通過 公演情報 サンプル「通過」の観てきた!クチコミとコメント

  • 過程と家庭。
    始まりと終わりが曖昧な物語。劇構成が曖昧なのではなく、人々の行いの始点と終点が混沌に満ちていて理由や結果が明確ではない。過程だけが描かれた物語。確かに日常の中で、初めは曖昧だった理由や結果が後から付いて来る時がある。その状況下での行動の是非は自分でも判断のしようがない。あの煮え切らない気持ちをずっと抱かせられる作品でした。
    自分が観た回では隣の席に外国の方がいて、笑うツボが同じだったのが印象的でした。勿論サンプルですから爆笑ではなく苦笑に近いもの。爆笑するにはセンスが関わるでしょうが、苦笑は「人として」の部分が関わるかと。国が違ってもそこは一緒だったみたいですね。

    ネタバレBOX

    状況が以降していく事、誰かに覗き見られているという事。それらが「通過」を指していたのかな。常に役者の誰かが出入り口付近で舞台を俯瞰していたのが後者をより強く思わせました。
    久夫が雄一に尻を叩かせるのを見て、「SMにKYが参加するとこんなに滑稽なるのか」とか。でも久夫はKYと言うよりは傲慢だったか。空気は読める上で無視してた感じがしたし。
    ハッとした台詞は『あと戻り出来ないって時』と『好きにすればいいよ』。前者は洋子が返した通り、まだ戻れるつもりなんだなと。後者は信頼して自由を与える様でいて、実は束縛する所有欲がなく無関心という事でもあるのかと。別の場面で洋子が往年の常套句である『私は物じゃない』とも言ってるけど、少しくらいは所有されたいよね。

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    2009/05/26 13:04

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