探偵〜哀しきチェイサー〜 公演情報 ココロ・コーポレーション「探偵〜哀しきチェイサー〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    歳月は残酷
    家族に誘われて一緒に観る予定だったが、同じ日のチケットがとれず、別々に観ることになった。
    客席は沢田、高泉のそれぞれの女性ファンが多いようで、挟まれて観るのには、いささか疎外感があった。
    沢田が台詞を言うたびに、いちいち「ワー」と言うし、隣席の中年婦人はノリノリで一緒に歌いだすし。
    こちらは内心「えーっ!」と鼻白む(笑)。
    公演パンフが売っていなかったが、売り切れたのか、以前と同じで、沢田の公演事務所の方針なのか。
    初めて観る俳優も多く、誰がどの配役がわからないのはちょっと残念だった。

    この公演を観る目的は、久々に高泉さんのお芝居を観たかったから。
    結果的に、「歳月は残酷だなぁ」ということを実感した。

    ネタバレBOX

    冒頭、沢田がソロで歌う場面で、遠目に、「あー、あの太った人がそうなんだ」と認識。
    既にわかってはいたが、「彼にも」メタボが訪れたのだなーと実感。
    声には伸びがあり、衰えを感じさせないが、目を閉じて聴くことにした(笑)。
    劇中、主役の沢田が「男前であること」を自分で強調し、ヒロインの高泉は周囲が「ええ女」や「綺麗」と誉めそやす場面が多く、違和感を感じること甚だしい(笑)。
    高泉は確かに美しい顔立ちの女優だが、若づくりの厚化粧ばかりが目立ち、痛々しい。
    美女がバーで一人で飲んでいても、わが国では周囲の男性が中高年女性にキャーキャー寄ってくる状況は考えにくいので、無理を感じた。
    思えば、古巣の遊機械◎全自動シアター時代の高泉は、少年や少女の役が多く、「大人の美女」役には他劇団から演出の白井晃が好みの客演女優を招いていた。サヨナラ公演でさえ、トレンディドラマで人気絶頂期の浅野温子が主役だった。
    だから、今回の役は高泉に最大限配慮した役に感じた。
    そのうえ、彼女の演技は「ア・ラカルト」などで見せる「気取ったいい女」そのままなので、マンネリを強く感じてしまった。
    この10年くらい高泉の芝居を観ていないが、周囲から聞く彼女の演技への批判を裏付けるような舞台だった。
    ストーリーは人情喜劇としてうまくまとまっていて、阪神大震災後の神戸を舞台にしてはいるが、新鮮さはない。
    何より主役がいい意味での大人の男女の色っぽさに欠けるので、主筋での感動が薄い。
    サイドストーリーの、周囲の人物のエピソードにも面白みがなく、使い古された点景。諏訪親治の女装趣味の元研究者はいい味を出していたが。
    凍てつくような真冬の波止場のシーン、俳優の演技が少しも寒そうに見えないのが気になった。
    警察学校校歌の使い方や、ハッピーエンドの作りは悪くないと思った。

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    2011/05/17 15:10

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