パラサイトパラダイス 公演情報 パラサイトパラダイス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-20件 / 24件中
  • 満足度★★★★★

    ワンツーワークス前回公演
     初演は十数年前。

    ネタバレBOX


    だが、今作ちっとも古くなっていない。それどころか、普遍性を感じさせるのだ。それは登場人物個々の遭遇すべき現実が、個々人にとって最も痛い所で現実に演じられるからであろう。どういうことかというと、例えばいきなり夫と妻の科白が入れ替わる。夫は妻の科白を、妻は夫の科白を喋るという演出が為されるのだ。これこそ、想像力の用い方そのものである。何故なら想像するという行為は、相手の立場に立つことだからである。このような演出は、無論観客の度肝を抜く。その上で納得させるのである。
     今作で描かれる家族の形は、日本の伝統的なそれとは全く異なる。いわば、一つ屋根の下に住みながら、家族のメンバー個々人が能う限り自由を実践しているのであるから。娘(菜摘)は、彼氏(明良)を自室に連れてきて同棲している。息子(春人)は勝手に大学を止めて、パソコンで何かをやっているが引き籠り状態。家族会議があっても携帯電話で参加するほどだ。妻(和絵)は妻でなんやかんやの不平を梃に自己の取り分を拡張してゆく。夫(耕平)は調整型だが、楽しみは帰宅後、社畜から解放されて飲むビールとガンダムのプラモ制作。隣の住人(佐渡)が年中出入りしているのだが、サプライお宅である。おまけに母(=妻)の母という言い方を強制する祖母(さち)、はアキレス腱を切って不自由という理由で強引に狭い一家に転がり込んでくる。更に、耕平の父(孝典)は壁と対話する孤独に耐えかね、持ち家を売却後、矢張り転がり込んできた。既に家族会議で決まっていたことも状況の変化に応じて変えなければならない現実の前で、それぞれの思惑、利害が交錯して人倫と自由、既得権などの権利を巡る議論が展開される中で、上で述べたような互いの科白の入れ替え、立ち場の逆転などの演出が加えられるので、決してセンチにならず、緊張感を持続した舞台展開が可能となっている。
    シナリオ自体非常に優れたものだが、演出、演技、舞台美術の特異な形態、照明や音響の効果が相俟って普遍性を持ちつつ衝撃的な作品になっている。
  • 満足度★★★★

    身につまされます!
    パラサイトの話はホントひとごとではないなー(小生、パラサイト予備軍の高校生と大学生の3人の倅あり)。実にリアルで、これまでに観たワンツーワークスの作品の中では一番感情移入できました。

  • 満足度★★★★

    楽しめました
    良くある?家庭の話しかも・・・
    結末はチョッピリ寂しいかな。(それとも良かったのかな?)

  • 満足度★★★

    やや隔世の感あり
    エンジェルにもなっているくらいですので、この劇団の昔からのファンです。

    この芝居の初演は、13年前とのことで、大変面白くはあったのですが、やや時代遅れな雰囲気を感じました。

    パラサイトはパラサイトでも、今はもっと深刻で、切実な気がしてしまいます。

    コメディとしては上出来な舞台ですが、もし問題提起の側面があるのなら、この作品のこの時期の上演には、やや違和感を感じてしまいました。

    ネタバレBOX

    今は、本当に格差社会が深刻化していて、この芝居で描かれているような、言わば、お気楽なパラサイト家族は、存在しないかもしれないと思いました。

    最後に、夫婦二人だけになる展開を、この日のアフタートークのゲストの学者さんは、ハッピーエンドと捉えられたようですが、ここは、いわゆる、今あちこちで実践されている、減築になりそうな予感がします。

    取り残された夫婦のこれからの関係性にも不安を感じて、私は、新たなストレスネタがこの家庭に湧いたように感じられました。

    あの年齢の夫婦の、別寝床を、親世代が心配するという設定にも、やや違和感を感じました。新婚夫婦でもあるまいに、中年の息子の性生活に気を回す親はいなさそうに思うのです。

    「今日は七夕」とか言ってくれればとかいう台詞や、グリム童話の例え話は、芝居の流れとしては、面白く拝見しましたが…。

    役者さんの安定した演技力は、言わずもがなです。

    次回は、古城さんの、「今」を描いた新作を期待しています。
  • 満足度★★★★

    良い劇団です☆
    初見です

    ネタバレBOX

    ほかの方かかれてるように 気配りに気遣いに 満点の劇団でした☆


    夫婦セリフが入れ替わっちゃうところとか。
    ワンツーワークスさん お家芸の? スローモーションのとことか。
    言ってはいけないことを 暴露するのは心の中なので 周囲は止まってる見せ方とか。
    激しい曲では シャキシャキ早く動くとことか。
    ホントうまく作られてるなーっの連続でした☆


    主婦のあるある、旦那さんのあるある、お父さんの血と汗の積み重ねと言い、心理描写に演出に とても良かったけど 
    ただ、本筋であるストーリーは ちょっとだけ弱い感じがしました。


    確かに弟の言い分にイラッとする方はいると思います。 
    しかし個人的には どっちの意見もわからなくはないのですよね・・・。
    企業戦士(50代以上)と、今時の若者(20代以下)とすると。


    私も就職人生それなりに長いので 
    せっかく正社員として入社してきたのに さらっとやめていく若い子が増えたのは 事実だと思ってます。
    でもそのあと、正社員として 案外よそでちゃんとやってたりするのですよね。
    どこまで『我慢』『犠牲』にするか 程度の問題?
    どっちが正しくて どっちが間違ってるという話ではなく。
    どちらにもジャッジせず そのまま描いてるのが 作者(古城十忍さん)のすごいところだと思います。


    ああ、古城さんは元新聞記者で ジャーナリスティックスな視点とのこと うなずけます☆


    誰だって 生まれてきて 与えられた環境でただ生きてきただけ、
    どの世代に生まれてもそれは同じことだと思うのです。
    昔 男たちは国のために命を捧げてきました。
    女は何もできずに・・・


    『男だから』が強かったのは 命がけだったから仕方ないことですし。
    いまは平和になり『男女平等』唱えられてるから それが弱まるのは自然なことですし。
    戦争二代目と三代目じゃ 変わるのは当然のことに思います。


    ↑知らないで書いたのですが、次回作がまさにこちらがテーマとのことです。
    私が心理学をやってたとき 「日本人は最後GHQにたどりつくことが多いと」先生は言ってました。
    『お前の親はとんでもないことをしたんだ』
    親を尊敬する気持ちと 日本を愛する愛国心と 敗戦によって大きく変わってしまった。
    GHQは親と子を分断するのが目的のひとつとのことです。
    (偉そうに書いては観たものの 私は歴史には疎いですし GHQの多くを知ってるわけではありません 何か間違えがあったら申し訳ありません)。
     

    それとカップラーメンと清涼飲料。劇中では若者しか口にしていない。
    あれもメッセージなのだと 私は思っていて。
    体は食べ物作られるもの 精神もそれに同じ。
    添加物と科学物質 どれだけ影響しているのでしょうね。


    お父さん(奥村洋治さん) 存分に才能を発揮されていました。
    お姉ちゃんの彼(町田慎吾さん)は やたらカッコイイと思ったら 元ジャニーズの方なんですね。
    私はイケメン好きでもないのですが、普通にカッコイイとかのレベルではなかったです。
    ほか役者さんも 良い役者さんぞろいでした!


    戦後70年で戦争を扱ったものは多かったけど GHQ洗脳政策を取り扱ってる物は 私の知る限りなかったように思います。
    是非古城十忍さんには それをいつか表現してほしいと思った気持ちがあります。 しかし逆に 洗脳が強まってしまう危険も考えちゃう自分も、います。
    (これらも 関連したこと・感じたことを書かせて頂きました 的外れでしたらすみません)。


    政治や歴史を書くと 長くつまんない文章になっちゃって 
    最後までなんてとても読めないよ、、、な方を たまに見かけますが。
    私の文章は 少しでも面白く読んでいただけるといいな。
  • 満足度★★★★

    ちょっと意外
    面白かったですが

    ネタバレBOX

    世帯主の住居としての家と一部お金に寄生する子供と親たちを面白おかしく描いた話。

    終活の話であり、就活の一つの形でもあり、パートナーの役割の話でもあり、最後は上手く行きました。頼られるうちが花かもしれない的な終わり方に、親が死んだらどうするんだといった徹底的引きこもりの話かと思っていたので若干意外な感じがしました。

    本音の表現の仕方は素敵でした。
  • 満足度★★★★

    お父さんにエール
    少しデフォルメされたストップモーション&スローモーションのオープニングがいつも楽しみの一つになってます。相手の都合も考えず自分勝手なことばかりの家族たちに奥村さん演じるお父さんは良くも悪くも大したもの。息子が父親の生き方を否定する場面は見ている私の方がキレそうになりました。父が奴隷のように働いてきたおかげであなたの今があるんでしょうと・・・芝居はとても楽しかったのですが終わり方があっけらかんとしすぎてたのがちょっと。

  • 満足度★★★★★

    ワンツーワークス
    空間の使い方がうまいですね。あれだけせまい舞台を上手使われていました。ストップモーションでの演技、お父さんとお母さんの語りとジェスチャーがころころ入れ変わる演技は見ていておもしろかったし、すがだなって感じ。
    大学生の息子のセリフよく考えられていますね。
    すぐにお芝居にのめりこんでしまい、あっというまの2時間で、とてもすばらしいお芝居でした。

  • 満足度★★★★★

    身近なコミカルとリアル
    どこの家庭でも聞かれるようなありふれた言葉が、どこにでもある家庭の問題を浮き彫りにしていく。思わず、私の台詞だわと、我が家でも溢れてる台詞が見事な舞台というパズルの中に見えた。他人事ではないテーマ。計算されつくした構成。最近はコミカルな雰囲気が更に身近さを感じさせる。安定した演技力、飽きる事のない面白さ。流石の作品です。

  • 満足度★★★★

    安定感とメリハリ
    当たり前な事ですが、台詞の噛みがなく、心の声のシーンのメリハリがわかりやすかったです。
    年をとった親との同居、熟年夫婦の寝室問題、大学を辞めて引きこもる子供がリアルなのに、重苦しく観えなかったです。
    アンサンブル的に出られてた役者さんのお芝居もよかったので、もったいない感がありました。

  • 満足度★★★★★

    現代社会への問題提起
    「衣・食・住」を「医・職・銃(住)」という現代の課題要素に置き換えて、さらに男女という性別の視点、老若という世代の違いという観点を複層させて観せる巧みさ。その描く対象は、集団としては最小の「家族」の単位で描く。

    今回公演のメインは住居...「ひとつ屋根の下に暮らす意味って何? シニカルに描く『共依存する家族』の日常」 をユーモアを交えているが、その問題提起が鋭い。家庭内での部屋割りを巡り喧々諤々する家族。住居内別居、思いがけなく味わう解放感が得られる。一方どことなく遠のいていく互いの気持ち。家族の絆は、案外部屋という空間によって繋がりあっているのかも知れない。それが次々暴露していくような...。

    ネタバレBOX

    舞台セットはパイプを組み合わせた建築現場のような二階家。一階中央は「高見家」のリビングルーム、奥にはキッチンが見える。二階は3部屋、上手側から大学中退の息子、専業主婦の母、キャリアウーマンの娘と同棲相手が使用している。それに書斎(サラリーマンの父が使用)の3LDKの間取り。ワンツーワークスの舞台セットは、空間処理が巧く造作されている。その空間が家族の危うい繋がりをイメージしているようだ。

    梗概…母の母、父の父が同居することになり、大騒ぎの末の家族会議の遣り取りが面白い。手狭と思っていた時が懐かしく思える時期がくる。「存・在」が「空・虚」になった時の気持ち。部屋割りの難しさ、その選択を迫られながら、奇妙な連帯感が感じられる。物語が進むにつれて、独居老人(隣人)の健康・医療の問題も透けて見える(サプリメントの常用)。そして終日、壁に向っての独り言。
    また職業について、大学中退の息子の職業観は父やその父(祖父)の額に汗という時代感覚とは隔世の感といったところ。引き篭もりと思えて、実は起業へ向けて準備している。

    また男女という性別による視点が鋭い。男らしさ、女らしさという「~らしさ」という刷り込まれた意識、そこに内在する役割分担への疑問も投げかける。男は外で仕事、女は専業主婦で家庭を守るという固定観念を、その独特な表現(男=股を開き、威張るような仕草、女=股を閉じ、従順な姿)をコミカルに演じる。演技は安定しておりバランスも良い。物語をしっかり体現しており、安心して観ていられる。

    自室だから自由・幸せという発想が、逆に自由だからシビアな状況になることもある。自由であるが自分で選択しなければならない、いわば自分の運命は自分で決めることになる。自由であるがゆえ心が萎縮し自由の中で孤立を感じることもある。「~らしさ」という意識も不自由にしている。
    その葛藤の先に自立と夢に向かう姿が観える、そんな見事な芝居であった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    納得の高評価劇団
    受付けの丁寧さ、無料パンフレットの配布、ブランケットの貸し出し等、開演前からすでに劇団の配慮が感じられる。 
    実際の舞台も、役者さんの実力はもちろんのこと、映像のカット割りでは絶対できない舞台ならではの表現が随所にあって引き込まれた。 
    セットも見やすく計算されており、とにかくこだわりのてんこ盛り。  
    観客も他よりマナーの良い人ばかりだった印象。 
    まさに良質な大人の娯楽の王道。
    難をあげれば、座席が横一列繋がっていて、力伝導が非常に良く、人が身動きするたびに揺れて一瞬気がそれてしまうことぐらいか。 
    とにかくそれぐらいしかケチの付けようが無い公演でした。 
    こういう劇団がいっぱいあるといいなとも思いますが、稀有で他にも色んな劇団があるからこそ演劇は面白いんだろうなと思いました。

    ネタバレBOX

    引きこもりの息子に論破された父親が、自分の日常を表現したダンスシーン。 
    老人達が、夜中に電話しても受け入れてくれる友人がいるのか確認しようと試みるも絶望するシーン。 
    妙にジーンとくるシーンでした。 
    父親は凡庸なイメージながら見習いたい箇所がいくつもありました。
  • 満足度★★★★

    多少はね
    何でもない話を面白く描くし面白く演じるものだなぁと感心。

    途中中弛み的な部分はありましたが最後はキッチリ締めました。

  • 満足度★★★★

    さすがの安定感
    さすがの役者さん、安定感のある脚本。
    今回も楽しませていただきました。

  • 満足度★★★★★

    パラサイトパラダイス
    ひと事とは思えない家庭の様子。そうそう、とか、いやうちではそうはならないな・・・とか思いながら見ていました。

  • 満足度★★★★

    実際
    起こり得る問題を的確にコミカルに
    演じてるとは流石でした。
    役者陣の技量も高く見どころが多い芝居でした。

  • 満足度★★★★

    よかった
    完成度の高い、室の高い、ドラマだった。見応えがあった。

  • 満足度★★★★★

    かなり良いです
    相変わらず安定した面白さ。
    何でも無いモチーフを扱い目を釘付けにする演出はさすが。

  • 満足度★★★★★

    「あるある」の連続
    まるで我が家を見ているような部分もあって興味深かった。夫婦の会話も親子の会話も義父・義母との接し方も「あるある」の連続だったし、夫と妻が入れ替わって互いの言い分をぶつけ合うシーンも面白い。

    場面転換の際も、役者それぞれの独自の動きからテンポ良く次のシーンに移るという手法も工夫が凝らされていて良かった。
    神様が人の寿命を70年と決めたグリム童話の話は良いアクセントになっていた。

  • 満足度★★★★★

    今回も良質
    楽しく笑って考えさせられる芝居。いつものように良質で素晴らしい出来です。最初から最後まで全く途切れることはありません。お見事!絶対おススメです。

このページのQRコードです。

拡大