「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」 公演情報 「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-20件 / 22件中
  • 満足度★★★★★

    ニコニコさんが泣いた日 大千秋楽
    ヤエ役の西條さんのバカワニとバカライオンを迎える場面。これまでは天界の慈母のような微笑みの演技でしたが、今日は人間的な感情を表した演技で千秋楽を感じました。終わっちゃいましたね〜
    新選組の近藤・土方コンビ(矢野さん・高橋さん)ニコニコさんでも強力でした!でも新選組ファンに夜道で刺されないように気を付けてください~
    ジョンの安野さん、♪ティリリリ・・と座頭市楽しかったです。花子の原さん、宮崎県人として今後も大いに活躍してください。
    ニコニコの千住さん、本物にしか見えませんでした!でも考えてみれば「泣いた」のは見てないなあ・・
    ミツの伊藤さん、これからも出演作品の幅を広げて色んな演技を見せてください。待ってます。
    演出の原田さん、久しぶりに演劇ならではの舞台を観せて頂いて感激しました!6月の新宿村LIVEへも参上いたします。よろしくお願いします。
    最後に、この舞台に携わってこられた全ての方々、とても楽しいニ週間を有難うございました。

  • 満足度★★★★★

    良かった!
    ニコニコさんが泣いた日 を観劇しました。楽しく面白く、切なく辛く、とても良かったです。動物好きの私としては、史実に基づいたストーリーなので、余計に辛かったです。楽しいシーンが沢山あったので、その分、ラストの悲しさとのギャップが激しく、涙が出てきました。役者さん達は、みな嵌り役という印象で、それぞれの役柄を生き生きと好演していました。笑いあり涙あり、色々考えさせられる良い舞台でした。

  • 満足度★★

    ニコニコ
    チケットの料金から期待出来るレベルではなかった。

  • 満足度★★★★★

    天命とは!
    あらすじも、原作も読まずに観に行ってしまったので、「天命」と「投げ売り」がなにか、途中でわかりました。
    「神のお告げ」よりは「神の命令」に近いのでしょう。天命を受けたクマさんが、自分で天命を実行しないのは斬新ですかね。クマさん役の青木清四郎さん、スッキリと贅肉が削ぎ落とされ、町飛脚姿が美しかったです。かなり、泣けました。

  • 満足度★★★★★

    ニコニコさんが泣いた日 夜公演
    今回は、動物さん達のことも書きたいので一応下のネタバレコーナーにいれときますが、ストーリーバレは無いつもりです。

    ネタバレBOX

    夜公演、観てまいりした。あと1回を残すのみです。
    という事でもあり、既にツイッターでいろんな情報が出ている事でもあるので、ややネタバレ系かとも思いますが、作品に登場する登場人物ならね登場動物の事を書きたいと思います。
    実はこの作品の登場動物は動物園の人間に限り会話が出来るというアッと驚く設定になっています(^^;; 実際に観劇するまでは、まさかそういう設定だとは思わず、この有名な話をどう演劇化するのか想像もつかなくて悲惨なだけのお話なのかな…イヤだなあ…って思ってました。
    という訳で人間と動物が絡みながらドラマは進んで行くのでございます。
    動物役者陣で、兎に角ハデで目立つのは◯◯ライオン役の矢野さん。この◯◯という言葉はライオン最後のシーンで大きな感情的効果を発揮する事になるのですが、矢野さんは実に味わい深くこの役を演じてらっしゃいます。特にライオン最後の言葉は日本人の心に刺さります。一方もう一人(一匹?)の肉食獣メンバーのワニ役の上杉さんは、賢くてヘンに判っているオトボケワニさんを控え目に且つ確実に演じていてお芝居の枠組を支えている感じです。聴きやすい発声なことも手伝って淡々としたオトボケ姿はストーリー進行に効果的だと思いました。最後に、このお話の主役でもある像さんチームですがチーム編成3頭です。リーダー格のトンキーを演じる高橋さんはケレン味なんかの全く無い確実で安定した演技で像ドラマを引っ張っていて、現実世界でもリーダー的な役のかたなのかなあと思いました(私の勝手な想像ですが)。ジョン役の安野さんは、綺麗な歌声と芝居っ気タップリの演技で楽しませて貰っています。基本をしっかり押さえながらも、特定の数字にコダワるシーンやバットの応用演技場面はとても楽しく見せてくれます。何回か引っ張って頂いてその点でもお世話になってます~。歌声と芝居声との切り替えって、どうやるんですか?高い声になる時に自然に切り替るんでしょうか?お見事です!そして花子を演じるのが原さん。この話、実話的には像の花子の話として流布されているので実は原さんが影の主演者?ベテラン組と混ざってもシッカリやっていて好演です。彼女の、滑舌というよりも滑口って書いた方が良いような、早いセリフ廻しでも良く聞き取れて崩れないおしゃべり術は持って生まれた才能でしょう。今後も様々な役での御活躍を!
    最後に動物達を導いていくヤエ(人間役)の西條さんですが、その最後の場面での落ち着いた演技は安らぎ感が良く出ていたと思います。自分も、そういう時にはどなたかに手を引いて欲しいなあ...と思わせ演技でした。ミツヤエ姉妹で激しさと安らぎ感を上手く分担した配役なんですね。ダンスシーン決まってましたし!
    以上勝手なこと書きましたが、木曜の最後の舞台も楽しみにしています。
  • 満足度★★★★★

    ニコニコさんが泣いた日 昼公演
    (例によって最初は某氏ツイッターのコピーですが御本人に了解は得ております。まあ御本人と私とは、後藤田さんと矢野さんとの関係と同じような…)

    この作品、登場人物がそれぞれ自分の思いをぶち撒ける場面があり心を打ちますが、実はこの作品には登場動物ってのもあります。ネタバレ系かと思って書くの控えてたけど、そろそろいいかな〜

    ツイッターコピーはここまでですが、動物園内の人間:動物の比率は1:1で動物さんにも人間同様の演技が求められているのが、このお芝居の特徴の一つでもございます! 像さん達や肉食獣さん達あっての展開になっていて、動物軍団には強力なメンバーが布陣しています。

    …さて、ソワレが迫っていますので続きはまた。

  • 満足度★★★

    「ニコニコ-」観劇
    毎度熱さもありいい話なのだが今回も途中、話が冗長に感じてしまった。好きで観に行くけど満足度は及第点の域を出ず、決して高くない。
    二本立て公演なので制約も多いのだろうが舞台美術も寂しい。

  • 満足度★★★★

    史実..【ニコニコさんが泣いた日】
    メッセージ性を意識した公演...この物語は有名な史実であり、戦争という最悪な悲劇にして究極の不条理を端的に表現する。人間の愚かな行為は動物をはじめ他の生命体の存在を脅かす。その演出は、戦時中における軍国主張を援用し、その理不尽な環境下では弱い立場にある動物たちへの慟哭が見て取れる。しかし、そこは単にお涙頂だいではなく、演劇企画ハッピー圏外という劇団の特長である面白く、そして優しい眼差しで見守るようだ。動物を擬人化して愛らしく、その結末は...。

    ネタバレBOX

    舞台は、前・後(客席側と奥)に区分し、奥は2段差あるだけの素舞台。客席側が動物園のオリの中、奥は柵ごしに見物する。この空間によって動物園に飼われている動物と人間を区分し、オリ外は戦時状況を現す。その時代環境であろうか、全面がダーク色で暗澹たる雰囲気を醸し出す。

    梗概は、第二次世界大戦中の東京・上野動物園...戦争の激化により、餌の調達や空襲時に逃げ出したら危険ということで、動物たちを殺処分する戦時猛獣処分の命令が出された。ライオンや熊(公演ではワニ)が殺され、次は象のジョン、トンキー、ワンリー(花子)だけになる。餌や水を与えるのをやめ餓死するのを待つことにする。象たちは餌をもらうために必死に芸(野球)をしたりするが、ジョン、トンキー、花子は終に餓死していく。

    動物園の職員達は反対したが、食糧事情の悪化などもあり、他の動物園への移送に奔走する姿に感動する。とにかく走る走る、その熱量と動物たちの愛らしさと無念さが涙を誘う。

    人間の勝手な行為によって多くの動物が死んだ。その足蹴にした人間、今、動物園にいる動物から癒しや元気、そして楽しみをもらう。悲惨な戦争から71年、人の噂も75日というが、その痛みをあと4年(戦後75年にして東京オリンピック開催年)で忘れてはならない。それ以降も同様に...。その意味で戦火が直接描かれる訳ではないが、その主張は鮮明である。

    役者陣は擬人化した動物、立場がしっかりした人物造形。そしてバランスの取れた演技力は観応えがあった。素舞台であるだけに、個々の役者の演技力が目につくが、とても魅力的(ピンクレディの衣装と歌など)に演じていた。舞台技術、特に照明は動物たちの生まれ故郷をイメージする森林の描写が美しい。
    そういえば、象を数える時、「○匹」という数え方でしたっけ。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    ナイスキャスティング
    「幕末!天命、投げ売りのクマさん」を観劇。

    幕末を題材とした作品は、数多の劇団で上演されており、魅力的な作品も多々あるが、そんな中でもこの作品はかなり面白い。

    “志士”ではなく“町民”を主軸とした物語は魅力的に仕上がっていた。
    そういった意味では、“青木清四郎”さんの“熊八”役はナイスキャスティングと思う。

    この作品が元となった本、「暁のイーリス」も読んでみたいですね~。。。

  • 満足度★★★★★

    ニコニコさんが泣いた日 夜公演
    役者さんが思い切り演技できる作品は大好きです。
    若手の役者さんから場数を踏んできた役者さんまで役者歴は様々なんだろうとは思いますが、この公演では登場人物&登場動物の全員(&全動物)が上手く配役されていて、役者さん達の個性がうまく発揮されていると強く感じます。
    これ以上の配役は無いだろうと思うニコニコさんの千住さんなんかは、いったい次には何を演じるのかが心配になるくらいの適役ですし、同じく戦時中の学生をうまく演じる景山さんは痩せた顔立ちもあって演技は勿論、外見的にもうまく戦時中の学生に見えます。
    また、好青年風の小林役の田口さんと、作中で唯一官憲側立場の塚田役の今井さんとは両極の立場の役まわりですが、それぞれの役の心情を客席に伝える十分な演技で好演です。
    一方動物陣では後藤田さん演じる〇〇ワニは派手な場面こそないものの全場面を通じて作品のテーマの根本を支えています。
    一方で派手な見せ場のある 千住さん(ニコニコ)は、今回かなり特殊な役であるにも関わらず最終シーンの説得力は見事です!
    同じく派手な持ち場のある 伊藤えみ(ミツ)の演技は「泣き演技」と言われていますが、勿論泣いている事そのものが素晴らしいのではなくて、そこに至るまでのミツの感情の揺れ動きを表情とセリフの言い回し(&音色)で的確に表現して客席の心を捉えている事こそが見事です。まるでミツが取憑いたような彼女独特の演技は凄いと思います。

    作品自体の後半は重い場面が続きますが、エピローグの全員で演じるシーンは観る者の救いになっています。この宗教的ともいえるシーンを最後に配したのは脚本作家の名演技と言えると思います。

    本日の夜公演は前半は、セリフのテンポがとても良くて大変楽しめました。
    あと3回なんですね・・

  • 満足度★★★★★

    ニコニコさんが泣いた日 昼公演
    今日は役者の皆さん、一段と気合入ってましたね!公演 始まった瞬間に感じました〜 お見事! 役者あっての舞台です。まだまだ期待してます。
    それにしても魅力的な芝居です。

  • 満足度★★★

    「ニコニコさんが泣いた日」観劇です
    子ど向け風に楽しく動物さんたちを擬人化しての上演でしたが、自分的には笑いとシリアスのバランスが取れていなかったなぁと思えた約2時間。

    ネタバレBOX

    ライオンさんゾウさんなどツナギの色での擬人化は可愛いくは思えたが

    積みあがってゆく戦争という悲劇の波が
    あんまし上手に見せられていなかったと感じたですよ

    緑色のツナギのワニさんよりも
    黒いツナギでのクロヒョウさんとかにした方が
    同じ肉食つながりで
    ライオンさんとの共演が生きたのでは?
    とかも感じました
    (ライオンさん・・・ほんと~にキャラ合ってましたが
    も少し傍若無人でも・・とか感じましたです(^^)
  • 満足度★★★★

    「ニコニコさんが泣いた日」観ました
    上野動物園での戦時猛獣処分に取材した作品。このことを題材にした作品は多いけど、動物を擬人化したファンタジーという点がとてもユニーク。コメディタッチで笑いも多いけど、終盤の展開には泣いてしまいます。話はわかっているんですけどね。しかし特高のセリフには考えさせられました。

  • 満足度★★★★★

    ニコニコさんが泣いた日 昼公演
    同じお芝居を何回か観ると、登場人物(今回は登場動物も)に、なんとなく親近感を感じるようになって、それが架空の人物(と動物)であることは判っているものの、会えなくなっちゃうと寂しくなります。ペットロスならぬ芝居ロス(?)。いつでも劇場に行けば会えるといいんですがタイムマシンが実現化されるまでは不可能ですよね~。

    独演的な見せ場のあるニコニコ(千住さん)、ミツ(伊藤さん)、塚田(今井さん)、小林(田口さん)以外の登場人物(&動物)も同じで、激情を吐露する場面は無く冷静でなければいけない園長(水島さん)も抑えた感情をよく表現されていると思いますし、この作品の日本的感情を代表するライオン(矢野さん)の最後のセリフの演技は心に刺さりました。それは 伊藤えみ の壮絶演技の最中にさりげなく入ってるセリフですが、これがあってこその名場面でございます。

    皆さん(人物&動物)とは、今はまだ会えるので今はまだ芝居ロスは大丈夫です!後半戦、期待してます!!

  • 満足度★★★★★

    出来る役者!
    前回に比べ、かなり全体が締まって、良い流れが出来ていた。その大きな要因、ひとつは青木清四郎くんのクマさん、感情がはっきり出ていたし、動きがまだ若い!これが良い効果をもたらした。また、黒藤君の坂本龍馬。二度目とあって、前回の“やらせてもらってます”感が消え、自分の役としての消化度が上っている。良い成長ぶりです。そしてなにより、勝海舟役・宇貫貴雄さん!こんな事言っては何だが・・・あきらかに他の出演者とはランクが違う!台詞回しの上手さ、動きの良さ、勝さんの存在が話をキリッと締めた感がある。やはり要所には“出来る役者”が必要なんだよねぇ!!



  • 打倒近藤勇
    自由奔放やりたい放題で超人間的な近藤勇は新鮮!そのライオンのような頭髪は別の日に出会ったライオンを思い起こさせる!土方も軽いノリで伝統的土方像を破壊している。近藤さんの事は、トークショーでデフォルメって言ってたけど近藤・土方とも偶像破壊に近い。でも近藤さんが出ていると楽しいですよね。そして近藤さんとの死闘(?)を演じる乙女役の育美さん。お久しぶりでございました!今回も怪演、見せて頂きました~公演後半はもっと近藤さんと戦ってくださいね!目指せ、打倒近藤勇!!

  • 満足度★★★★★

    ニコニコさんが泣いた日&トークショー
    まずは、某氏のツイッターを引用
    ◆心を揺さぶるお話。タイトルロールの千住さんの魂の叫びが瞼に残るし、まるでミツに取り憑かれたように演技を続ける 伊藤えみ は演劇がシャーマニズム起源だという説を実感させます。ダンス、歌、額のボール(?)…と言った演劇の楽しさ満載の舞台です!
    。。。ということですが、「?」つきの額のボールってのは、園長役(水島さん)の額のボールのことです。この小物は、この作品が悲しさの淵に沈み込むのことへのストッパーの役割を存分に果たしています。たった半部のボールですが効果は絶大です。このセンスは凄いと思います。次にタイトルロールの千住さんの話ですが、あの外見制約のなかで最後のセリフを決めないといけないのは、ハピ兼走り以上に困難でしょう。でも、(外見の助けもあって)バッチリ決まってます。それから 伊藤えみ さんのシャーマニズム的演技は、まさに演劇の原点だと思います。男性の役者さんには決してできない演技です!

    え~次も某氏のツイッターの引用ですが…
    ◆伊藤さんの演技、今夜も堪能致しました。ロビーで演出の原田さんともお話しましたが良いかたと出会いましたよね〜。今回は伊藤さんの演技力を存分に活かせる演出・作品です。役者と演出・脚本家との関係って興味津々ですが、同じ演出家のハーロックも期待します!
    …ってことですが、ロビーでお話しした役者さんからも演出の原田さんについては「それぞれの見せ場をつくってくれる演出のかた」という話を伺いました。私も、役者あっての舞台演劇だと思いますので「役者の見せ場」はトテモ大切だと思いますし、深刻な、或いは、悲しい・・話であっても、踊り、歌、お笑い(悪ふざけ?)が同居できることこそ舞台演劇の醍醐味だと思います。なんと言っても演劇は祭りでありハレの場なのでございますから…でも、そうである為には少々の悪ふざけではビクともしないプロットの脚本が不可欠なのも事実です!
    ◆ということで、明日からも期待しております。ライオンさんが最後の場面で醸す情緒は流石でしたし、本日公演後にスピーチされた 原はるみ さんは、いじらしくカワイくて良かったです。今後も遠慮なく頑張ってください!

  • 満足度★★★★★

    動乱
     貧乏長屋住まいの町飛脚、熊八(クマさん)は、千葉道場の師範代、重太郎ともツーカーの仲。而もこの道場には坂本 龍馬が、脱藩後剣の腕を磨きに来ていた。(追記2016.4.7)

    ネタバレBOX

    千葉さな子と龍馬の件は措くとして、熊八は馴染の蕎麦屋の看板娘、八重に惚れられているのだが、やきもきするほど鈍感である。八重には、呉服屋の若旦那が血道を挙げていて、首を縦に振らない彼女を攫ってゆく。
     そんな恋のいろは坂を下る間に、彼は天命を受ける。何でも河岸の船がケシの実ほどにしか見えないほどの大きな黒船が異国からやってきて江戸は愚か日本中が大騒ぎになる、とのお告げであった。この話を千葉や龍馬にした所、そんなことが在る訳は無い、と一笑に付されたのだが。
     後日、クマの言ったことは嘉永六年七月八日、浦賀にペリーが来航したなど、総て現実になり、黒船出没以降幕府のみならず、日本中が上を下への大騒ぎ。尊王だ攘夷だと動乱の時代を迎えた。(但し薩摩藩は流石に約半年前既に島津斉彬が江戸にありながら、弟久光に米艦が来ることを予報、非常警戒を命じている。)
     一方幕府・朝廷はといえば11月23日に家定が、征夷大将軍・内大臣に任ぜられるなどという旧態依然のことを相変わらずやっている。こんな勢力が未だ大手を振っていたのも事実である。無論、早世したが勝海舟を抜擢した阿部正弘のような優れた老中も居たのではある、後に下級貴族から成り上がる岩倉などの新勢力も虎視眈眈機会を狙っていた。幕府・朝廷の内部が四分五裂していた様も以上のことで察しがつこう。今作では扱われていないが、ほぼ同時期、ロシアのプチャーチンが八月二十二日に長崎に来航し国書を手交している点も指摘しておこう。
     今作では、壬生浪士組から後新選組を名乗る、時代錯誤の迷い人集団を軽く扱うと共に戯画化し、やんわり批評している点、またクマさんが、小市民的な価値観のまま、動乱の時代の最も大切な位置を占めて活躍する内容に、ハッピー圏外らしい価値基準のヒエラルキーが出ている。
     また、この年3月11日には江戸、小田原、三島などを強い地震が襲い多数の家屋が倒壊。多くの死者を出している。
     一方、龍馬を中心に、英傑勝海舟対したたかな西郷隆盛が大人の交渉術を見せる辺りは流石にキチンと作っている。例えば、対面した時の刀の置き方(互いに鞘をつけたまま腰から抜き、各々の右側に置くかと思いきやそれぞれが左側に置いた)で、互いに警戒心を解いていないことを表し、江戸城明け渡し交渉の結論を出す瞬間、勝は刀を自分の背後に置き換え、戦意の無いことを示すが、西郷は官軍として入城するので刀の位置はそのままにするなどキチンとした表現をしている。また、謎の多い龍馬暗殺について合理的な解釈をしている。これらの点にも感心した。


  • 満足度★★★★★

    2回目は役者さん!
    「ニコニコさんが泣いた日」4/4夜公演観ました。「ニコニコさん」を観たのは今夜が2回目です。ストーリーは判っているので役者さんに集中して見て来ました。座ったのが役者さんの顔と自分の顔とが同じ高さになる席だったので、役者さんの表情を見るには最適でした。また、この作品の元ネタは広く知られている悲しいお話しですが、でも今回は単にシチュエーションをそこから借りて来て役者にイロイロな演技をさせる足掛かりにしているだけのように思います。この作品、決して平和や動物愛護を訴えるようなものでは無く、扱っているのは、もっと人間の根源的な情緒や感情です。しかも日本的な扱いです。それにダンスもお笑いもあってトテモ演劇的な構成になってるなあと思いました。その演技面では、この作品のクライマックスシーンを演じる 伊藤えみ は素晴らしかったと思います。前半ではお笑いもダンスもありで大いに楽しませてくれましたが、後半では一転、時代の要請により最も自分の感情に背く事を泣く泣く自ら実行せざるを得なくなったミツの心の動きを見事に表現して見せてくれました。物語の進行と芝居相手のセリフに沿って、ミツの悲しみや慚愧を、刻々と変わっていく悲しい表情で語ってくれました。あそこまで悲しみの表情に種類があるとは思いもしませんでしたが、勿論演技なので一定の客観的判断力を保っている事は確かですが、演技中は。それとミツの感情とが彼女の中で二重的に同時存在していたんでしょうか? 今夜は演技ということの不可思議な淵を覗いた気がしました。
    え~最後に、「この作品の衣装に似合うでしょうアワード」を勝手に発表させて頂きたいと思います。アワード受賞者は、なんと言ってもニコニコさんの千住さんでしょう!丸刈りなこともあって似合いすぎ!!セピア色の写真にしたら当時の写真と言っても誰も疑う人は居ないでしょう~! 伊藤さんのモンペ姿が、どうも何かしっくりしないのに比べると際立つ完璧さです。
    ということで(?)、皆さま、今後の公演も期待しています!

  • 満足度★★★★★

    ニコニコさんは演劇
    「ニコニコさんが泣いた日」初日昼公演観てきました。昨日の「クマさん」のほうは、ストーリの展開を見せるのがメインの作品で、坂本竜馬の後半生を史実に沿って約2時間で進めるのという展開な事もあり言葉でストーリーを進めざるを得ないし、幕末史に造詣がないと話を理解するのが少々難しいような処もあるのですが、本日の「ニコニコさんが泣いた日」は、これも昭和史の出来事を土台ではあるものの、昔、日本がアメリカと戦争して東京が爆撃で焼け野が原になった事くらいを知っていれば十分理解できる判り易い作品でした。「クマさん」はテレビドラマや映画にしてもいいような作品でしたが、「ニコニコさん」は映像化不可能な劇場空間ならではの作品であることも感じられて、2作品を交互に上演するってのも面白い試みだなあと思います。
    話を「ニコニコさん」に戻します。演劇にしろテレビ・映画にしろ、病院ものや戦争ものというジャンルは確実に存在していて、それは人間の生き死にを扱っていて、それ自体が非常に強力な題材であるため、それに頼ってしまっている作品は世の中にかなり多いと思います。テレビの2時間ドラマの○○XX殺人事件なんかもその一種だと思いますし....。今回、土台になっているのが上野動物園で実際に起こった有名な話なのは容易に想像できた事でもあり実際に劇場で観るまでは正直あまり気が進みませんでした。でも実際に観はじめると想像とは違ってリアリズムの枠には収まらない劇場演劇ならではの作品であることがすぐ判って楽しませて頂きました。前半はエンターテイメント要素も大きく、いろんなお笑い場面に加え、伊藤えみ・西崎瑠美の姉妹役コンビによる芸能史上有名なセクシーピカピカ衣装ダンスのサービスシーン(?)もありでしたが、このダンスはビックリもので舞台でここまでやるって超レアですよね~楽しめました!
    そして後半は一気にシリアスモードに移り役者さんの演技を十分楽しめます。ここで伊藤さんは、この芝居で一番ツライ設定の場面を様々な表情と声色を使いながら役に入り込んだ見事な演技でミツのココロを客席に伝えてくれました。ミツのこのシーンは作品全体を凝縮したものでもあり、また彼女の演技力との相性も良く、客席も彼女の演技に引込まれて至るところで嗚咽が…。終焉後にホールでお会いしたときの伊藤さんは、役者や演奏家が満足したステージを終えたの独特の表情で、これって男女を問わずとても魅力的。しかも滅多に見られない貴重なもの。もともと綺麗な女優さんでもビックリするほど美しく感じます! 一方男性陣のクライマックスを演じるのは千住さん。実は彼、この場面まではあまり活躍しないのですが、最後に舞台の中央で作品全体を締め括るセリフを客席に向けて単独で語ります。しかし役柄設定上、豊かな表情は使わずに、逆に無表情ともいえる顔でこのセリフを語します。これも十分に客席を納得させるものでした。
    というようにイロンナ要素が入っているお芝居でした。来週も両作品とも参上する予定なので、どう進化しているか楽しみです。

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