位置について 公演情報 かわいいコンビニ店員 飯田さん「位置について」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    約130分
    タイトルは、内容にそぐわない現行のものではなく、『保育士たちの放課後』とでもしたほうが良かったのではないだろうか?
    保育園のバックヤードを舞台に、保育士という“人間”たちを描き出すこの群像劇には、バルブ案出の上述タイトルのほうが似つかわしい。
    そう思わせるくらい、保育士という職に就いた“人間”たちの煩悶や喜びがじつに細やかに描かれていた。
    好感を持ったのは、取材で得たとおぼしき“保育士残酷物語”を全体にちりばめながらも、ただそれだけの“社会派ノンフィクション演劇”に終わらせず、作者・池内風の抱く“理想の保育士像”が投影された、夢があって前向きな物語に仕上がっているところ。
    保育園は、ブラックワーク問題、教育問題、モンスターペアレント問題と、ニュース性の高い諸問題が凝縮された場所。商売っ気の強い者なら、保育園のそうした“暗部”を強調した救いのない話をこさえて話題作りをし、動員増を目論みそうなものであるが、池内風はそうはせず、現実を映すかたわら自身の夢をも織り込んだ、良い意味でのフィクションに仕立て上げた。
    私はそこを評価したい。

    ネタバレBOX

    とにかく子供が大好きで、子供が何の気なしに発する言葉やその笑顔をガソリンに日々の仕事に励んでいるような、そんな子供思いの先生。おそらくは、これが池内風の理想とする先生像。
    本作で言うならば、笠井里美演じる安西先生。
    エアで登場する女児と満面の笑顔で会話する笠井さんの演技には、事実はどうあれ、保育士はみな子供が大好きなんだと思わせる説得力があった。
    笠井さんはそのあと、会話相手のその女児も演じてみせるが、こちらの演技も情感豊かで、その図抜けた女優ぶりに感じ入ってしまいました。
    笠井さん演じる安西先生といえば、“仲良しなのに保護者が不仲な女児二人に運動会で二人三脚させるかどうか問題”を抱えていたが、あれは結局どうなったのか??
    サックリとでもいいから、その顛末は示して欲しかった。
    保護者本位の教育に傾きがちな園内で“子供本位”の教育を主張する安西先生の、“仲良しな二人をともに走らせたい”という切なる願いは叶ったのだろうか??

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    2016/12/04 00:34

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