ハート 公演情報 ハート」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★

    静かなハート。
    考え方。
    哲学。
    確かにそうだなと、頷かせるメッセージを受け取った。

    演出が静かで、本当に淡々としているので、
    好みかどうかは分かれそう。
    自分は、かなり集中するように 自分で神経を使って、見た。
    静かな芝居は苦手。
    きっとこのお芝居も苦手分野で、見終わった後、すごくすごく疲れた。。
    でも、最後まで喰いついていこうとしている自分がいた。
    テーマを、真面目に考えていたお芝居だからだろうな、と思った。

    ネタバレBOX

    「自由時間は、自由だけど自由じゃないんだよ」というような台詞が本当に耳に残った。
    心にも残った。
    見ていて酷く、ギクリとした。
    自分にも、きっとこんなことがあった・・・。
    そう思ったことは、かなりの収穫になった気がする。
  • 静かな痛み。
    人とのつながり、考えさせられます。日常、そういうことあるよね!と思っていても、なかなか台本にするのは難しいと思いますが、それが丁寧に描かれていました。日常にある静かな痛みを感じました。普通のお芝居というより、実験的な映像を見せられているような感覚。お客さんに対して、「楽しませる」のではなく、「感じてもらう」ことを目的としているのかな?興味深かったです。

  • 繊細なココロ
    淡々としているが、演りたいコトは伝わって来る、繊細な口語劇。
    意図的にシンプルな演出が、集中して観ないと、退屈ですらある。
    女優さん2名が印象に残る。

  • 満足度★★★★★

    繊細で傷つきやすい
    静かに始まりそのまま静かに展開してゆく舞台。
    でも、とても繊細で傷つきやすくて、暖かくて。
    「他人を理解する」「他人とつながる」ことがテーマのお話だけど、実際は理解できず、理解されず、ちょっとしたズレが原因でお互いを傷つけていってしまう。「つながりたくない他人」とも実はつながっていたりする。
    子供から主婦、生徒・保護者と学校、息子と父親。様々な人間の「関係性」を丁寧に丁寧に描いた、残酷なんだけど暖かい舞台でした。

    大澤夏美さんという女優さんは見る人をひきつける魅力があります。
    前半は彼女がひっぱり、後半はもう一人の女優き北川麗さんがひっぱりますが、こちらもとても魅力的。
    どの俳優さんも魅力的で、その俳優の魅力がこの作品に人をひきつける魅力になっていると思います。

    前回公演で始めてみて素晴らしいと思ったけど、今回を見て劇団の魅力を確信しました。
    多くの人に見てもらいたい公演です。

    ネタバレBOX

    役者さんは固定の役を演じる事はなくて、皆さん次々と役を入れ替えていきます。
    小道具を使って、「小道具=役」という感じで切り替えてゆくので、見ていて分かりやすいけど、この間の4×1hの「ひとさまにみせるもんじゃない」の「ポーズ=役」を思い出してしまった。最近流行りなのかな?
    でも、こちらは力技ではなく演技が繊細なので、単に小道具の入替えだけではなく、はっきりと役も入替わっている事が分かります。
    お姉ちゃんを演じた後弟を演じて、その後はお母さんと同じ役者が続けて演じても、多分小道具の切替なしでも分かるくらいにしっかり演じ分けてます。

    繊細だけど笑ってしまうシーンも多くて、見ていて飽きるところがありませんでした。細かい人間関係の機微が丁寧に描かれていて、その関係の在り方、崩れて行き方から目が離せませんでした。

    無邪気な子供を笑顔で演じつつ相手を傷つけたり傷つけられたり、主婦同士の小さな仲間社会での陰口など、とにかく丁寧に表現されてます。

    ステージが白で統一されていて、役者さんが黒の衣装で統一されていたけど、「黒」というのは死を意識させる色なので、もしそういった意味がなく、単に舞台上のコントラストで色を選んでいるなら、黒はやめた方が良いような気がします・・・。繊細な舞台だからこそ、そう言った事まで考えてしまいます。

    あと、役者さんは総じて良かったのだけど、その分赤星さんという方だけはどうも表情が硬いのが目立ってしまった。。。

    舞台セットも、派手ではないけど暖かい照明もとても良かったです。
  • 200810121400
    200810121400@王子小劇場

  • 満足度★★★★

    人は笑いながらひどいことも言えるんだ
    舞台と登場人物から装飾を一切削除し、話し言葉だけで展開してゆく、ある意味で高度だ。へらへらと、またにこにこ微笑みながら人は随分嫌なことやひどいことをわかりながら、又わからない振りをしながら言う生き物だと表現していて納得させられた。以前アゴラ劇場で観た「あゆみ」に似ていた。

    ネタバレBOX

    前回のちかくてとおいの「くねくね」がやっぱりあるのはこの劇団の特徴?かな。
  • 満足度★★★★

    説明文とは違う
    芝居の内容は説明文とは微妙に違う。
    たぶん、この説明では、損をしている。だって、良く解らないからだ。

    良く解らないまま、観に来た。結果、来て良かった!(^0^)

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    7人の役者が、それぞれの立場に立ってその人になりきって演ずる。

    アダム・スミスの「他者の人格になりきる、人と人とはシンパシーで繋がる。つまり、共感で繋がる。だから、他人の体に入って、ある程度その人の人格になれる。」

    これを軸にある家庭の関わり合いや学校での友人の立ち居地関係、人間関係を表現した芝居。

    ハートという題はまんま、心なのだ。

    ある家族は「頑張る」事をモットーに子供に「努力しろ。」と言い続けてきた。結果、その子供が大人になっても年老いて入院している親に対して同じように「頑張れ!」と冷淡に励ます。そうして、自分の子供にも「頑張れ!」と言い続けて、その子供は壊れる。

    もう一方の家族は暖かく優しい家族らしい。小学生のたかしは教室で鼻歌をしたり、おしゃべりをしたり、他の子供たちと同じように出来ない。見かねた教師が口チャックを約束させた事によって、同級生との人間関係が崩れ、たかし自身も話せなくなり、性格も変わってしまう。

    学校での田中かおりらの友人の微妙な関係、はたまた、地域に住んでる奥様たちとの付き合いの難しさ、本屋の主人やそれらに関わる人達。

    ちょっとした事がきっかけとなり、お互いを傷つけ追い詰め仲間外れになったり、外されたり・・。

    この世に人が居る限り、問題は起こる。

    たぶん、この物語は

    「みんな、少しずつ人に優しくなろうよ、相手の立場に立って。」

    このメッセージを含んでいるのだと思う。


    全体的に優しい物語です。残酷そうだけれど、そうじゃない。最初、コメディかな?と感じたほど笑う場面も沢山あります。
    物語には最初から引き込まれ、時間を感じない。

    案外、淡々と進む展開だが、見終わった後はほんわか温かくなります。

    そんな舞台。

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