位置について 公演情報 位置について」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-16件 / 16件中
  • 満足度★★★★

    全役者さん、欠かせない作品。
    舞台演出の良さが光ってると思いました。保育の話と、うがって観ていたら、全然違ってました。無駄なセリフや、説明セリフが、無理なく、飛びかって面白さをかもしだしていました。

    超シリアスなシーンに疲れた後に、照れるような人間ドラマという展開で、満足感が最高潮になって終演。文句なし、拍手喝采でした!

  • 満足度★★★★★

    時間を忘れて
    とても安心して見ていられるお芝居でした。題材、演出、魅力的な役者さんに時間を忘れて見ました。僕のお気に入りは、一番年長者の「結婚したい、腹減った」と念仏みたいに独り言を言ってだらけているときです。
    面白くて、思わず台本も買ってしまいました。あ~あ、面白かった。

  • 満足度★★★★★

    それぞれの正しい選択
    大変好きな劇団さんの長編第2弾でしたが、期待以上の舞台でした。保育士の現状を浮き彫りにしており、まさに様々な問題ばかりの舞台でした。
    仕事上や人間関係の問題に対する言葉が端々に突き刺さり、最後の選択もどれが正しいかとは簡単に言えないと思える内容でした。誰もが自分の考え方を持っていて、それぞれに共感出来ました。10人いれば10通りの正義があると言いますので。

    見事な脚本で惹き込まれましたが、役者さんの演技も大変素晴らしかったです。どの役柄も所作含めて浸透しており、「ああこういう人いるなぁ」という感じに思えました。保育園児は出てきませんが、話しかけるシーンや自身の子供時代に回想するシーン等で充分感じる事が出来ました。

    主人公が、一度リセットして新たなスタートラインに立つ、「位置について」というタイトルも観劇後にジワジワきました。
    短編集も良いですが、長編もまた是非観てみたいと思いました。

  • よく出来た舞台だったと思いました。(後はネタバレで)

    ネタバレBOX

    子供も父兄も出さずに保育園の話しをこれだけ面白く書けるとは驚きでした。
  • 満足度★★★★★

    保育士って仕事は本当に大変。
    130分の会話劇。登場人物ががこんな人居るなぁ、と共感できる部分がたくさんあって、笑って泣けて本当に良かった。保育士さんの現実が目の当たりにできる作品でした。

  • 満足度★★★★

    面白かった!
    130分、全く長く感じない面白さ。
    それぞれの保育士にはそれぞれの考えがあって、理解しあえたかと思ったら理解できなくなったり。どちらも間違った事言ってない、どちらが正しいとか言えないなと、でもなんとか現実に折り合いをつけていくしかない。ラストに救われたというか、良かった
    保育士さんとか介護士さんって必要で大切な仕事なのに、なんで給料安いんだろ

  • 満足度★★★★

    台詞から気持が伝わる
    保育園の物語であるが、その展開は大人事情による目線で、保育園児との関わりはあまり見えてこない。ここでは保育園を取り巻く環境の厳しさ、そこで働く人々の悲喜こもごもが少しドタバタしたコメディ...とても面白く、長時間であるが飽きることはない。

    当日パンフに主宰の池内風 氏が「言葉とは、気持ちを伝えるための手段の1つに過ぎない」そして「複雑化させた言葉を巧みに操り、間接的に気持ちを伝える」と書いている。同感であるが、その延長線として、言葉を巧みに操れない、それゆえ純粋な園児と保育士(先生)の関係、その拙い言葉に気持が観えるような物語であってもよかったと...個人的には園児と先生の交流、それぞれの成長と旅立ちを観てみたかった。


    (上演時間2時間10分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、中央奥に中二階のようなスペースを作り、別場面を演出する。主な場所は、保育士の執務室兼休憩室のようなイメージである。上手側にピアノ、園児教室へ通じる出入り口、下手側は古びた木製事務机と椅子。事務用品やボードに留めたカード・写真が保育園らしさを出している。

    シチュエーションは、私立星和保育園の各保育士が抱えた喜びと苦悩を労働環境(条件)などのシステムと絡めて描く。特に主人公・安西春(笠井里美サン)が実母の浪費癖で金策工面等で休みが多く、交代シフトで他の先生に負担が掛かる。また、彼女のクラス(5歳児ゆり組)には仲の良くない園児がいるが、それは母親同士の確執のようだ。それが子供へ影響する。子を思う気持ちが高じてモンスターペアレンツへ。厳しい労働事情を前面に押し出しているが、その緩衝として女性が多い職場を反映して恋愛話を盛り込む。ラストは、大人事情が優先し園児たちの気持が置き去りにされたように思えたが...。

    保育現場の状況は、新聞やTVニュースで見聞きすることがあるが、それは何らかの事故があった時のこと。その都度喧伝される保育事情(待機保育も含め)は推測できるかもしれない(実態は正確に把握できない)。それを物語にしている。

    個人的には、保育園児と先生の関わりを中心に描いてほしかった。その場面は安西先生が子供に話しかける、その子になって喜び回るという一人芝居で見せてくれたが、そのシーンはとても印象的であった。親離れする一歩が保育園または幼稚園であろう。不安に思う子の手を離し先生に託す。そして子供は小さな保育園という社会(世界)の生活を経験する。
    一年を通じて、入園式・母の日・父の日・夏休みを経て、運動会・お遊戯会 そしてお別れ会など、さまざまなイベントがある。それだけ先生は大変な仕事、目に見えない苦労があろう。それを園児との関わりを通じて先生自身も成長していく。そんな有り触れた物語でも良かったと思う。

    安西先生の恋人・塩崎望(池内風サン)も会社を辞め、退職金を安西先生の母親の借金返済に充てる。そして安西先生の保育園での苦労を察して園を辞めることも選択肢であると...。タイトル「位置について」は、今までの生活(保育士)を見直しスタートラインに立つこと、物語のクライマックスの運動会にかけてのネーミングであろう。そこには自分達(大人事情)のスタートは見えるが、子供たちの気持ちはどうなったのか、気になるところ。

    この公演は役者陣の演技が素晴らしい。その先生のキャラクターと立場が鮮明で、物語をグイグイ引っ張る。唯一、新人男性保育士の野田洋平(堀雄貴サン)が優しいが優柔不断さで、濃い女優陣の演技をより際立たせていた。

    次回公演を楽しみにしております。

  • 満足度★★★★

    約130分
    タイトルは、内容にそぐわない現行のものではなく、『保育士たちの放課後』とでもしたほうが良かったのではないだろうか?
    保育園のバックヤードを舞台に、保育士という“人間”たちを描き出すこの群像劇には、バルブ案出の上述タイトルのほうが似つかわしい。
    そう思わせるくらい、保育士という職に就いた“人間”たちの煩悶や喜びがじつに細やかに描かれていた。
    好感を持ったのは、取材で得たとおぼしき“保育士残酷物語”を全体にちりばめながらも、ただそれだけの“社会派ノンフィクション演劇”に終わらせず、作者・池内風の抱く“理想の保育士像”が投影された、夢があって前向きな物語に仕上がっているところ。
    保育園は、ブラックワーク問題、教育問題、モンスターペアレント問題と、ニュース性の高い諸問題が凝縮された場所。商売っ気の強い者なら、保育園のそうした“暗部”を強調した救いのない話をこさえて話題作りをし、動員増を目論みそうなものであるが、池内風はそうはせず、現実を映すかたわら自身の夢をも織り込んだ、良い意味でのフィクションに仕立て上げた。
    私はそこを評価したい。

    ネタバレBOX

    とにかく子供が大好きで、子供が何の気なしに発する言葉やその笑顔をガソリンに日々の仕事に励んでいるような、そんな子供思いの先生。おそらくは、これが池内風の理想とする先生像。
    本作で言うならば、笠井里美演じる安西先生。
    エアで登場する女児と満面の笑顔で会話する笠井さんの演技には、事実はどうあれ、保育士はみな子供が大好きなんだと思わせる説得力があった。
    笠井さんはそのあと、会話相手のその女児も演じてみせるが、こちらの演技も情感豊かで、その図抜けた女優ぶりに感じ入ってしまいました。
    笠井さん演じる安西先生といえば、“仲良しなのに保護者が不仲な女児二人に運動会で二人三脚させるかどうか問題”を抱えていたが、あれは結局どうなったのか??
    サックリとでもいいから、その顛末は示して欲しかった。
    保護者本位の教育に傾きがちな園内で“子供本位”の教育を主張する安西先生の、“仲良しな二人をともに走らせたい”という切なる願いは叶ったのだろうか??
  • 満足度★★★★★

    参りました
    実にリアルに迫ってきて、身につまされます。今年観た芝居の中で最も感銘を受けました。現実と理想の折り合いを付けるのは難しい。自己実現のために人を教育したり指導したりする職業に就くのは危ういなー。

  • 満足度★★★★★

    現実
    現実をそのまま切り取ったようなリアリティのある作品でした。
    脚本家の丁寧な描写と役を自分のものにする役者陣の賜物だと思います。
    保育の現場だけでなく、自分の生きる日常はこんなにもドラマチックなんだなと感じます。
    今迄飯田さんの作品をいくつも観てますが、1番良かったと思います。

  • 満足度★★★★

    花四つ星
     私設保育園の現状は、中々に厳しい。安い給料、長い労働時間、他人の乳幼児を預かる責任、先生という職業について回る聖職という縛り、様々な悪条件からくるストレスを子供たちに向ける訳にはゆかないことからくる悩み等々。(追記後送)

    ネタバレBOX


     各自が様々な問題を抱えつつ、日々仕事に邁進する姿を描くが、各々の抱える介護、離婚後の親権問題、結婚、離職等々は、誰にもついて回る問題である。業界全体が決して利益率が高くないどころか、そのような話をすることさえはばかられる乳幼児教育というジャンルであり、その労働は、利害や機械的な対応では決して成立しない。何より良い保育士としての仕事をする条件に、自分自身が良い状態にないとできない、という現実がある。そうでなければ子供達の持っている感受性の強さに悪影響を及ぼすのは必定であるから。保育に関わる者皆がそのような思いでこの職に就き、一所懸命に仕事をしているからこそ、真摯な対立も起きる。
  • 満足度★★★★★

    保育の“生”現場
    全員の保育士が出揃った頃には、既に意識は劇中の真ん中に引きずり込まれていた。 
    彼女らと共に笑い、悩み、憤慨し、また笑って、そして考えた。 
    何だか保育という仕事の厳しさを身をもって体感した気分です。 
    疲労と経済的生活苦に抗い、笑いあえる程に保たれているチームの和も、不意に吹き付ける突風にバタバタとバランスを崩していく。 
    能力の差や教育方針の違いこそあれ誰も悪くなんかない。 
    それぞれに素晴らしい人間力だと思う。 
    がんばれ保育士さん。 
    舞台が終わっても自然と見えてくる、これから先の彼女らの生活と別れを告げるのが、とても名残惜しい気持ちで帰路についたのでした。

    ネタバレBOX

    ちょっとキツめの九条先生が自分に一番近い性格かなと感じたが終盤では体調を崩してしまっていた。さもありなん。 
    それにしても8人が8人とも見事に人物像がリアルで巧く劇中を動き回っている。

    これだけ別人格の人物達を丁寧に描き分け演じる事ができたのは、きっとワークショップ等で演者全員が与えられた役柄をそれぞれに自己プロデュースし再結集するような何か大掛かりな事でもやっているに違いないと思ったのだが、帰って当日パンフを見ると、脚本・演出家ひとりで作成された様である。 
    ってよく見たら出演もされていた!
    天才だと思う。
  • 満足度★★★★★

    短編、長編共に良い
    とにかく、短編と長編のふり幅が凄く、圧倒される。本当に全然違う。
    笠井里美さんの佇まいに何度も心を打たれ、涙がこぼれた。
    他の出演者も良くも毎回こんなピンポイントで見つけてくるなという凄腕メンバーが集まっていて、誰をみていても飽きない。
    かわいいコンビニ店員飯田さんの作品の中で今まで一番好きかもしれない。
    今までにない終わり方がその理由の一つ。
    劇場遠いけど、足を運んで良かったと、心の底から思って帰宅。

  • 満足度★★★★

    “保育”
    いっぱい笑わせていただきましたが、
    ほんと、子供が好きだけじゃ出来ない仕事ですよね~、
    と、納得。。。

  • 満足度★★★★★

    その男の名は、堀雄貴
    教育・福祉はとても身近な問題につき、皆が一家言持っているもの。
    全ての観客を納得させる(ねじ伏せる)のは到底無理な話。

    色々と分析・解釈に小さな不満は有るものの、130分最後まで引き込まれました。

    それにしても、沢山笑わせてもらった。
    工藤さやさんがお笑い担当なのは容易に想像がつくが、・・。

  • 満足度★★★★★

    逃げ恥
    「逃げるは恥だが役に立つ」、ことわざの意味というより文字通りの意味でそういうこともあるなと思いました。

    ネタバレBOX

    子供や保護者に気を使い、それぞれの先生にも悩みがある保育園の日常を運動会の前後を中心にして描いた話。

    親同士の反目よりも二人の子供のことを考えて仲良くしているのを見守るのは良いと思いますが、二人三脚で二人をペアにしてことさら親たちに見せつけるのが良いのか、親に気を使って、親の前では二人を離すようにしておく事なかれ主義が良いのか、そこら辺のバランスを考えるのは大変です。ただ、具体的事例について先生方みんなで相談して方針を決めたのなら、変えるに当たっては再度相談すべきであったとは思います。

    子供が怪我をして親に説明する際など、主任さんが責任者として対応していましたが、例え説明台詞だけであったとしても、園長さんが出てこなかったのは不自然に感じました。

    安西先生の恋人は本当にいい人ですが、実際には若い人の退職金程度では安西先生の母親の借金は返せないのではないかと思いました。一旦清算して二人で新生活を始めるにしても、母親に成年後見人を立てるくらいの措置をしないと同じことがまた繰り返されると思います。

    それにしても、それぞれの先生たちの背景にある悩みや幸せ、制度の矛盾点のようなものがさりげなく表現されていて素晴らしかったです。

    主任さんの異様な暑がり振りに、何かとんでもないことが起きるのかと思いましたがそうではありませんでした。しかし、長編恐るべしです。

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