Silent Majority 公演情報 Silent Majority」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    人生の”羅針盤”はどこを向いているのか。目標、夢に向かっていく経路は人様々、その道筋をたどる羅針盤は自分自身の選択と決断に委ねられている。自分の人生だから当たり前かもしれないが、時に悩み苦しむことがある。それをいくつかのシチュエーションで描き、全体を優しく包んだような公演。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    本公演は「羅針盤」(2015年)の再演。セットも同じような作りで、後景に鉄道の陸橋、客席寄は事務所(探偵事務所または取立屋)内で事務机・椅子が置かれている。上手側が事務所出入り口、下手側はゲイバーの休憩室といった設定である。

    探偵事務所にはインコ探し、アイドル(または女優)の悩み相談など千差万別な依頼事が舞い込む。さらにゲイバーの4人の生き難い世の中や心の葛藤、数千万円をかけて整形手術したゲイバーママの割り切った人生訓、ハリウッド俳優を目指す若者の不安定な精神状態、取立屋の更生姿などが、オムニバスのように描かれているようだ。表層的には先に記したシーンを交錯させて1つの物語として構成している。観せ方はある程度悩み事などの小話が完結し、次の話に繋がる展開である。テンポよく感じるのは映画のカット割のようにシーンごとのメリハリが利いているからだろう。

    人生の究極…「生」と「死」の狭間にあるのが悩み苦しみ等であり、何かを選択することだろう。そのキッカケの手助けになっているのが探偵事務所(イメージは悩み相談なども行う何でも屋)での独白・激白。後景(陸橋上=自殺)が「死」、前景(事務所内=快活)が「生」といった描き方で、それら全体に見える全景が人生の選択といった構成で巧い。

    底流にある筋は、元刑事が悪徳刑事の後輩を裏切り刑事事件にして服役させたこと。そのため刑事を辞め探偵事務所を開設、そして出所した元刑事の復讐が…。彼ら自身もそれぞれの立場で生き方を選択している。この元刑事同士の演技が緩い笑いとビターな味わいと深みが感じられ良かった。他の役者も登場人物をデフォルメして演じているが、その心内は十分伝わる熱演であった。
    卑小なことかもしれないが、「人生はやり直せる」「人生から逃げない」などの台詞は、あえて言わなくても劇中に溶け込んでおり、十分伝わるのではないか。劇として骨太感を観せるためかもしれないが、逆に教訓臭のようなものが出てきてしまうのが残念であった。

    ラスト、陸橋の上から主宰の村手龍太氏が、この物語には主人公がいないと言う。劇中の人物一人ひとりの選択を描くと同時に、観客に向かって貴方の人生、どう生きるかの選択は貴方自身で という投げ掛けが…。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    パワー溢れる舞台で、とても観応えありました。登場人物の様々なエピソードが面白かったです。役者さん達は、不安や挫折を抱えながらも一生懸命生きる姿を熱演していました。自分も頑張ろう!と思えるような、前向きになれる舞台でした。熱い舞台でした!

  • 満足度★★★★

    羅針盤はどこを向いているのでしょうか。

    ネタバレBOX

    メッセージがしっかりとしているのに、シリアスな感じがないんですよね。そこが、とても観ていて心地よいのです。羅針盤がどこを向いているのか、その時々で私たちの人生はどう舵を切るのか、考えてみれば、考えてみれば切実なる問題ですよね。そんなことを笑いも交えながら気づかせてくれ、考えるきっかけをもらいました。
  • 満足度★★★★★

    説明を読んだときには、もっと重々しく考えさせられる作品なのかと思っていましたが、明るく前向きな人が多くて明るい作品でした。過去に囚われている人や、現状に満足していない人が、若い世代や信念を持つ人と出会うことで、影響を受けあって前を向いていく、これから出会う人も、今関わる人も大切にしていきたいという気持ちです。劇もベテランの役者さんが笑いを引っ張っていっている、良い意味で力の抜けた自然な芝居に惹かれました。

  • 満足度★★★★

    エネルギーに溢れた熱演に圧倒されました。
    とにかく、パワフルな舞台でした。

    ネタバレBOX

    さまざまな人生ドラマが繰り広げられ、それぞれの悩み、恨み、挫折等の絶望の淵から立ち直る、生きる力を与えてくれる物語でした。
     ただ、そこに係わる元刑事が立ち上げた事務所の存在感が少し薄かったのが残念。
    すべて、事務所の活躍を中心とした展開にすることで、全体のストーリーがまとまり、クライマックスがより強いインパクトをもたらしたのでは、と思いました。
    もし、このようなスタイルに拘るならかなりのブラッシュアップが必要、と感じました。
  • 満足度★★★★

     今作に主人公は居ない。このことが一般的にドラマツルギーを旨とする演劇的カタルシス構成の難易度を上げている。

    ネタバレBOX

     どういうことかというと、描かれているのはあくまでサイレントマジョリティーだ、ということだ。これは、葛藤を通じて何らかのメッセージを伝える演劇としては、かなりの冒険である。こういった事情が齎す結果見えてくるのが、男女の存在様式の差異であろう。生物としては、女性がプロトタイプである。従って存在様式は、その生物学的基礎によって女性の方が、男性よりより深いと言わねばならぬ。つまり男は女性と比較した場合、非在に近いのである。このことが理由で男は縛られることを嫌い、自由やロマンを求めるのだ。そしてそれらは、未来へ向けての自己投棄によってのみ可能である。即ち男の存在とは、常に今非ざるもの・ことへの可能性追求である。
     だが、演劇は板の上で実際の人間が演じるのが普通であるから、物語として、主人公を置かぬ作りでは、滲み出る存在感が、観客に訴えてくるものの割合が高まる。こうなると、女優の方に分があるのではないだろうか?
     今作にはLGBTの人々も出てくるが、バーのママは、役の上ではン千万も掛けて自らの肉体を改造した人であるし、そのことの凄みは、パフォーマンスを披露する際の指使いなどに端的に見て取れる。
     一方、もぐらに嵌められて懲役を喰らった悪徳デカを支える外国人女性役の演技は、女性の存在感とその本質を表して見事であった。何より主人公の居ない今作にあって、存在の在り様と存在によって未来を孕む女性の深く狭い愛を表した演技が自然で得心のゆくものであった点がグー。
     主人公が居ない今作であるから、或る意味、宿命がその中心課題になるのは必然である。何度も出てくる自殺への道程、また恋に絡んだ刃傷沙汰、憧憬から一夜限りのアバンチュールまで、そしてLGBTとの・・・等々、この世に存在する愛のカタチが、それとなく織り込まれ擽りを入れてくれる。自殺へ至る場面は、陸橋下を走る列車が観客側に向かって灯される2つのライトによって単純明快に示される。無論、音響効果で臨場感が醸し出される。舞台中ほどから奥へ張り巡らされた鯨幕にも出吐けが設えられ、他にも上手、下手に1か所ずつ設けられた出吐けと共に合理的に使われている舞台美術もグー。
     更に完成度を高めるというか、実験的に創り上げてゆくのであれば、演出がシュールになって構わない気はする。即ち宿命を主人公と見做し、宿命に翻弄される人間を描く喜劇として舞台化するやり方だ。毀誉褒貶相半ばするリスクは容易に想像がつくが、成功すれば話題性・注目度はかなり増すように思う。

  • 満足度★★★★

    1時間45分とても面白かったです。小さな劇場の良さを堪能できました。個性的なキャラの役者さんも多く熱演でした。どんなどん底に落ちても人生何時でもやり直せるのだと勇気をもらいました。元気になって又いい芝居に巡り合いたいと思いました。

  • 満足度★★★★

    もし現在、問題を抱えて行き詰っている人には、きっと何らかの指針になってくれるのではないかと思えるエンターテインメント作品。
    予定調和に収まらないエネルギッシュな展開に終始圧倒されながらも観終わった後には、登場人物に比べ全然平穏で甘ちゃんな私にも、どこか視界が開けてくる様なスッキリ感をもたらしてくれました。

    既に見た目だけで人生ドラマを感じさせる趣ある役者さんと、若さ溢れる役者さんが混在していて実にバラエティーに富んだ座組でした。

    ネタバレBOX

    場所は歌舞伎町なのでしょうか。
    ギリギリを歩む人生サンプルの数々。
    それこそ生きるの死ぬのの連続ですが、それぞれに人を恨んだり愛したりを通して、それでも生きていく姿は、ほろ苦い人間賛歌として沁みてきます。
    本作の意図する問いかけは自身を見つめ直すよい機会となりましたが、同時にこの問いかけを日大アメフト部の幹部陣にぶつけてみたい気持ちもよぎりました。

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