公演情報
「大帝の葬送」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
鑑賞日2017/07/02 (日) 13:00
キッチリ作り上げた歴史モノ会議劇。十七戦地の柳井祥緒のテキストが良かったのは勿論だが、俳優陣がお見事でした。いくつか迷った末にコレ選んで正解。会議劇ならではのワチャワチャ感が在りつつ、それぞれの思いも確りと。
満足度★★★★★
会議劇であった。
いや、正確にはなんと呼ぶのかわからない。そういえば、先に引用した公式サイトの紹介文には「論争劇」と書かれている。要は、『十二人の怒れる男』や『ナイゲン』のような、ある議論や論争を物語の中心に置いた芝居の系譜に属するものなのだ、と終盤になってから気がついた。
昭和63年の秋から平成元年の早春にかけて、昭和天皇の崩御と現在の天皇陛下の即位にまつわる人々の葛藤を描く。
舞台中に散らばったたくさんの紙片と2つのテーブル、そしていくつかの椅子。部屋の片隅に置かれたテレビ。
三方を客席に囲まれた空間は、宮内庁の一室となって、そこに出入りする人々のやり取りがそのまま物語となる。
固有名詞や正式な役職名などをほとんど廃し、「事務の人」や「奥の方」などその人の属性を表すわかりやすい役名で呼び合う。
ある意味歴史の大きな転換期であるけれど、遠い昔というわけではなく現在と地続きと言ってもいい時代である。
劇中で使われる電話を見て(いくら宮内庁でも、オフィスではもう黒電話でなくビジネスフォンを使っていたのじゃないかしら?)などと思ったりしたのは、当時自分もすでに勤め人だったからだ。
葬送の様子をテレビで観て記憶している方も多いだろう。
しかも、形は違えど近くまた元号が変わる予定だったりもする。
そういう意味も含めて面白い題材であった。
だがそれ以上に、それぞれの役割で呼ばれる登場人物たちが、それぞれ輪郭のはっきりしたキャラクターと、シンパシーを感じさせる人間味を持って描かれていたことが印象的であった。
対立したり相手に苛立ったりもしながら、伝統も法律もないがしろにせず、そして何より人の心に沿うかたちで時代の転換となる式典を執り行うために妥協できる点を求め、解決法や抜け道を捜し、とことんまで話し合う。
その様子が、どんなエンターテイメントより面白くて、あまりにもありふれた言い方だが、人間がいる、と思った。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/30 (金) 14:00
価格3,500円
柳井戯曲の魅力と役者陣の個性の相乗効果で2時間余を一気に見せる(魅せる?)。世代的に当時の記憶がしっかり残っていることや「事実を元にしたフィクション」ということでどこまで本当か推測する面白さがあることも良かった♪
「そういう立場の方々」にとってはさぞや緊迫した報せだったろうな、というところから始めてグッと観客を引き込み、それでいて程よく笑いも挟み、緩急のリズムで進めるのがやはり上手い。で、終盤のある台詞が辛辣な皮肉に感じられてしまう「平成の世」を考えさせるというシカケ。
なお、ある人物の言動・立場に「ナイゲン」の「監査」を連想したのはσ(^-^)だけではあるまい。(笑)
しかし考えてみると平成ももう30年近いワケで、昭和が平成に変わった頃を覚えているのは三十代半ば以上ということにビックリ。
満足度★★★★★
「昭和が終わる日」の準備。普通の人でもなく神でもない “象徴” のおくり方。前例なき伝統に翻弄される人々のぶつかり合い。終始熱いがどこか滑稽で、濃さの中に何とも言えない虚しさが付きまとう焦燥の論争劇。面白かったです。
満足度★★★★
柳井祥緒作品・最近の観劇はgallery&spaceしあんでの「タイムリーパー光源氏」。エンタメ性高く、お得感あり。
今回のは、「眠る羊」(十七戦地)、「幻書奇譚」に似た議論劇であり、野木萌葱ばりの「歴史事件物」、宮様の御付きも登場するから劇チョコ「治天の君」もよぎるが、対立を経て目的を一にする感動物語(プロジェクトX即ち肯定史観)に着地する意味で劇チョコとは一線を画する。
時折はさまれる笑いは、史実という後ろ盾をもつゆえの自信の表れに見える。寄らば大樹の陰ならぬ、寄らば歴史事件。寄り添って樹液を受益する芝居。
その関係性の中での笑いは、稲田防衛相の「笑み」に似て気味が悪い。自衛隊という後ろ盾があるつもりの、自信が、よく見ると表現されている。
こういう感じ取り方はやはり歴史への「認識」から来るのであって、いかんともできない。事実を知り深めることを、若き作家たちに望む。
(完全に年寄りの繰言だ。)
満足度★★★★★
鑑賞日2017/07/02 (日)
座席1階1列
ロデオ★座★ヘヴン『大帝の葬送』花まる学習会王子小劇場
タイトルに一目ぼれして急遽観に行ったのですが大当たりでした。面白すぎる。
最後まで息つく間もないような緊迫感あふれる展開。痺れました。
法律の方の刺すような鋭い視線がすごく印象に残りました。
さすがゲバ棒の魔術師(笑)
コの字型の三面客席。
私は右手側に座ったのですが、無難に正面が一番観やすかったかも。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/07/02 (日) 13:00
十七戦地の柳井祥緒さん脚本・演出でこのテーマなら、
繊細さと大胆な構成を両立させるに違いないと信じていたが、まさに期待以上だった。
大帝の葬送の実行に至る裏方の160日間を、会議室という限られた空間で描く。
柳井さん得意の設定で、史実をなぞるだけでない厚みのある人間ドラマになっている。
こんな重いテーマなのに、時々くすりと笑わせるのは台詞と役者の力。