ショートストーリーズvol.8 公演情報 T1project「ショートストーリーズvol.8」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     一つ、お詫び。小生のはやとちりから、即興芝居が連日あるように取られた方があるかもしれないが、無い日があるので注意。因みに無い日、19日,20日、24日17時、28日14時、30日12時、16時。念の為、ご自分でも調べて下さいね。

    ネタバレBOX

    「君はナタデココ」
     インターネットが我々の日常を席巻して既に四半世紀を迎えようとしている。尤もそう言い切れるのは、比較的早くからネットに関わって仕事をしてきた人間だけかも知れぬが、平均的な人々でも20年近くこの環境に浸っているであろう。まして今作の作家が生まれた時には既にデジタル社会が始まっていたのであるから、この作家にとって、当に自然な環境がネット社会だったのである。然し物語としては、己の名前についてのコンプレックスとして表面的には展開してゆくので、この広い世界を矮小化していると年配世代からは捉えられそうな、そして否定的に見られそうな側面を持つ。然し乍ら、それは作家が生まれ育った状況そのものなのであり、若者はそれをベースにしなければ次のステップへ行くことができないのも事実だろう。先ずは、不如意であっても己の足場を見極めなければならない。そのことがキチンと自分で理解できている作家である。
    筆者がそう思うのは、作品自体が矢張り現代日本の鏡であり、今現在を日本で生きる若く鋭い感性の体験しつつある現況を集約していると見るからだ。抱える問題が非常に個人的な悩みであり、その悩みが若者の人生の大きな部分を侵食しているかのようであるにも拘わらずそう見るのだ。それは何故か? 現代日本の最も深い社会的病理、苛めの問題が今作の根底に蜷局を巻いて横たわっているからである。この作家の今後の研鑽に期待したい。

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    2018/09/20 11:56

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