クリスマス解放戦線 公演情報 クリスマス解放戦線」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    バブル風味の運動ソース、禁欲のカルト添え
    設定が明快でスパイスが効いた現代風刺・近未来劇。現実離れもここまで行っちゃ・・と突っ込み入れるも一々人間(社会)のウィークポイントを穿ってるからその風刺に笑って見進めれば、最後にはしっかりとオチが。達つぁんの「クリスマスイブ」がプロテストソングとは、これ如何に。。あり得なくもない話に思えてしまっているのが、不思議である。

    ネタバレBOX

    クリスマス禁止令がバブル期を頂点に見られた日本人の「醜悪」を理由として発布され、権力による監視体制も厳しい。これにささやかに抵抗しているグループがある。そのリーダーの自宅(?あるいは拠点)でクリスマスイブの日、クリスマスを祝う、というイベントをやろうとしており、全国の大学サークルに散らばっているメンバー達が集ってくる。が、やって来るメンバーは先輩から引き継いで来たという者(その先輩はもう就活で続けられないとか、先細りの雰囲気も少々)や友達と名乗る者もいる。ツリーはT、モールはM、などの暗号で指示をしあい、ドアの外で合言葉を言ったりする。さて集まった中にスパイがおり、摘発となるが、そこへ武装グループの救助の手が入る。しかし彼らはサンタクロースが実在すると信じるカルト集団であった。禁欲という点において管理社会と彼らの教義は志向が重なるが、カルトのほうが非科学非合理にみえ、しかし権力の向かう方向を支持するわけにも行かない。大学を留年しまくってる主人公の男は、そのどれにも屈せず与せず、ただひたすら、(サンタも信じず)ツリーの電飾と音楽の中でロウソクを立てたケーキをカットして食べ、好きな人にプレゼントを渡すという、言わば「企業戦略にまんまと乗っかった」ようなクリスマスを守ろうとしているのだ。このノンポリさ加減は普通なら侮蔑の対象にさえなりそうだが、彼はそこにだけこだわる。その強いこだわりの理由が、芝居の冒頭、闘争の最前線へと上京して行った前のリーダー(女性)との事に発していることは観客は周知だ。が、ラストはふいに訪れる。嵐が吹き荒れた後、彼が一人残ったその部屋に、10年前別れたその元リーダー、あの日プレゼントを渡しそびれた彼女が戻ってくる、冒頭で交わした合言葉を言って・・。そこで交わされるのは、彼女の近況報告(夫がおり今妊娠している)と男の簡単な現状報告。静かな会話の「間」に青春の初々しさがゆったりと流れ、やがてさよならとなるが、彼女を呼び止めた主人公は、10年越しのプレゼントを箱から取り出し、次々に渡す。恐らく、毎年用意していたのだろう(笑)。・・・そんなささやかなクリスマスの時間のような平和を奪うものはすぐそこに近づいているのかも知れない。
  • 満足度★★★★★

    想像力豊か
    一億総活躍社会ってどういう定義か考えてしまいます。

    ネタバレBOX

    勤労に影響を及ぼすとしてクリスマスを禁止した日本社会の話。

    一億総活躍や安保法案など様々な社会情勢を例えていると思いながら楽しく観ました。

    そんな風習など聞いたこともなかったわといったところから、私としては恵方巻禁止令も出してほしいと思いました。

    中学生役の女優さんの印象が強烈でした。
  • 満足度★★★★

    青森のサンタ
    笑っているうちに、何だか現政権下で起こりそうなエピソードにうすら寒くなる作品。
    二転三転して最後にドカンとまたひっくり返す展開が、サスペンスフルで秀逸。
    工藤良平さん、三上晴香さん、音喜多咲子さん、工藤由佳子さん、役者陣がほんと完璧。
    何がって、台詞の咀嚼度、キャラの作りこみ、台詞の間、声のトーン等々が。
    70分くらいという長さも実に心地よい。

    ネタバレBOX

    舞台中央階段の上にはクリスマスリースの飾られた白いドア。
    ここは「クリスマス解放戦線」の拠点で、訪問者は合言葉を言わなければ入れない。
    リーダーのシンちゃん(工藤良平)は先代リーダーのコズエ(夏井澪菜)を慕い、
    過激な活動の後今は行方不明になっている彼女を、10年間学生のまま待っている。
    近未来の日本では、「クリスマスは日本国民を堕落させる」として
    祝うことを禁じられている。
    「クリ戦」は、密かにその禁じられたクリスマスを祝う集団だ。
    今年もささやかなイベントを計画し、ツリーやケーキを用意している。
    ところが新メンバーとして参加した者の中に、警察側の人間やカルト教団の教祖が
    紛れ込んでいてメンバーたちは大混乱に陥る。
    実はその時、誰も知らない秘密の計画が進んでいた…。

    少し前“クリスマスにはホテル・ディナー・ブランド物のプレゼント”という
    バブル3点セットみたいなものがもてはやされた時代があった。
    日本人の価値観が狂い堕落したのはあの“クリスマスなるイベント”のせいだ、
    だから取り締まれ、という乱暴な論理が現政権と重なって面白い。

    クリ戦メンバーキララ(音喜多咲子)の“毒吐きキャラ”も健在で楽しい。
    彼女が実は大学1年ではなく、中学1年だったというのも見た目リアルに可笑しい。
    音喜多咲子さんは台詞の“当意即妙感”が素晴らしく、これは天性のものだと思う。

    もう1人紛れ込んでいたカルト教団「クリスマス帝国」のレイコ(三上晴佳)の
    教祖ぶりも強烈な印象を残す。
    自在な声の使い方、“イッちゃってる”風な目つきと妙な押しの強さ、で存在感抜群。
    手下のサンタ(畑澤聖悟)に武器を配らせ、クリ戦メンバーを殺人テロ活動へと導く
    ダークな教祖の凄みが素晴らしい。

    実はすべてが国のカルト教団を潰すための計画だったとは、
    そしてシンちゃんが法務大臣と取引していたとは…。
    ラスト、帰って来たコズエのお腹が大きくなっていることに打ちのめされながらも
    10年分のクリスマスプレゼントを次々渡すシンちゃんの姿にほろ苦い思いがこみ上げる。

    日常と非日常、現実と悲現実を、薄い膜1枚で隣り合わせに描くことにかけては
    なべげんは最高峰だと思っている。
    毎回“演劇が今の日本の危うさを炙り出す最高に効果的な手法である”
    ことを思い知らされる。
    その意味で、「翔べ!原子力ロボむつ」や「海峡の7姉妹」、
    「エレクトリックおばあちゃん」等の震えるような、こみ上げるような、
    突き上げる感動は今回鳴りをひそめた感じ。
    今回は対象が、直面する困難さではなく“時代の価値観”みたいなもの
    だったからだろうか。

    でも娘を連れ戻しに来た母親(工藤由佳子)が
    「恋人はサンタクロース?!背の高いサンタクロースだぁ?!」と毒づくところ、
    どうせすぐ別れるのに大枚はたいて盛り上がる人々に感心していた私としては
    心から賛同いたしました(笑)







  • 満足度★★★★

    主はきませり
    面白い。75分。

    ネタバレBOX

    シンちゃん(工藤良平)…クリ戦のリーダー。クリ戦の解散?とプリンスの解放を行うことで、山下達郎(プリンスの父)とコズエ帰還の裏取引を行っていた。
    プリンス(松尾健司)…クリ戦メンバー。父への反発からクリ戦に加わるが、レイコら過激派への参加はシンちゃんのおかげで止めた。
    コズエ(夏井澪菜)…クリ戦先代リーダー。首相官邸の門松をクリスマスデコしたりした。
    レイコ(三上晴佳)…新規メンバー。実はクリスマス推進の過激派リーダー。
    マミ(我満望美)…新規メンバー。実は警察のスパイ。
    ユキ(末安寛子)…クリ戦メンバー。プリンスに片思い。
    キララ(音喜多咲子)…クリ戦メンバー。再婚を繰り返す母に反発して、加入した中学生。言動は比較的過激。
    キララの母(工藤由佳子)…キララを連れ戻しにくる。
    キララの義父(佐藤宏之)…クリスマス禁止令の原案者。クリスマスが日本を堕落させたとこのこと。
    椿山(畑澤聖悟)…警官。マミの上司。クリ戦を一網打尽にするが、レイコら過激派によって蜂の巣にされる。

    クリスマスに関する一切が禁止された近未来。クリ戦のメンバーは、密かに祝いの雑貨など持ち寄って祝う準備に励んでいる…。

    コメディな感じでどんどん進み、終盤は一転してダークな色調に。短い上演時間でも起伏に富んでて楽しめた。ラスト、おなかの大きくなったコズエと再会し、おなかのことには触れずプレゼントを渡しまくるシンちゃんで幕。若干の影を残しつつ、柔らかな終幕だった。サンタなんていないというシンちゃんは、自分の力で願いを叶えたんだなと。

    今、普通にあるものが奪われ、縛られるというところから、個々人で何ができるのか。やや情けなさげなシンちゃんが、ラスト、ちょっとカッコよく見えた。
  • 満足度★★★★★

    ニッポンへの警鐘/70分強
    舞台となる仮想の世界、ブラックなギャグ漫画のようにイカれた世界が、現政権下でなら現実になりそうな気もしてきて、突き抜けた展開にゲラゲラ笑いながらも、段々うすら寒い気分に。。
    大人だけでなく、間もなく参政権を得て明日の日本を背負(しょ)うことになる高校生、中学生にも観てほしい傑作。
    短いしギャグ満載だし、学生さんにも取っつきやすいと思います。

  • 満足度★★★★

    結構シリアスだった、72分
    畑澤さんの面白い脚本と、工藤千夏さんのシリアスな脚本の合作ながらも舞台美術の電飾やクリスマスツリーさらにクリスマスソングもたっぷりで、結構シリアスで楽しめた、75分でした。

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