ハッピー!!―夢ヲ見ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様―

デザイン:末原拓馬

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実演鑑賞

おぼんろ

GALLERY LE DECO 1F(東京都)

2011/04/28 (木) ~ 2011/05/05 (木) 公演終了

休演日:五月二日(月)

上演時間:

公式サイト: http://ameblo.jp/obonro-backstage/

※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
obonro×GALLERY LE DECO ミラクルコラボレーション!


☆あらすじ☆

「まどろみをまつんだ。オマエんところにはきっとくる」

いとまきまき、いとまきまき。ひいてひいてとんとんとん。

「なんでもするから、オイラを君のそばにいさせてください!」
カイコ...

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渋谷 ギャラリールデコ1F。 観客に変身道具を渡しての参加型。上下x左右x前後と さながらアトラクションを見ているかのような、最後に劇場の外に雨を降らす演出は、現実なのか芝居なのか、ただただ、観客を魅了した。観客巻き込みがたおぼんろ的演劇の真骨頂。

公演詳細

期間 2011/04/28 (木) ~ 2011/05/05 (木)
劇場 GALLERY LE DECO 1F
出演 わかばやしめぐみ、佐東諒一、末原拓馬、高橋倫平、藤井としもり
脚本 末原拓馬
演出 末原拓馬
料金(1枚あたり) 1,500円 ~ 2,500円
【発売日】2011/04/02
普通の人2500円/貧乏な人1500円(要申告!)
*ワンドリンク付
公式/劇場サイト

http://ameblo.jp/obonro-backstage/

※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
タイムテーブル
説明 obonro×GALLERY LE DECO ミラクルコラボレーション!


☆あらすじ☆

「まどろみをまつんだ。オマエんところにはきっとくる」

いとまきまき、いとまきまき。ひいてひいてとんとんとん。

「なんでもするから、オイラを君のそばにいさせてください!」
カイコのリンはメグに愛の告白をしました。

「オイラ、なんでもするよ!なけなしの財産を完全に投げ打つし、ご馳走も作る!へとへとになるまで君のために働くし・・・・」

しかしメグは決して首を縦には振ってくれません。

「そうだ!」

リンはなにかをおもいついたらしく、目をキラキラさせて言いました

「オイラがいつか吐くであろうその糸を、君にあげる!」

カイコが糸を紡がれるというのがどういうことなのか、
リンはこれっぽっちも知らなかったのです。

切なくてまっすぐで、そして、なににかじりついてでも、ぜったいハッピー。
虫ケラに身をやつし、おぼんろが全身全霊で贈ります。
キンキラキンのラブをあなたに。

■■準備日誌■■
■5月11日。■
たぶんもしかすると、最後の記事。
過剰に長いのですが、どうかご一読いただけると幸いです。
どうしようもない感謝の思いを胸に、今回のこと、そしてこれからのことを書かせていただいています。

あれから実は、一週間近くたとうとしているという事実に驚きます。毎回、公演が一つ終わるとひと月は廃人になってしまう僕ですが、もう、そんなことは言っていられない。次の公演、次の次の公演を企画し、早く台本を書かないといけない。
その前に、今回の公演をおわらさなければならない。
それは、様々な集計であったり(向いていない!悲劇!!)、もろもろの連絡であったり、荷物の行き場をどうにかする作業であったり、それからあとは、心の問題。

「ハッピー!」は、終わりです。と、言ってやらねばならない。
再演はまったく考えていないわけではないけれど、たぶんそのときは、また違う作品として目覚めることでしょう。だから、2011年の、この公演に、しっかりピリオドを打ってやらねばらない。

ものすごいご報告があります。
奇跡のようだ、と心から思うご報告。

総動員について。

おぼんろは学生時代に、900人台にまで動員を伸ばしていました。
けれどそれは、出演者を増やして彼らにノルマを課す、ノルマ頼みの動員であって、ご来場いただいたお客様はおぼんろのファンではない。
その方向性に未来のなさを感じて再出発をしたのが、昨年10月にやった、『狼少年二星屑ヲ』でした。
集客面で俳優には頼らず、夏の間中、僕が都内で知り合った路上一人芝居のお客様に、ご来場いただく。観たくもない友人や同業者に、無理矢理チケットをさばくのは、もうしない。

すると、動員は167人でした。

これは、実は、それまでの僕からしたら恐ろしいほど少ないと思える数字でした。しかし、路上で知り合った方や、こ少ないながらも以前からのファンのみなさま、見守ってくださるみなさま。
そういう、167人の観客。

とてもうれしかった。
心から、このひとたちの心になにかを届けたいと思った公演でした。
こういう方々を、増やしていきたい。そして、50000人を動員する劇団となり、シアターコクーンまで、いきたい!!
自己満足の片鱗があった僕の作品も、おのずと変わってきました。

僕はお客様にお願いをしました。
「倍々作戦をしたいのです」と。

つまり、一度ご覧になってくださったお客様に、、次回の公演の時に、一人だけ、友人をお誘いいただく。すると、すごく単純に計算すると、
動員は、二倍になる!!という、浅はかな考え方でしたが、そうする他にいまは方法がありませんでした。。高額を支払って広告を打つことも、いまはできない。みなさまにお願いしたい。
“友人に勧める”という形でお客様にご協力いただくために、
とにかく上質な作品を創り続けることだけは、誓って。
ちなみに、この倍々作戦を延々と続けると、
167人は、八回目で40000人をこします。
(334,668人、1336人、2672人、5344人、10688人、21376人、42752人!!)
簡単なこととは思えませんが、一応、理論的には。

さて。
そんなこんなで、『ハッピー!』の動員目標は、334人に設定されたわけです。167人が、334人。それは、実をいうとどうにもスリルフルなものでした。

しかし、残念なことに、劇場入りしてみると、そこは想定よりもよほど狭く、30席あまりしか並べられない。7ステでも、210人にしかならない。。。そして、初日を迎えるころ、劇団に届いていた予約は、閑古鳥が鳴きわめかんばかりの、スカスカ状況。作品には胸を張っていましたが、数日前に意気揚々とDMを送ったはずの僕でしたが、しょぼんとしていました。

しかし、劇場入りしてからは、物語に集中しなければならない。
たとえ10人のお客様しかご来場いただけなかった場合でも、ひとり、ひとりにしっかり本域で物語を伝える。
興業(?)的に失敗しようが、それが使命です。
そもそも路上では一人のお客様のために演じることも多かった僕は、気持ちを切り替えて本番に臨みました。

お陰様で本番は予想以上にありがたい評判をいただくことができ、
途中からクチコミも広がり、当日券が日に何枚も出回るようになりました。リピーターも多く、また、遅ればせながら、徐々にご予約も入りだしました。「こりっちを観てきました」というお客様が多かったこと、ほんとうにみなさまに感謝するばかりです。

なぜばなるもので、当初は30人のキャパシティで音を上げていた劇場内に、なんと最終日には60人のお客様を詰め込ませていただきました。狭い思いをさせてしまったこと、心よりお詫び申しげます。

こりっちの注目公演、団体の両ランキングでも日に日に上位へと登らせていただき、ついには両方の部門で一位をいただくこともできました。
これはうれしかった!!
本当に、みなさまに感謝する気持ちで満たされました。人生を構成する要素が演劇しかない僕は、まさに生まれてきた幸福さえも噛み締めたのでした。ありがとうです。本当に、ありがとうございました。

「動員目標は残念だったけれど、それ以上に素敵なものをたくさん得た。」それが、今回の公演の感想。じっさい、仲間との間にも素晴らしい絆を感じさせていただけました。打ち上げでは、はしゃぐこともせず、真剣に、これからのことを 話し合いました。

そして、昨日。
僕は携帯電話の電卓昨日をつかって、もろもろの集計をしていました。

4月28日・1ステ目:34人
4月29日・2ステ目:43人
4月30日・3ステ目:46人
5月 1日・4ステ目:49人
5月 2日・5ステ目:51人
5月 3日・6ステ目:51人
5月 4日・7ステ目:60人

合計してみて、腰を抜かしました、本当に。
何度も何度も、信じられずに、計算をし直しましたが、
でも、
完全に、
何度やってみても、合計は、


334人


こんなことってある?

みなさまのおかげです。
目標、達成しました。ジャストに、ギリギリに。心からの感謝と、そして、驚きに満たされています。本当に本当に、ありがとうございました。

次はもちろん、668人を目指します。
これまた大きなジャンプ。一発ではできないかもしれません。アンケート回収率が83パーセント、いつも帰りの電車で倫平さんと別れてから、涙ぐんで感激しながら読ませていただきました。
そのうち、新規DM登録をしてくださってお客様が、119名!!

嬉しいです。とってもとっても、うれしいです。

動員を伸ばしていくことのむずかしさは、重々承知しております。たくさんの先輩方が努力をしていらしたことと思いますし、じっさいに5万人の動員をしている劇団など、いったいいくつあるというのでしょう。アイドル起用などをしないでシアターコクーンに行こうというのは、もしかすると前例がないのかもしれません。

でも、成し遂げます。
なににかじりついてでも。

演劇界では、“1000人の壁”と呼ばれるものがあります。1000人を超えることは、難しく、しかし、そこを超えると、ひとつ上のステージにいくといいます。まずは、ここに立ち向かうことに決めました。

1年後。
2012年5月5日までに、おぼんろは総動員数1000人超えを目指します。有言してしまったからには、背水の陣。ナイヤガラのような水しぶきを背に、一歩間違えば奈落の底な立ち位置で、
全力投球させていただきます。

僕ひとりでは不可能です。
どうか、どうか、お力添えいただけると幸いです。

みなさん。一緒にシアターコクーンにいきましょう。行きたいのです。
上演が決定したその際には、ワインくらい、振る舞わせてください。

いつになくとりとめもなく、
赤面するほどの長文になってしまいました。

しっかりと人生の転機となった、

おぼんろ第7回本公演
『ハッピー!~夢ヲ観ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様~』

これにて、終幕です。
本当に、ありがとうございました。

とびっきりのハッピーが、
みなさまに訪れますよう、
心よりお祈りしております。

人生で、たったひとつだけ、命がけの贈り物をすることができる、蚕。
彼らは、幸福な生き物であると、僕は信じています。命と引き換えでないたくさんの贈り物を持っていることよりも、よほど。

自分の中の、大切な大切なものを知り、大切に大切にそれを抱き、どうぞ、一日一日が実りのあるものであればと願います。

大震災の爪痕はまだまだ癒えることがなく、しかし、僕らはこれからも、生きていかねばなりません。なるべくたくさん笑って、なるべくたくさん笑わして。それがひきつっていようが、いまはそんなの関係ありません。


とびっきりのハッピーが、
みなさまに訪れますよう、

心よりお祈りしております。


「ハッピーを手に入れましょう!!」


なににかじりついても、
是が、どんなにどこまでも、非であろうと。


感謝のうちに。

拓馬
■5月8日■
次の公演について思案。忙しくて、部屋の掃除で1日が終わる。明日には、もろもろの集計をせねばならない。いろいろな数字が判明するでしょう。客席数の関係で、目標動員はきっと到達できなかったけれど、でも、何人だったのだろうか。アンケート回収率も驚異的であったように思う。明日、発表するつもりです。お楽しみに。
■千秋楽を終えて■
最終日、ご来場、ありがとうございました。もはや完全な見切れ席にまで座っていただいてしまい、立ち上がりながらのご観劇など、無理をお願いしてしまったこと、お詫び申し上げます。
本当にありがとう。
あまりに、夢のような時間でした。
語った台詞や、共有した時間が体に残っていて、今でもゾクゾクさえします。工場にいたんだ、森にはいったんだ、ボロ屋にいたんだ、という感覚は確かに残っていて、「へっへっへ、みなさん、想像してくれたんだね!」とほくそ笑もうと思いきや、自分こそ、世界に呑み込まれていたみたい。雨で扉を濡らしてしまったせいで、さびがつき、撤収作業は困難を余儀なくされたけれど、さびが落ち切らなかった壁をみて、オーナーさんは
「まーた貫禄でちゃったじゃない」
と、渋めの苦笑い。おとがめなし!
ありがとうございます。

まだ現実に戻りきらぬまま、もう、次の企画を考えている。打ち上げはワイワイ盛り上がるではなく、真剣に、次回から先の話を会議した。
どうやって、道を行くか。今回みなさまからいただいているたくさんのご意見が、本当に参考になります。考える。考える。幸せと、闘志を存分に抱いて。
もしかしたら、もう少しだけ、後日談を記すと思います。
“取り急ぎ”、という便利な言葉を添えつつ、雑文ながら。

感謝のうちに。


拓馬
■5月4日■
本日も大盛況。こんなに当日券が売れるのは初めてのことで、とっても嬉しい。いまいち数に疎いから売り止めとかの作業をしていないのだけれど、席なんてあるようでないような状態だから、いまのところ、お客様のお体のサイズなんかをうまいこと組み合わせさせていただいて、どうにかこうにか、みなさんにご覧になっていただいている。これが、プロの制作さんなんかだとけっこう入場制限をしてしまうのだけれど、一応作り手のエゴにまみれた拓馬には、そんな決断をする能力はない。今晩も、たくさんの蚕さんたち、お疲れ様でありがとうございましたでした!いよいよ、マネージャーをつけるなり、なんなり、したほうがいいよというお話を、あちこちからしていただいています。うむ。考えなくちゃいけない。
それと・・・。いまの雰囲気を、どうシアターコクーンなんかに持ち込むの?芸風を変えるの?というご質問について。これは、言ったら馬鹿にされるからあまり言わないのだけれど、でも、言うのだけど。
俺は、いまのスタイルのまま、シアターコクーンに行こうとおもっています。芸風も、貧乏人はなけなしの金額にするのも、客入れでたくさん遊ぶのも。
シアターコクーンは、実は貧乏な俺はそれこそ、そんなに行けたこともないような劇場なのです。で、すごく、ブルジョワジーが演劇を独占しようとしている犯行現場であって、それでいて、日本の文化の中枢であって、そして、とても素敵な、室内の雰囲気。本当に、素晴らしい劇場だと思うんです、心から。
乞食のような俺やあなたがつくりだしたムーブメントで、あそこを、攻め落としたい。これは、本当に本当の、闘い。「俺らには、たくさんの仲間がいます。」と言い張るつもりです。仲間になってください。これでいて、相当に真剣で、本気なのです。明日は千秋楽。いつも通り、特別なワンステージ。
■5月3日■
とても素敵な夜。例によって満席で、しっちゃかめっちゃかな雰囲気が又良い。役者が通るときに観客が立ち上がる。なんだか本当に、みんなでやっている雰囲気だ。このスタイルが本当に好きで、今後の身の振り方を真面目に止む時期だな。父が観に来た。帰宅した父のひとこと。「すげぇよかった。」・・・あ、ほんと?と応えたけれど、心の中でガッツポーズ。みなさんのおかげです。ありがとうございます。
■5月2日■
本日は休演日。救援日ともいえるかもしれない。三月の半ばごろから、気が休まる日が一日たりともなかったのは事実である。主宰は、仲間たちが将来の話をちらほらしてくれるのが本当にうれしくて、少々、テンパり気味なくらいに興奮。居ても立ってもいられなくなって、どうしてもこのひとたちを有名にしたいと思ってる。
そんな矢先、演劇プロデューサーという方がこの世に存在することを知る。かのキャラメルボックスの敏腕プロデューサーの方だ。キャラメルボックスというのは、いわゆる演劇界とは隔絶されたところにあり、同業者内でもちょっと違った見られ方をしている節がある。だが、俺は、このひとたちをけっこう本域で尊敬している。上川隆也さんなどのスターはいるものの、基本的に、タレントなどを呼ばずに、劇団のファンだけであそこまでの地位を確立しているからだ。これは、誰が何と言おうが、一番かっこいいんじゃないかと、俺は思う。
一度お会いしたいと切実に考える

路上を始めてから、本当に、前のめりでおぼんろを楽しみに来てくださるお客様が増えた。すごくうれしいし、そのおかげで、作品も充実してきていると思う。ただ、いまいる場所とシアターコクーンとの距離は重々承知だし、絶対にいけるという確信はあろうとも、地図がはっきり描けていないのも事実。成功している方からお話を伺いたい。

とおもっても、見ず知らずの雲の人。どうにか連絡がつかないかと考えあぐねてみても、人生はそんんイージーでない。途方んくれかけていると、あ・・・・。ツイッターというものがあった。「会いに行っていいですか」という旨を震える手で送信してみると・・・・・。「一瞬ならば」という旨の返信あり!!
午前中から猛ダッシュで出かけたのでした。
休演日は大まかにいうと、そんな感じ。ダメで元々当たって砕けろ。会おうと思ったら会えてしまった奇跡に、ドキドキした。そして、雲の上の人は、本当にいいひとだった。ショックなくらい、いいひとだった。
年間何万人のお客様と出会える団体。
・・・なりたいなあ。
■五月1日■
気が付いたら五月。あやうく気が付くことさえし損ねる。ついに、雨!それでも本番中は勘弁してくれた天上のあなたに、WBCみたいな投げキッス。本番中は一度劇場入りすると裸足のままで過ごすものだから、衣装のすそやらがぐちょぐちょになってしまった。まずし。雨の中、開場時間までお待ちいただいたお客様方、本当にありがとうございます。19時からいらしていただけるなどとは思っておらず。開演までまた30分もお待たせしてしまうことがどうしようもなく心苦しかったです。うれしい悲鳴というもので、お陰様で当日券もバンバンとハケておりまして、しかし暴力的なまでに狭い空間だもんで、客入れの途中段階から、いよいよ冷や汗がにじみ出てくる。・・・・・・みたいなことでした。誓います。次からは、しっかり制作スタッフも整えます。みなさん、ぎゅうぎゅうのご観劇、本当にありがとうございます。
■4月30日■
四月の終わり。本番三日目。今日も今日で、ぜんぜん違う客の顔ぶれ。開演前の前説をしながら、きょうはどんな作品になるのだろう、なんておもう。自分個人としてはいつにも増してふざけるのが楽しく、心配していた喉の調子も、開始3分後にはすっかり忘れた。毎日生まれて、毎日生きる。そして、最後は・・・。うーむ。こっくりさん。口に出すだけで呪われるというあれだけど、それに似た、超常現象ぽさを、この舞台に感じ出している。「神聖な儀式の幕開けだ」と冒頭で台詞として語るのだけど、なんか、そういうもののような気がする。昨日は観客に脇をつっつかれた。こっちがイタズラな舞台をやろうとしたら、みんなもイタズラに参加してくれる。最高じゃないか。ありがとうございます。
■4月29日■
二日目。本当に感謝。ありがとうありがとうございます。客席がいっぱいになりすぎて、どうにも、みなさんには無理を強いてしまったのだけれど、なんだか、お客さんからこっちがハッピーをもらってしまうような、うれしいうれしい夜でした。もう二度と、同じことはできないだろうな。明日は、明日。あさってはあさって。この観客で、この瞬間で、今日の体調で。そんな、唯一無二の物語を、紡ぎ続けていきたい。少しでもお楽しみいただけたようでしたら幸いです。みなさま、本当にありがとうございました。大好き!
追伸:ご観劇の感想など伺うことができれば幸いです!また、公演期間後半の座席に、まだ多少の余裕がございます。不躾ではございますが、クチコミにご協力いただけると幸いです。少しでもたくさんのかたに、僕らのことを知っていただきたい思いなのです。どうぞよろしくお願いします。]
■4月28日■
ゲネプロ。本番そっくりの形でリハーサルを行うが、会場が、本来はオフィスなわけで、日中、ずっと静かな事務作業が繰り広げているわけで、連日、19時まではあまり音も出せない。という状況で、こぎつけたゲネプロ。半分は段取り確認。稽古場ではわかなかった感情の数々。楽しみだ。
■4月29日■
最高にハッピーな夜だった。原始的な楽しみ方でいいんだとおもう。俺らも、観客も。すごく素敵な気持ち。火を取り囲んで、何かのために踊った生物なんだ。それだけでいい。さんざんに、いろいろなものを 凝らしてはみるけれど、うまくやれたとか、ウケたとか、そういうことじゃない。ああ。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
■4月26日■
劇場入り二日目。そもそもこの、ルデコ1というスペースはギャラリールデコという貸画廊のオフィスにあたる部分であり、日中は社員の皆様が、事務作業をしてらっしゃる。そこに、我々はドタバタは共存させていただくという形。ああ、想像するだに、迷惑千万なはず。。。物語を断片的に聞いている社員の方は「・・・・ど、どういう物語なの??」なんて、るのであって。クエスチョンマークがおでこに張り付いていらっしゃる様子。
しっかし本当に、素敵な空間。考えてみれば、生まれて初めて演劇をやってみようと思っていた時に思い描いた絵が、これなのである。当時は、「そんなのはありえない、あはは」くらいに思っていたのに、気付いたら実現しているから不思議だ。
今回も、仕掛けがあるのだが、当初は、紀元前の人間がスペースシャトルを夢想するがごとき、“要もしもボックス”な思いつきだったのだが、そんな俺のつぶやきをみんなが、「やってみたらいいじゃん」と励ましてくれたりして、あぁ、あぁ、そしたらば、なせば成る!なんとか実現しちまっているから、すごいことです。疲労度はそこそこにピークであるけれど、元気でいよう。元気というのは、それだけでもう、超能力なのです。エスパーな俺たちを、よろしくお願いします!
■4月25日■
劇場入り!わーーーーーお!!という感じだ!このときを待っていた!実際問題、本当に待っていた!なんか、もう、劇場にいると興奮してしまって疲れる。わーーーーお!!本当に、「わーーーーーーお!」と叫びたくなるからすごい。叫んでいたかもしれない。つうか、叫んでいた。http://ameblo.jp/obonro-backstage/
ディズニーランドはチケット高い!と思っていたけれど、演劇チケットが実はディズニーランドと経済的に同レベルにある、もしくは、勝ってしまう、と気付いたのは最近。5000円あったら、どうするか?と考えた時に、ディズニーランドを蹴ってまで観たい芝居が果たしていくつあるか?と思ったりしたのです。
あたし、ウォルトに挑戦。
ばかか!と言われたkともしばしばだけど、でも、しっかり芯のある物語で、本気で企めば、そして、人間同士のコミュニケーションがあれば、ああ、俺は、俺は本気で、こっちに分があるとさえ思うんです。
観てほしい。観に来てほしい。ていうか、俺も観たい!てくらいだし、正直、観てる、くらいの感覚でやってる。
満足いただけなかったら全額お返しします。これは、本当にです。なんだか支離滅裂で御免なさいなのですが、どうにもこうにも、ほんっとうに泣きそうに大好きな世界で、俺は、この物語で世界は平和になるんじゃないかとさえ、ちょっとは思うのです。この時期のおぼんろを見ていたことが、必ずあなたの自慢話になります。て、これはもう、ここ一年くらい言い続けているから、「まだかまだか?」と思われるのかもわからないんだけど、でも、本当に!だって、俺ら、あなたに触れますもの。あなたと、目が合うもの。あなた、カイコになるのだもの。尊敬していた野田秀樹を数か月近くでみていて、もう、絶対に負けたくないと思ったんです去年のこと。ザマーミロ。野田さんにはできないことをやってのけます。1500円は、強気の安さ。宇宙のどこを探しても、このメンバー、この時期、この会場でしか存在しえない、完全に稀少な瞬間をお届けします。わあ。ばかか俺は文章が長すぎる!
■4月24日■
稽古場稽古最終日。いろいろな仕掛けを試したり、あれやこれ。みんな、スタッフ業も達者で、誰に言われるともなく(俺が言わなきゃならないのだけど)もろもろ実験をしていてくれる。そこに、たかしが良い感じで兵隊となって動き回る。今日は通しを立て続けに二回やった。手ごたえバッチリ。大した疲労度だが、ここからが正念場。はやくご覧になっていただきたい!
■4月23日■
全員の感性が研ぎ澄まされているような感じ。みんなの演出に対するレスポンスや嗅覚が、ものすごいことになってる。我ながら、うまく表現できていないような言葉でもろもろ伝えているのだけれど、汲み取ってくれるみんなのすごさ。しかしまあ、つかれる。みんな、舞台上以外では重力に完敗してて、横たわって意識が飛んでる輩までいる。植物は枯れそうになると種をつくる、みたいなところがあると聞いたけど、人間も、体力の体と創作の完成が反比例しているように、どうも、思うのである。あの特殊な劇場、そして観客の存在こそが肝だから、稽古場で想定しうることにも限界があるのだけれど、それでも、いま、すごくいい予感がしている。
こうご期待!
■4月22日■
稽古は白熱してくる。手を抜くと成立しない場面が多々あり、コンチキショとばかりに体力を削る。本番がパスタなら、チーズにあたるのは、我々の日々の体力である。・・・というくらい支離滅裂な文章を書いてしまうほどに、本番前な状況である。倫平さんが照明プランを立てくれて、それを、オペのたかしが真剣にきく。たかしの表情から、不安がにじみ出ている。俺がプロジェクトXの制作スタッフだったら、たかしをドキュメントしてもいいかもと思うくらいだ。舞台監督もできるトシモリさんはもろもろの仕掛けのプランをしてくださって、買うものリストをつくってくれた。サヒガシさんは小道具のお手伝いさんを(たくまに言わずに)オファーしてくれていて、「頼んどいたから、拓馬、すぐに連絡をしろや」とメールがきた。すげぇ!折りしも俺は、作業でがんじがらまってパニックに陥りそうな瞬間だった。めぐみさんは稽古場のすみで道具を縫ってくれたりしている。あと、おせんべい、おにぎり、アイスを差し入れてくれる。お客様がお召しになるコスチュームも、いそいそと、暇さえあれば作る。みんなでつくる。素材は廃棄物だけど、どうか、ご了承ください。。
「やばい!時間ないね・・・・」と謝ろうとおもったら、「前回よりはすごく余裕があっていいね!」と言われてしまった。そっか、そんなにすごかったのか、前回。
■4月21日■
作品が自分たちの懐から飛び越えていく。そもそも世界ってのは“自分たちの中にある”というよりは“自分たちがその中にある”という性質のものなので、広がっていて当たり前なのだけれど、物語世界がそこまでスケールアップするのは、やはり奇妙な体験だ。こっくりさんや魔方陣で霊的なるものを呼び出して、そいつらが暴走し強大化し・・・・。みたいな話があるが、どこか、それに似た感覚を抱く。大量のあまり紙の裏に書きなぐっていた文字列が、こんな世界になるだなんて、ちょっと、想像以上の展開だ。こうなるといよいよ稽古中におかしな感情まで現れてくるのであって、本番前のピリピリ感は保持しつつ、躁気味。演出中に、説明する言葉とかもまどろっこしくなってしまって、わー!とかドン!とかズガガガガ!で説明しようとしたら、みんなに怒られた。
■4月20日■
創作のときに怖いのは、なんでもできてしまうこと。稽古場において、一瞬で主人公を死なせることだってできるし、アカペラでよいならば、「やっぱミュージカルにしよー!」なんてことも即座にできる。全能性であると同時に、どこにも答えがないということを意味する。答えがないものというのは、恐ろしいことなのである。しかも俺は、キングオブ優柔である。
けれど、舵を取るのは自分以外にはいないのである。なんの躊躇もしない。発想は、「天からきた」と、神様のせいにして、どんどん形にしたらいい。間違っていることなんか、ありえない。
この作品は全世界を探してもここにしかないし、価値のあるものだ。そう確信して漕ぎ出して、吐きだした物語。疑わない。本番まであと一週間。殺し屋がひとを殺さねばならないように、王様が政治をしなければならないように、会社員が会社で働かなければならないように、エジプトの奴隷が石を運び、アステカの生贄が首を切られるのが使命だったように、俺らは当たり前のように、演劇orダイな時間を過ごしたい。みなさん、どうぞご来場ください。どこに出しても恥ずかしくない熱気を感じて、とびっきりのハッピーを手に入れてください。
■4月19日■
いよいよ佳境である。
前半部分をつなげてみることで、流れが見える。演劇としての精度とおぼんろとしてのクオリティがもしかすると両立しないかもわからないと考え出す。俺はバスケの試合をみてもらいたい、みんなに。なんの大会でもいいし、どのチーム同士でもいいけれど、中学生のプレイだろうがそこには本質がある、心理がある。もちろん、NBAのほうがテクニックがけた違いにすごいが。プロ野球と甲子園の違い?かな。野球よりバスケ。すべてのひとが一瞬たりとも休まない。アイドリングストップ、って、バスとかの、「停車中はエンジン切ります」みたいなのあるけれど、俺らに関しては、決してアイドリンガらない、常にオン。そういう、状態にいたい。
■4月18日■
また劇場に行く。敢えてこの場所を選んだ理由。そりゃあ、ふつうの、お芝居をやる専用のところでやったほうがコンビニエントなのはモガナもモガナな事実だ。けれども、手間をかけ、ニシシシないたずら心を駆使すれば、そんじょそこらの上等なシアターよりもよほどなスケール感が出る。そう、出るのです。
今日は倫平さん、としもりさんにも来てもらう。ひとりでないことに、なんだかウルウル心が反応しかけているが、そんなことは秘密だ。とかなんとか、やっていて、考え込む。
稽古は順調。見えなかったものが、続々と見えてくる。仲間に遠慮をしていない自分に気付く。大昔とは違うみたいだ。
2011年4月に生きる地球人のことを考える、日本人のことを考える、都民のことを考える。
ハッピー。
考え込む。。
■4月17日■
昼から晩まで稽古。もろもろ、シーンの空気感も出来上がってきて、稽古場に照明を持ち込んだのもあり、本番へのイメージがより強くなる。公演場所が劇場ではないこともあり、良い意味でも悪い意味でも普段とは違う思考をめぐらす必要がある。いまのところ、それはすべて大盛り上がりな計画として存在しているが、当日、観客を招き入れて実現するまでは、常に緊張感を余儀なくされるところでもある。けれど、心づくしの努力が裏目に出ることなんかあるわけがないのである、と、信じて。
倫平さんが拓馬に弁当をつくってきてくれた。めおとだな、もはや。
正念場。妥協をしないで、無理難題をだしまくる。じぶんも迷惑するくらいの難題を、みんなで解く。
作り手のよろこび、というのはどうでもいいが、悔しいことに、あぁ、まいにちがうれしい。蒸発しかけるけど、忙しくて。
■4月16日■
本日も稽古は休み。稽古が休みだろうがあんまり関係ない。止まる暇なし。よしよし、これでよし。
宣伝をさせてくださるということで、スカパー!のチャンネルの収録に、倫平さんと乗り込んだ。元、一世風靡セピアの後藤一機さんと意気投合。ハッピー!の宣伝のはずが、話題はもっぱら路上について、そして、ゴミについて。一機さんは北海道の路上ででゴミ拾いパフォーマンスをやってらっしゃるのだそうだ。だから、「僕、ゴミには本当にお世話になってるんです!」というおぼんろ内情をお話ししたところ、「おおおおーーー!」と手を握り合ったのでした。気合が入る。
しかし、今日は、「本当にこの作品は誰にでも見せられるか」というところに思い至り、家出。ADHDじゃなかろうが、机に座ってるのは本当に苦手だ。しかし、カフェ代もないので、ただひたすら、吹きすさぶ夜空の下で台本と格闘する。俺の中にあるのは「これは、ミヒャエルエンデを招待していいか」という判断基準である。“ドイツ語じゃないから、だめ”て、ばか、そういうことじゃなくて。ね。
ただ、すこし、また進化できそうな予感。明日の稽古場が楽しみだ。
■4月15日■
本日は稽古は休み。もちろん、休みは逆にいそがしい、というくらいに山積みの仕事たち。制作、作家、演出、俳優、このスイッチを切り替えられないことに関しては、他に追随を許さない低クオリティーぶりだ。残り時間を意識し始めたあたりから、作品を「とりあえず完成」させようと思い始めてしまうのは、実はとてつもなくデッドなシチュエーションで、そんな生半可なものを提出していとは、稽古場の誰一人として考えていない。一方で、制作、主宰としては小さなプレッシャーも感じていて、「アーティストしないでください!時間は有限です!」と叱咤したいところなのだが、それは、そういう思考回路は、さほど発達していないし、しっくりきていないというのも事実で、「やれるところまで突き抜けよう!」というスタンスに、無言で席を譲る。そんで、恥ずかしいから、隣の車両に乗り換える。・・・・なんのこっちゃ。
【観たい!】を投稿してくれる方が多くて、感涙の海にひたっている。塩味も、濃厚。
■4月14日■
よし、前のほうから流してみよう!ということに相成った。無茶な話ではあるけれど、やってみる価値はあるよねと。
おぼんろの芝居はなんとなく、末原拓馬のリズムにかかっている、という特徴があって、自分次第でどうにでもなってしまうということに気付く。みんなが、少しずつ、おぼんろっぽい身体にメタモルフォぜってきてくれている。「たくまのセリフはさぁ・・・」という話題、なんか嬉しくて感激。いい子にしてたから、神様が贈り物をくれたんだ。て、それじゃ神様が人身売買の斡旋をしてるみたいになっちゃうか。
みんなの中にキャラクターが芽吹きだしている、という感覚。台詞量が多いものだから、みんな、暇さえあれば台本を凝視している。それぞれがそれぞれの人生を背負って芝居をするのだから、生半可なものではない。そして、驚くほど体力が必要なことに、ぼちぼち気付いている。
劇場のこと、観客のことなどをよく話す。本番は、近い。
稽古。たぶん、LSDよりも、気持ちい。
■4月13日■
作家でいる間は、ポイントポイントの表情は鮮明に描けていても、それが舞台上の俳優の体、空間で思い描かれていることは稀有だ。俺はやっぱり耳の人間で、音やリズムだけが明確。
作家としての感性を、“演出技術”で立体化しようとするために、なにかがとても濁ってしまうところがある。
アンチ演劇、という言葉を、多く使いたがるのが俺らの世代(もしかしたらもっと昔からみんなそうなのだよね・・・)かもだが、そこまで演劇がわかっていない俺は、縛られる気はさらさらないながらも、心のどこかで、演劇らしさを想定しようと画策してしまう。それは、たいてい、ミスだ。(学生時代は、踊りながら台詞を言ったり、ロボットになりながらしゃべる、という複雑怪奇な演出をすることも多かった。あれはあれでありだったけれど、俺の本質、内面から出てきたもんではない。つまり、一番高いステージでは、勝負できない。)
そんなこんなで、自分に耳を澄ましながらの制作作業も続いている。別になんというジャンルで呼ばれてもいい。これは、こういうもの。
稽古をしながら、自分でも驚く感覚に持ってかれることがある。不思議で、神聖だ、とおもう。闘う。この戯曲には、なにかがあると思う。
■4月12日■
本日も夕方から稽古であるのだけれど、倫平さんから「ごめん、遅刻る」というメールが入った。まあ、倫平さんも忙しい中参加してくださっているのだよな、ありがたい。どうか、気を付けて来ておくれ・・・・なんて、愛情を注ごうと思ったのがそもそもの間違いで、後から聞いたら、「カレーの味付けが気に食わなくて、なかなか家を出れなかった」と!……インド人か!

とは言え、稽古は順調。
全員演出経験があるので、話し合いや試行錯誤もスムーズで、そして、深い。
俳優としてのキャリアもみな長く、「ちょっと、このニュアンスで」というオーダーがその場で形になる。
いやはや、しかし、すごい芝居なのだと思う。

息を飲む。

真摯に、真摯に。
“モ―ツァルトが曲を書いたのは、神様から与えられた使命だったからだ”、という考え方は割と好きだ。“彼は天から降ってきたものを書きとめる作業をしていたのだ”、という、しかしこれはある意味、努力もしていたであろうモーツァルトには失礼な話かも分からないし、もしかしたら本当に何も考えずにできてしまうタイプだったのかもわからない。
別に自分たちをモーツァルトだなんてくれぐれも言うつもりはないのだけれど、重要なのは、クリエイティブなイメージ由来を天に帰するというところで、いま、毎日のように俺たちが『ハッピー!』という作品に取り組んでいる理由も、なんだか天上のせいにしたい。そんな気持ちがある。それくらいに、パワーを感じている。
■4月11日■
劇場で打ち合わせをする。舞台監督は雇えないので、生まれて初めて、劇場入りしてからタイムテーブルなどを自ら作成。手書き。1週間で3回もルデコに通う。半分、我が家みたいな気分になってきた。ところが、「たくま」としか呼ばないオーナーは今日の今日まで俺の名字を知らなかったことが判明。契約書類にさえ“たくま”と書き込んであった。「へー、スエハラって言うんだ。」て!
夜はサヒガシさんと稽古。初めて共演した時から、もうとにかく、二人で稽古することが本当に多い。いくらでもできるんじゃないか、俺ら、稽古、と思う。有意義。一晩で、また作品が一回り大きくなったように思う。
稽古といえば。拓馬と、倫平と、たかし、三人とも、ママの名前が、“ケイコ”だ。
■4月10日■
台本を育てる。
我ながら鬼気迫るモチベーションに押し流されているが、時間がない。シーンや台詞を、チャリに乗りながらレコーダーに吹き込み、バスで書き、電車で書き、きわめて少ない在宅時間でタイプする。最初は手書きでないとダメなのだ、というこの性質を直せばいいのだろうか。
姉にも台本を相談することにしている。小さいころ泣き虫だった俺は、よくその涙の理由を姉に解説してもらっていた。「現在、タクはこういう理由で号泣中です」的な。昨日は姉にスパゲッティをご馳走になりながらこう持ちかける。「こういう物語を書いたのだけど、なんでかな?」。カウンセリングじみているのである。
夜の稽古はあまりに素敵だった。拓馬のふがいなさをカバーするべく全員が得意分野や、知識を出し合ってくれる。なんか、プロジェクトだ。プロジェクトな感じがする。オーシャンズみたい!!なんて思っているとニヤついてきてしまう。いいぞ、いい流れ。クリスマス会の輪っかを延々とつくってるようなワクワク感。「すっごい楽しいパーティーにしよ!」と、一生で一度きりのイベントに思いを馳せる。「うふふ、これはきっとお客さん、喜ぶね!」なんて言ってる俺らは、サンタクロースというよりは、靴屋の小人かな。どうかな。
はやく見せたい。まだ完成してないけど。
■4月9日■
台本をより緻密に、緻密に細工すべく、奮闘。
昨日に続き、今日も劇場訪問。
演出についても、あれやこれ。
完全に過剰なほど、劇場ではない空間をどう使うか、試案。
制作ごと、しっちゃかめっちゃか。向いていない、完全に。
テーマ曲、完成。「パパがギターリストなんていいねー」が若干の嫌味のように聞こえててんやわんやした幼少時代を、一億回は払拭するほどに、すばらしいテーマ曲。「タクの作品がよかったからな。」これはうれしい。
宣伝が遅れている。焦る。是非にみなさま、ご協力のほどをよろしくお願いします。
1日が24時間なことに抗議したいが、その時間が無駄だから、あっさり飲み込む。
ゴクリ。ゴクリゴクリ。
『ハッピー!!』を準備していたら、ハッピーになってくるという。
お客様も、ぜひ、ぜひ。

※※あ、そうだ。インフォメーション。ご来場のルールが増えました。
①髪の毛を盛ってこないこと
②白っぽい服を着てくること。

以上2点、よろしくお願いします!
■4月8日■
自宅にてダイレクトメールを書く。心を込めて。すると、父が部屋をノック。今回の楽曲ができたらしい。主宰である末原拓馬の父親は知る人ぞ知るミュージシャン末原康志。おかげで音にはうるさくなった拓馬は、ずっと、自分の作品の音楽を父親に発注している。息子が父親を雇う、というのもなかなかシュールだが。完成した楽曲を聞いて驚愕。昨日、台本を読んでもらってくるく打ち合わせたところだったが、どうやらインスピレーションが舞い降りてきた様子で、独特な世界観が見事に表れていた。しかしまあ、打ち合わせ場所が、近い。台所横の、音楽室だ。徒歩8歩。
そのあとはサヒガシさんとデート。またもやルデコを覗きにいき、そのあと、打ち合わせ。
ルデコでは展示がやっていたのだが、そこの出品者とも仲良くなる。このつながり、続けばいいな。
で、そのあと、衣装さんと打ち合わせ。ひとつ以前から考えていた突拍子もない計画があって、それを詰めていたのだけど、冗談じゃなくて1000倍くらい予算が足りない。あきらめるか?となったが、否!易くでできる方法を探してみたら、ごめん、また、思いついてしまった。これは、まだみんなには言えないのだけど、貧乏が工夫を呼んだ。ゴミよ労力さえ押し招ければ、たいていのことができるのである。うふふ。お楽しみに。


■4月7日■
サヒガシさんが福島から帰ってきた。本当にすごいものを目の当たりにしてきたようだ。
稽古日数を増やした。みんなのスケジュール管理をできるほどクリアーな思考回路ではないし、先に予定を立てるのが苦手なものだから、いつも最初にある程度やっつけで決め(これはもはや役者への提出課題、みたいな気持ち)たら、あとは直談判で、増やしていく。

全員が集合した。今回も劇場空間が過剰に特殊である。なにせ、観客と役者のスペースに隔てがない。みんなで稽古場の椅子やら机やらホワイトボードやらを駆使しながら、イベージしていく。「あ、そこみえねーべ」とか。
あ、そうだ。サヒガシさん、東北ナマリになってた。「だっぺぇ」て語尾の民族は、戦争をしないんじゃないか、したとしても、素手だろうな、と思うくらいに牧歌的で、大好きだった。
。ちなみに上品さを全身にこれでもかとまとったトシモリさんは、なるほどやはりの京都出身。めぐみ、リンペイ、たくまは、東京都民。たくまは区民ではないけれど。

研ぎ澄まして、研ぎ澄まして。
簡単な芝居ではないことに、うすうす勘づき始めている。
楽な芝居をするのは、いまはやっぱり、自分が許せない。
■4月6日■
今日は稽古自体は休みだったので、主宰らしきことや、演出、脚本の手直し、俳優らしきことに勤しんだ。つまり、まったくもって的を絞らぬ感じで、常に焦りと背徳感(あっちの仕事もやらなきゃなのに・・・・的な)にさいなまれながら、ぎりぎりに、浅めの呼吸を成立させる。本番のことを考えると夜も眠れず、かわりに、日中はこれ見よがしに夢見がちだ。
夜は 出演者の倫平さん宅に稽古をしに伺うが、お互いの芝居感を語りあったりした。
今回、チケット料金は愉快に設定してみた。
劇団メールのほうに「ど・・・どういう意味でしょうか・・・」という質
問が多数寄せられているのだけれど、呼んで字のごとく、
“貧乏な人は1500円でいいです。タダにしてやりたいけど、1500円くらいは・・・ま、まぁ、がんばれよ”という気持ちである。貧乏人=心がブレイクしてる、という図式には全面的な賛同はしかねるが、物語を欲している人間が裕福とは限らない。お金は、あるところが、ください。という心情。俺らがコクーンでやるころには、金持ちは20000円、貧乏人は1500円、くらいのシステムになっていれば、いいのに。
あ、でも、予約くださった中にすごいラブリーなお客さんもいて、

「“ちょっとリッチなひと”です、3000円払います。」というのがあった。
昨今の世界情勢や震災を目の当たりにして自分がいかに恵まれているのかを実感したという旨と、そして、
「価値のある物にはそれだけの対価を支払いたい」という、・・・・・あぁもう、ハグしたくなるほどに殊勝な心がけ!
なんてこった。照れるあまりチャカしてしまうけれど、感激のあまり、倫平さんと乾杯してしまったのでした。心して準備をしよう、日に日に、心に誓うのでした。
■4月5日■
本読みの結果を鑑みて、台本への加筆を試みる。自分のあまたのなかには文字に書き出していない情報がたくさんある。世界観、裏話、それぞれのバックボーンであったり、声にならないほどのきょうれうな感情……などなど。どこまで書くか、というのは費用にテクニカルなことで、高尚な計算をしてはみたつもりでも、稽古場でのみんなの感想以上に信頼できるものはない、この場合。昇っている感じが手に取るようだ。なんとか、たくさんのひとにみてもらいたい。
■4月4日■
仲間の一人が実家である福島県に旅立った。佐東諒一。末原拓馬の演劇人生を大きく変えた人間。心配だけれど、、こちらは稽古場で帰りを待つ。ペラペラのヒロイズムに酔いしれることも、「演るのは自由だ!」と開き直ることもしたくはない。つい最近、ものすごいことが起きて、それはいまでも続いている。そして俺らは演劇をやる。短時間に語られつくされた議論に参入する気はない。答えは、言葉にならないところにあるような気がしている。ちなみに、この夜、2週間ばかりの3時間睡眠生活の糸がプツリと切れたらしく、夕方から明朝にかけて12時間あまり意識がなくなる。眠れることのハッピーを知る。さむい。
■4月3日■
稽古初日。震災の影響で稽古場となる施設が相次いで休館、および時間短縮。やむなく借りた本日のスタジオは、ごみを集めて美術をこしらえるような我々おぼんろは足を踏み入れるだけでも卑屈な気持ちになってしまうような、高級スタジオ。なにせ、当初予定していた「期間中の稽古場代の総予算」の約7割を一晩にして消費してしまった形になる。こうなったのも、今回から制作を手伝ってくれるようになった非常に有能なタカシ(芸名:今井夢視)が、何を勘違いしたのかバブリーな金銭感覚を持ち合わせているせいである。ブン殴りたい・・・・徹夜にでようやく台本の第一稿を形にした拓馬は切実にそう感じていた。そして、本日参加する4人の役者のうち3人が稽古開始時刻を1時間早く勘違いするというファインなミステイクプレイを成し遂げ、のっけから、スタジオの受付スペースで、ひたすら時間をつぶす破目に。ちなみにこのとき、めぐみさんからもらったせんべいによって主宰拓馬の奥歯はフィヨルドの氷山よろしく割れる。なぜ。
本読み。まだイメージが伝わっていないのか、肝心の感動ポイントが露見しなかったが、なにせ芸達者しか集めていない。いきなり、けっこうおもしろい。稽古場の元を取るべく、この日すでに立ち稽古に入る。結成会などとしゃれ込む時間も金もないが、礼はつくしたい。主宰のハラキリで、ファミマにて一人一本ずつドリンクを支給、駅前の駐車上に地べたりあんして、乾杯。実は台本の感想が聞きたかったのだ。
いきなり公演間近。しかし、楽しみだ。

■4月3日■
台本、吐き出すように書き上げた。しかし、もう、雑雑だ。
今回しゅつえんしてくださるトシモリさんに連絡をとり、トシモリさんのじもとへ飛ぶ。フレッシュネスなバーガーでココアをすすり、台本会1議。来て観てよかった。改善点がいくつか露見し、気付けば4時間ぶっとおしで話していた。血を分けた戦友のつもりでいたが、じつはトシモリさんとは本日会うのが三回目らしい。感性が合う人間というのは存在するものだ。
その他注意事項 ドリンクサービスあり!

こっちだけ、というのもアレなので、
みなさんも、
虫けらになっていただきます。

衣装をお配りしますので、

①髪を盛ってこないこと
②白っぽい服を着てくること

を、どうぞよろしくお願いします。
スタッフ 演   出   末原拓馬 
楽   曲   末原康志
音   響   志水れいこ
音響操作   山下沙織
衣   装   ミズタ
宣伝美術   末原拓馬 
スチール   三浦麻旅子
映   像   松澤延拓  
演出助手   西川高史
制   作   おぼんろ              
製   作   おぼんろ

[情報提供] 2011/03/31 03:19 by 今井夢視

[最終更新] 2011/05/21 23:16 by 末原拓馬

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