オークルチャボット 公演情報 オークルチャボット」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    伝統劇団の力
    フットボールチームのサポーターの話でありながら、社会的テーマが重ねれていてよかった。
    メッセージ的な作品でありながら、多様な解釈ができる点もよかった。

    社会派の伝統劇団らしいテーマの作品で、黒テントの運動が続いているんだということに感じ入った。

    ネタバレBOX

    フットボールチームのサポーターの熱狂に、今の社会で情報に右往左往する人々の姿が重なって見える。管理と支配。そこへの批評もありつつも、一般大衆こそが世界を変えるんだという、最後の視点の示し方は、黒テントらしいと言うべきか。
    ひとつの物語、ひとつのメッセージ(それも希望を語るもの)に帰結していくことは、他の劇団の作品だと「よくない」と思うのだが、黒テントだと、これでいいんだろうなと思ってしまう。
    最初の方で集団の在り方や考え方の違いからの対立が描かれるが、それも黒テントだという前提で見ているから、除名や内ゲバの歴史なども想起してしまった。「直接行動か言語か」という部分では六全教のことまで頭をよぎったり。たぶん私の考え過ぎだけど。

    メッセージ性が強いながら、多義的解釈ができるのは流石だと思った。

    途中までしゃべらない人物<りお>がとても気になった。それがとても良いグルーヴを作っていた(個人的には最後までしゃべらなかった方がよかったんじゃないかと思うくらい)。それは、そういう役の面白さというのもあると思うけれど、滝本直子さんの演技が良いのもあったのかもしれない。
  • 満足度★★★★★

    黙っていてもいいのだが・・(私的感想)
    もう少し長く拍手して手が腫れても良かった。個人的には十数年前、二番目に知った劇団。懐かしさに震える。劇空間のアトモスフィアを観劇後も噛みしめて帰路についた同劇団「メザスヒカリノ・・」(初演と翌2000年の再演)は、演劇との幸福な出会いであった。この時いらい、先日のこまつ座での「再会」に続き、今回の黒テントでの音楽・荻野清子(終演まで知らなかった)は、黒テントにとっても「メザス・・」いらいでは・・。荻野楽曲はドラマとの絶妙な距離感で人物たちを愛おしみ、人生の時間への思いを切なくかき立てる。ドラマ上の結語の後の唄は、「メザス・・」のラストの唄に似ていた。ドラマを俯瞰し、既に現実に帰って行こうとする、<ぼくら>のことを歌う唄だ。贅沢にも数曲ある生演奏は全て登場する役者が自前でやっている。黒テントは何と言っても音楽である。(アトモスフィアを噛みしめた次点は「上海ブギウギ」。)
    ファンと言って憚らない滝本直子、服部吉次、やってくれる片岡氏、内田氏、貫禄の桐谷夏子、特徴ある声の山下順子、堅実な宮崎恵治と、黒テントでしか見られない個性の団員総出に胸が熱くなる。
    そして、特筆すべきはテキスト。舞台は日本らしいが、アメフトの応援団(サッカーで言う所のフーリガン)の生き様を、ヤクザ映画よろしく描き出す。山元清多の「海賊」を彷彿とさせる、「男気」の競い合いである所の啖呵の応酬、「如何に美しい喧嘩を戦うか」のモデルと見える。わがチーム・オークルチャボットはニワトリ、対するチームはヒラメを渾名とするが、このレッテルを駆使した罵り語の多彩さ。作家の坂口氏が多産の時期を舞台は見逃しているが二、三見た記憶を手繰っても、今回の練られ具合はどうだ。こんなに書ける作家だったのか・・。元々ノワールな世界を得意とするようだがその面目躍如。言葉に酔った。役者も酔えた事だろう。
    このお話が女性の支持を得るのかどうか・・と一抹の懸念もよぎったが、今の所材料がない。
    昨年の今は無きタイニィアリス公演での「復帰?」から一年。個人的心情でしかないがよくこれを作ってくれたと感涙。斎藤晴彦氏もきっと笑ってる。

  • 満足度★★★

    狂騒
    迫力はありました。

    ネタバレBOX

    敵対するサッカーチームのサポーターたちの話。そして裏ではサッカー賭博が蔓延し、下層民が熱狂している中でフィクサーがせせら笑っているという実情を描いた話。

    昔八百長をした新井というかつての名選手が地下ごみ集積所にいて、オペラ座の怪人かよと思いました。最後、選手がサポーターの鼓舞に押され、八百長通りでなくPKを蹴り込みましたが、どっちでもいいと思いました。

    ベテラン俳優ということにあぐらをかいているのか、年齢とともに芝居が上手くなるということもないのだなと痛感しました。

    若い人にも老害が移っているようでした。迫力はありましたが覇気はありませんでした。喧嘩シーンでも、本当に腹部を蹴ってはいけませんが、せめてあと5cmお腹に近い床を蹴ってほしかったです。

    演奏を取り入れる手法も、演奏芝居の舞台を観ているようで古臭く感じました。

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