公演情報
「死と乙女」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/13 (日) 17:00
千穐楽前日の公演を2度目の観劇。やはりタイトでシビアな舞台だった。初日に観たものから大きな変化はないのだが、やはり表現に深まりを感じる。しかし、そもそもが非常に厳しい内容の作品なので、変化が見えにくいのかもしれない。初日は、多様な解釈を残すエンディングと書いたが、どうも真実は意外なところにある、という結末に思えた。台風の影響で開演時間を遅らせて上演。ところどころに見える空席は、来られなかった観客だろうか、と思うと、残念に感じる。
満足度★★★★
チリの作家アリエル・ドーフマンによる1991年の戯曲。1990年のピノチェト政権退陣後の民主化の時代を想定しているが独裁政権糾弾劇の色合いは薄い。
ポリーヌを演じる宮沢りえさん、高ぶった精神が細かくピリピリと震えている状態をずっとキープしていた。彼女が断定すればするほど夫(と観客)は当惑の度合いを深める。そうさせてしまう挙動の繊細な表現なのだ。
なお、シューベルトの「死と乙女」を聴き、その物語も予習して行ったが関係性を見出すことはできなかった。単なる小道具と言うと叱られるのか。
満足度★★★★
ロベルトは本当に独裁政権の協力者として、ポーリーナを強姦し弄んだ男なのか。段田安則はあくまで無実の善人のように見える。しかし、ポーリーナの宮沢りえの確信に満ちた告発は全く揺らがない。しかし、彼女のおもいこみなのか。かんきゃくはこの両者の間で、まずどちらに味方するか試される。
銃を突きつけて、前非を白状するように迫る、緊迫の連続だった。
宮沢りえの過去に囚われた告発が痛々しく、またまっすぐで凛としてカッコいい。いまさらながら、元アイドルとは思えない迫力だった。
「なぜ私のような人間ばかりがいつも犠牲になるの!」「あなたを殺すことで私が何を失うというの!」のセリフは、地獄を見た女性の言葉として、ゾッとした。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/09/13 (金) 19:00
いろいろなユニットで何回か上演されているらしいが、初めて観る戯曲。極めてタイトな95分だった。軍事政権下で反政府運動をしていたジェラルド(堤真一)は、同じく反政府運動をしたために拷問されレイプされたことがトラウマになっているポーリーナ(宮沢りえ)と結婚しているが、新政府の人権調査委員に選ばれたために、妻のトラウマを表に出すことができない。ある雨の夜、車の故障を助けてくれた医師ロベルトを家に招くが、その声を聞いたポーリーナはロベルトこそ自分をレイプし続けた男だと気づく…。ロベルトを縛りつけ復讐を遂げようとするポーリーナと、無実を訴えるロベルト、ポーリーナの暴挙を止めようとするジェラルド、という三者三様の言葉の応酬の後、全く予想できないエンディングに向かうために、疑問が残り、多様な解釈が可能な戯曲は、まずすごい。そして、役者陣が機関銃のように台詞を放つのも見事だ。ただ、演出の緒川はやや抑制的な演出をしているように見え、そのことの評価は難しい。