ショートストーリーズvol.8 公演情報 ショートストーリーズvol.8」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★

    CとDを観劇。Dの「あなたが生きていたから」…正直熱演は解るが、重苦しい。個人の好みと言えばそれまでだが、全く息が抜けない雰囲気。ただ訴えて来るのではない舞台に仕上げて欲しい。Cの「サヨナラの踏切」不思議な空間を創っていた。

  • 満足度★★★★

    2年ぶりのT1プロジェクトのショートストーリーズ。1時間ほどに構成された4つの作品を日程によっては1日で楽しめる、T1プロジェクトならではのお芝居。

    今回は4作品のうち2作品が、T1プロジェクトの定番作品であるシーチキン®️サンライズがらみ。「中田ステーションセブン」は正村遼と言う男を作った過去の物語。彼の中で人生というものにどんな価値観を植え付けたのかと言う原体験の話。1場の小劇場で実現できる範疇ではない内容をまとめた一作。演者さんらも実力派揃いで一人一人のキャラクターが粒立っていてよかったです。

    もう一つの「あなたが生きていたから」は、シーチキン®️サンライズのお話の後の物語。
    榊、美奈代、マキオらが中心となって、遼の遺したメッセージを受け取る話。シーチキン並みに涙腺がやられる作品です。マキオ最高です。


    残る2作品のうち一つが「サヨナラの踏切」
    人が命を失った後のお話。人は命を亡くすと忘却線と言う列車に乗り、一駅ごとに何かを忘れて行く。2組の男女がそこで織りなす切なくて、少しだけ甘い物語でした。最後に少しいいよねと思わせてくれた、いいお話です。

    「君はナタデココ」タイトルからはお話が想像できないけど、お芝居を観終わっあとに、「君はナタデココ」と呟くとなんだか暖かい気持ちになれる、そんな物語。人が生まれて一番最初に親からもらうプレゼント、それは名前。親の思いとは裏腹に案外子どもは…。そんな名前をテーマに構成されたお話。登場人物たちが個々に生き生きしていて、観る人みんなにどこか思い当たる事があるエピソード。とっても暖かい作品です。

    今回のショートストーリーズ。「サヨナラの踏切」が中村允俊さん脚本・演出によるファンタジー。「中田ステーションセブン」「あなたが生きていたから」が友澤晃一さん脚本・演出によるシーチキン®️サンライズのスピンオフ。「君はナタデココ」は金丸知美さん脚本・演出のほんのり暖かい、親子、男女の想いが重なり合うお話。

    新鮮な2作品、さすがの2作品。楽しめます。

    9/30まで

  • 満足度★★★★★

     演劇界から社会へ一旦出て、戻ってきただけのことはある。

    ネタバレBOX

    「サヨナラの踏切」T1project short stories vol.8 C 2018.9.20 19~劇小劇場
     今作の作・演出を担当した中村 充俊氏は演劇世界から一旦社会へ出、戻ったということだが、作品を拝見して納得した。瑞々しく柔らかい感性の素晴らしさに引き込まれるようにして作品を楽しむことができたからである。男の持つ極めて繊細な抒情をそのまま取り出して舞台化したようなテイストの作品は衝撃的でさえある。無論、これだけ細やかで繊細な感性は、女性の揺蕩いや揺れる感情も見事に舞台化して見せてくれる。それは殊に洋子役の科白、演技に端的にあらわされ、痛い程切実である。
     今作で表現されるのは、最も残酷なことである。通常最も残酷なことは? と問われて想像するのは何だろうか? 凄まじい拷問や悲痛な別れだろうか? それらは無論、痛ましい。然し更に厳しいのは、忘れ去られることではなかろうか? 居たのに居なかったことにされる、居るのに居ないことにされる。これ程キツイことが他にあろうか? このようなのっぴきならない状況を交通事故で同時に亡くなった友人たちの関わりを描くことで描いてみせた。つまり今作は忘れる、忘れられるを通して究極の存在論を描いているのではなかろうか? それも死後の世界と言うシチュエイションで。洋子と裕人の関わりに関する伏線と種明かしも見事。
  • 満足度★★★★★

     昨夜に続くT1プロジェクトショートストーリーズのD。傑作「サンライズシーチキン」のスピンオフ・アナザーヴァージョンである。

    ネタバレBOX

    「あなたが生きていたから」T1project short stories vol.8 D 2018.9.20 19時~劇小劇場
     サンライズシーチキンのスピンオフ第2弾。昨夜の中田ステーション7は、漫才コンビ、シーチキンの突っ込み、遼を中心に据えたスピンオフであったが、今夜はボケの榊が中心の第2弾だ。全4作の中でこのバージョンの占める位置は、C「サヨナラの踏切」とは逆ベクトルそしてB「中田ステーションセブン」とは表裏の関係になっている。まあ、BとDはそれぞれ「シーチキンサンライズ」のスピンオフ作品だから当然のことではあるものの、CとDのこの関係は、Dが新作だからこのように書かれた、と見るのはうがち過ぎだろうか? 何れにせよこれらの緊密な関係自体が別次元でのドラマトゥルギーを為しているのだ。
     さて、個別論に入ろう。今作「あなたが・・・」に於いて描かれるのはツッコミ遼の陽性・派手に対して、ボケ榊の陰性・地味な性格がこれでもか! と言われるほど強調される。無論、これは後半の展開への溜めとして機能してくる訳だが、その仕掛けが当初から読めても、実際に舞台化されたその爆発力の威力には圧倒される。無論、オープニングにも仕掛けがある。丁度詩が韻を踏むように「シーチキンサンライズ」冒頭と同じシチュエイションが用いられているのだ。強い雨、雷。落雷の光に浮き上がる女の姿。シーチキンを観ている観客には、この呼応も既視感と共に本編を思い出させる鍵になっている。
     先に挙げたCとの関係に於いては、Cが死のあちら側で忘れる、忘れられるという究極の存在論を展開しているのに対して、Dは、あくまで自死未遂後に生きる側に向かって当に全身全霊を賭しての生き様を描いている点で死を座標軸の交点とする逆ベクトルを形成して、作品相互の関係がまたドラマを構成しているのである。この辺りの重層化も実に楽しい。
     
  • 満足度★★★★

     一つ、お詫び。小生のはやとちりから、即興芝居が連日あるように取られた方があるかもしれないが、無い日があるので注意。因みに無い日、19日,20日、24日17時、28日14時、30日12時、16時。念の為、ご自分でも調べて下さいね。

    ネタバレBOX

    「君はナタデココ」
     インターネットが我々の日常を席巻して既に四半世紀を迎えようとしている。尤もそう言い切れるのは、比較的早くからネットに関わって仕事をしてきた人間だけかも知れぬが、平均的な人々でも20年近くこの環境に浸っているであろう。まして今作の作家が生まれた時には既にデジタル社会が始まっていたのであるから、この作家にとって、当に自然な環境がネット社会だったのである。然し物語としては、己の名前についてのコンプレックスとして表面的には展開してゆくので、この広い世界を矮小化していると年配世代からは捉えられそうな、そして否定的に見られそうな側面を持つ。然し乍ら、それは作家が生まれ育った状況そのものなのであり、若者はそれをベースにしなければ次のステップへ行くことができないのも事実だろう。先ずは、不如意であっても己の足場を見極めなければならない。そのことがキチンと自分で理解できている作家である。
    筆者がそう思うのは、作品自体が矢張り現代日本の鏡であり、今現在を日本で生きる若く鋭い感性の体験しつつある現況を集約していると見るからだ。抱える問題が非常に個人的な悩みであり、その悩みが若者の人生の大きな部分を侵食しているかのようであるにも拘わらずそう見るのだ。それは何故か? 現代日本の最も深い社会的病理、苛めの問題が今作の根底に蜷局を巻いて横たわっているからである。この作家の今後の研鑽に期待したい。
  • 満足度★★★★★

     一つ、お詫び。小生のはやとちりから、即興芝居が連日あるように取られた方があるかもしれないが、無い日があるので注意。因みに無い日、19日,20日、24日17時、28日14時、30日12時、16時。念の為、ご自分でも調べて下さいね。

    A「君はナタデココ」19時からの終演後、10分の休憩を挟んで開演した。総ての演目が終わったのは21時半過ぎだと思うが、時計を確認するのを自失するほどの内容だったので正確な時刻は不明、参考まで。

    ネタバレBOX

    「中田ステーションセブン」2018.9.19 19~A1projectB 劇小劇場
     傑作「シーチキンサンライズ」のスピンオフ作品だ。流石に熟練した作家の作品である。元々、友澤氏の作品の科白は深みのあるもの、ハッとさせられ、何時までも記憶の奥深くに息づくものが多いのだが、今作ではそれが更に円熟味を増した感がある。舞台美術も、作品に共通して用いることができるよう配慮されつつ、而もその細部に至るまで実に丁寧、綿密に創られていて感心する。役者の導線についても実に合理的で隙が無い。舞台芸術というのは、今更言うまでもないが、物語の展開する場所を何処に設定するかでその成否が決まるほどに大きな意味を持つのだが、その点T1プロジェクトの作品は、いつ拝見しても極めて優れている。
     さて、本題に入ろう。シーチキンでも、ヘミングウェイに纏わる科白が随所に織り込まれて作品の幅と奥行きを深めていたのだが、今作もそのスピンオフ作品であるからこの手法がさりげなく用いられている。有名な作品の名前だから、観劇中に直ぐ気付くであろうが、この“The Sun Also Rises”が今作のテーマとも、またたくさんの作家、役者ら演劇人を育ててきたA1プロジェクトリーダーとしての友澤氏から若い人々へのエールとしても呼応しつつ重層的に機能する点に、これだけの大所帯を維持してきた氏の度量と人間的深み、優しさを感じると共に、作品を創る楽しさを知る者のみが持ち得るエネルギーを感じる。
     主人公の遼役の演技は無論のこと、セブンの面々、後輩たち各々の演技も、いつも通り、各々のキャラが立って見応えがある。物語の肝も流石と唸らせるものである。初日が明けたばかりなので詳細は明かさないが、一瞬で世界が変わるその手際は見事と言う他ない。

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