『逆柱 ―追憶の呪い―』 公演情報 鬼の居ぬ間に「『逆柱 ―追憶の呪い―』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    28日ソワレ(1時間55分)初日の舞台を拝見。

    ネタバレBOX

    大正から太平洋戦争にかけて、とある山深い里の地主の家で起こった出来事を語った2時間弱。戦前の地主・小作制の因習に、逆柱の伝承を絡めたストーリー。
    個人的には、しのが当主に指名される前の、政吉が坂田一族に紹介される場面がとても印象深かった。確かに、あの時にみせた一族の素は「善良な人間」。それが、次期当主を巡る諍いを経て、(しのや政吉と自分も同じ目に遭わされたくないという恐怖からとはいえ)まるでオセロの白が黒にひっくり返されるように一変するさまには、後の呪い以上に肝を寒からしめる思いがした。
    初日ゆえ、出演者の演技に多少の硬さは垣間見えたものの、終始、肩にチカラが入ってしまう迫真の舞台!
    見応えのある舞台だった。

    役者陣。
    鶴町憲さんは、(確か、出演されてた?キコ/qui-co.の『ミートソース・グラヴィティ』や)殿様ランチなどでのコミカルな演技が印象に残っていたので、今回の実は孤独な暴君ぶりに刮目させられた。
    赤猫座ちこさんは、何度も舞台を拝見しているはずなのに、メイク・衣装のせいか、全く気が付かず。
    今井由希さんは、着物姿がしっくりし過ぎて、映画『新・極道の妻たち』がリメイクされたら出演依頼が来そう♪
    そして何よりも、色んな役者さんの、自分の知らない一面を観ることが出来た中、林竜三さんが「林竜三」されていたのには、ホッと胸をなでおろす気分にさせてもらった。

    最後に配役を記しておく。

    泉政吉(東京の学者)…広野健至(ひろの・たける)さん
    坂田しの(末娘。実は、子供たちの中、唯一、坂田の血筋を受け継いでいる)…奥野亮子さん
    坂田源一郎(長男)…鶴町憲さん
    坂田睦美(長男の妻)…今井由希さん
    坂田メイ(長男の娘)…早井麻琴さん
    坂田善次(次男)…伊藤俊輔さん
    坂田富子(次男の妻)…吉田多希さん
    坂田景造(坂田家当主)…林竜三さん
    坂田菊子(景造の妻)…間宮知子さん
    坂田しの(悲劇から30年後の、しの)…田中千佳子さん
    坂田政吉(悲劇から30年後の、政吉)…山本佳希さん
    (『渦中の花』の何もしない父親、『Dの再審』での大人になった小林少年、でおなじみの方)
    平賀信平(坂田家分家、医師)…橘潤二さん
    平賀ヨシ(信平の妻)…長沢彩乃さん
    保積セツ(坂田家使用人。しのとは姉妹のように仲が良かったが…)…赤猫座ちこさん
    田村保(泉の教え子。特攻隊だった一人息子が逃亡→処刑された)…宇都宮快斗さん

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    2019/03/01 08:39

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