役者は万全の状態で臨みたいんだろうけど、
自分は無茶な状態での公演の方が強く心に残るなぁ)

まぁ、それは他の公演全般にも言えることなんですけどねぇ・・。

ちなみに、このようなボヤキは
この公演の演出意図(必死さ、熱気みたいなものの演出とか)ともリンクするのかな、
とも思ったりしてみたので書いてみたところでもあり。

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