死と乙女 公演情報 シス・カンパニー「死と乙女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    チリの作家アリエル・ドーフマンによる1991年の戯曲。1990年のピノチェト政権退陣後の民主化の時代を想定しているが独裁政権糾弾劇の色合いは薄い。

    ポリーヌを演じる宮沢りえさん、高ぶった精神が細かくピリピリと震えている状態をずっとキープしていた。彼女が断定すればするほど夫(と観客)は当惑の度合いを深める。そうさせてしまう挙動の繊細な表現なのだ。

    なお、シューベルトの「死と乙女」を聴き、その物語も予習して行ったが関係性を見出すことはできなかった。単なる小道具と言うと叱られるのか。

    ネタバレBOX

    サスペンス劇のカタルシスを期待していると肩透かしをくらってしまう。終盤のストーリーは観客がいろいろと想像を膨らませる余地を残している。それはうまいのか深いのか手抜きなのか。好みの問題で言えば私は嫌いだ。何かもやもやしたものを残すことが作者と演出家の狙いなのだろう。彼らの注文に乗らないで3人の名優によって作られる緊迫した空気を楽しむことに徹する方が幸せになれると思う。

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    2019/09/15 08:52

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