『逆柱 ―追憶の呪い―』 公演情報 『逆柱 ―追憶の呪い―』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/03/01 (金) 19:30

    逆柱と言うとテレビ版「河童の三平」でのおどろおどろしい話が、子供時代に観た記憶がまざまざと蘇る。
    逆柱に言われる、意味の二重性を冒頭に提示し、この話はこの二重性についての物語なんだということを、明確にしてから展開する脚本には感心。(その意味は、観客がお考え下さいというような投げっぱなしをすると、何でこうした展開になるのか観客が、頭を悩ませることになる)

    とにかく希望をひたすら剥いでいく進行は、鬼の居ぬ間に特有な展開。しかし、政吉としの間には30年間言わなかった秘密があって、それが一縷の望みとして最後に示されるが、最後の最後でまたもや、、、という締め方は、本当にゾクゾクした。

    ネタバレBOX

    でも家督相続の際、長兄と次兄が拾われた子供だということが判るのだが、その時点で次兄は長兄と血がつながっていない可能性は考えなかったのだろうか。4歳も違えば、一緒に拾われたとして、長兄には実の母親がいることは当に判っているはずだろうに。そして血が繋がっていないことが判れば、長兄への忠誠もなくなり、政吉やしのへの対し方にも違いがあったろうに。

    次兄の母親が、出産後に殺されたことを暗示させながら、実は長兄は次兄と血が繋がっていないことを前から知っていたにもかかわらず黙っていたことに、強い憎しみを抱く次兄の屈折した心情。湧き出る殺意。
    でも、他の一族はその後、どのように離散していったのかは、やはり気になるところ。

    「つらかったら、逃げてもいいんだよ」と政吉が、教え子に伝えた言葉、それはしのと政吉2人に返ってくる言葉でもあったのだなあ、と政吉がしのを絞め殺す場で、ふと思った。
  • 満足度★★★★

    #鬼の居ぬ間に 「逆柱 ―追憶の呪い―」 終演後何も喋りたくないし、誰の声も聞きたくない舞台。周りのお客さんも同じだったようで、無言で劇場を出て行くヒト多し。
    それは余韻を味わいたい…否、脱力というか無力感というか絶望感というか…

    親子2代の一時代がアレってことは代々一族どんな呪縛だったのかと…血なのか!? 序盤はリボンつけて可愛いお嬢さんだった奥野さん がどんどん変わって行く姿を観ていると、我々な客席からも色々持って行かれ、ヘロヘロである。

    そうそう、客入れのBGMと照明の暗さが、あの村に誘ってくれ、開演に向けてスモークが立ち込めてくると時代も飛ばされ長の家に引き込まれてしまうのです。
    なるべく早く着席するのをオススメしたい!

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/02/28 (木) 19:30

    価格3,500円

    第二次世界大戦末期、地方の旧家にかつての教え子の訪問を受けた民俗学者は30年前の第一次世界大戦中、ある一族に起きた出来事を語り始め……な物語。
    家督相続に際し一族の「それまで隠されていたこと」が明かされて悶着が起こる、というのは横溝正史作品にもあるモチーフで、その意味で「猟奇性のない横溝正史」と言えるのではないか?そして「純和風悲劇」とも言えよう。

    そんな物語が進んでゆく中、頭の中で膨れ上がってきたのは「(本作における)本当の呪いとは何か?」ということ。
    「呪い」というのはまじないによって他者を不幸にしたりする超自然的なもの以外に、たとえば言葉などで他人を縛ることも含まれるのではないか?因習・制度などによって行動が制限されることも「呪い」なのではないか?などと考えた末に辿り着いたのは……(ネタバレBOXへ)

    また、ラストで「30年の歳月を隔てた二人」の対比を同じ舞台上で見せてさらに「あれ」で終えるのも巧い。

    あと、赤猫座ちこさんがごく控えた役どころで、今まで観てきたものとは異なる面を観ることができたのも収穫。

    なお、語り手の回想部分が物語の本筋で、語り手と聞き手がその回想場面に入って行く(あるいは回想場面をその場で見ている)演出を「千年女優(今敏監督による2001年製作の劇場用アニメ映画)方式」と思ってきたが、もしかすると「千年女優」以前から芝居などであった手法かも。

    しかしこの前夜とこの日の昼にあたたかくて優しい気持ちになれる芝居を観ており、その2本の後のこれって……反動というか、全体のバランスは取れるものなんですね。(笑)

    ネタバレBOX

    「一族の血を絶やしてはならない」というのが一番の呪いかもしれない、そしてあの当時はそういう意味で「呪い」が多々あったのではないか、などと思った。その果てに「本作は実際にあったことをモデルにしているのでは?」とも……(笑)

    死んだと思っていた我が子が生きていたことを知らされるばかりでなく、妻を殺めた後にその我が子が訪ねてきたところで終わるのがまた何とも言えない。
  • 満足度★★★

    鑑賞日2019/03/01 (金) 19:30

     ひたすらダークな芝居だった。本劇団を観るのは3作目だが、いつも時代がはっきりしないで始まる。本作では途中で「第1次世界大戦」というセリフがあり、大正期の出来事を昭和20年くらいから回想しているのだと分かるが、時代は登場人物の言動の必然性を決める上で重要なものだし、何故そんなことするの?、という疑問がいっぱいで観ている芝居というのはややシンドイ。エンディングは希望と絶望がないまぜになる終わり方で、巧いと思った。

  • 満足度★★★★

    雰囲気がよくでていた。恩師を訪ねてきた男の問いとストーリー全体があまり関連しないように感じられたのが少し残念か。

  • 満足度★★★★

    28日ソワレ(1時間55分)初日の舞台を拝見。

    ネタバレBOX

    大正から太平洋戦争にかけて、とある山深い里の地主の家で起こった出来事を語った2時間弱。戦前の地主・小作制の因習に、逆柱の伝承を絡めたストーリー。
    個人的には、しのが当主に指名される前の、政吉が坂田一族に紹介される場面がとても印象深かった。確かに、あの時にみせた一族の素は「善良な人間」。それが、次期当主を巡る諍いを経て、(しのや政吉と自分も同じ目に遭わされたくないという恐怖からとはいえ)まるでオセロの白が黒にひっくり返されるように一変するさまには、後の呪い以上に肝を寒からしめる思いがした。
    初日ゆえ、出演者の演技に多少の硬さは垣間見えたものの、終始、肩にチカラが入ってしまう迫真の舞台!
    見応えのある舞台だった。

    役者陣。
    鶴町憲さんは、(確か、出演されてた?キコ/qui-co.の『ミートソース・グラヴィティ』や)殿様ランチなどでのコミカルな演技が印象に残っていたので、今回の実は孤独な暴君ぶりに刮目させられた。
    赤猫座ちこさんは、何度も舞台を拝見しているはずなのに、メイク・衣装のせいか、全く気が付かず。
    今井由希さんは、着物姿がしっくりし過ぎて、映画『新・極道の妻たち』がリメイクされたら出演依頼が来そう♪
    そして何よりも、色んな役者さんの、自分の知らない一面を観ることが出来た中、林竜三さんが「林竜三」されていたのには、ホッと胸をなでおろす気分にさせてもらった。

    最後に配役を記しておく。

    泉政吉(東京の学者)…広野健至(ひろの・たける)さん
    坂田しの(末娘。実は、子供たちの中、唯一、坂田の血筋を受け継いでいる)…奥野亮子さん
    坂田源一郎(長男)…鶴町憲さん
    坂田睦美(長男の妻)…今井由希さん
    坂田メイ(長男の娘)…早井麻琴さん
    坂田善次(次男)…伊藤俊輔さん
    坂田富子(次男の妻)…吉田多希さん
    坂田景造(坂田家当主)…林竜三さん
    坂田菊子(景造の妻)…間宮知子さん
    坂田しの(悲劇から30年後の、しの)…田中千佳子さん
    坂田政吉(悲劇から30年後の、政吉)…山本佳希さん
    (『渦中の花』の何もしない父親、『Dの再審』での大人になった小林少年、でおなじみの方)
    平賀信平(坂田家分家、医師)…橘潤二さん
    平賀ヨシ(信平の妻)…長沢彩乃さん
    保積セツ(坂田家使用人。しのとは姉妹のように仲が良かったが…)…赤猫座ちこさん
    田村保(泉の教え子。特攻隊だった一人息子が逃亡→処刑された)…宇都宮快斗さん

このページのQRコードです。

拡大