満足度★★★
これで、岸田賞は意外
永井愛さんは大好きな劇作家であり演出家です。
永井作品に、何度も感激を頂いた身としては、この作品にも、感動を頂いたと錯覚しようとする自分もいたのですが、やはり無理でした。
途中までは、面白く拝見しました。ですが、正春の登場あたりから、時計が気になり出しました。
あー、これは、永井さん、シチュエーションアイディアに重きを置き過ぎて、人間描写がおざなりになっていると感じました。
全体を通して、手際の悪い脚本の粗が目立ち、居心地が悪くなりました。
結局はそういうことなのねとわかるまでの、枝葉末節、装飾を施し過ぎた、引っ張りすぎの脚本に、冗満さを感じて、後半退屈でした。
20分は、余計な部分があったように感じます。
素敵なセンスのインテリアは、芝居の中身とも関係する、重要な舞台セットですが、部屋の奥に見える植木の置いてある窓の外の景色が、マンションのベランダ風で、そこから庭に続くという設定なんでしょうが、どうしても、家族以外の人達が羨んで話題にする、百日紅の咲く一戸建ての庭は想像出来かねました。
役者さんは、どなたも、気持良い好演です。ただ、皆さん、演出に忠実過ぎたきらいもあります。御自身で、役の気持ちを掘り下げて下さる役者さんがいらしたら、もっと深みのある舞台になった気もします。
2013/09/18 03:07
2013/09/18 00:35
初演を見逃したので、楽しみにしていたのですが、やや期待外れでした。
作者の作為だけで、無理やり構築された感があって…。
永井作品は、やはり「こんにちは母さん」が最高作だった気がします。