兄帰る 公演情報 兄帰る」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    笑いつつも実は怖い
    二兎社公演38『兄帰る』大千秋楽を観劇。初演は未見。
    永井愛さんの練られた脚本、丁寧な演出、一体感のある上手い役者陣で安心して観ていられた。
    クスクスと笑いながら、最後にどん!と闇がやってくる。
    本音と正論、家族と親族、厄介だけど避けられない現実の関係性。正論の象徴であるミニバラが哀しい。

  • 満足度★★★★

    痛い正論
    観劇後、妻が一言「本音って痛いよね」・・・。正直と嘘つきの真ん中辺りが丁度いい(笑)

    ネタバレBOX

    終演後のアフタートーク。初演よりセリフをカットして物語の輪郭をより見え易く解かりやすくしたとの事。上演時間も10分位短くラストも東京公演とは違うらしい。
  • 満足度★★★

    これで、岸田賞は意外
    永井愛さんは大好きな劇作家であり演出家です。

    永井作品に、何度も感激を頂いた身としては、この作品にも、感動を頂いたと錯覚しようとする自分もいたのですが、やはり無理でした。

    途中までは、面白く拝見しました。ですが、正春の登場あたりから、時計が気になり出しました。

    あー、これは、永井さん、シチュエーションアイディアに重きを置き過ぎて、人間描写がおざなりになっていると感じました。

    全体を通して、手際の悪い脚本の粗が目立ち、居心地が悪くなりました。

    結局はそういうことなのねとわかるまでの、枝葉末節、装飾を施し過ぎた、引っ張りすぎの脚本に、冗満さを感じて、後半退屈でした。

    20分は、余計な部分があったように感じます。

    素敵なセンスのインテリアは、芝居の中身とも関係する、重要な舞台セットですが、部屋の奥に見える植木の置いてある窓の外の景色が、マンションのベランダ風で、そこから庭に続くという設定なんでしょうが、どうしても、家族以外の人達が羨んで話題にする、百日紅の咲く一戸建ての庭は想像出来かねました。

    役者さんは、どなたも、気持良い好演です。ただ、皆さん、演出に忠実過ぎたきらいもあります。御自身で、役の気持ちを掘り下げて下さる役者さんがいらしたら、もっと深みのある舞台になった気もします。

    ネタバレBOX

    草刈さんは、台詞のないバレエの世界から、女優さんに転身されてから、まだ何年も経っていないのに、台詞表現がお上手で、また感心してしまいました。草刈さん演じる、真弓は、半分正義感の持ち主で、全身全霊を通して、正義の人になりきれないところが、自分に重なり、妙に感情移入して観ていました。

    でも、家主の保の姉の夫である正春が、冷蔵庫の修理に訪れるあたりから、人間描写より、シチュエーションのアイデアに、作者が溺れてしまったような気がします。

    いくら、親戚が電気屋だと言っても、あーも直らないまま、何日も、彼に修理を任せているなんて、無理があります。趣味の電化製品ではなく、冷蔵庫です。正春に直せないなら、私ならすぐに他の電気屋に頼みます。

    兄が実は、売春斡旋ツアーのコンダクターだったと知っている正春を、何度も修理に訪れさせ、謎解きを引っ張るのは、作者の腹積もりであって、登場人物の気持ちとはかけ離れた行為でしかありません。

    真弓と友人金井塚との関係にしても、もっと真弓の内面を照らす方向に筆を動かすこともできたのに、何だか中途半端でした。

    最後の謎解きで観客にわかった、兄の正体は、そうであるなら、もう少し、深い心象描写の演出が必要だったように思います。(これは、脚本の問題ではなく、演出の問題だと思いました。)この舞台からは、兄の行動の整合性に不備があると感じます。最初の兄の登場の時の臭いも、あーいう設定の話が真実なら、少し無理があった気がします。

    それ程重要にも思えない人物の性格付けの強調も、しつこくて、無駄なシーンだと感じるところも多々ありました。

    笑いを取るために設置されるシーンは、もっとテンポ良く!地方テレビのCMみたいに、何度も繰り返すと、逆効果で、冗満になると思います。

    叔母の壊れた蓄音器ネタとか、あまりストーリーと関係のない部分は、何度も時間を取る程の場面ではなかったように感じました。

    半分正義感の真弓が、自分の性格に疑念を抱く部分などをもっと膨らませて、対極にある兄の生き方とのバランスを前面に押し出した脚本であれば良かったのにと、残念です。

    真弓が、友人に対して、「金井塚!」と呼び捨てにする部分などに、真弓本人が気付いていない、周囲の人間に対する支配欲など、人間描写劇の隠し味はたくさん入っていたのに、それを生かしきれない脚本に、歯がゆさを感じてしまいました。
  • 満足度★★★★

    小悪人
    古いタイプの家族の話が、モダンなリビングで演じられる。
    兄が姉だったら、もっと怖いハナシだったろう。

  • 満足度★★★★★

    共感できる。実に面白い。
    ある、ある。こんな叔父さん、叔母さん、いるいる。こんな人間関係、身近だよ。なんて、思いながら、心の中で相槌を打ちながら観ていました。実に面白い。役者の皆さん、みんな上手い!素晴らしい!また観てみたいと思わせる実に良くできた作品です。客席に若い人が少ないのはどうしてだろう。ロッパ

  • 満足度★★★★

    戯曲が面白い
    明るく清潔(そう)な舞台でドタバタ喜劇風演出もあり、大いに笑いが起こってた。でも本当に恐ろしい話。登場するのは嘘や脅迫で他人を陥れ、自分は得をしようとする醜悪な人間ばかり。やはりとても面白い戯曲。休憩込みで約2時間半。

    ネタバレBOX

    終盤の次男の妻と“兄”との対決は、もっと露悪的にしていいのではと思いました。東南アジア売春ツアーのガイドをやっていた人であることが、声や態度でもっとあらわになって欲しかった。そうすれば最後のバルコニーの場面に緊張感が出るのではないでしょうか。
  • 満足度★★★★★

    緊張感がだんだん上がってゆく・・・・
    話もセットも音響も役者さんも凄く上手でありました!
    惜しむらくは、もっと前でカブリツキで見たかったなぁ(^^)とか贅沢に思いました

    ボタンの掛け違いのような大きなズレではなく、
    意識の方向性ぐらいのズレが、
    どんどんと淀みなく修正不可能になってゆくような・・・。
    そんな人間の心情を舞台上の皆さんが、
    素晴らしい演技で魅せてくださいました。

    (2時間半+休憩10分)

    伝わる緊張感のせいか、
    マナーの悪い観客は自分見るかぎりいませんでした。
    中高年のちと裕福そうなご夫婦客が多かったからでしょうか(^^)。

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