TOPDOG/UNDERDOG 公演情報 TOPDOG/UNDERDOG」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★

    二人の役者の演技から伝わってくるものなし
    黒人社会の下層で生きてきた兄弟の逞しさや狡猾さ、図太さといった「色気」が皆無です。それなしでは、この物語は説得力を持たないでしょう。
    芝居の出来としては正直☆一つですが、こういう海外戯曲の名作を今後も観たいので、☆二つにしました。

  • 満足度★★

    根本的問題
    役者二人の芝居はそう悪いわけではない。
    しかし、全く面白いと感じられなかったし、全く深みを感じられなかった。

    芝居の内容を語る以前に、何故黒人でやらなかったのか。その一点に尽きる。
    芝居を観終わってもその疑問は全く解消されなかった。

  • 満足度★★★

    underdog同士
    登場人物は貧しい生活をしている黒人兄弟2人だけの対話劇で、所々にコミカルなシーンがあるものの、救いがない状況でもがく様子が痛々しく、観終わった時にやるせない気分になる作品でした。

    カード賭博で稼いでいたのを辞めて遊園地で働く現実的な兄と、職に就かず遊び呆けていて今後はかつての兄のようにカードで儲けようと考えている楽天的な弟の、兄弟間の愛憎やプライドが交錯しつつ物語が展開し、終盤の騙し合いは物悲しさが漂っていました。
    2人の心情の移り変わりが丁寧に描かれた作品で、力関係が頻繁に入れ替わる会話に引き込まれましたが、リアリズムなスタイルであるが故に、過去のことを懐かしむ説明的な台詞が多いのが気になりました。

    リアルな室内のセットが奈落から持ち上げるように設置されていて客席との間に大きな溝があり、兄弟のやりとりが所詮狭い世界の中での勝ち負けでしかないと思わせ、虚しさを感じました。

    兄を演じた千葉哲也さんは内に秘めた凄味と哀愁が滲み出ていて、大人の男の魅力がありました。
    弟を演じた堤真一さんは自堕落な生き方をする中にも兄を思う気持ちが感じられ、キュートな感じも良かったのですが、少々雰囲気が軽すぎる気がしました。

  • 満足度★★★

    演出の力量<役者の独走???
    心配が当たったようで、どうも、堤さんの演技が腑に落ちなくて仕方ありませんでした。

    原作自体は、なかなか良い戯曲だなと思うのです。

    小川さんの演出も、他国の異文化の世界を、うまく、日本人にも共感できるように、空気変換される、技術が優れていると思うのです。

    だけど、この戯曲、あーいう結末に至るまでの、役者側の伏線的な演技が、もっと表出されてしかるべきではと感じるのです。

    もっと、濃密な空気の中で、兄弟の心の交流と、葛藤が描かれるべき作品だと感じるのに、いつもながらの、堤さんの笑いを取り過ぎる演技が、この作品には、やや不適切だと、私の目には映りました。

    ネタバレBOX

    千葉さんのリンカーンは、カード捌きのプロだった過去を捨て、遊園地で、座っているだけの、蝋人形もどきのリンカーン大統領役の仕事で、業を煮やしている、兄の苦悩を見事に体現されていたと思いました。

    ただ、後半、やはりカードをもう一度手にする場面での、台詞が、時々、噛んでしまわれたのは、残念でした。昔取った杵柄で、あーいう言い回しは、体に染みついて流暢な筈ですから。

    彼女とうまく行っているとずっと大言壮語だった弟のブースが、実は、女性に振られた腹いせに、殺してしまい、カードで、負かせなかった兄に、嫉妬心や劣等感から、突然ピストルを向けてしまう終幕は、あまりにも突然な成り行きで、そうなることを劇評で知っていた私でも、意表をつかれました。

    兄弟のやりとりの中で、もう少し、ブースの心情を観客に提示する瞬間があった方が、自然な気がするし、その方が、二人の悲劇が鮮明に、観客の心に残るのではと思いました。

    兄は、父親の情事を目撃し、父の浮気相手とよろしくやり、弟は、母の情事を知り、兄の妻とも関係し、日本社会では、あまり想像できない兄弟の関係ですが、でも、戯曲には、万国共通の兄弟の複雑な関係性が、見事なまでに描かれていたと思うし、小川さんの演出も、それをかみ砕いて、わかりやすく表現されていたと感じます。

    それだけに、この作品、他の演者の二人芝居で、もう一度、観てみたい気がしています。
  • 満足度★★★

    見ました。
    作家がアフリカ系アメリカ人女性作家ということだが、全くの未知数状態で観劇。
    翻訳劇は、途中から文化背景に追いつくのに必死になってしまう質なのでやっかいな面もあるが、この作品はそうでもなかった。
    兄はリンカーン、弟はブース。
    兄弟の何気ない会話が続いたりカードマジックの見事な手技があったりもしたが、休憩込みの舞台なのに、ちょっと長く感じたのはなんでだろう。最初からある程度、予想が出来る結末だったからかな。

    ネタバレBOX

    父親のジョークでつけられた兄弟の名前。子供の頃は父も母も親は浮気し放題、挙げ句その行為をそれぞれ見て育つ。
    兄も弟もカード賭博に万引き、女好きetc。
    現実を知った弟想いの兄と、夢を見がちで瞬間で生きている弟。
    日常の仕事ぶりは困窮しがち、いつリストラ対象になっても可笑しくない。全体的にどこかケセラセラ、退廃ムード、暴力的な悲劇性が見え隠れ。
    黒人作家が書いているからここまでできるのか、とかはよくわからない。この作品に限った事ではないが、アメリカ系の翻訳劇ってなんでこんなに病んでいるのが多いんだろう。
    これこそがリアルなアメリカ!って事なのかな?それともたまたまなのかな、謎。

    千葉さんの隠れた元悪党ぶりは香ばし過ぎる位嵌り過ぎ。冒頭のあのヒゲ面にもビックリしたけどw。
    堤さんの駄々っ子のような周囲を斜めに見ながら生きているような姿も久しぶりに見えて新鮮。
  • 満足度★★★★

    ピュリッツァー賞受賞戯曲
    休憩込みで2時間強。ピュリッツァー賞受賞戯曲を丁寧に演出(小川絵梨子)。すごく面白かった。堤真一さんが“堤真一”であることを忘れさせてくれるほどキュート!演技が素晴らしい!千葉哲也さんは“いつもの千葉さん”で少し物足りなかった。各地ツアーあり。

    ネタバレBOX

    嘘、裏切りが明るみに出て、疑念が生まれ、大切なもの(愛や信じる気持ち)が失われてしまう。嘘は金ほしさやコンプレックスが発端。白黒つけたい、はっきりさせたいという欲望に負けて、曖昧さや多様性を許容する柔らかな関係を壊してしまう。ずっとずっと昔から変わらない、人間の悲劇。
    素晴らしい戯曲でした。堤真一さんは私が今までに観た舞台の中で一番良かったかも。やはり小川絵梨子さん演出の舞台は見逃せません。

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