妥協点P 公演情報 妥協点P」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★★★

    教師と生徒の恋愛物語が
    学級劇の台本。そこには教師と生徒の恋愛物語が…。そのような内容を良しとしない教師、沈黙を守る生徒。
    あ互いの理想をせめぎあいながら、押し問答をする教師と生徒。
    書き直された台本には、現在進行形の内容が…、
    設定がとっても面白しろく、これからどうなるのか、というワクワク感の連続でした。

  • 満足度★★★

    妥協の難しさ
    異なる意見を擦り合わせる難しさがユーモラスに描かれた、考えさせる短編でした。

    文化祭の出し物として生徒が書いた演劇の台本に教師と生徒の恋愛を描いているのが不適切とされ、変更させるものの、変更を加える度に新たな問題が生じ、話がややこしくなって行く物語で、意外な展開が続くのが楽しかったです。
    役者5人が揃って出て来て開演前のアナウンスを行うのに違和感を覚えましたが、物語が進むに従ってそのことにも意味があったことが判明するのが洒落ていました。
    物語中で起きていることが取り込まれメタ的に更新されていく台本や、台本を書いた生徒がすぐには登場せず、現れてからもなかなか台詞を言わない構成のプロットが巧みで、引き込まれました。ただし、笑いを取ろうとして本筋とあまり関係の無いネタで引っ張る箇所が所々にあったのがしつこく感じられました。

    先生役の4人はコミカルな雰囲気を生み出していましたが、大袈裟な演技スタイルだったので、芝居掛った演技をするシーンが活きていなかったのがもったいなかったです。

    音楽を用いず、照明効果の使用もわずかに留めて、シンプルに意見の食い違いをを見せる演出が、観客にテーマについて考えさせる余白を残していて良かったです。

    同時期に公演のあった、同じく柴幸男さん作・演出の『わたしの星』も高校生の文化祭で上演する演劇をモチーフにしていながら、テーマやテイストが全く異なり、柴さんの作風の幅の広さが感じられました。

  • 満足度★★★★★

    さすが
    さすが柴さん!!誰もが日々、妥協と葛藤の中に生きる中で万人がなるほどと思うテーマを面白おかしく、テンポ良く見せ、最後は上手~いことまとめ上げるセンスの良さに感服。最近ダラダラと長い劇が多いなかでサクッと65分も超好感!!これも力量のなせる技ですね。

  • 満足度★★★★

    生徒指導
    面白い。65分。

    ネタバレBOX

    山懸(牧野和彦)…宮武の台本の教師と生徒の恋愛が不適切との主張を繰り返す。
    熊楠(宮田智康)…鼻に特徴のある教え子と結婚した。
    宮武(藤本伸江)…台本執筆した生徒。語らず台本で主張する表現者の鑑。
    三好(山中真理子)…山懸の同調するが、台本の修正で不眠症っぽくなる。
    結城(朝比奈緑)…図書室司書教諭。山懸の行為に検閲だと迫る。

    文化祭まで一ヶ月。宮武の台本が「不適切」だとして修正を「お願い」する山懸だったが、修正された台本が更に「不適切」なものになっていて、苦悩する山懸と三好。残り1週間でまだ良くならない台本に、階段から落ちる山懸。残り3日となって、宮武の台本を尊重する方向に動く山懸だったが、宮武はそうじゃないとつき放す…。

    学校という小さな(模擬)世界における権力による表現抑圧。それに対抗する表現者という構図。堅苦しいテーマをかなり砕いて提示してくれる作品。権力(山懸)が、理屈の伴わない狂気っぽいおバカな描かれ方をされているのはご愛嬌か。対してじっと座ってほとんど言葉を発しない表現者(宮武)の芯のある雰囲気が印象的。
    中盤で、山懸が廊下から落ちて死んで、先生は命を懸けて意見を通すことの大切さを教えてくれたと「創作」してみせる宮武が、なんとも皮肉たっぷりで愉快。
    終盤でも、主張を譲ってきた山懸に、とことんやり合いましょう的に振舞う宮武が「文化祭っぽいでしょ」と言い切るとこがニヤっとしちゃう。妥協点ってタイトルのとおり、対立する物事が妥協点を探るには時間と対話が必要で、それがないといいとこに落ちないよということか。妥協って言葉にピリっとした質感を感じた一作だった。
  • 満足度★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    劇団うりんこの【妥協点P】を観劇。
    作・演出は【ままごと】の柴幸男。
    高校の文化祭で催す演劇で、戯曲を書いた高校生に先生達が内容について訂正を求めていく先生VS生徒の戦いの様な物語。
    すったもんだの挙句、皆の妥協点を掏り合わせていった結果は、最初に戻っていくという展開にはどうしても腑に落ちないのだが、それよりもそこまでに至る先生の言葉による攻撃、生徒の文章による反撃という武器を違えども、妥協というP点に向かっていく道筋は、観客をも険しさを感じさせるほどであった。

    只今公演中の作・演出の柴幸男【わたしの星】とは全くの別の作風だ。
  • 満足度★★★★★

    視座がドライ
     この感覚が気に入った。ドライにアイロニカルに突き放した視線が良い。
    (追記後送)

    ネタバレBOX

     高校の文化祭でクラスのダシモノとして演劇を選んだクラスがあった。「ロミオとジュリエット」を下敷きにした恋愛物であるが、設定は、教師と女子高生になっていた。これにいちゃもんをつけた教師があり、そのいちゃもんをおちょくる作者(高校演劇で賞の受賞歴あり)がいる。周囲の教師を巻き込んで侃々諤々の議論が展開されるが、話が煮詰まると妥協点を見出そうとする意見が優勢になりがちだ。然し、原則はどうするのだ? 
  • 満足度★★★★★

    快作
    台本の題名が気になります。

    ネタバレBOX

    文化祭でとあるクラスがやるお芝居の内容に先生がケチをつけたことから始まる大騒動。

    教師と生徒の純愛物語の題名は最初「よしおとジュリア」でしたっけ。それが「熊楠物語」とかに変わって、山形先生は読み上げませんでしたが、最終版は「妥協点P」じゃないかと思わず思ってしまい、役者さんたちは最後に登場する台本通りに演じさせられていたのかと思うと頭が混乱し、とても心地良い気分になりました。

    学園祭の各クラスの企画を決めるためのバトルと言えば、Aga-risk Entertainment『ナイゲン』を思い出します。ナイゲンでは大人の対応という結論を出しましたが、本作品ではこの場では結論を出さず、これからみんなで一緒に考えましょうといういかにも学校公演向けという感じもしました。

    ソクラテスまで引き合いに出し、一つ生徒に妥協したらズルズルと行ってしまうと言う山形先生、片や検閲は憲法違反とする結城先生、三好先生は疲れ果てて化粧が崩れかけていましたが、実際に生徒を妻にした熊楠先生がいたりして話は盛り上がりました。最後、三好先生がクルクルしたポテトで元気を取り戻され本当に良かったです。
  • 満足度★★★★

    演技体と結末がややチグハグ
    あることを議題に教師たちが侃侃諤諤の議論を戦わせるディスカッション劇。

    笑いも多く、楽しみましたが、おしゃれでかっこいいエンディングは熱演調の演技体を持つ本作に合ってない上、盛り上がっていた劇をなんだか尻すぼみにしていた印象。

    それにしても最近目立つな、こういうディスカッション演劇。。。

    ネタバレBOX

    “教師と生徒の恋愛は是か非か”が議題。
    そこに本作の眼目はないとはいえ、最近どのメディアも遠ざける話題だけに、もっと議論を煮詰めて欲しかったです。
  • 満足度★★★★

    妥協点を探す旅
     妥協点を探す・・・ ビジネスではごく当たり前の話ですが、議論の過程・交渉・妥協が演劇の題材になっているのは面白いですね。
     ちょっと感じた違和感はネタバレBOXに書くとして、色々考えさせられる良作でした。

    ネタバレBOX

     女生徒はほぼひたすら口をつぐみ、書き直されていく台本でしか主張しません。それ故になかなか意図が観客に伝わらないようにしていると思われ、先生たちの会話からミスディレクションを誘う構成になっています。
     最後に口を開くことによって、彼女の関心が既に別のことに移っていることを察することができました。全ては最後のオチのインパクトのため・・・、演出の都合ってやつでしょうか。
     しかしそうなると、彼女は先生達を手の上で転がして実験・観察をしていたかのようにも感じられます。もしそうであるなら、本当は妥協点を探る健全な交渉に必要な「誠実さ」に欠けていたことになり、やや後味が悪いです。そこまで作者の意図なのか、演出の都合で陥った難点なのかは計り知れませんが。
  • 満足度★★★

    みやすい
    暗転はなく、でも、時間は1週間すすむ。
    この演出に慣れるまでは、おいていかれます。
    60分をチョット超える内容、充分楽しめました。

  • 満足度★★★★

    また新たな
    うりんこ3回目。本当に毎回違っていて驚く。
    今回の公演が一番私には響いたかな、テーマ的に。

    「自分の思う通りにならない、相手の思う通りにできない」
    深いね。

    ネタバレBOX

    ガラパの川口さんと柴さんのトークが面白かった。平松さんの司会も絶妙でした。
  • 満足度★★

    高校演劇の舞台で上演されたなら十分に誉めるレベル
    感想はほぼ題名の通りです。

    役者が下手で入り込めない、脚本も深みがなく、「そこで終わり?」と思ってしまう。
    表現の問題を扱うならもっと深く抉るように表現するべきだったのではないか。もちろん表面上はコメディーとして上演していいとは思うが。

  • 満足度★★★★★

    うりんこ「妥協点P」観ました
     物語に飲み込まれていく現実、ループや上書きのメタ構造の中での、互いの精神の帰結点を賭けた真剣勝負。

     建前と現実の矛盾の前に、もがく人間性と、それを冷酷に見つめる視点。
     渦中の女子高生は、翻弄される教師たちに、もはや人間の領域を超えた位置から語りかける。台風の目、ブラックホールの特異点。
     真剣を喉元に突きつけるような、学校という枠も超えた、私たち全ての問題。


     物語が進むにつれ、独特の美術の中に置かれてイメージされる世界が、具象から抽象へシフトして見える。
     展開と共に馴染んでいく美術の概念性、それをサポートする繊細な照明。



     前衛的な手法は、あくまでもオーソドックスな舞台づくりに貢献。
     コテコテの笑いと、安易な逃げを許さない問題意識の両立した、質の高い舞台でした。これから全国ツアーもあります!



     ちなみに私は、美術を担当した杉原邦生さんがトークゲストの初日に行きました。客席には、木ノ下歌舞伎の木ノ下先生のお姿も。
     何かの手違いで、おーじ×先生・トーク一時間コースになるのではと、内心ヒヤヒヤ…(笑)

  • 満足度★★★

    観ました。
    こういう場面転換の仕方もあるんだー。
    理論的で不毛な会話劇だなぁ、むつかしいかなぁと思ったけど、
    先生方の面白い動きのおかげで私でもわかりやすく観れました。
    隣に座ってらした柴幸男さんの頭の中はどうなっているのだろう。

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