先にぃ 公演情報 先にぃ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    映画「ワーキング・ガール」(1988年)を思い出す。一人の少女が夢見た光景は、都鄙の違いほどに自身が変化していく。その姿は成長といえるものなのか、大いに考えさせられる。内容はシュールであるが、その見せ方はポップコメディという表現が相応しいようで観応えがあった。
    劇団の紹介文...人間や社会に対するアイロニーにあふれた寓話的作風が特徴。軽妙洒脱な台詞回しを軽快なテンポでハイテンションに疾走するエンターテイメントの演劇集団だという。まさに真骨頂。 【1番線チーム】
    (上演時間2時間5分)

    ネタバレBOX

    舞台は挟み客席、その間に線路をイメージさせる白線がある。左右に車内灯をイメージさせる電燈。時代は昭和の戦前期(台詞に戦争が終わった)であろうか。しかし衣装は必ずしも時代を反映していない。設定ギャップがあるかもしれないが、それを凌駕するほどのテーマが透けて見える。

    梗概...一人の少女が都会での暮らしに憧れ就職する。慣れない営業活動、社長や先輩から小言を言われ落ち込む。それでも必死に仕事に取り組む。ある日、社長の指示で接待を命じられ、その変態・エロ行為以降、少しずつ好転していく。社長を追い落とし、自分が社長に就任する。前社長が行っていたダークなことを自分でも行うようになる。立場が人をつくる、その典型的な展開である。いつしか自分も崩壊するような...。

    現在(都市)と過去(田舎)を往還するような場面転換、と言っても主人公A子(小川菜摘サン)が眼鏡をかけ、俚言になることで識別させる。”朱に交われば赤くなる”のか、都会暮らしの環境や立場の違いで性格も変わってくる怖ろしさ。
    一方、田舎での暮らしは大らかな様子。鳥、牛という家畜が擬人化され登場し、少女の心の友、癒しになっていた。しかし人が生きるための食材になる視点も忘れない。

    労働という行為を視点に、人の醜悪と純真という二面性、苦悩と解放という両局面を、都会・田舎という時間と場所の違いを交錯させ重層的に観(魅)せた秀作。
    役者は主人公A子を演じた小川サンの熱演と、人生案内人・道化師の役割を果たす車掌・松澤太陽サンの沈着演技が対照的。車掌の白塗り顔、その無表情さがこの世のものとは思えないような...。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    農家から出てきた女性が都会でもがきながら
    這い上がる姿を描いた作品で面白く観させて
    いただきました。
    局面、局面はありえるのかしらと観ましたが、
    あくまでもお芝居だからとはいいながら、
    何か現実とはあまりにもかけはなれている
    感じがしてなりませんでした。

  • 満足度★★★★

    フライヤーが暗示するがごとく、ストーリーはしっかりしていながらも、どこか奇妙。
    その奇妙さが観終わった後、時間が経つほどにじわじわと沁み込んできます。
    あくまでも個人的解釈ですが、本作は都会に強く強く憧れる農家の女の子が見た壮大なる夢の世界だったのではないだろうか。

    私がまだ地方で生活し東京に憧れを抱いていた頃、東京のイメージの雛型はTVドラマ「もう誰も愛さない」だった。
    若い人はおそらく知らない昔のドラマだが、都会の人工的な輝き、お色気と同時に生き馬の目を抜く壮絶な大人達の打算・裏切り・復讐を描いたサスペンスドラマで、幼い思考回路の私には「東京」はお金を稼げば夢のようなオシャレな生活を送れ、その一方怖い大人がいっぱいで調子にのると直ぐに罠にはめられる油断できない所、そんなイメージが出来上がっていた。
    もし私が上京する機会に恵まれず悶々と東京への想いと野心を募らせたまま事故等で深い眠りに落ちてしまったとしたら、
    そこで見る夢はまさに本作の世界そのものではないかと思えるのです。

    夢先案内人は怪しげな車掌さん。
    辿り着いた都会の雑踏、混沌、怖い大人、ブラック企業、さらに一歩踏み込んだ先にはアブノーマルなエロの世界。
    それでもその波にガムシャラに乗ろうとする女の子。
    成功への階段を必死に登るその先に・・・
    野心を持った女の子のイメージで形成された夢の中の世界として解釈すると、本作のあらゆる事に合点がいき、作品を美味しく咀嚼できるのでした。

    ネタバレBOX

    強力なキャラクターの登場人物が多く、どの役も世界観を説得させる演技力がなければ台無しになってしまう作品。
    その中でもダサい田舎者からキレキレの女社長に変貌を遂げた女の子の活躍ぶりがスゴい。
    主役かつシングルキャストで莫大な台詞量にも関わらず、絶妙な演技でパワフル、そして声はツヤっツヤ。
    奇々怪々な都会の波を生き生きと泳ぎ、そして溺れていました。
  • 満足度★★★★

    いかにも大阪!

    ネタバレBOX

     物語は、新自由主義の尖兵のような企業で起こる本社幹部と地方支社との諸関係と他企業乗っ取りや買収の影で行われている闇の取引、社員間の熾烈な競争、会社幹部対労働者の対立抗争とスパイ等が絡む争闘についてであるが、これらの関係の裏に男女の肉体関係や性的変態趣味を絡ませている所に大阪の劇団らしさが在りそうだ。
     舞台を中央に設え、舞台を挟むサンドイッチ型に客席が配置されている。舞台中央には線路が描かれ、基本的にはフラット。必要に応じて椅子が用いられる。途中、労働歌として川上 音二郎らの「おっぺけけ節」が歌われるのが面白い。この場面、どういう訳か無声映画の傑作「メトロポリス」の反乱場面を思い起こさせた。自由民権運動に連座した壮士たちが、川上らのムーブメントの源流だから当然と言えば当然だが、治安維持法より性質の悪い共謀罪施行前夜にこの歌は小気味よい。何れにせよ、企業というものが人間を消耗品として扱い、その中で壊され、羅針盤を欠いた航海者のように都会というコンクリートジャングルを彷徨い歩く、パースペクティブを欠いた民衆の姿が、滑稽にアイロニカルに描かれていてグー。鉄道自殺が何度も出てくるが、飛び散った人体の形容が生々しい。
  • 満足度★★★★

    いやはやなんともヘヴィーな成り上がり女性の栄枯盛衰一代記。ゲップが出るくらい参っちゃいました。

  • 満足度★★★

    舞台セットは中央で客席は二つに分けてあるサンドイッチ構造なつくり
    某タクシー内移動中政治家さんのような
    ハイテンションな台詞の応酬がメインの125分の作品

    ネタバレBOX

    話は労働階級の女の子が
    愚図でドジで鈍間な亀・・・ながらも
    権謀謀略によって意地悪な女社長などを退け
    その地位を奪ったりして入り込んだ会社の頂点に立つも
    結局自らも同じように陥れた人と同様の末路を辿る話

    舞台中央に白線で描かれた線路があり
    劇場の出入り口を左右に使って
    客席を相対させたユニークな配置の舞台セットは
    近さも感じるが
    何というか独特の距離感あるなぁと
    面白さを感じたですよ

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