公演情報
「ビューティフルワールド」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
どこがビューティフルワールドなのだろう。描かれているのは現在の負の部分をてんこ盛りにしたような世界だ。元エリート青年の引きこもり、夫のモラハラ、妻の浮気、娘の道ならぬ恋‥。傷ついた心がインナーボイスで示される。舞台はそれぞれが新しく一歩を踏み出す場面で終わり、わずかに希望がしめされる。人生は思い通りにはならないが、それでもこの世界は生きる価値がある、といいたいのだろうか。「覆水盆に返らず」ということわざがあるが、この夫婦は全てをなかったことにできるのか。もっとも「雨降って地固まる」ということわざもあるが‥。どしゃ降りの雨だったなあ。出直すにはこれくらいどしゃ降りの方が全てを洗い流せていいのかもしれない。皮肉を込めたタイトル、心の奥底をえぐる脚本、さすが蓬莱竜太だ。
満足度★★★★★
モダン流人間讃歌。これを観に当日券客が数十名、通路段に案内するため開演5分押させて下さい、との制作からの挨拶。そう言えば千秋楽であったと気づいて。
散々な話であり、「20周年」な要素も特に見られぬが、楽日の終演は温かい拍手に包まれた。
「まつり」的要素はドラマの中に。・・「それ」を選択可能な環境で引き籠りから人を解き放つものは何か、に答えたドラマ。散々な痴態を露見した銚子のある家族と界隈の人々の、こんな顛末は現実には無い訳で(基本はリアルベースの芝居だが確率的には低い訳で)。ラスト近くの主人公の変化からの締めくくり方は一つのファンタジーであり、アニバーサリーに相応しい幕引きに納得しながらその余韻に浸ったような事で。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/14 (金) 19:00
価格3,000円
私が今年観劇した作品のトップ3に入ります。大傑作。
こんなに笑える「破壊と再生」初めてですよ。
ホント俺たちの世界ってクソッタレだよね。
生越さんが前半さっぱり出てこないので「これは後半のキーマンだな」と勝手に予測していたらとんでもないキーマンでした。
すでにチケットは完売していますが、毎日数枚の当日券は出るみたいです。
私も狙いたいと思います。もう1度観たいです。
満足度★★★★
良かった!!
このどうしようもない世界に乾杯!
僕らは、こんな世界に生きているんだということを実感しました。
といっても、この世界は抱きしめたいほど愛おしく思えます。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/08 (土) 15:00
価格3,000円
最高だった。
昨年の3部作再演の時の様に涙が溢れてくる事はなかったけれど、
休憩後の展開はさすが。
重い展開の中に笑いがある所もモダンスイマーズの良さの一つ。
今回は高倉健太に持って行かれた。
席の位置によって役者さんの表情の見え方が変わって来るので、
もう1回ぐらい観たいなって思うけど、土日はチケット残ってないし
当日券で頑張って並ぼうかと考え中。
満足度★★★★★
モダンスイマーズはこれまで一度も「つまらなかった」と思ったことがなく、常に質の高いお芝居をみせてくれるので、今回もそれなりに期待しつつ観劇するも、軽々と期待値を超える面白さと痛々しさ。笑ったりゾッとしたりお芝居の醍醐味をしっかり味あわせて貰った。
家庭や職場でどうしようもなく生まれる「強者と弱者」。強者側の無神経な振る舞いと弱者側の辛さ切なさ。そして弱者の間でもまた「強者と弱者」が生まれる構造に「弱い者たちが夕暮れさらに弱いものをたたく/その音が響き渡ればブルースは加速してゆく」という歌が脳裏に流れる。
その力関係がふとした瞬間に崩れ、強者と弱者が反転する時の驚きと滑稽さに惹かれる。特に2部はその崩れ方が見事で、人間の愚かさと可笑しみに会場全体が笑いに包まれるシーンも。
「周りの人間がいつのまにか強者として振る舞うようになるのは結局自分のせいなのかも…」という疑念と絶望プラス憤怒に強く共感。私も何度それで悩んだことか。こういう感情をこんな風にお芝居で観たのは今回が初めてかもしれない。
劇団結成20周年にふさわしい傑作。このクオリティでチケット代が3千円というのも非常にありがたく、またその努力に頭が下がる。
満足度★★★★
いやあ、良いように踊らされた。作者の上手さには感動したが、私には少々サービス過剰だったかも。
それにしても役者さんは実にリアル。ベタな言い方だけど普段からそういう人なのだと思ってしまう。
満足度★★★★★
妻が胸に秘めていた夫への恨みつらみ、夫の孤独、娘の秘密…平穏そうに見えた家族の地中のマグマが、引きこもりの甥を居候させることから噴き出してくる。家業のカフェの店員たちの個性的な存在感も含めて、素晴らしい舞台だった。
後半、娘のひみつが明らかになるところは、互いの本音がぶつかり合う修羅場なのに、そこが客席の爆笑に次ぐ爆笑をまきおこす。井上ひさしの「日野浦姫物語」の悲惨で爆笑のクライマックスを思い出した。俳優はもちろん、作・演出の蓬莱竜太の底知れない力に脱帽である。
人物造形などにややステレオタイプな感はあるものの
強靭な構成力が光る作品で、どことなく今風なチェーホフっぽい
雰囲気があったり、ONEOR8、ハイバイなどの作風に通じる
ところもあり、この作品のタイトルと観劇内容から、
「アンナ・カレーニナの原則」や「いいは悪いで悪いはいい」
「きれいは汚い、汚いはきれい」のセリフなどを想起した。
人はそれぞれが多かれ少なかれ不器用さ、弱さ、狡賢さ、
攻撃性、嫉妬、偏見、欺瞞、あさましさなどいろいろ
やっかいな面を抱え生きているそれ自体俗物的で
どうしようもない自己矛盾のかたまりかもしれないが、
それらすべてをひっくるめて人に向ける作者の眼差しが
鋭さだけでなく温かさ、優しさ、愛おしさにも溢れていた作品。