公演情報
「馬留徳三郎の一日」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
おやじを思い出せた。田舎の風景も思いだせた。田舎は隣近所の干渉が多く、プライバシーもへったくれも無いところだが、そこがいいところと感じる時もある。時間もゆっくりと流れている為、あんなこともできるんだろうなー等々思いをはせる場面が多かった。総合的には満足。
満足度★★★★★
これは秀逸、作家は青年団所属だが作品に触れるのは初めてだっただろうか。老人物に「在り処」というこれも中々秀逸な短編があるが、長野の過疎集落の一軒家を舞台に書かれた本作は、やがて見えてくる作家の着想に意表を突かれ、前のめりにさせられる。狙って書けるものだろうか・・神が味方したのではないか・・などと戯曲の出来に注意が向くが、ある部分でリアルを外した奇天烈な「演技」も効奏していそうな。
主客の逆転、小気味良く予測を外す展開、そしてじんわり滲み通る情感も悪くなく、もう一度観たくなる(観られないが)。
満足度★★★★
地方暮らしの老夫婦のほのぼのとした一日を描く・・・と思いきや
一本の電話から意外な展開に。
前半はいわばシチュエーションコメディ、後半は笑えない笑い話から誰もが避けて通れない切実な問題へ
ベテラン陣の重厚な演技と若手の肩の力を抜いた演技がジャストフィット
満足度★★★★
大変笑えた。山村の過疎の老夫婦宅に、東京にいて何年も帰らない息子の、部下を名乗る男がやってくる。オレオレ詐欺師らしい。老父は金に困っているなら仕事を紹介するといい、それがなんと「ロシアのスパイ」。金髪美人にロシア語を習える、という。怪しげなロシア語まで操り、爆笑した。
いっぽう、近所の親子三人が用もないのに何度も来る。最初は詐欺師に、息子の部下なら息子の似顔絵をかけという。詐欺師を追い詰めるかと思うと、だんだんこの親子自体がおかしなことを言い始める。別々にやってきては、息子は両親がボケ始めえてるといい、両親は息子が若年性アルツハイマーだという。互いに、相手が逃げた、行方不明だと言っては助けを求めて、混乱させる。
かと思うと、別の村人が「この家の息子は死んだ。あんた調査が足りない」といい出し、老妻は「いや、生きてる。今海外で商社マンだ」と。
いつの間にか、詐欺師は家の息子に扱われ、甲斐甲斐しく朝食を作る…。
同じ人でも、出てくるたびに言うことが変わる。コントの連続のようで、笑いにはことかかないが、なにが真実かというと、つかみどころがない。すべての解釈をするりとかわす、軟体動物のような舞台。老人役の三人が、自然体でユーモアがあって良かった。これは痴呆化(高齢化)進む日本の桃源郷かもしれない。ボケても人は幸せに生きていけると。
途中の場面の区切りに、テレビの甲子園中継の音が効果的に使われていた。冒頭の老人の会話からして「加山雄三と歌丸は同じ歳だぜ」「嘘だろ」と、懐かしい昭和ネタでくすぐっていた。歌丸が司会の「笑点」といい、甲子園テレビ中継と言い、古き良き時代のノスタルジーをくすぐる。高齢者を描くツボにはまっていた。