母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ 公演情報 母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    2011年4月、震災を受け誕生した劇団だという。

    『人間失格』を見事にベースとし、おもしろうてやがてかなしき、懺悔・後悔・罪悪感・自己嫌悪、そして自戒からその先へ。
    太宰の『人間失格』が内在する虚実と、本作のフィクション&ノンフィクションの呼応。「道化」が目の前にあった。

    ネタバレBOX

    仙台で一番勢いがあるとも言われているし、この作品はCoRich舞台芸術まつりで グランプリを受賞している。

    太宰治の『人間失格』を見事にベースとし、おもしろうてやがてかなしき、懺悔・後悔・罪悪感・自己嫌悪、そして自戒からその先へ。
    太宰の『人間失格』が内在する虚実と、本作のフィクション&ノンフィクションが呼応する。

    前説から笑わせながらそのまま本編に入るスタイル。
    それは、彼ら自身の体験が作品内で語られているからだ。
    その「体験」の内容はかなり重いものがあったりするし、家族からの生のメッセージもあったりもする。
    「普通に仕事をして結婚して子どもをつくって……」という家族の切実な想いだったりする。
    サイコロトークで『人間失格』を見せたりして、結構笑わせるところもあるのだが、それは『人間失格』で主人公が言う「道化」が目の前にあったのだ、とも言える。
    笑いながら彼ら自身の内面に降りていくことになり、かなり辛い作業になっていくのがうかがえる。

    先日観た、京都の劇団、烏丸ストロークロック『まほろばの景』でヒリヒリするような凄い姿を見せていた小濱昭博さんは、ここの役者である。『まほろばの景』は3.11を扱った作品。
    その彼が白ブリーフ一丁で舞台にいるのには違和感があったのだが(え? 同じ人?)、作品が進むことでその姿は一致していく。

    荒いところもあるが、ものすごい作品だ。
    しかもとても真面目だ。


    実は、演劇ウオッチャー・高野しのぶさんの一連のツイートから(ありがとうございます!)この公演に行くことを決めた。それらを読まなければノーチェックの劇団だった。仙台の劇団なので、今回見なければ次は相当先になってしまったと思う。

    短距離男道ミサイル『母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ』のラストはレナード・コーエンの名曲『ハレルヤ』で、先日のキュイ『きれいごと、なきごと、ねごと、』もラストは『ハレルヤ』(ヘンデル)。歌は違うがこれは偶然ではなく必然。赦しと讃えはセットだ。
  • 満足度★★★★★

    地元の劇団なのに、なんで今まで観なかったんだろうと後悔した。
    携帯の電源切らなくてもいいなんて!撮影OKなんて!初めての体験…なのに切るのが当たり前になっているから電源入れるタイミング失って今後悔…。

    太宰治の「人間失格」をベースに太宰治の人生と劇団員さんの人生が絡まって、時には強引に時には引きながら突き進んで行く。あっという間の時間でした。もう1回観たかった…好きだなこの方達。。

    全編に渡ってずっと笑っていたけど、途中でなんだか泣けてくるのは反則だなぁ。あそこでぎゅっと掴まれる。

    でも本田さんが全力で前説している時の、加藤さんと小濱さんの冷めた目がツボでした!

    次も観たい劇団さんです!

  • 鑑賞日2018/04/22 (日)

    公演前から、役者たちは舞台にたち前口上を述べている。「写真撮影、SNSへの投稿どうぞご自由に!私、歩くフリー素材でございます」などとユーモラスに語り、藤原竜也の物まねで観劇中の諸注意を投げかけて観客を笑わせているが、その姿は『人間失格』と彼ら自身の演劇活動が重なっていくなかで、あの猿の笑顔を浮かべる道化の姿の写し絵であることが理解されてくる。「私」を出すこと以外にできることはない、という意志は強固なものなのだろうか。潔い悲しみが漲っている。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/04/22 (日) 13:00

    価格1,800円

    CoRich舞台芸術まつり昨年のグランプリ作品。これはイイ作品ですわ。

    男性3人の自叙伝を太宰の人間失格に重ねて戯曲化した作品。「一般」「世間」というカタチないものと向き合い、産まれて来たことが罪の種にたどり着き、それでも生きている姿を目の前で表現していました。そして観客の代弁者にも見えました。

    今回都外割を使わせていただきました。1800円は安い!
    もう採算が合わないのでやらないとホンダさんが言っていましたがw
    Tシャツ買いました!いかしています!

  • 満足度★★★★★

    太宰治の「人間失格」に出演者自らを準えたところに「私小説化された舞台」という不思議な空間を堪能させていただきました。

    ネタバレBOX

    一見エチュードかと思しき場面も実は緻密に計算されていたりと、さすが演出家協会最優秀賞受賞を納得させるものを感じました。
    さて、アフタートークを拝見して分かったことですが、演出家連盟最優秀演出家賞受賞作「走れタカシ」が第一弾、そして今回の作品と続き、次回は小濱昭博さんにスポットを当てた作品を上演する予定だそうです。その後どのような作品を作っていくかは未定とのことでしたが、脚本・演出の澤野正樹さんに「一見マジメそうでエロ心満載」という素敵な魅力を感じましたので、番外編として澤野さん自身にスポットを当てた作品を是非拝見したいものですね。
  • 満足度★★★★★

    舞台も劇場も凄かったです。落ち着いたら続きを書きます。
    ・・・と、仙台公演のページに書いてしまいました。

  • 満足度★★★★

     2011.4月、殆どの日本人がF1人災のショックに魂を抜かれたようになっていた時に立ち上げたユニットが母体となったこの劇団だが、よくあの中で立ち上げたな! と感心する。(追記後送)華4つ☆

    ネタバレBOX

    自分などは、メルトダウン、メルトスルーを心配して12日、13日辺りはもう日本が終わる、と深刻な精神状態で情報集めと分析に必死になっていた。偶々、フランス在住の知り合いから、13日深夜だったかヨーロッパの科学者たちがスパコンを使ってF1人災によって発生した放射性プルームの移動予測(スピーディの予測のようなもの)したものをメールに添付して送ってくれたので、そのデータを自分の親しい者達には拡散した。東電や官僚、政治のスポークスマンの言う事は無論信用できないから。菅首相(当時)は東工大の物理出身だから核暴走がどのような結末を招くか即座に判断して東電に報告や状況把握を求めたが、清水(当時の東電社長)は、自分達が逃げることばかり考えて碌な対応を取らなかったことは、当時も報道された。東電で頑張ったのは亡くなった吉田所長と現場の人々である。
     ところで、太宰の薬漬けは、無頼派青年の深刻な精神状態とその危機を如実に語るものとして我らを惹きつけてやまない訳だが、今作は、当にこの点にコミットしている。(無論、麻薬にということではない)作品をソフィストケートすることによって全体をパーフェクトでコンセプチュアルな様式に貶めるのではなく、あくまで今作のベースになっている「人間失格」を書いた当時の太宰の抱えた“破綻”に掉さしてゆこうとしているからである。何故、このように困難で未完な形式を選んでいるのかについては、3.11の深く、凄まじい体験があるからなのだと、自分は考えている。
     これらのことを描く為に彼らが採った方法とは、生身であることだ。2011年4月に結成されたユニットが旗揚げであったことは既に述べた。この時彼らは、生身を視覚的象徴的に表現する方途として脱ぐことを選んだのである。以来、この方法は、この劇団の伝統となっている。今回、演じられたBuoyが、元銭湯であるというジョークも気が利いている。実際、劇空間は、上階には元ボーリング場の、今作上演会場は、洗い場のタイルの上に組まれた畳2畳の部屋と下手にはカラン、部屋の奥には浴槽が残り客席床からは欠けたブロックと20㎝ほど底上げされたタイル面、切断された管などが丸見えのB1にある空間であり、入口から劇空間まで観客席を囲うように入口側を除く3方には、天井から帯状の紙に記された「人間失格」の一部“弱虫は、幸福をさえおそれるものです”などが書かれ吊り下げられている。その数100枚近いだろうか。BGMは、ちょっと変わった環境音楽といった感じのものが流れて、異空間を形作っている。更に、この部屋の奥の衝立は、スクリーンとして利用され演じ手としても登場する本田氏がパワポで拵えたイメージが映される。(何と、パワポで700メガ)

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