三風谷村水没前夜 公演情報 三風谷村水没前夜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★

    次も観てみたいかな。
    全体的に、普通に楽しみました。
    展開が色々唐突に思えましたが。ストーリー先行なイメージ。
    水没に向けたそれぞれのスタンスを、立場や説明セリフ以外でももっと感じたかったな。
    だからヒロイン二人の心の揺れがわからなくて。
    あと過去の挿入があまりうまくない。現代とのつながりがいまいち弱いのですよね。
    ラストはとても好きでした。
    ヒロイン達のキャラクターの愛らしさと相まって、その爽快なアウトプットの仕方に微笑んでしまいました。

  • 満足度★★★★

    震えた殺陣シーン
    今回の芝居ほど、興味を持ったことはなかった。
    何故ってアイヌの歴史についてはちょっとばかり、先に調べてあったからだった。。

    設定は北海道平取町三風谷村。ってことだけれど、実際は二風谷ダム(にぶたにダム)がある二風谷村。


    ダムの建設に際し水没予定地に住むアイヌ民族との軋轢がダム建設差し止め訴訟にまで発展し、アイヌ民族の先住性を問う契機となったダム事業として知られている。ダム湖は二風谷湖(にぶたにこ)と呼ばれる。


    アイヌ民族は居住地を巡り、強制移住を含め、移住し続けたと云える。

    実際アイヌの血を受継いでいる人たちは、不幸な歴史を背負って全国に散在しているらしい。。


    劇中、田村が苛めにあったセリフも聞かれたが、実際は非常に深刻な問題なのだ。




    で、芝居。  以下はネタバレに。。



    ネタバレBOX

    小屋は超満員。
    立ち見までおりました。
    ぱこやま、これは嬉しいでしょう~(^0^)



    アイヌの聖地たるこの場所は明日、ダムの底に沈むってえ時に、早坂マコと野本ユキエは淡々と引っ越しの準備を進めながら、ノー天気な会話に花が咲く。

    一方でダム建設に反対の過激派はますます勢いを増していく。

    両方のいきさつを絡めながら一つの部屋での芝居。


    確かに水没前夜のみに徹した芝居でした。
    もっと重厚な内容かと思いきや、テンポからいって、軽い。
    マコとユキエ、ヒロミらがどーでもいいような会話劇が延々と続く。
    ここで、ちょっと飽きる。
    まるで電車に乗ってる時に見かける光景。。


    その軽さは好みか好まざるかに分かれるけれど、ワタクシは好みではない。

    まあ、日本人からみた水没とアイヌからみた水没の意識の問題だと思う。

    脚本家にしてみたら、日本人の住む部屋での水没前夜なのだから、正当っていえば正当なんだよね。。


    田村が中盤以降、軽いどーでもいいような会話劇から一転、曽我さんの死に対し、「天罰だ」とあざ笑った和人達を殺陣するシーン。。


    仰け反るほど素晴らしい。。
    ナニ、アレ・・。

    あんな大迫力、観たことないです!(・・;)

    斬って飛んで着地して回転して・・。

    素晴らしい。。

    丹羽隆博、素晴らしい役者です。鳥肌もの。。
    つーか、素晴らしい身体能力!(@@!)サル。。

    ニンゲンじゃねー。。


    形相もゆるゆるしてた顔と一変、鬼になってます!


    素晴らしいものを観ました。
    あんなに演技派でしたか?丹羽。神が降臨したか?!
    いいものを見ました。暫く頭から離れないはず。。
    着地点の形相。





    最後のシーン・・・マコとユキエが空気ボートを担いでまたまたノー天気にダムに入水する現場に浮べに行く。。


    あれで良かったんでしょか・・・?


    ちょっと違う。ような気がする。。


    ・・・するけど、もう一回観てみたい。
  • 満足度★★★★

    笑いと殺陣を武器にして
    観客から何回も笑いがおきていた。

    人の感情を動かすことは大変なことだと思う。

    何回も感情を動かしにかかってきていたので
    ちゃんと観客を意識してくれているようだった。

    当たり前のようで、全くできない団体もいるのだから

    題材に関しては
    個人的な好みだが
    あまり魅かれるものがなかったので残念だった

    別の題材でみるとまた違ったものが見れそう。

  • 満足度★★★★★

    すごかった。
    笑いあり迫力あり、そしてなによりがっつりと残る舞台でした。観劇後物語を離れ、こういう善と悪でははかれないものについてまで思い馳せました。

  • 満足度★★★★★

    色んな意味で・・・
    予想を遥かに上回る素晴らしい作品・・。

    公演中なので、詳細はネタバレBOXに・・・。

    ネタバレBOX

    観る前は、滅び行く故郷への哀悼歌のような、そんな重い雰囲気かと思ってたのだけど・・。


    軽妙な女の子二人の会話がとってもいい感じ。
    時々大きな空振りもあるが、ネタのセンス、テンポがとても良く、二人の表情も何とも言えずユーモラス。
    これが、本来重いはずのテーマを、随分和らげているのだろう。

    冒頭、和人に侵食されていく哀しいアイヌの歴史に触れ、それが最後に生きてくる。
    色んな伏線がすっきりと収束していくところなど、脚本もとてもよく練れている。

    殺陣のシーン、もう凄い、という表現を通り越して、ゾクっと鳥肌が立った。
    あの狭い空間でよくぞあの高い練度まで、という点にも頭が下がる。
    余程練習したんだろうな・・・、素晴らしいド迫力。

    色んな意味で・・・、事前の予想を遥かに上回る素晴らしい作品・・。
    作者は決してアイヌ、またここで採り上げるている平取町出身という訳ではないだろう。
    こういう世界を創造し、また舞台上で表現できる才能に、敬意を表したい。

    観劇後、今までそんな考えた事もないのに、追いやられるアイヌ民族、生まれ故郷が地上から消滅していく出身者の心情に想いを馳せた。




  • 安定感。
    前回公演で何か突き抜けた感じがして、今回はそのまま下降せずに完成度を維持出来たかと。一歩上のステージで上手く足場を固められている印象。これまでは冒頭から中盤まで芝居のテンションがなかなか乗り切らなかったりしたのですが、今回はそれもクリア。大きな一撃よりも手数で勝っている感じ。笑いの意味での小ネタが多いのもありますが、そもそも口語演劇としての部分でも。さて、そうなって来ると次回以降にあえて一撃を狙うのもアリかと思えてきます。
    もの凄い数の公演が被っている今のこの時期。月曜休演の公演もある中で普通に明日もマチネ・ソワレ共にやってます。池袋小劇場なので駅から徒歩5分。近くを通るならふらっと行ってもいいんじゃないでしょうか。

    ネタバレBOX

    抗議に犬を連れて行くなら種類はコーギーか?と思ったのですが、プードルでした。ヤバイ。オレ、オヤジ化している。
    縁があって数ヶ月前に上演台本を読ませて頂いたのですが、その時はもっと平坦な芝居になる気がしていました。演出でのバランス取りが上手かったのかと。あと、ちょこちょこ改訂されています。それこそラストが変わってます。でも良いほうにかな。
    あえて前回公演と比べて残念な部分を挙げると、客演陣との演技的な質の違い。上手い下手ではなくて。発信型と受信型に分けると客演陣がどうも発信型に寄っていた気がします。もしかしたら登場人物それぞれに合わせた親密差を見せようとした結果か。だとすればもうちょっと全体的に近付けてもいい様な。ヤスヒロは適切。というか役者がそもそも受信もこなせてた。チハルはギリセーフ。役作りの為に役者が薄い膜を張っている感じもしましたが。松タカコはアウト気味だけどあの立場だからそれはそれで成り立つ。ある意味で役者次第。感情的に盛り上がる所で今日くらいやってればそれが勢いで説得力を生んでくれる。ただし、余裕を見せたら空回る。そしてケンジがまだ遠目なのかな。主要ではあるけど登場時間が短い分、いきなり話に絡んできた感も強い。立ち居ち的に当初は敵側みたいに見せる必要はあるものの、それにしてももうちょっと人の話を聞いて受け入れる余裕があればいいかと。ここでの余裕は松タカコのそれとは別で、心を開いて無防備になるという事。初めから心を閉じて相手を拒絶するのではなく、心を開いて一度受け入れた上で自分で選択した末に拒絶するという過程を踏んだほうがいいのでは。完全に納得のいく例えではないけど、目上の人間が目下と距離を置く時のあの感覚。今からやるのは難しいだろうとも思うのですが。役者の演技スタイルを根底からいじる事にもなり兼ねないし。

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