過程と家庭。
始まりと終わりが曖昧な物語。劇構成が曖昧なのではなく、人々の行いの始点と終点が混沌に満ちていて理由や結果が明確ではない。過程だけが描かれた物語。確かに日常の中で、初めは曖昧だった理由や結果が後から付いて来る時がある。その状況下での行動の是非は自分でも判断のしようがない。あの煮え切らない気持ちをずっと抱かせられる作品でした。
自分が観た回では隣の席に外国の方がいて、笑うツボが同じだったのが印象的でした。勿論サンプルですから爆笑ではなく苦笑に近いもの。爆笑するにはセンスが関わるでしょうが、苦笑は「人として」の部分が関わるかと。国が違ってもそこは一緒だったみたいですね。
満足度★★★★★
へんなことが起こっている
めっちゃくちゃに面白かった。
どんどん変なことが起こる。
なぜあれについていけるのだろうかと、観劇後にびっくりした。
変なことが次々と。
そして、それが全部本当にそこで起きているので疑う間もなくついていっちゃうと最終的にとんでもないことになる。
すごい。演劇おもしろい。
満足度★★★★
試供では収まらない
舞台美術に呆然。「衛生上細心の注意を払って~」のアナウンスにも刺激された。
シリアスな場面でもペニスバンドによって滑稽になる、それは当人同士は必死でも、他人からすればそれこそ「覗き見たい」蜜の拠りどころなのである。
また、微動だにしない兄の主観・価値観には眼を見張るものがあり、彼だけはこの物語の中で唯一何者にも支配されず、また支配はしながらも自らソレを望むでない、自然の流れでそう行き着いているという体で生きているのが恐ろしくすらある。
崖から落ちたのは、夫の母親と、妻と、両方での捉え方をしても面白いなと思いました。苦しいことも笑いって話せるようになる、という保険屋の言い訳じみた台詞も、人間の醜い部分とささやかな希望とを見出しているかのようでした。
満足度★★★★
はじめて
大学の友達と言ったお芝居!
ハイヒールで行ってしまったおばかはわたしです。
ゴミのような気持ちになりながら、観ました
劇場でたときがすがすがしかった。
教授の方がいらしていて、さっき観たお芝居なのにまとめるのすごくうまいなと思って、やっぱり頭のいい人はすごいんだなと思った。
満足度★★★★
読み応え。
松井周戯曲は『地下室』が初見だった。
その時の衝撃が、今もサンプルに通わせている原動力の一つである。
今回は、初期作品である『通過』ということで大いに期待していた。
結論から言うと、何の不満もなかった。
性不能・介護・ゴミ屋敷・DV・不倫。
現代の社会問題をあからさまにサンプリングしたような人物たち。
物語志向も見えて、実に“読み応え”のある戯曲であった。
実は最近のサンプルにそういったものを感じられずにいた。
サンプリングは巧いのに、それを並べてしまっている状況のような。
そんなことを少し思い、次作に思いを馳せた。
満足度★★★
舞台がすごい
星のホールは過去数回観劇したことがあったのですが、
会場に入って「え??」って立ち止まってしまいました。
これは客席ごとすごい作り込み。
お芝居としては飽きることなく観させていただいたのですが
克明(主人公の旦那)の立場で観るとそれはつらくてつらくて‥
どうすればこの人たちを救ってあげられるのかと胸が痛く、
ときどき挟まれる笑いもさらに中傷されている感じでした。
映画「誰も知らない」で、次第にすさんでゆく生活環境を
胸を痛めながら観ているという、あんな感覚に似た感じ。
古館さんにはもっといい人柄の役をつけて欲しい。
「伝記」の時から観れば観るだけ嫌いになりそうですw