At sea ~生きることのゆらぎ~ 公演情報 At sea ~生きることのゆらぎ~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/08/31 (金) 14:00

    前回、ルティ・カネル演出のヴィトカッツィ作「母」を観て、感動。今回も期待。

    かなり脚本を解題した舞台を作る人だけれど、今回の舞台を観ても、空間の使い方に抜群のセンスを感じる。大きなものは大きく、広いところは広く、そして収縮させる場合は一塊にしてしまう。だから、驚くような舞台装置がないわけではないけれど(「母」のラストはちょっと驚き)、シンプルでかつダイナミック。それでいて、深淵。人間の想像力をいかようにも開放してくれる自由さがある。

    今回は2部構成の舞台で、1部は恋人同士の話、2部は海を泳ぐ人の話、それを5人の男女で描きあげる。1部はヘブライ語のみ、2部はヘブライ語と英語。字幕なしなのでストーリーは正確には追えないのだけれど、不思議と不自由に感じない。むしろ、字幕を追わないので煩わしきないし、演技と音声(言葉が判らないので)だけで、十分に舞台を楽しめる。

    これもかなり解題されているのだろうなあ、本来はどんな脚本なのだろう。
    1部のラストは、少女の初恋の気持ちを昇華していてとても美しい。

    1時間半ほどの長さ(途中休憩有)でも、1日1公演というのも、潔いなあ。
    (これが普通なのかな)
    こういう舞台に接することができるのが、シアターXの楽しみの1つ。
    アフターミーティングも楽しみです。
    ビールでも飲みながら、といきたいのですが、無理かしら。

  •  イスラエル大使館が推奨している! ケッ 

    ネタバレBOX

     2006年に他界した「イスラエル」の作家イズハルの作品2作の舞台化である。タイトルの「At Sea」のSeaとは、キリストが水上を歩いたとされるガリラヤ湖のことであり、描かれるのは14歳の男女の淡い恋物語。当パンでは、1作目のタイトルが「ガリラヤ湖のほとりにて」と題され、この日は字幕なしヘブライ語での上演であった。
     2本目は溺れる男の話、当パンでのタイトルは「地中海の波間にて」。主役の男を演じたのは女優であった。科白は英語。1作目より2作目の上演の方が観客には受け入れられたようである。日本人でヘブライ語を理解する者は極めて少数ということもあるであろうし、物語の内容もこちらの方がより複雑だったということもあるだろう。それに、英語を理解する日本人ならザラに居るということも大きかろう。
     とはいえ、役者陣の身体の用い方や、役作りをする際のマニピユレイトの手法には、占領の反映が見事に見られる。人間を“物”として観ているのである。原作は読んでいないので分からないが、演出家の大切にしているのは自由ということだそうであるし、2作の演出に際しても役者達の自主性にかなり任せたようなので、却ってイスラエルのシオニストがパレスチナ人に対して行っているジェノサイドをあからさまに反映したのだろう。演劇の切れとしては、中々優れた要素を多く持ち、尖鋭的な表現も多々あってパレスチナの現状を知らぬ者には、その「芸術的」手法の見事さだけが評価されるであろうが、イスラエルの占領下で原住者のパレスチナ人が日々罪も無く虐殺され続け、土地・財産を奪われ続け、逮捕・収監されるのみならず、拷問を受け続け、自由を剥奪され、収奪され続けていることを無視し続けているのであれば、そんな自由は糞喰らえ! である。
     創作した関係者総てが占領と向き合うのでない限り、評価の対象とはし得ないと考える。シオニストによってグロテスクそのものと化したイスラエルという「国家」を己の内面の問題として捉え、戦わないない限り、多少とも実情を知る者の批判は避けられないと知るべきである。

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  1. 先日、ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』を見た。よくわからなかった。観客席に向かって直接語りかける系の芝居の場合、普通に字幕は投影したほうがいいのではないか。

    5年以上前

  2. ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』@シアターχ。両国へイスラエルの芝居を観に行く土曜日。イマジネーションの洪水を浴びて枯渇した演劇人としての感覚をわずかに取り戻す。それにしても客席には若者世代… https://t.co/smtkzqMbFX

    5年以上前

  3. 昨日、シアターΧカイのルティ・カネル演出『At sea~生きることのゆらぎ』で流れた曲が何かの映画音楽に似ていたが題が浮かばなかったのだが、先ほど映画『アントマン&ワスプ』を観ていて急に思い出した。『キル・ビル』で聞いた『密室の恐… https://t.co/K41EFsJO9x

    5年以上前

  4. ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』 演劇における言葉の位置づけ、そして多くの場合「壁」ともなり得る言葉。演劇の可能性について考えさせられた。 シアターΧ主催公演の料金は、なんと1,000円!

    5年以上前

  5. ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』 したがって字幕はなくても大丈夫だという立場だ。台詞があるのに観客には、そのすべては伝わらない(英語わかる人には一部は伝わるが)。しかし役者は強く観客に訴えるのだ。続く

    5年以上前

  6. ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』 演出のルティ・カネルさんは、俳優にテキストの意味を忘れるように(意味に囚われないように)指示しているという。言葉から自由になること、言葉のテクスチャーを大切にすることを演出している。続く

    5年以上前

  7. ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』 第2部『地中海の狭間にて』ヘブライ語+英語で上演、字幕なし。強い感情部分のみヘブライ語になっているようだ。舞台後方で演奏する音楽(音響)がとてもいい。内面的… https://t.co/Vz1If7nqbx

    5年以上前

  8. ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』@シアターΧ イスラエルの劇団。2部構成。第1部『ガラリア海のほとりにて』ヘブライ語で上演、字幕なし。ヘブライ語はまったくわからないので、あらすじを頭に入れ、… https://t.co/nFeeQpCfXG

    5年以上前

  9. ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』。ヘブライ語+英語上演字幕なしといって遠慮する必要はまったくなかった。むしろ役者の表情や動作に集中できるし、なによりも自由な解釈が許される。解釈の解放。境界の… https://t.co/NMw2vypAgW

    5年以上前

  10. 今日は両国のシアターΧカイで、ルティ・カネル シアターグループによる『At sea ~生きることのゆらぎ~』観劇。テルアビブからの来日公演。第1部は「湖を歩く」、第2部が「海を泳ぐ」。原作は現代イスラエルの作家イズハル。しかし、ル… https://t.co/G5GjsNv9jM

    5年以上前

  11. ルティ・カネル シアターグループ『At sea ~生きることのゆらぎ~』(字幕あり)東京・両国 https://t.co/bOREnZzcu5 #ルティ・カネル #生きることのゆらぎ #シアターX #イスラエル

    6年弱前

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