天皇ごっこ~母と息子の囚人狂時代~ 公演情報 天皇ごっこ~母と息子の囚人狂時代~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    予想と違って。
    重い感じ・低いトーンで進んでいく作品なのかな、と予想していたものですから
    冒頭鳴り響く音楽から、あ、これは違うんだなと。

    照明の使い方など魅せ方の面白いところも多かったですが
    静かに描いた方が胸に迫るんじゃないかなー
    と思いながら観てしまったところもあったのが正直なところでした。

    見沢さんの作品に触れているかいないかでまた違ったのかな。

    ネタバレBOX

    客席に背を向けてのところなど、
    台詞がBGMの音量に負けてしまっていたところもあったし
    曲が合ってないかなあ、という箇所もあったかと。
  • 満足度★★★★★

    良い意味での的外れ
    社会運動家であり、殺人で投獄された見沢知廉の物語と聞いて、重苦しい芝居になるのかと思っていたのだが、スタイリッシュな演技、舞台の美術も洗練されていて見応え十分。芝居に引き込まれた。良い意味で事前の予想を裏切られた舞台だった。
    それにしても劇場に入っていきなり、舞台下手の壇上に役者がひとり蹲っている。舞台奥の三面鏡を模した姿見の前にも役者が蹲っている。芝居が始まるまでの30分間、じっとしている姿にはちょっとぎょっとした。

  • 読まなければよかったかも。。。
    観劇前に、今回初めて、見沢さんの著作を、
    3冊ほど読んでしまったのが、逆効果。。。

    ネタバレBOX

    暗転すると浮かび上がる原稿用紙(の枠線)とか、
    最後に散る赤い羽根が美しく・・・(てか直斗くん、細っ!綺麗だった~)

    お芝居は相変わらずの独特な世界感で、
    冷たく美しく観入ったけれど、
    著作を読んだことで、見沢さんに対する印象が、
    私の中では、悪くなってしまったので、、、
    読まなきゃよかったかなぁ~と、ちょっと後悔。
  • 満足度★★★★★

    無題1583(15-272)
    13:00の回(曇)

    12:15会場着、受付(整理番号あり)、1Fで待機。12:30開場。

    入って右に客席、床壁に白線(蓄光テープ?)で四角い枠が続いている...客席下にも...上手壁のものは丸く歪んでいるので閉じた次元のような印象。

    正面、段になっているところ、下手、数段高くなっているところに役者さんが背を向けて佇んでいる。舞台上には、細めの姿見。

    13:00開演~14:25終演。

    BGMに「Child in Time」やシンフォニックメタル系。マッチの炎、両の手にはハンディライト、姿見は場内の照明を跳ね返し、幾本もの光の軌跡が交差する幻想の世界。

    鏡の世界と向き合う役者、鉄条網に閉じ込められ、古びた文庫本は乱雑に、着物...アイテムと音楽、セリフが高速度で融合し融解する。

  • 満足度★★★★★

    芝居は心魂に響く...
    人の生き様はそれぞれ...その意味で芝居として観ると鬼気迫る内容であった。脚本は見沢知廉と母の物語だ。説明によれば「彼が遺した『母と息子の囚人狂時代』をテキストとし、母の生前に取材した様々な事実を積み重ね」たものだそうだ。そしてその演出、音楽・照明等の技術がすばらしい。

    ほぼ同世代で、彼・見沢知廉こと高橋哲夫の通った学校の卒業生に知り合いがいるはずであるが、この公演まで詳しく知らなかった。



    ネタバレBOX

    場内全体は黒を基調にしており、役者の服装も見沢本人(上半身裸)と母親・高橋京子(着物)以外は黒色である。また照明は薄暗く不安、閉塞を感じる。
    舞台セットは、床壁に白線(発光テープ)で四角い枠が刻まれる。正面、数段上と、下手の数段高くなっているところに役者が背を向けて佇む。
    舞台上には、多くの細姿見。下手奥は階下(劇場は2階であるため、実際は1階)から人が上ってくる。もっともこの場所は8階(投身自殺した住居階数)だろう。

    この舞台の特徴は、その深奥にある苦悩、自信、不安、憤怒など人間の感情の渦が強く描かれ、それが痛みとなって伝わってくるようだ。その演出と音楽・照明効果が見事にマッチしている。始まりと終わりの音楽のアンバランス、照明の強弱・方向とそれを助長するようなマッチの炎、両手にはハンディライト、姿見は場内の照明が交差・拡散する。その中で鏡の世界と向き合う役者。


    閉塞感(もしくは不自由)を象徴するような鉄条網、一方、上を見上げて動かない...空(自由か)というセリフが印象的である。
    心の乱れは、本や原稿用紙が乱雑に、ほんとうに散らばっている。
    重苦しい雰囲気だが、その重厚感のほうが圧倒していた。脚本・演出とも泣かせようと意図していないが、自然と落涙する...そんな母への想いが伝わった。

    次回公演も楽しみにしております。

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