弟の戦争 公演情報 弟の戦争」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-15件 / 15件中
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2016/12/10 (土)

    遅れての感想です。おそらく今年観た劇の中で、私の心を1番打ったものだと思う。
    中東における内紛、テロ、自爆、空爆、貧困、飢餓・・・それを報道などで知りつつも、「まあ、本当に怖いよね。こんな世界にいる子達がかわいそう。さっ、今日は日曜日、なにか美味しいものを食べに行きましょ。あ、食べログで◎◎のパスタが美味しいと書いてあったわ」と、別世界の話は、単なる「話題」としての値打ちしかない。
    私が6年生に歴史を教えたとき、15年戦争を教えると、中間の時点での感想を書いてもらうと、ほとんどの子が、「戦争中の暮らしはとても大変だったことが分かりました。それと比べて私たちは幸せです。あんな時代に生まれてこなくてよかったです」という感想を書く。まったく別世界の戦時中なのである。私の授業はここから、その「対岸の火事」観をどう破るかが勝負となる。
    ありえない設定ながら、弟の「憑依」とも思える言動から、その「平和な」家族と惨く悲しい「戦時」とが対比されていく。
    そしてそれは、私たちに向かって、「なら、お前達はどうなんだ」と問い続ける。
    観ていて辛くなる劇、しかしその思いは、私たち人類としての根源的な生き様についての解答を求める。
    久しぶりの「考えさせられる」「生き方を問われる」観劇となった。
    ありがたい。

  • 満足度★★★★

    重みのある舞台
    戦争、家族、現代の日本について等、色々考えさせられました。場面展開に迫力があり、役者さん達の熱演も良かったです。少し難しくは感じましたが、重みのある見応えのある舞台でした。

  • 満足度★★★★

    さすがというべき
    俳小らしい骨太で堅く真面目な作品。演技,構成,演出,舞台装置,全てにおいてさすがである。たまにはこんな堅く真面目な芝居を観て,物事を考えるのも良いものである。良い芝居を見せてもらった。

  • 満足度★★★★

    弟の戦争
    以前近所の高校の演劇部が上演しましたが、弱小部なので部員2名に客演(?)1名の上演。今回全容を見る事ができました。子どもたちの苦悩をよそに(としか思えない)お茶を飲んで団らんしている両親を非難できない、私も同じようなもの・・・。ぜひ原作を読んでみたいと思います。

  • 満足度★★★★

    原作が読みたくなる
    悩んだ末、原作を読まないまま、観ました。
    内容が難しいのと、セリフが多かったので、途中で集中力が切れちゃいましたが、、、照明や効果音など演出が凝っていて、最後まで観れました。お子さんも観にきていて、その子が最後までちゃんと観ていたので、感心しました。
    個人的には結末が衝撃だったので、原作をじっくり読んで、自分なりにしっかり考えたいと思いました。記憶に残る舞台になりました。

  • 満足度★★★★

    俳小の心意気
     篠原久美子さんが戦争を扱った脚本を劇団俳小上演するするのを知り、是非観たいと思った。
     「とりつかれた」フィギスの身体から戦場の悲惨さがリアルに伝わってきただけでなく、息子を戦場に送る母の心情やレイシズムなどの問題も織り込まれた話であった。それだけでなく人間の心理にも食い込み、社会(世界)と個人がどう関わるかを問う、刺激的な舞台であった。
     ただ、俳優の演技については首をかしげざるを得ないところがあり、そこが唯一残念なところだった。

     

  • 満足度★★★★

    強いメッセージの骨太作品
    強い問題意識(テーマ)を感じる。その観せ方はサスペンス風にして最後まで飽きさせない工夫をしている。多面的な描き方なのであろうか、少し分かり難いシーンもあったが、それでも事実をなぞり虚構の世界を重ね合わせた骨太作品という印象である。
    設定は、イギリスの中流家庭であるが、当時の日本の状況に重ね、さらに言えば今日の日本(人)の姿に重ねて合わせているようだ。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、建築現場で見かけるようなパイプ組で、2階部分を作り他(多)空間を創り出している。その1階部はイギリス・ヒギンズ家のリビングルーム。上手側にダイニングテーブル・椅子、下手側にソファーが置かれている。2階部はタイトルにある弟アンディ(=ラティーフ 駒形亘昭サン)の部屋である。

    梗概...1990年夏。イギリス・ヒギンズ家は兄弟2人で、兄のトム(町屋圭祐サン)と弟のフィギス。 兄は物分りが良くて、特に父を尊敬しているようだ。弟のフィギスは、物事(興味)に拘るタイプで、両親を困らせることもしばしばあった。 その弟が、ある時奇妙な言葉を喋りだし、 「自分はイラクの少年兵・ラティーフだ」と言い始める。
    冒頭、兄が心の友人として大切にするフィギス...その姿は紗幕に映し出された陰影のみで、実体は定かではない。この虚構とも思えるよう男は、不定期に現れ、その出現は何を意味しているのかが分かり難かった。精神科医が登場するが、劇中での描きはアンディとラティーフという分身(ドッペルゲンガー)のような感じもする。
    アンディ=ラティーフの体験とアナウンサーの実況中継が事実をなぞり、一方この夫婦の会話は、それぞれの主観や立場などの感情に傾く。事実と感情の衝突に観えるのは、TV画面を通じてもたらされる表面上の情報に基づくもの。人は実際、見聞きした体験の向こうにある出来事を想像することは難しい。そして湾岸戦争など、自分にはほとんど関係ないと...。
    物語のラスト、兄と弟の様子が逆転(もともと本当に「弟の戦争」か?)。兄の第三者的な行動の結果だとしたら怖い。対岸の火事をわが事のこととして捉えられない。平和を脅かす毒牙さえも傍観しそう。
    ただ描き過ぎて、観客への問い掛けなど余白があっても良かったのでは?

    脚本は明確なテーマを提示し、また演出は物語を飽きさせない工夫をしている。問題の所在は、市井(中流家庭)の人々…主に夫婦の会話で紡ぎ出され分かりやすい。それを体現させる役者陣の演技は見事であった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    歪曲する“心”
    この作品は、原作を読んでいないので、どのような脚色が為されたのかはわかりませんが、作品の発信するメッセージへの求心力を感じる作品に仕上がっていたと思います。

    人生を経験することにより物事の本質を見極める“心”が歪曲してしまう多くの大人ではなく、無垢な“心”を持ち、次世代を担う子供達へメッセージを発信する“児童書”であるという原作に作者の心情を感じました。

    原作を読み、作者のメッセージを更に深く感じてみたいと思います。

  • 満足度★★★★

    戯曲が素晴らしい
    説得力あるドラマでした。
    演劇的飛躍とある種の現代状況への問題提起がバランスよく盛り込まれていると、感じました。

  • 満足度★★★★

    作中ではトム(兄)は16歳と言ってましたが・・・
    まぁそれはさておき
    主人公である兄の語りから物語りは始まります
    3歳下の弟アンディの特殊能力=エンパシーかな
    (懐かしいな こ~ゆ~SF設定(^ー^)
    (アニメでのファンタジーワールド ジュンみたいな~)
    にて家族の真の姿や現実を正しく見る事を知る成長の物語・・・かな
    ちなみにフィギスは兄のエア友達(トモちゃんみたいな・・)であります

    1時間45分 全席自由

    これ児童文学?
    随分と重い気がするなぁと感想です
     
    マスコミが伝えることは
    時の施政者に都合の良い情報のみと
    しっかりと語る姿勢は大変よいなぁと

    ネタバレBOX

    脳筋父さんと
    しっかり母さん
    家庭の在りようをしっかり描いてから
    子供の成長と共に家庭も国も歪な形に見せるのは凄かった

    知らなくても感じなくても
    現実はしっかりと自分以外の知りえないトコでも
    残酷に進行を止めないという
    あたりまえながら
    普段は気に留めない事実を喉元に突き付ける話でありました

    ものすごく記憶に残る話です・・・

    開演前にBGMひとつ無い・・
    で 開演時間も5分以上遅れたんで
    そこは今後改善とかして欲しいなぁと思ったです
  • 満足度★★★★★

    観て良かったです
    久々に本格的な芝居を観た気がしました。役者さんの演技も上手いし、テンポも
    あり楽しめました
    篠原久美子さんの青年劇場で観たケプラー・あこがれの星海航路が強く印象に残っていて今回ぜひ観たいと思いました。

  • 満足度★★★

    なにか腑に落ちない・・・
    一見家族愛に満ちてるかのように始まったが 次第に歪んみだした。題名が弟の戦争になっていたが 見終わってみるとトニーの物語のようにも思えた。
    セットはシンプルながら幾多の場面にも合っていて良かったと思う。

  • 満足度★★★★

    Hey Judeを歌ってあげたい
    現実を直視しない大人は確かによくないが、この世の中の色々な悲しみを君ひとりで背負うことはないんだよ、と どんだけ長い小説かはわからないが、よくできた翻訳と脚色。舞台セットにも工夫があった。衣装は考える余地あり。夜中ならガウンぐらい羽織ってくるぐらいは考えてほしい。

    ネタバレBOX

    イギリス人でも生霊がとりついたみたいな考え方があるんだなと、興味深かった。
  • 満足度★★★★

    彼我
    の差。

    ネタバレBOX


     湾岸戦争は、イラクがクゥエートを石油盗掘の件で攻めたことが発端であった。サダム・フセインが指摘した如く、クゥエートはかつてイラクの一部であった。民衆に離反され追い詰められた王族がイギリスに助けを求め、かろうじて現在の地、つまり脱出を図った港周辺を領地として建国したのである。また、問題となった石油盗掘に関してはイラクの油田と繋がっているとの情報もあった。サダムは攻撃前にアメリカに打診していたが、アメリカは否定する素振りを見せなかった為、了解を得たと考えた。そこに罠があったと考えられる。  
     ところでブッシュ一族で最初にスカルアンドボーンズに入会したのは、イラク戦争を引き起こしたジョージの祖父にあたるプレスコットであるが、彼はナチスの軍資金を運用してブッシュ家の資産の基礎を築いたと言われる。また湾岸戦争時の大統領であった彼の父は、余りに疑惑が多いので以下を参照http://tarpley.net/online-books/george-bush-the-unauthorized-biography/いずれにせよ、きれいごとを並べてやることはえげつない。
    今作は此処までの事情は描いていないが、優しく他人の痛みを我がことのように感じる人間にとって、「正義」の戦争とよばれるものの実体が如何なるものであるか。その実際を見せつける。戦争現場の一次情報と副次的情報との質的差異を描いた原作を読んでみたくなる作品だ。恐らく原作で余りに残虐だと感じられた点が、脚本では柔らかい表現に置き換えられていようから。

  • 満足度★★★★★

    題名
    この演劇の舞台は、湾岸戦争時のイギリスである。なぜ、イギリスなのだろう。そんな単純な疑問を持った。おそらく、湾岸戦争の当事者であるアメリカではなく、イギリス(多国籍軍として参加はしているが)としたのは、第三者の立場、言い換えれば第三者の視線を持ってこそ、演じるべきテーマであることが重要なんだということなのだろう。
    舞台は、装置に工夫を凝らし、多くの場面転換を効率よく見せる。そのテンポのよさが、幾つもの場面とセリフを、フラッシュバックのように前の場面と重ね合わせ、善良である家族の無意識の悪意を紡ぎだす。
    父親の理路整然とした正義感と実態を見ようとしない無関心、母親の愛情への埋没と現象しか見ない矮小さ、それらを整然と演じられたお二人に拍手。
    ちなみに、説明に書いてある「弟のフィギス」は間違い、弟はアンドリューである。そうでないと、読み誤る。

    ネタバレBOX

    タイトルを見て、つい私も勘違いしてしまった。「弟の戦争」、これは「アンドリューの戦争」ではない。「弟」と主体的に言えるのは兄しかいないのだった、と芝居の途中に気が付いた。
    兄トムがアンドリューが生まれる前に会っていたフィギスは、潜在化にいた悲惨な世界に対して覚醒する前のトムなのだね。ラストでフィギスがいなっくなったのは、トムがフィギスと一体になれたことを示し、これは世界へ眼差しを獲得したという点で幸福であり、1人と少年としては悲劇だったのだろう。冒頭から終末まで、自らの中でトムとフィギスの2役を演じきった、主人公には拍手。

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