君原毬子の消息 公演情報 君原毬子の消息」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★

    狙ってのことなんでしょうが・・・
    劇中劇と舞台上の現実との境界が曖昧な感じにされていて、
    わかり難さが感じられたなぁと思えたです。

    強気で強引な亡き女優さんとか、俳優一家の雰囲気&昭和の時代感などはリアルな飲食などでも雰囲気を上手に出せていたなぁと思えた約2時間弱。

    ネタバレBOX

    たわし入り素麺のシーンは結構笑えましたが、実際に舞台上に落ちた麺を「ジャリジャリする~」と言いながら食べた役者根性ある作品を思い出しました(^^;)

    それにつけてもだんだんと破綻してゆく劇中劇=八月の遺言状の脚本が壮絶な分。当時のTVは録画収録でなく生放送ぶっつけ本番という感じは表現できていたが、緊張感とか状況の説明は不足している感があり今ひとつ話に入り込めなかったデス。
  • 満足度★★★★★

    初「劇26.25団」
    (こりっち登録&初投稿です。)

    とっても観応え(見応え)のある近代サスペンスでした。
    特に"女優である母"は圧巻でした。

    今日8/3まで。
    まだの方は是非。
    私も東京在住ならもう一度観たい!!。

  • 満足度★★★★

    いい展開
    ストーリー展開が絶妙です。1時間50分が短く感じました。

    ネタバレBOX

    めまぐるしく撮影の部分と現実の部分の場面が変わるので、頭の中で整理し理解するのに苦労しました。よく考えられたストーリー、脚本、演出です。演技力もすばらしい。
  • 満足度★★★★

    演ずるということ
     虚々実々の世界。

    ネタバレBOX

     亡くなった歌う大女優、君原 夢子がフラッシュバックの手法で何度も登場し、物語に仕掛けられた謎が徐々に明らかになってゆく構造の作品なのだが、観客は、知りたい答えが、何度も核心に届かず、核心の周縁をぐるぐるまわらされるような想いから、益々、正解を求めて引き込まれてゆくのが、今作の展開の妙だ。答えは、最後の方に出てくるから心配することはない。シナリオレベルで欲を言えば、日本の社会構造の特色として、中心の空虚を批評的に捉え、この家族の在り様をこの構造との関係で日本社会構造の問題として構成し直すと益々シャープな作品になるように思う。とても面白いのは、演じている人間の主体に対して、夢子が発する、自分とは誰か? との執拗な問いである。
  • 満足度★★★★

    良いです
    見応えあり、良かったです。台本はよく考えられてますし、役者さん達は皆、上手いので、良いお芝居になります。今回もリサリーサさんの歌があり、最後まで飽きさせません。
    これまでの作品よりブラックさは減り、テンポも速いので比較的観やすい作品になったかと思います。後半は次第に虚実ない交ぜになり、ラストに向けて胸の内が吐露される様は圧巻です。

  • 満足度★★★★

    動機
    「歌う映画スター」君原夢子の突然の死の謎を追いつつ、描かれていく家族の裏側。
    天才女優は私生活も奔放で、夫も養子の子どもたちも、人生丸ごと振り回されてきた。
    いびつな家族の内面が次第に明らかになる過程が、サスペンスフルで意外性に富んでいる。
    夢子役のリサリーサさんがはまり役で、華やかさと同時に退廃的な雰囲気が素晴らしい。
    「この世には女と男と女優しかいない」という、その女優の毒がたっぷり味わえる。
    まさに「君原毬子の消息」がカギとなる、このタイトルも秀逸。

    ネタバレBOX

    舞台は横長で正面にベンチ椅子といくつかの椅子、下手に小道具が並んだ棚。
    棚の小道具は、テレビの生放送ドラマが出てきたころのスタジオシーンで使われる。
    上手には庭と池があるという想定。

    冒頭、自宅の池で“歌う映画女優”君原夢子が死に、大騒ぎとなるところから始まる。
    夫英夫(田辺日太)との間に子どもは無く、夫婦は5人の子どもを養子に迎えていた。
    しかし現場に残されていた「M.K」のイニシャルが入ったネックレスに疑問を抱いた刑事は
    夢子が夫の出征中に妊娠、出産した毬子という娘の存在を英夫に告白させる。
    17年前親類に預けたままの毬子が母親を殺しに来たのか…、という衝撃の中
    養子たちの事情が次々と明らかになり、使用人セツ(林佳代)も秘密を抱えていた…。

    よくある、刑事が聞き取りによって次第に犯人を割り出すというパターンではなく
    一家の日常と過去の再現シーンとで次第に観客に解き明かしていく展開が面白い。
    また英夫と長男正巳(長尾長幸)が出演する、テレビドラマの撮影現場を挿入すること、
    そのドラマが、君原夢子の残された家族の物語であること、などから
    一家を見る世間の好奇の目や、演じる英夫の役者としての葛藤などが伝わってくる。

    この“現在と過去”、“現実とドラマ”が交互に描かれる構成が上手い。
    「自分の子どもには何をしてもいい」と言い放つ夢子の身勝手さと
    どうしようもない孤独が浮かび上がる。

    夢子を演じたリサリーサさんの歌唱力と貫禄ある大女優ぶりに魅せられた。
    夫役の田辺日太さん、長男役の長尾長幸さんの繊細でリアルな演技が印象的。
    対称的に養子虹子を演じた梢栄さん、珠子役の犬井のぞみさんの濃い目の演技が
    全体にメリハリをつけてこれもまた強い印象を残した。
    ラスト、ここから本当に残された家族が共に歩み始めるような温かさがあって
    救われた気持ちになった。
  • 満足度★★★★

    極上なサスペンスドラマ
    戦時中から昭和40(1965)年頃と思われる時期の芸能一家で起こる極上のミステリー・サスペンス劇。その住まいを中心に過去と現在が交錯し、其々の思惑が渦巻く自我の世界。登場人物は多い(当日パンフに家系、相関図あり)が、そのキャラクターと立ち位置が分かる様な説明プロローグとストーリー展開があり、観せる芝居であった。その雰囲気は耽美・妖艶といった感じであった。とはいえ、シリアス、ポップという違いの見せ方も...起用で丁寧な制作という印象を受けた。


    ネタバレBOX

    舞台の作りは能舞台のような正面席、中正面席、脇正面席のような感じで脇正面に相当する席(ひな壇)が自由席である。要は下手側で舞台横から観るイメージであるが、それでも十分堪能できる。そして、正面通路、舞台と自由席最前列との間の空間を通路とし、会場出入り口方向へ延びている。それ以外に通常の上手・下手(実際は捌けない)にも口があり、変幻自在な入退場をすることで、臨場感と心地良いテンポを生み出している。

    自宅・日本家屋で絞殺された稀代の女優・君原夢子(リサリーサさん)、そして5人の子供がいるが、すべて養子縁組である。そして第一発見者の使用人セツ(林佳代さん)など、登場人物は一癖二癖あるような人たちばかり。その人々が紡ぎ織り成す物語は、同一人物が子供時代から大人に成長した現在との対比、そこには同じ時間・境遇を共有した子供(其々の血の繋がりはない)と義理の両親、君原英夫・夢子との関係性が丁寧に描かれる。端役俳優と有名女優の相克した夫婦関係、テレビ界の隆盛と映画界の斜陽の中で、”映画女優”という矜持、そのプライドを踏みにじるような状況にイラつく姿に迫力があった。そして、一人の人間・女としての心情がしっかり伝わる哀しい思い。

    さて、タイトル「君原毬子」は、愛子の実の娘(父は英夫ではない。結婚前に夢子は妊娠していた)という設定である。現在、その消息が分からないという。その娘が実母を殺害した容疑者に...。殺害現場にそのイニシャルが刻まれたペンダントが落ちていたから。果たして犯人とその殺害動機は? そして実娘の消息は? 劇場へ足を運んで確かめて。

    次回公演を楽しみにしております。

このページのQRコードです。

拡大