満足度★★★★★
男たちが守ろうとしたもの
初めて観る劇団、脚本家、ほぼ初見の役者さんたち。先入観というか、イメージというか、普段どんな役柄を演じていらっしゃるか、知らないのが逆に良かったのかもしれません、出てくる役者さんたちがその役柄まんま、にしか見えなかったです。(蜂巣さんは怖いヤクザさんだったし大藏さんは貫禄と存在感があって色気たっぷりの、でもすごく弟想いなヤクザさん、竹内さんは一癖も二癖もありそうな会長さん、最初に舞台に出てこられた時から圧倒的な大人の男の色気を感じました)
役者さんたちが気になって調べて後から知ったのですが、蜂巣さんは普段は穏やか(?)な役が多いようだし大藏さんは能役者さん!
竹内さんは歌を歌っていらっしゃるのですね、素敵なお声でした!
土田さんの演じる廣木は最初、無気力で死んだ目をしたような表情……それが物語後半でどんどん目に熱が込もっていくようで、すごく惹き付けられました。
男性13人、それぞれの役者さんみんなとても魅力的で、この公演をきっかけに別の舞台をまた観劇してみたいと思いました。
物語は緊張感がありながら笑える一幕もあったりと、無駄のない流れだなと感じました。
『アンジール』とは……いちじくが聖書における終焉と再生の象徴であることと重ねるなら、この物語は廣木自身の警察官としてのプライドの再生ともとれるかな、と思います。
廣木の一番最後のセリフが、薄暗く腐敗したニシナミの街に、一筋の光を射したように見えました。
満足度★★★
期待しすぎたかな
バンタムクラスステージ細川氏の脚本演出。照明音楽場転どれもまごうことなき細川作品の感をもちながら、小さくまとまってしまった印象。
(もっと、観たあとに胸にぐるぐるとうずまく感情が残る作品にもできるところをあえてそうしなかった?などと考えてしまう。)
バンタムクラスステージの公演ではないのでプロデューサーの要望にこたえ抑えた部分もあるのだろう。東京での好評は素直に嬉しい。
満足度★★★★★
大阪時代の懐かしさと同時に、進化も。
バンタムクラスステージ細川博司さんによる作演出作品。大阪の架空の街で起きた不良少年の死の真相を巡り、警察とヤクザ、どちらも一癖ある連中がおりなすサスペンス。香港ノワール的で北野武監督の「アウトレイジ」シリーズのような出てくる奴、全員悪という世界感。
バンタム大阪拠点時代の泥臭さが帰ってきたのが嬉しい。ただ懐かしさだけではなく、セリフで言わなくてもそれぞれのキャラが持つ背景がにじみ出てくる所が以前より濃厚になっているし、ハードボイルドの世界感にクスッと笑える所を入れられるようになっている。大阪時代より進化している点があったのもより嬉しい。
90分という手頃な時間もちょうど良かった。これは観客が同じ姿勢を保つ体力的な意味とともに、前述のにじみ出るキャラ背景の濃さから2時間やると脳が疲れていたかもしれない。バランス的にもちょうど良かった。
役者さんは全員良かった。お世辞抜きで「全員良い」というのはありそうでない事。強いて言うとお話に笑いや可愛らしさを加えてくれた蜂巣和紀さんと中川むっくさんかな。
満足度★★★★
好みの作風!
横山秀夫作品を彷彿とさせるようなドシリアスな刑事物。
裏世界、血みどろの抗争、警察の暗部、なんてものが好きな人にはたまらない作品だと思います。
ストーリーとしての完成度も高く、最後まで息をつかせぬ展開で非常に面白かったです。
勧善懲悪(かな?)もので爽快感があってスカッとしました。
主役の土田さんの演技がすごいツボでした。
完璧な役作りだったのでは無いかと思います。(シリーズ化して欲しい!)
飄々とした無気力やれやれ系のようで、穏やかな口調から発せられる鋭いセリフ、辛辣なセリフの数々がとても爽快でした。
今回一番楽しみにしていた鈴木さんの演技は、私が期待していたものとはちょっと違うかなぁという感じでした。
いつもと違った役所なのは新鮮だったのですが、声質的に凄みや迫力が出づらいのだと思います。
声を荒げても違和感を覚える事が多かったです。
満足度★★★★★
生気のオンオフで魅せる
観終えて「ほんとうに公演時間90分だったの?」と思うくらい
濃い話でした。
とても、面白かったです。
スピンオフ作品などもいつか観てみたいです。
満足度★★★★★
それぞれの正義
13人の男性キャストだけの舞台。薄暗い照明の中で、舞台には何もなく、役者さんの演技だけで魅せる。ただただ、格好良い。音響、照明も実にフィットしており、舞台の醍醐味を味わえた作品でした。
ハードボイルドタッチではあるが、笑いの要素も散りばめられ、映画のような映像美も魅せられた。
脚本も素晴らしかったですが、実力派の役者さんが揃っており、またそれぞれが素晴らしく、極めて完成度が高かったです。
主人公含め登場人物誰もが清廉潔白という訳では無く、そこがまた人間らしくもありました。
同じ役者さんで是非続編も観てみたいと思う舞台でした。
満足度★★★★★
ネホリーハホリー☆
(^^)/3日(金)の夜、西荻窪で
[XZM(エグゼム)]の、
【映日果-アンジール】を観てきました☆
面白かったです。
13人の男だけで演じる、
ヒューマン・サスペンス・ハードボイルド♪
役者全員がカッコイイ!
ストーリーは見事、選曲もナイス!
終演後の中日打ち上げも最高でした♪
観劇にをブログに書きました。
満足度★★★★★
男性キャスト陣がかっこいい!とりわけ...
それぞれ悪役っぽいのですが、役作りが深く、女性客がきゅんきゅんしていそう!日頃はやさしい役に徹している(?!)鈴木さんがハードな役で驚きました(別人を感じました)。そうそう、椎名亜音さんが手伝いに来られていた気がします(余談ながら...)。
満足度★★★★★
すごい良かった(*゚▽゚*)
西浪のダーク感にクラッシックが響き映える(*´∀`)
謎解きのように物語が進み夢中で観てしまいました。男ばかりなのにそれぞれみんなカッコ良くて、関西弁がまたいいですね〜(*゚▽゚*)本物の関西弁を喋るキャストさんは生き生きしてました(笑)
アンジールを巡る人の生き様が面白かったですね!絶対、もう一回行きたくなる(*゚▽゚*)
満足度★★★★★
腐敗世界のダークヒーローの「プライド」こそが細川流「男の美学」?
(ネタバレなしで言える点はと…)
フライヤーと一緒に配られる無料パンフレットに
記載されているプロデューサーの
「かっこいいスーツの男たちを細川流脚本/演出で観たい!」、
観劇していて痛いほどその気持ち
(男たちの渋さ、ハードボイルドさ、それら醸しだされるかっこよさ)が分かりました。
(物語を褒める前に)
まず本作、(細川流演出の基本なのか分かりませんが)
照明の使い方が素晴らしい。
「派手さ」ではなく、ハードボイルドが映える
少しうす暗い舞台を基調として、
完全なる闇(暗転)と
「青(?)黒くスーツが影に映える程度の薄闇」とを使い分け、
物語自体、そして観ている観客達の心情に
見事な「抑揚」を与えているかと。
そして音響/BGMが素晴らしい。
「望郷」「哀愁」その他舞台上の各場面と
登場人物達の心象を見事に表した楽曲群(とその音の高低)、
そして時に役者の演技というお株を奪うほどに
「情景」を観客の心象に観せる音響効果。
そして(無料パンフレットに載っているのですが)
「スーツの男たち」が織りなすハードボイルドにして、
現実世界の真実にも見えてしまう、
ほどよく腐敗した世界(警察機構)。
登場する人物のほとんどは
「全くの善」でも「全くの悪」でもない、
よく言えば中庸、ほどよく悪にも浸った連中。
その中で唯一の「善」と呼べる刑事の行動から物語が始まり…
潔いほどの冷酷さと、
観客の想像力の入る余地(余韻)とを
同時に示して締める漢(おとこ)の世界のロマンチシズム。
ああ、何言ってるのか自分でも分かりませんが、
とにかく「細川流ハードボイルド脚本/演出」に触れると
自分も「かっこいい感想が言いたい、書きたい」と
思わされてしまう(感性を刺激されてしまう)、
そんな舞台でした。
1点、この物語の主要人物(中庸から凶悪まで)全てについて、
「共感できる一面」が存在する事にも驚かされますね( ´ー`)
この「薄汚れ具合」こそ”人間”なんでしょうか