満足度★★★★★
どのように生き、死んでいくのか
「生者のための葬儀」「楢山節考」、前者は主人公の若者の視点から描かれた作品で、肉親の死と向き合ったことによって彼の中に生まれたこれからの生き方がテーマ。後者は敢えて書かずとも、とても有名な姥捨(うばすて)の話で主人公は山へ捨てられる本人である老婆。しかし、この2つの作品に共通して流れるテーマは「どのように生き、死んでいくのか」だったと思う。そして2作品同時に見ることによって、このテーマがより鮮明になった気がした。
MOMENTSの舞台は古典でも現代劇でも、いつも「あなたならどう思いますか?」と問いかけられる。今回は、それをいつもより強く感じ、鑑賞後数日、心身ともにグッタリとした疲れが残った。
本当はもっと多くの方に見てほしい作品だが、今回の公演日数が少ないのがとても残念。
満足度★★★★★
無題1628(15-317)
17:30の回(曇)
17:00受付(中原さん)、開場。舞台には何もありません。座席に荷物を置いていると声がかかり振り向くと珍しく黒服姿の佐川さん、いつものようにキャンディーをいただきます。
17:34開演「生者のための葬儀」~18:22、18:35「遺すモノ」~19:36終演。
何もないところにに独特の世界が観えてくるこの劇団特有の空間造形。生れたときから「死」を避けることができない存在。
傘、枠(窓枠、襖、戸)が視覚的に映え、役者さんたちの声はまっすぐ身体に届き、最初は小さく響き、だんだん感情の波となって物語と同期するように思えます。
「からっぽの騎士(2011/11@d)」から7公演目。
満足度★★★★★
彼女は何と・・・(暗)
観劇後、人の死や葬送に思いが巡り止まず二つの世界を疲れるほど往き来した。シンボルアイテムに絞ったシンプルな演出は演者の抑制的で確かな振舞いに生かされて、テーマをダイレクトに問うてくるように感じられた。‘いつ’の‘どこ’であれ「隠す」行為は伴うものなのだろう、共同体の生(との一体化)を意識させる楢山へのおりんと辰平の隠行は、哀しくも美しく心奥を揺さぶられ特筆もの。スタッフの皆さんも丁重かつ爽やかな対応をされていてこれまた特筆もの、でした。
満足度★★★★
「楢山節考」のみだと星5つ~
「生者のための葬儀」は今ひとつに思えたさ
各作が1時間ほどで間に10分休憩入る素舞台の作品でした
小道具の使い方が印象に残る演出で心に残りました(^^)
満足度★★★★★
人間の営みという多面体
マカオで書かれた戯曲と日本で書かれた小説という二つのテキストが描くのは人間の営みという多面体。momentsという強烈な灯りにより、その複雑な陰影が、美しく浮かび上がっている。