ビューティフルワールド 公演情報 モダンスイマーズ「ビューティフルワールド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    モダン流人間讃歌。これを観に当日券客が数十名、通路段に案内するため開演5分押させて下さい、との制作からの挨拶。そう言えば千秋楽であったと気づいて。
    散々な話であり、「20周年」な要素も特に見られぬが、楽日の終演は温かい拍手に包まれた。
    「まつり」的要素はドラマの中に。・・「それ」を選択可能な環境で引き籠りから人を解き放つものは何か、に答えたドラマ。散々な痴態を露見した銚子のある家族と界隈の人々の、こんな顛末は現実には無い訳で(基本はリアルベースの芝居だが確率的には低い訳で)。ラスト近くの主人公の変化からの締めくくり方は一つのファンタジーであり、アニバーサリーに相応しい幕引きに納得しながらその余韻に浸ったような事で。

    ネタバレBOX

    津村氏の最後の台詞、オーラスが聞き取れずそりゃ無いよと思いつつも母音がe、a、iであったので「世界」と類推し(聴覚的にはsekaiとは聴こえなかったが)大急ぎで終幕の感動に漕ぎ着けた。てな事もあったりして。
    醜悪で笑える展開に40を過ぎた主人公は「自分が何も知らず見えてもいなかった」事に愕然とするが、その絶望的な気づきをバネに世話になった叔父夫婦の家を出る決心をする。
    「知らなかった事の気づき」は年齢に関わらず人を前へ押し出すカンフル剤で、40過ぎでも初々しい溌剌さがあり、というよりその感覚を一瞬であれ持った自分に一縷の望みをかけるいじましさがあり、泣ける。
    現代を切り取った優れた劇作。

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    2019/06/23 23:20

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