PASSION ∞ヘレンケラー「光の中へ」∞ 公演情報 PASSION ∞ヘレンケラー「光の中へ」∞」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★

    良い作品でした。
    ヘレンケラーを導いたサリバン先生の視点から描く力作。
    障害者、黒人、労働者…社会的マイノリティの解放など、壮大な事情が交差する時代背景の中で、サリバン先生の人柄や考え、ヘレンの意識向上、ポリーとの共存、これまで知らなかった事柄を美味く伝えてくる秀逸な作品。


    ネタバレBOX

    全体的にダイジェスト感が否めなく、少々もったいない気がした。
    物語の進行、時代背景、社会構造や考え方などはNaや語りなどでフォローするなど、せっかくの力量ある役者陣にはサリバン先生の感情、ポリーの意識、ヘレンの思考なども見てみたかった。
    あえて簡素なセットが、役者さんの演じる微妙な動きや発する台詞などを、浮き上がらせてくれているようで、とてもよかったと思います。
  • 満足度★★★★

    グッときますね
    いわゆる「WATER」以後のヘレンの人生は芝居では観たことがなく(小学生の頃、世界偉人伝のような児童書で読んだことはありますが)、非常に興味深かったです。波乱万丈の人生を2時間弱での上演なので、ダイジェスト感は否めませんが、要所要所はキッチリ押さえられていて、見応えのある芝居でした。役者さん達の力演には感激。改善の余地は多少あると思いますが、ブラッシュアップして再演して欲しいものです。

  • 満足度★★★★

    偉人伝風な作りには共感する
    ただ時代背景とか
    いろいな判りやすい説明表現をしてもらえれば
    とかも感じた1時間55分の作品

    この世で最も美しいものは
    目に見えず触れも出来ない
    心で感じるものだ

    ヘレン·ケラー

    ネタバレBOX

    以前にも書いたような気がするが
    サリバン女史の回想風に作れば
    時代背景の説明=この時代はまだーとかナレーション入れられて
    作品世界にもっと浸れたのではとか思えたです

    ストーリーは先生とヘレンとの出会いから
    日本でのヘレンケラー女史の講演で終演です

    前回とは異なり
    人種問題を強めにして
    日本との繋がりは無理に求めなかったですね
  • 満足度★★★★★

    演劇の力を感じました。
    ヘレンケラーの「その後」は、知らないことばかりで新たな発見がありました。というか、無知でした。鬼気迫る役者さんの熱演もあり、演劇にどんどん惹き込まれました。演劇の力を感じました。

  • 満足度★★★★★

    感動しました!!!
    ヘレンケラーのその後の話は殆ど知らなかったのでとても興味がありました。
    なかなかの熱演で素晴らしかったです。

  • 満足度★★★★

    やはりいい作品
    やはりヘレン・ケラー&アン・サリバンの物語である前作「Dreams ∞永遠∞」を観させていただきましたが、今回はキャストを変え、後半のストーリーも変更したとのこと。

    キャストが違うことで作品の印象が変わるのを感じましたが、やはりいい作品ですね。

    アン・サリバン役の“森下知香”さん、“劇団光希”では何度か拝見しておりますが客演での舞台は今回が初めて。

    ポリー・トンプソン役の“Azuki”さん、“teamキーチェーン”の代表ですが、役者としての“Azuki”さんを拝見するのは初めてで興味深かったです。

    そして、ヘレン・ケラー役の“羽杏”さん、相変わらずの存在感でした。

  • 満足度★★★★★

    やはり素晴らしい!
    ヘレン・ケラーの生涯を凝縮して描いた公演...多くの劇団で公演しており、言葉を認識するまでの少女期、それ以降の社会福祉・反人種差別の活動に尽力したトピックを織り込み描いている。
    ただ、自分の好みとしては、アン・サリバンとの関わりとその後の人生の観せ方に違いがあり、芝居としての一貫性がほしいと感じたが...。

    舞台(美術)は素舞台に近い。あるのはテーブルと椅子が数脚。周りは暗幕で囲い、脚本・演出・演技で魅せる力作。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    「奇跡の人」(本作はヘレン・ケラーの物語で、アン・サリバンに関する部分は大幅に割愛)というタイトルで上演されることが多いが、それはヘレン・ケラーとアン・ーサリバンとの出会い、結びつきが中心に描かれる。その意味ではヘレン・ケラーの人生に大きな影響を与えた人間としての関わり、言葉の認識というプロセスが中心であり、その見せ場として井戸での水汲みシーンが有名である。本公演でもその描き方は他の劇団公演と変わらない。

    前半・後半という括りをするとすれば、後半はヘレン・ケラーの社会、反人種差別に対する運動のトピックが紹介される。労働条件改善の訴え、南部黒人集会での演説や講演である。そしてライフワークになる社会福祉活動。自身の経験を踏まえた公演は、世界中へ。
    この前半・後半を幽体離脱体験という形を挟むことで物語展開させたところも巧い。前回公演は、この場面がくどいようで違和感を覚えたが、今回は繋ぎに絞ったようだ。

    前半はヘレン・ケラー(羽杏サン)とアン・サリバン(森下知香サン)との出会いと成長、後半はポリー・トンプソン(Azukiサン)を伴った活動に登場人物も含め軸が変わる。そこに時の経過が感じられる。もちろん役者陣の老齢していく容姿・演技もしっかり観える。
    ヘレン・ケラーという女性の半生を過不足なく描いているという点では観応えがある。それを体現する役者、特にヘレン・ケラー、アン・サリバン、ポリー・トンプソンを演じた女優3人は素晴らしかった。

    さて、自分の好みであるが、後半部分はヘレン・ケラーの人格形成を成し、その自覚に基づいた活動・運動を展開している。そこには出来上がった人物像があり、その人格を形成するまでのプロセスが観えない。前半の過程に対する感動が、後半では文献でも知れるような展開にしていたが...。上級学校に進学しての考え方、物の見方など成長する”過程”を力のある女優陣で観たい。また活動・運動を通して成長や人的交流があったと思う。彼女に限ったことではないが、人の成長…ヘレン・ケラーらしい違った感動がありそう。もっともポリー・トンプソンとの出会いは人格が形成され運動している時期であるから、物語の構成は相当工夫する必要があるが。

    前回公演を凌ぐような力作。そこにヘレン・ケラーの年を追った人生経過(順々?)ではなく、芝居的な観せ方があったら、他団体・公演と一味違ったヘレン・ケラーの物語が観られそう。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    真実の持つ重み
     構成の良いシナリオ、事実をベースに真実を表現した演出、役者陣の頑張り、何れもバランスよく物語を本質をキチンと観客席に伝える秀作。

    ネタバレBOX


     前半部を主にアンの教師としての資質の高さとその証明に費やしたとすれば、後半部では、アンの献身的な努力と超人的な粘り強さが、花開かせたヘレンの活動を中心に据え、寄る年波に徐々に弱っていくアンに対し偉大な個人として成長したヘレンを見せると同時に彼女の転換点となった幽体離脱体験を挟んで自然な物語展開にしている。と同時にヘレンの周りで常に彼女の将来を案じていた総ての人が望んだ寄る年波のアンのミッションを受け継ぐ理想的伴走者、ポリーとの出会いと経緯が、南部黒人集会での演説や反戦運動で講演の機会を失い出版機会も奪われ困窮する生活の中に描かれる。同時に、編集者、ピーターが、実は黒人の血を継いでいながら、肌の色が白人と変わらなかった為、白人として生きる為に自らを社会主義者と偽り、ヘレンの反差別主義を邪魔立てするようなデータをメディアに流し、彼の勤める出版社以外では彼女の本を出せないよう画策していた張本人であったという衝撃的事実が明るみに出る。この事実は衝撃的である。何故ならこの複合意識は現在のアメリカでも解決されていないからである。一例を上げておけば、数々の大ヒットを飛ばし大スターであったマイケル・ジャクソンが執拗に整形手術を繰り返したことと同根の問題だからだと指摘しておく。
    ヘレン・ケラーとその名教師アン・サリバン、後にヘレンを支えることになったポリー・トンプソン。そしてヘレンの本を初めて出した編集者、ピーター・フェイガンらの人間関係を中心に当時のアメリカの世相、障害を持つ者に対する差別とその背景にあったWASPへの過剰な誇り及びWASPの建国事実に対する誤認識などをヘレンの両親との関係を通して描き出した秀作。聾唖者としてのヘレンに文字を教えるのに、指文字を用いたアンの卓抜な手法とその真摯な取り組みの背景には彼女自身の凄惨な体験があったという事実は、アンの想像力にヘレンの蒙っている現実の不自由、苛立たしさを推量させる契機があったということだろう。こういった想像力は、例えば公共施設にスロープを設ける、バスや電車の乗降口と電車のホーム、或いは地面との高低差、距離などをなるべく小さくする、駅にエレベーター・エスカレーターを設置するなど弱者への慮りが、ずっと蔑にされてきた日本でも、障碍者の権利獲得へのムーブメントやそれを支えた心優しい左派の想像力があったことと無縁ではない。またヘレンの将来を心配した父、アーサーがヘレンをボードビルショー(寄席)に出演させて自立を計ろうとしたこととも無縁ではない。(差別を肯定し見世物として人間性を否定することが、障碍者の生き残る唯一の方法だと考える悪しきリアリズム。この考え方には人間の尊厳の問題が無視されている。今作中ポリーを加えた3人がボードビルショーに出演して生活費を稼ぐが、彼女たちは人間の尊厳を守る為のパースペクティブを持ってそうしたのであり、アーサーのように差別を是認していた訳であいことは明らかである。)この辺りの事情は、映画、エレファントマンのモデルになったジョゼフ・エリックが長年見世物小屋を盥回しにされていた事実と合わせて考えてみる必要があろう。現代にも続く障碍者への差別を更に軽減し続ける為にも、健常者が用いるべき最大の知恵が他者の傷みに関わる想像力であることは今も変わらない。そしてこのような想像力を得る為に必要なことは、徹底的にバイアスを排し、事実を見る目を養い、事実を通してみた結果を合理的に検証して応用する力が最低限必要だという認識である。即ち優しさを実現するリアリストの目も必要だということだ。例えば福島第一原発人災後、多くの子供が鼻血を出した事実を否定するようなアホな言説に対してキチンと正しい情報を評価し擁護する態度が個々人になければならないのは当然のことなのだ。間違った情報を意図的に垂れ流す国際原子力マフィアに立ち向かわねばヒトの将来のみならず、全地球上の生命が壊滅的打撃を蒙るのは必定。心して掛かるべきなのである。このような応用こそ、この3人の偉大な女性たちが現代に生きる我らに託したものの内実であろう。

このページのQRコードです。

拡大