探偵〜哀しきチェイサー〜 公演情報 探偵〜哀しきチェイサー〜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-11件 / 11件中
  • 満足度★★★

    歳月は残酷
    家族に誘われて一緒に観る予定だったが、同じ日のチケットがとれず、別々に観ることになった。
    客席は沢田、高泉のそれぞれの女性ファンが多いようで、挟まれて観るのには、いささか疎外感があった。
    沢田が台詞を言うたびに、いちいち「ワー」と言うし、隣席の中年婦人はノリノリで一緒に歌いだすし。
    こちらは内心「えーっ!」と鼻白む(笑)。
    公演パンフが売っていなかったが、売り切れたのか、以前と同じで、沢田の公演事務所の方針なのか。
    初めて観る俳優も多く、誰がどの配役がわからないのはちょっと残念だった。

    この公演を観る目的は、久々に高泉さんのお芝居を観たかったから。
    結果的に、「歳月は残酷だなぁ」ということを実感した。

    ネタバレBOX

    冒頭、沢田がソロで歌う場面で、遠目に、「あー、あの太った人がそうなんだ」と認識。
    既にわかってはいたが、「彼にも」メタボが訪れたのだなーと実感。
    声には伸びがあり、衰えを感じさせないが、目を閉じて聴くことにした(笑)。
    劇中、主役の沢田が「男前であること」を自分で強調し、ヒロインの高泉は周囲が「ええ女」や「綺麗」と誉めそやす場面が多く、違和感を感じること甚だしい(笑)。
    高泉は確かに美しい顔立ちの女優だが、若づくりの厚化粧ばかりが目立ち、痛々しい。
    美女がバーで一人で飲んでいても、わが国では周囲の男性が中高年女性にキャーキャー寄ってくる状況は考えにくいので、無理を感じた。
    思えば、古巣の遊機械◎全自動シアター時代の高泉は、少年や少女の役が多く、「大人の美女」役には他劇団から演出の白井晃が好みの客演女優を招いていた。サヨナラ公演でさえ、トレンディドラマで人気絶頂期の浅野温子が主役だった。
    だから、今回の役は高泉に最大限配慮した役に感じた。
    そのうえ、彼女の演技は「ア・ラカルト」などで見せる「気取ったいい女」そのままなので、マンネリを強く感じてしまった。
    この10年くらい高泉の芝居を観ていないが、周囲から聞く彼女の演技への批判を裏付けるような舞台だった。
    ストーリーは人情喜劇としてうまくまとまっていて、阪神大震災後の神戸を舞台にしてはいるが、新鮮さはない。
    何より主役がいい意味での大人の男女の色っぽさに欠けるので、主筋での感動が薄い。
    サイドストーリーの、周囲の人物のエピソードにも面白みがなく、使い古された点景。諏訪親治の女装趣味の元研究者はいい味を出していたが。
    凍てつくような真冬の波止場のシーン、俳優の演技が少しも寒そうに見えないのが気になった。
    警察学校校歌の使い方や、ハッピーエンドの作りは悪くないと思った。
  • 満足度★★★★

    上質な吉本新喜劇。
    沢田研二さんの舞台とあって、観客に有名人がチラホラ・・・

    「さすがジュリーや」なんて思って座席についたら・・・隣々席が「東京お笑い会の重鎮」であるT先生で・・・もうそれだけで昇天寸前。。。

    開幕。

    ジュリーが主題歌を歌い上げる・・・さすがの歌唱力。プロだ。

    歌い上げて横を向いたら・・・カラダの「厚み」の凄さに、「ボクも夏までにはキチっと絞ろう」と思ったわ。

    まあ、とある理由で警察を辞めて、バーを営みながらの私立探偵・・・という「やさぐれによる過食」をイメージすることは出来る職業だから、この体型も悪くはない。

    太ったからか、声にドスが効いているのも悪くはない。

    でも、ハードボイルドな感じは薄まってる。確実に(笑)

    ストーリーは、目新しい展開派などは皆無だが、キチッと「笑わせて」「ハラハラさせて」「ホロっとさせて」って感じ。

    セットの感じや、脇役陣のキャラクターから、吉本新喜劇的なものを感じたなあ。

    ラストの「チャンチャン!」みたいな展開は、最高でした!笑

    抜群の安定感!

    最初から最後まで、しっかりと楽しめました!!!

  • 満足度★★★

    This is マキノ
    正にマキノノゾミ、というところですが、
    出来ればもう二つ伏線というかひねりが欲しかったかな。

    M.O.Pの"リボルバー"あたりと比較しちゃうと
    少し物足りないですね。残念ですが。

  • 満足度★★★★

    やっぱりジュリーはカッコイイ
    いやーなんとも面白い。サスペンスで、コミカルで、ちょっと切ないハードボイルド。多少メタボになろうが、やっぱりジュリーはカッコイイ。

  • 満足度★★★

    物語はベタ、沢田はブタ
    時の流れというものは時として残酷だと思う。沢田研二ことジュリーはかつて一世を風靡した存在だったかもしれないが、今は普通のおっさんだった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    ハットを頭に乗せて登場してきた場面はまさに「紅の豚」そのもののシーン。( ̄▽ ̄;)!!ガーン
    ぽんぽこりんの腹は今から始る「紅の豚」を彷彿とさせる体系だが、いあ、待て!ここはサザンシアターだから「探偵」なんじゃないか・・?と気を沈め、自分の心を沈静化させたけれど、新たなる疑問が沸々と湧き上がる。

    もしかして、あのぽんぽこりんがジュリーなんじゃないかと・・。
    じーっとじーーっと、眺めること数分。
    やっぱ、ぽんぽこジュリーだーー。
    ( ´;゜;ё;゜).;'.、.;'.、ゴフッ!!

    そういえば・・動きもなんだかカトちゃんみたいになってる。いあいあ、いくら幸せ太りしたからって限度っつーのがあるでしょ。夢破れて山河あり・・、そんな歌を口ずさみながら見てはいけないものを見てしまった後悔めいた気分になった。

    しかも足を組む時に綺麗じゃあない。腹がじゃまして足を綺麗に組むことができない。もう片方の足を片方のひざに垂直に乗せてるかっこ悪さ。( ̄▽ ̄;)!!ガーン
    本物のジュリーを出せぃ!
    そう叫んでしまいそうだった。

    やれやれ・・。


  • 満足度★★★★

    貫禄ジュリー!
    『くちづけ』(東京セレソンDX)以来の東風万智子(以前の真中瞳)さんが出ていたので驚きと喜びと!!

    ネタバレBOX

    ジュリーって久し振りに拝見しましたが、小沢一郎かと思いました。そっくりでした。

    先日吉田豪さんが芸能界で一番喧嘩が強いのはジュリーだと言っていましたが、お腹まわりにも貫禄が付いていて、さもありなんです。

    声は変わりなく、歌は素敵でした。

    警察の腐敗を暴き、美人依頼人を諭し、待ち続け、再会、絵になるラストシーンでした!

    15分の休憩を入れて2時間50分くらい、決して長過ぎるとは思いませんでしたが、重要なシーンには違いありませんがホテルのシーンが少し冗長だったかなと思いました。
  • 満足度★★★★★

    ジュリーの歌声素晴らしい
    ジュリー扮する探偵にもうちょっとシワと白髪があったら、もっと哀愁がただよってたかなあと思うが、歌声はさすが!セットも超いかしてる。

  • 秀作
    マキノ節全開。クオリティ高し。

  • 満足度★★★

    探偵=沢田研二の妙
     友永麻里亜(高泉淳子)が、主人公・花山新太郎(沢田研二)のバー「Farewell」にやってきた時に頼んだカクテルがギムレットだった。
     ハードボイルド・ミステリーのファンなら、ここでレイモンド・チャンドラーの代表作『長いお別れ(ロング・グッドバイ)』中の名台詞「ギムレットには早すぎる」を想起してニヤリとするところだろう。
     劇中で、花山は何度もフィリップ・マーロウやサム・スペードを気取る。そもそもバーの名前「Farewell」がチャンドラーのもう一つの代表作『さらば愛しき人よ(さよなら、愛しい人)』(Farewell,my lovely)から取られている。こうした「小ネタ」は決して「盗作」ではない。台詞やプロットをまるまるパクったりはしていないし、話の流れと関係なく過去作品の台詞を無理やりはめ込んだりもしていない。一部設定を借用しつつもオリジナルの物語を構築している。それがエピゴーネン(模倣)とオマージュ(賛辞)との決定的な違いなのだ。

     麻里亜は、自分の義理の娘・めぐみが何者かにレイプされ自殺した真相を知りたがっていた。花山が探偵だと知り、捜査を依頼するが、花山はいったんは依頼を断る。事件の真相をつきとめることが、他人の秘密を暴き不幸にする。そんな経験を繰り返してきて、すっかり嫌気がさしたと花山は言う。しかし、結局は麻里亜の頼みを聞かないではいられない。探偵は、「美女には弱い」のだ。
     このアンニュイでありながらどこか軽く、ユーモラスな花山を、沢田研二は自家薬籠中のものとして好演している。還暦を過ぎた沢田研二は、昔に比べるとすっかり太り、動きも鈍くキレがない。昼は探偵、夜はバーテンの二重生活者で、カクテルをシェイクする動きも雑で下手くそだ。カウンターを拭き掃除する時だけ妙にせかせかと動いて小市民的な性格が見え隠れする。
     しかし、その中年でだらしなく、かっこよさのカケラもない姿こそが、ハードボイルドミステリーの世界の中での「探偵」なのだ。 サム・スペードもコンチネンタル・オプもフィリップ・マーロウも、原作を読めば分かることだが、カッコよく見えるのはたいてい“やせ我慢”をしているだけだ。自分に力がなく、惚れた女を救うことも出来ず、口をついて出るのは愚痴や言い訳ばかり。それでも彼らが事件に立ち向かうのは、それが彼らの「仕事」だからだ。
     「タフでなければ生きられない。優しくなれなければ生きている資格がない」というハードボイルド探偵の金科玉条は、それが“自分には当てはまらないこと”だから、そうありたいという願いを込めて述懐されている言葉なのだ。

    (以下のネタバレには本作のトリックや犯人について書かれていますので、DVDなどでご覧になる予定の方は、決して覗かれませんよう、お願いします)

    ネタバレBOX

     友永めぐみをレイプし、自殺に追い込んだ外国人グループの主犯は、村岡兵庫県警本部長の息子・公彦だった。本城登美子からその事実を聞いためぐみの継母・麻里亜は、ニューヨークに渡り、公彦をオーバードラッグに見せかけて殺害、復讐を果たした。
     麻里亜が元看護師で薬物に詳しいこと、本城登美子が真犯人を知りつつも口をつぐんでいたこと、真相が明かされるための伏線はきちんと張られていて、ミステリーとしては過不足がない。

     「シャワーを浴びたら多分、君のことを抱いてまうわ。そうなってもええと思っていた。この部屋に入るまでは」「時々なあ、自分の仕事を本気で呪いとうなるわ。仕事言うよりは性分やな。探偵は俺の性分なんや。このまま話せば君にとって辛い話になる」
     麻里亜を真犯人と指摘する前の、花山のこの躊躇。ミステリーでは定番のシークエンスだが、これはダシール・ハメットの『マルタの鷹』のラストシーンにオマージュを捧げたものだ。花山は麻里亜を愛した。愛した相手を告発したくはない。しかししないではいられない。それは花山が「探偵」だからだ。それは、『マルタの鷹』のサム・スペードが犯人を告発した論理と完全に一致している。
     ハードボイルド・ミステリーへの敬意が、「哀しき探偵」への共感が、マキノノゾミにこれらの台詞を書かせている。沢田研二のけだるい演技と相俟って、この真相解明のシークエンスは、論理で成立している探偵小説の背景に、深い人間の情感が存在していることを鮮烈に描いた名シーンになり得ている。

     しかしそれでもなお、ミステリーとしての物足りなさを感じてしまうのは、被害者のめぐみと、犯人の公彦が一度も登場しないことである。
     時間的、空間的な舞台上の制約があるからだという理由は推測できるが、被害者と犯人の登場しないミステリーでは著しくサスペンス性を欠く。物語が言葉の説明だけで流れていくのはドラマ性を大いに減じることになる。
     マキノノゾミの主眼が必ずしもミステリーの方に傾いてはいず、神戸の下町人情の世界を描くことの方に注がれていたとしても、一応はミステリーの体を成しているのだから、観客としてはどうしても、台詞の説明だけで事件の顛末が語られる展開には違和感を覚えてしまうのだ。
     途中で挿入される直子の結婚詐欺話など、本筋に直接関係はないのだから、思い切りよく省いてもよかったのではないか。私はてっきり、直子を騙した男がめぐみのレイプ犯と同一人物で、「フェアウェル」にやってくるのかと期待してしまったのだが、何の関係もないと知って拍子抜けしてしまった。
     舞台よりも映画にした方が、ディテールをもっと詳細かつ情感を込めて描けただろう。演劇の同時性をうまく生かし切れなかった点が何とも惜しい。
  • 満足度★★★

    流石マキノノゾミ
    ハードボイルドの世界を吉本新喜劇でやる。
    聞くと違和感がありそうだが、実際には素晴らしくフィットしていた。
    大阪弁、下町という世界がハードボイルドにビッリだと発見したマキノノゾミは素晴らしい。

    年を取り、うらぶれた探偵を沢田研二が好演。
    他の面々も役柄に合っている。

    ストーリーも複雑ではないが、キチンとしたミステリーだった。

    端々に現れる「ハードボイルドネタ」もクスリとさせてくれる。


    唯一と言えるほど残念なのは、やはり制約のせいなのか、沢田研二の歌だけが世界観に合わず浮いていた。



    ミステリーのためストーリー(後半)のネタバレは書きません。

  • 3時間でも満足、満足!!
    マキノノゾミさんの作品は、初めて。

    音楽劇なので、「沢田研二ショー」みたいものをイメージしていたのですが、そんなことはなかったです。

    沢田研二さんの歌うシーンや、ダンスシーンはあるのですが、
    それ以上に物語の展開にぐいぐい引き込まれます。

    ビターで哀切漂う物語。
    登場人物1人1人の存在意義がきちんとしていて、
    「展開の手品」を観ているようでした。

    途中休憩ありの約3時間。
    見ごたえありました(●^o^●)

    楽しかった!!

    ネタバレBOX

    あとで、追加で書くかもです。

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